お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 浮島編

トカとティーゴの楽園

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 ダンジョンをクリアして、みんながいる広場に戻ってくると、好き勝手して遊んでいた。
 ジャイコブウルフのハクとロウは仲間を引き連れステージでダンスを披露している。
 それを獣人や新しく仲間になった鳥人たちがわきあいあいと楽しそうに酒を酌み交わし見ていた。

「ははっ異空間っもとい天使の楽園も賑やかになったなぁ」

 危ない危ない。異空間って言うとうるさいからな。
 この異空間を手に入れたときは、まさかこんなふうになるなんて思っても見なかったな。
 
 これも俺に集まってくれる仲間たちが、良い奴らばかりだからだな。

『この場所は一体……!? 素晴らしい。色んな種族がこんなにも集まって……」

 パールの肩に乗った小さな姿のままのトカが、キョロキョロと不思議そうに楽園を見回している。
「ははっ本当にな? 最高の場所だよな。俺もそう思う」

 楽園に帰ってきた俺たちに気付いた数名の仲間たちが、集まってきた。

『主様? こいつは何ジャイ?』
『新しい仲間コブ?』
『小さなお友達でキュ?』

 ハクとロウそれにキューがパールの肩に乗っている。トカを不思議そうに見ている。

「ただいまみんな。コイツはリヴァイアサンのトカだ。新しい仲間になったからよろしくな』

『よろしくです。私はトカです』

 トカが少し恐る恐る挨拶をして、お辞儀した。

「何じゃそのかたっ苦しい挨拶は、ここにおる奴らは皆良い奴ばかりじゃ! そんなビクビクせんでも大丈夫じゃ」

 パールが肩に乗ったトカをジャイコブたちの前に下ろした。

『リヴァイアサンってカッコイイジャイ!』
『本当コブ!』
『これはキュー特製のマスカットでキュ。はいどーぞ』

 トカはポカンっと口を開けていたが、ポロポロと涙を流し出した。

「トカ? どうしたんだよ?」

『私……嬉しくって。こっこんなに仲良くしていただけるの初めてで……幸せです』

 トカは地上に下りてきてからずっと一人で生きてきたらしい。それがパールと久々に再会してから、みんなが余りにも優しくて、嬉しくて涙が止まらないらしい。

 そうか…… 嬉しいのなら良かった。
 まだお前に合わせたい人いるからな?

 トカがジャイコブたちと話しているうちに俺はパールにコッソリ耳打ちした。

「なぁパール? 祭壇に貢物したらジェラルド様呼べるだろ? トカは勘違いしてるみたいだし、合わせてやりてーんだけど? どう思う?」
「ほう? それは良い考えじゃ! 元はと言えばじゃ、駄女神のミスじゃから、ちゃんとトカに謝ってもらわんとのう?」

 パールはジェラルド様に謝らせるつもりらしい。女神様に謝らせようとか、さすがパールだな。

「じゃあ早速祭壇にレインボーマスカッシュを奉納するか」

 俺はキューからレインボーマスカッシュをもらい祭壇に並べた。ついでに俺特製のパイも奉納する。

「わっ相変わらず一瞬で消えるな」

———どうもぉ。うふふ。ティーゴ君。お酒ありがとうねぇ。

 ……うん。
 いつも通りというか、定番と言うか、真っ先に慈愛の女神ヘスティア様が登場した。

 よしっお酒をプレゼントしてジェラルド様を呼んでもらおう。


★★★


3巻発売記念のSSを書こうと思っているんですが、どんなのを書いて欲しいか希望を近況報告にて募集しています。
こんなの書いて欲しいよってご希望があれば近況報告にお願いします。




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