お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

文字の大きさ
294 / 314
本編 浮島編

いつものアレです

しおりを挟む

「ああっ……幸せ。こんなに美味しいお肉があったなんて!」
「またこの肉が味わえるのか!」
「かかっているタレというのか?それが抜群にうまい」
「それになんだこの旨い酒は!」
「幸せだなぁ」

 ブルネイ王国とレミアール王国の人達が、入り乱れ仲良く酒を酌み交わし肉や野菜を食べている。

 今日は焼き台で、ワイバーンとロックバードそれに異空間特製の野菜達を焼いている。
 人気野菜はコーンがダントツだ。ベヒィ特製バターを塗って焼き、仕上げにショーユをかけ、バターショーユ焼きで食べる。
 どうやらこの味わいが子供達にうけ、コーン担当のべヒィが忙しそうに焼いている。
 初めはあの見た目で怖がられるも、べヒィ独特の喋りに溢れ出る優しさから、子供達から大人気に。
 さらには子供達自ら、べヒィのお手伝いをしたいと集まっている。さすがべヒィだな。イカつい魔獣なのにな。

『ふふふ……美味しいの! ティアもコーンオカワリなの』

 人化したティアが、べヒィのお手伝いをしながらコーンを頬張っている。

「あーあ……口の周りがショーユまみれじゃないか。手伝うの!って張り切ってた割には、子供達とコーンの取り合いしてるし……くくっ。ティアらしくていいか」

 相変わらずだなと、ティアを見ていると

『主~我はロックバードのタレ焼きオカワリなのだ』
『ぬっ!? なら俺はロックバードのタレ焼き十本だ!』
『それなら我は十五本にするのだ』

 銀太とスバルがロックバードを焼いてくれと、これまた二匹ともタレまみれでやってきた。

「お前らっ口の周りがタレでベトベトじゃないか! 後で綺麗に洗ってやるからな」

 銀太とスバルは、串に刺したロックバードを、甘辛いタレで焼いたタレ焼きが最近のお気に入りらしく、競い合って食べている。

「分かったから、ちょっと待ってくれよ?」

 銀太達の串焼きを焼いていると、大きな尻尾をふりふりキューが忙しそうにやって来た。

『ティーゴしゃま、お酒なくなったので取りに行ってきまキュ』
「キューありがとうな。無理しなくて良いからな?」
『キュッふ』

 キューの頭を撫でてやる。

『さてさて我らの出番ジャイ』
『そろそろ行くコブか?』

ジャイジャイ♪ジャイコブ♪ジャイジャイ♪ジャイコブ♪

 ジャイコブ達の祭りダンスが始まると、盛り上がりは最高潮になってきた。
 いつの間にかキノ小人達まで集まり、太鼓でジャイコブ達の踊りを盛り上げる。

「あはは、みんな楽しそうだなぁ」

 慌ただしくも楽しい時間を過ごしていると、パールが転移して戻って来た。

「ふう……ブルネイ王国の王都に行ってきたんじゃが、人が住めるような場所がほとんど無かった……復興に時間がかかるのう」

「そんなに酷かったのか!?」

「ああ……とりあえず連れて行った奴らに、王都の再建をするように材料を渡し仕事を与えて来た。じゃがワシのアイテムボックスの材料だけでは足りんから、後でティーゴのを分けてくれ」

「もちろんだ。住める状況じゃ無いのに連れて行った奴らの寝床はあるのか?」

「簡易だがの? 住める小屋は作ってやった。後は自分たちでどーにかするじゃろうて、王都の近くの森には果物や低レベル魔獣などもおるようじゃから、食うには困らんじゃろうて……」

「そっかなら問題ないな」

 俺たちの話をいつから聞いていたのか、ブルネイ王国の国王とレミアール王国の国王が後ろに立ち何か言いたそうにしている。

「どうしたんだ? 肉のオカワリか?」

「いえっ……違うのです。先程の話を聞いて、復興の手伝いをしたいと思いまして、自分たちの国です。罰を与えられた者たちだけじゃなく、私もしたいんです」

 ブルネイ王国の国王が熱い思いの丈を語ってくれる。

「それを私達レミアール王国の者も一緒にお手伝いしたいのです」

 レミアール王国の国王も同じような目をしている。

「そうか……それは良い事だよな」

「ふむ……皆で手を取りあって国の再建をするのかそれは良いのう……ふふ」

 パールも自慢の顎髭を触りながら優しく笑う。

「よしっでは明日行ける者を連れて皆でブルネイ王国に行くのじゃ」

「だな」

「ティーゴよ、肉祭りが終わったら鳥人王国に一度帰るのじゃ、二号に修繕を頼んでたであろう? もう完璧に仕上がってそうじゃし、この報告もしてやらんとのう」

「そうだな」

 レミアール王国とブルネイ王国のを聞いたら鳥人族達はビックリするかもな。

「さぁパール! 俺たちも食べようぜ」
「もちろんじゃ! ワシはコーンが食べたいのう。さっきから良い匂いが漂って堪らんのじゃ」

「あははっ確かになっ?」

 さてと……腹いっぱい食べた後は、鳥人王国にいくぞ。
しおりを挟む
感想 1,519

あなたにおすすめの小説

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?

水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」 「はぁ?」 静かな食堂の間。 主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。 同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。 いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。 「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」 「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」 父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。 「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」 アリスは家から一度出る決心をする。 それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。 アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。 彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。 「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」 アリスはため息をつく。 「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」 後悔したところでもう遅い。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。