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本編 浮島編
いつものアレです
しおりを挟む「ああっ……幸せ。こんなに美味しいお肉があったなんて!」
「またこの肉が味わえるのか!」
「かかっているタレというのか?それが抜群にうまい」
「それになんだこの旨い酒は!」
「幸せだなぁ」
ブルネイ王国とレミアール王国の人達が、入り乱れ仲良く酒を酌み交わし肉や野菜を食べている。
今日は焼き台で、ワイバーンとロックバードそれに異空間特製の野菜達を焼いている。
人気野菜はコーンがダントツだ。ベヒィ特製バターを塗って焼き、仕上げにショーユをかけ、バターショーユ焼きで食べる。
どうやらこの味わいが子供達にうけ、コーン担当のべヒィが忙しそうに焼いている。
初めはあの見た目で怖がられるも、べヒィ独特の喋りに溢れ出る優しさから、子供達から大人気に。
さらには子供達自ら、べヒィのお手伝いをしたいと集まっている。さすがべヒィだな。イカつい魔獣なのにな。
『ふふふ……美味しいの! ティアもコーンオカワリなの』
人化したティアが、べヒィのお手伝いをしながらコーンを頬張っている。
「あーあ……口の周りがショーユまみれじゃないか。手伝うの!って張り切ってた割には、子供達とコーンの取り合いしてるし……くくっ。ティアらしくていいか」
相変わらずだなと、ティアを見ていると
『主~我はロックバードのタレ焼きオカワリなのだ』
『ぬっ!? なら俺はロックバードのタレ焼き十本だ!』
『それなら我は十五本にするのだ』
銀太とスバルがロックバードを焼いてくれと、これまた二匹ともタレまみれでやってきた。
「お前らっ口の周りがタレでベトベトじゃないか! 後で綺麗に洗ってやるからな」
銀太とスバルは、串に刺したロックバードを、甘辛いタレで焼いたタレ焼きが最近のお気に入りらしく、競い合って食べている。
「分かったから、ちょっと待ってくれよ?」
銀太達の串焼きを焼いていると、大きな尻尾をふりふりキューが忙しそうにやって来た。
『ティーゴしゃま、お酒なくなったので取りに行ってきまキュ』
「キューありがとうな。無理しなくて良いからな?」
『キュッふ』
キューの頭を撫でてやる。
『さてさて我らの出番ジャイ』
『そろそろ行くコブか?』
ジャイジャイ♪ジャイコブ♪ジャイジャイ♪ジャイコブ♪
ジャイコブ達の祭りダンスが始まると、盛り上がりは最高潮になってきた。
いつの間にかキノ小人達まで集まり、太鼓でジャイコブ達の踊りを盛り上げる。
「あはは、みんな楽しそうだなぁ」
慌ただしくも楽しい時間を過ごしていると、パールが転移して戻って来た。
「ふう……ブルネイ王国の王都に行ってきたんじゃが、人が住めるような場所がほとんど無かった……復興に時間がかかるのう」
「そんなに酷かったのか!?」
「ああ……とりあえず連れて行った奴らに、王都の再建をするように材料を渡し仕事を与えて来た。じゃがワシのアイテムボックスの材料だけでは足りんから、後でティーゴのを分けてくれ」
「もちろんだ。住める状況じゃ無いのに連れて行った奴らの寝床はあるのか?」
「簡易だがの? 住める小屋は作ってやった。後は自分たちでどーにかするじゃろうて、王都の近くの森には果物や低レベル魔獣などもおるようじゃから、食うには困らんじゃろうて……」
「そっかなら問題ないな」
俺たちの話をいつから聞いていたのか、ブルネイ王国の国王とレミアール王国の国王が後ろに立ち何か言いたそうにしている。
「どうしたんだ? 肉のオカワリか?」
「いえっ……違うのです。先程の話を聞いて、復興の手伝いをしたいと思いまして、自分たちの国です。罰を与えられた者たちだけじゃなく、私もしたいんです」
ブルネイ王国の国王が熱い思いの丈を語ってくれる。
「それを私達レミアール王国の者も一緒にお手伝いしたいのです」
レミアール王国の国王も同じような目をしている。
「そうか……それは良い事だよな」
「ふむ……皆で手を取りあって国の再建をするのかそれは良いのう……ふふ」
パールも自慢の顎髭を触りながら優しく笑う。
「よしっでは明日行ける者を連れて皆でブルネイ王国に行くのじゃ」
「だな」
「ティーゴよ、肉祭りが終わったら鳥人王国に一度帰るのじゃ、二号に修繕を頼んでたであろう? もう完璧に仕上がってそうじゃし、この報告もしてやらんとのう」
「そうだな」
レミアール王国とブルネイ王国のを聞いたら鳥人族達はビックリするかもな。
「さぁパール! 俺たちも食べようぜ」
「もちろんじゃ! ワシはコーンが食べたいのう。さっきから良い匂いが漂って堪らんのじゃ」
「あははっ確かになっ?」
さてと……腹いっぱい食べた後は、鳥人王国にいくぞ。
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