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おまけのSS
3巻発売記念SS「ティーゴが居ない時に仲間達は何をしているの?」銀太&スバル
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「じゃあちょっと行ってくるからな? 夕方には戻ってくるから」
ティーゴはそう言うと、異空間の扉を開け外に出ていった。
どうやら妹のリムと買い物に行く約束をしているらしく、朝から実家へと出向いていった。
いつもなら、銀太とスバルはついて行くはずなのに、今日は天使の楽園に残っている。
二匹は森にあるキノ小人の村に遊びに行く約束をしているらしい。
『ふふふ……美味しいキノコになっておるかのう?』
『あったり前じゃねーか。俺たちが考えたんだぜ? 不味いはずねーよ』
『そうだの! 我のキノコは最高』
『何を? 俺のが一番だぜ!』
どうやら二匹はキノ小人たちと、新作のキノコを開発していたらしい。
というか二匹の口振りでは、無理やり開発させていたような気もする。
「お待ちしておりましたよ! 銀太様。スバル様」
キノ小人の集落につくと、長老のマッタケが既に入り口で待機していたようで、二匹を迎え入れる。
『それでどうなんだよ? よく出来てんのか?』
スバルが銀太の頭の上からひょこっと顔を出し、待ちきれないと言った様子で長老を見る。
「もちろんでございますよ! 昨日いい具合にキノコが完成しているのを確認しております! 後は味見だけですね。私も今から楽しみなんですよ」
キノ小人の長老は嬉しそうに頭をプルプルと振るわせる。
辺りに金色の胞子が飛んで行く。
『ふふふ。我の旨いばかりを詰め込んだのだ。楽しみなのだ』
銀太の尻尾ぶんぶんが、いつもの二倍ご機嫌に揺れる。
「さぁ行きましょう!」
マッタケ長老は、二匹をキノ小人の特別な洞窟に案内する。
この洞窟で、不思議な味のするキノコは作られているのだ。
洞窟の中に入ると……いろいろな色のキノコが生えていた。
見た目はキノコだが、食べると肉だったり、甘味だったりと味が違うのが、このキノ小人が作るキノコの特徴なのである。
そして今回二匹は、ティーゴに新作のキノコをプレゼントするべく、マッタケ長老と試行錯誤し作っていた。
そのキノコが今日初めて二匹の前に、満を持して登場するのだ。
銀太とスバルの興奮も最高潮。
「さぁ! こちらがその新作のキノコになります!」
『『……………えっ?』』
銀太とスバルはキノコを見て固まる。
「どうしましたか? 美味しそうでしょう?」
固まる銀太達の横でよだれを垂らしてキノコを見る長老。
『これが……旨そう?』
スバルが不安げに銀太を見る。
『うむ……』
なぜ二匹がこんなに不安そうなのか、それはキノコの色が真っ黒で紫色の水玉模様。
さらには謎の紫色のオーラがキノコから出ている。
はっきり言って美味しそうに見えない。
「さぁ食べましょう!」
マッタケ長老がキノコを取り二匹に渡す。
『食べるか……よし!』
スバルが一口で食べる。
それを見た銀太も後を追って食べる。
『『………!!!!!』』
『あぁっ何だこれは!? ぺっっぺっ! 甘味と肉の味が交互に!? こんな不味いハーモニーは知らねえぞ!』
『あぐっ……我はちょっとこれは…… 』
銀太とスバルは食べていたキノコを吐き出す。
「どうしたんですか? そんなに変な味が? おべぇ!?」
二人の様子を不思議そうに見ていた長老が、キノコを口に入れるも、あまりの酷い味に思わず吐き出す。
『長老よ? なんで甘味と肉が一緒になっておるのだ!』
『そうだぜ! 俺はティーゴが作った肉の味がするキノコを作ってたんだぞ!』
『そうなのだ! 我は主が作ったパイの味を再現しようと……!?』
『『なのになんで味が混ざってるんだー』のだ』
スバルと銀太はマッタケ長老に話が違うだろ! っと迫る。
「……はて? いつのまにか一緒になっちゃいましたね。てへっ」
マッタケ長老は口笛を吹きながらそーっと洞窟を出て行こうとする。
『こらっ待ちやがれ! 俺の喜んだ時間を返せー!』
『そうなのだ! 主にサプライズで渡して喜んでもらう予定だったのに!』
「また作りましょうー!」
マッタケ長老はピューッと風の如く洞窟を出て行くのだった。
★★★
明日は本編の更新をします。
SS はカンガーリスとジャイコブ編です。
皆様のお手元に3巻が届いてますでしょうか?
かなり楽しい仕上がりになっています。
お人好し底辺テイマーの転機ともなった3巻。
皆様の感想お待ちしております
本日田舎住みの作者の所にも本が届きました。
嬉しくってソワソワしています。
ティーゴはそう言うと、異空間の扉を開け外に出ていった。
どうやら妹のリムと買い物に行く約束をしているらしく、朝から実家へと出向いていった。
いつもなら、銀太とスバルはついて行くはずなのに、今日は天使の楽園に残っている。
二匹は森にあるキノ小人の村に遊びに行く約束をしているらしい。
『ふふふ……美味しいキノコになっておるかのう?』
『あったり前じゃねーか。俺たちが考えたんだぜ? 不味いはずねーよ』
『そうだの! 我のキノコは最高』
『何を? 俺のが一番だぜ!』
どうやら二匹はキノ小人たちと、新作のキノコを開発していたらしい。
というか二匹の口振りでは、無理やり開発させていたような気もする。
「お待ちしておりましたよ! 銀太様。スバル様」
キノ小人の集落につくと、長老のマッタケが既に入り口で待機していたようで、二匹を迎え入れる。
『それでどうなんだよ? よく出来てんのか?』
スバルが銀太の頭の上からひょこっと顔を出し、待ちきれないと言った様子で長老を見る。
「もちろんでございますよ! 昨日いい具合にキノコが完成しているのを確認しております! 後は味見だけですね。私も今から楽しみなんですよ」
キノ小人の長老は嬉しそうに頭をプルプルと振るわせる。
辺りに金色の胞子が飛んで行く。
『ふふふ。我の旨いばかりを詰め込んだのだ。楽しみなのだ』
銀太の尻尾ぶんぶんが、いつもの二倍ご機嫌に揺れる。
「さぁ行きましょう!」
マッタケ長老は、二匹をキノ小人の特別な洞窟に案内する。
この洞窟で、不思議な味のするキノコは作られているのだ。
洞窟の中に入ると……いろいろな色のキノコが生えていた。
見た目はキノコだが、食べると肉だったり、甘味だったりと味が違うのが、このキノ小人が作るキノコの特徴なのである。
そして今回二匹は、ティーゴに新作のキノコをプレゼントするべく、マッタケ長老と試行錯誤し作っていた。
そのキノコが今日初めて二匹の前に、満を持して登場するのだ。
銀太とスバルの興奮も最高潮。
「さぁ! こちらがその新作のキノコになります!」
『『……………えっ?』』
銀太とスバルはキノコを見て固まる。
「どうしましたか? 美味しそうでしょう?」
固まる銀太達の横でよだれを垂らしてキノコを見る長老。
『これが……旨そう?』
スバルが不安げに銀太を見る。
『うむ……』
なぜ二匹がこんなに不安そうなのか、それはキノコの色が真っ黒で紫色の水玉模様。
さらには謎の紫色のオーラがキノコから出ている。
はっきり言って美味しそうに見えない。
「さぁ食べましょう!」
マッタケ長老がキノコを取り二匹に渡す。
『食べるか……よし!』
スバルが一口で食べる。
それを見た銀太も後を追って食べる。
『『………!!!!!』』
『あぁっ何だこれは!? ぺっっぺっ! 甘味と肉の味が交互に!? こんな不味いハーモニーは知らねえぞ!』
『あぐっ……我はちょっとこれは…… 』
銀太とスバルは食べていたキノコを吐き出す。
「どうしたんですか? そんなに変な味が? おべぇ!?」
二人の様子を不思議そうに見ていた長老が、キノコを口に入れるも、あまりの酷い味に思わず吐き出す。
『長老よ? なんで甘味と肉が一緒になっておるのだ!』
『そうだぜ! 俺はティーゴが作った肉の味がするキノコを作ってたんだぞ!』
『そうなのだ! 我は主が作ったパイの味を再現しようと……!?』
『『なのになんで味が混ざってるんだー』のだ』
スバルと銀太はマッタケ長老に話が違うだろ! っと迫る。
「……はて? いつのまにか一緒になっちゃいましたね。てへっ」
マッタケ長老は口笛を吹きながらそーっと洞窟を出て行こうとする。
『こらっ待ちやがれ! 俺の喜んだ時間を返せー!』
『そうなのだ! 主にサプライズで渡して喜んでもらう予定だったのに!』
「また作りましょうー!」
マッタケ長老はピューッと風の如く洞窟を出て行くのだった。
★★★
明日は本編の更新をします。
SS はカンガーリスとジャイコブ編です。
皆様のお手元に3巻が届いてますでしょうか?
かなり楽しい仕上がりになっています。
お人好し底辺テイマーの転機ともなった3巻。
皆様の感想お待ちしております
本日田舎住みの作者の所にも本が届きました。
嬉しくってソワソワしています。
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