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本編
26.想像上の存在
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レイはソファに座り、先程訪ねてきた女性と向かい合っていた。真っ黒な髪に真っ黒な瞳なんて、レイは見たことがなく、その珍しさに眼をパチクリさせた。
目の前の女性はニコッと笑い、名乗った。
「挨拶が遅れて申し訳ありませんでした。
私、五年前の渡り人の成宮桜と申します。こっちに来てからはサクラと皆に呼ばれていますので、是非そう呼んでいただけると嬉しいです。」
「俺はレイ。宜しく、サクラ。
こちらこそ挨拶が出来てなくて済まなかった。」
レイは水晶宮に来た時にイルドへ挨拶はしていたが、サクラには挨拶が出来ていなかった。いつ行っても彼女の専属世話役に今は会えないと、追い返されていたので、すっかり忘れていた。
「いえ、私が籠っていたのがいけないのです。どうしても集中したくて、誰が来ても通さないようにシシリーに伝えてしまっていたので。」
「集中?」
「はい。
実は私、小説を書いて、出版しているのです。」
サクラは少し恥ずかしそうに俯く。
「そ、そうだったんですか?!」
サーシャはレイが来る前に何回かサクラを担当したこともあったが、そんなことは聞いたこともなかった。よく机に向かって、作業をしているな…とは思っていたが、「趣味よ、趣味」と言ってサクラは教えてくれなかった。
「そうなのよ、サーシャ。別にバレてもいいんだけどね。恥ずかしくて隠しているの。知ってるのはシシリーとイルド様だけよ。だから、貴方も秘密にしてもらえると助かるわ。」
そう言うと、人差し指を立てて、唇に当てた。
「は、はい。それは勿論…。」
「ありがとう。やっぱりサーシャは優しいわ。」
レイは驚いたように言う。
「執筆のために部屋に籠っていたのか。
てっきり俺が獣人だから会いたくないのかとー。」
「そんなのあり得ません!!
来たのが獣人であるレイ様だと知ってたら、すぐに小説なんて投げ出してきたのに…。あぁ、なんと可愛らしいお耳に、立派な尻尾なのかしら…!」
サクラはうっとりとレイの耳と尻尾を見つめる。徐々に前のめり、センターテーブルがあるのに吸い込まれるように近付いてくる。
レイは身の危険を感じ、少し身体を震わせた。
「サ、サクラ…?」
名前を呼ばれ正気に戻ったサクラは、姿勢を正してソファに座り直した。
「はっ!失礼しました!
じ、実は私、獣人が大好きでして…書いている小説も獣人が出てくる恋物語なんです。」
それを聞いて、レイが恐る恐る尋ねる。
「…もしかして、いま市井で人気の獣人が出てくる小説ってー。」
「あぁ…私が書いてるものですね。
シシリー、あれを。」
サクラがそう指示すると、シシリーによって机の上に数冊の本が置かれた。
本の表紙には『もふもふ騎士団長から逃げられない!~イケメン狼に甘く激しく溶かされて~』と書いてある。
レイの顔が引き攣る。
「こ、これは…?」
サクラは頬を少し染める。
「私が書いている本です。本来、私の顔を知ってる人には見せないのですが、レイ様には是非取材に協力していただきたく、お見せしています!」
「きょ、協力…」
ますますレイの腰は引ける。なんだか、嫌な予感しかしない。サクラには関わるな、と全身が拒否している。
その一方でサクラは熱く話している。
「えぇ!実際のところはどうなのか、色々と教えて欲しいのです!」
「…は?サクラは獣人に会ったことがないの?」
本に書くくらいなんだから、獣人のことをよく知ってるだろうとレイは思っていた。番のシステムまで知ってるのだから、と。
「はい。私のいた世界では想像上の存在でした。」
空想でそんなに書けるものなのか、レイには全く分からなかった。
「え?!
だって、番のこととかも書いてあるんだよね?」
その言葉にサクラの目が光る。
「つがいっ!!やっぱりいるんですね!?」
「ま、まぁ…。」
サクラは興奮して、バシバシと自分の膝を叩いたり、足をパタパタさせたりしている。
「きゃー!わー!!すごい!!
それってすぐに分かるんですか?
やっぱり番に会うと身体が疼くんですか?!
番とはやっぱり相性がめちゃくちゃ良くて、腰が抜けるくらい抱き潰すんですか?!
どこですか?レイ様の番は何処ですかっ?!」
レイもサーシャも顔が赤い。
二人はチラッと目線を合わせる。
その時、サクラが口を開いた。
「…え?もしかして…」
サーシャは自分の名前が呼ばれると思い、緊張する。別に隠すつもりはないが、互いに愛し合っていると周囲にバレるのは気恥ずかしかった。
しかし、サクラは斜め上の回答をした。
「…私?」
思わず、レイが突っ込む。
「違うっ!サーシャだ!!」
サクラはポケッとした後に、頬を緩ませて、ニコォ~と笑う。
「えー!すごい!専属の世話役が番だったとか、本当運命ですね!!なんかエロくないですか?…夜の世話も宜しく…みたいな!!」
まさかの指摘にレイもサーシャも俯き、真っ赤な顔を隠す。それを見て、クスクスとサクラが笑う。
「あれ、満更でもない感じですか?
いいですね、いいです!!すごく!!
あー、書きたくなってきたー!ちょっと取材はまた今度にして、一旦帰ります。この意欲が消えないうちに書きたい!それでは、また今度二人のことをゆっくり聞かせてください!!今日はありがとうございましたー!」
そう言って、サクラとシシリーは帰って行った。
レイがぽつりと呟く。
「…嵐みたいだったね。」
サーシャは頷く。
「私はサクラ様があんなに話すのを初めて見ました…」
「そして、この小説を見るのは…ちょっと勇気が出ないな。獣人に変な特性があるように書かれていたらどうしよう…。」
レイがそう言って頭を抱えると、サーシャは隣に座り、励ました。
「…わ、私が読みます!元々女性向けに書かれたものですし、本を読むのは得意なので。私がレイ様が困るようなことが書いてないから、チェックしますので!」
レイは目線を上げて、サーシャを見つめる。
「いいの?…サクラのキャラからしても、タイトルからしても、内容が激しそうだけど…大丈夫?」
「だ、大丈夫です。
私ももう…その、経験…してますし…。」
レイはサーシャの腰に手を回して、耳元で囁いた。
「そうだね。
…サーシャは毎晩、俺の上で乱れてるもんね。」
「やっ…レイ様!」
「ねぇ、しようか?」
レイは耳をぺろっと舐める。
「だめ…。まだ明るいし…、いつセオさんが帰ってくるかー」
「大丈夫。セオには何もなければ夕飯まで声を掛けるなって言ってある。セオは優秀だから、そのまま帰ってこないよ。」
「で、でもぉ…」
必死に拒否しようとするものの、レイに舐められ、囁かれるだけで、サーシャの身体にはゾクゾクとした快感が走る。身体の奥にジリッと熱がともり、自分の身体が抱かれる準備をしているのが、サーシャには分かった。
「ほら、サーシャに触れてたら、こんなになっちゃった。これじゃあ、廊下も歩けないよ。」
レイはサーシャの手を取り、自分の中央の膨らみに導いた。そこは服の下から解放されたいと、硬く大きく主張していた。
「あ…」
「…サーシャの中に入りたいって。ダメ?」
レイはサーシャの瞳を覗き込む。
「…ダメ…じゃない、です。」
レイは妖しく微笑む。
「サーシャ、舌を出して。」
サーシャは言われるがまま、舌を差し出す。レイの顔が近付き、そのまま二人は舌を擦り合わせた。
レイの手はお仕着せの上からサーシャの胸を揉みしだく。サーシャの乳首が勃ち上がり、強い刺激を欲する。
「ひゃ…はぁ、レイひゃま…ぁ。」
サーシャの懇願に応えるようにレイはお仕着せの上からしっかりと乳首をキュッと摘んだ。もう何度も抱いているサーシャの身体のことはよく分かる。
「あぁんっ!」
サーシャの舌がレイから離れると、すかさずレイはサーシャの頭を捕らえ、再び口付けた。今度は口内をべろりと舐め回される。
「ん…っ!」
レイの手は胸への愛撫から、どんどんと下に移っていく。お仕着せの中に手を入れると、パンティの紐を解く。
「濡れる前に脱いじゃおうね。」
そう言って、レイがパンティをスカートから取り出す。しかし、もう既に愛液でパンティは濡れていた。
「サーシャったら…もう濡らしちゃったの?
こんなのいやらしい匂いのするのを履いて近くで仕事されたら、いつ襲っちゃうか分かんないな。そうならないように出し切らなくちゃ。
…全部、受け止めてくれるよね?」
レイはサーシャにまた口付けをする。
サーシャの目はトロンとしている。発情している自分の番に、レイはより自身を硬くした。
「…はい。私の中に全部出して…。」
サーシャはそう言うと、レイのズボンの前を寛げ、大きな陰茎を取り出した。床に座り、愛おしそうに陰茎を撫でた後に、たっぷりの唾液と共に舐め出した。
「ぅ…サーシャ…。」
丁寧に周りを隈なく舐め切った後に、陰茎をその小さな口におさめる。もちろん陰嚢への刺激も忘れない。手で優しく優しく揉んでいく。
「はぁ…うっ…。」
徐々に頭を振り、陰茎への刺激を強めていく。
「あっ…サーシャっ!!イく!!」
次の瞬間、サーシャの口の中には勢いよく、甘いレイの精液が吐き出された。サーシャはそれをうっとりと受け止めて、そのまま口の中で咀嚼すると、ゴクッと飲み込んだ。
「はっ…あ…サーシャ。なんて、淫靡な…。」
サーシャの座り込んでいた床には、愛液の水溜りが出来ていた。舐めている時から、レイの陰茎が欲しくて堪らなかった。
サーシャは、レイに跨るようにすると、お仕着せのスカートを捲り、レイから淫部が見えるようにした。
まるで性器でキスをするように、まだ元気なレイの陰茎の先と、サーシャの蜜口をチュッチュッとくっつける。
「サーシャ…ぁ…。」
「レイ様……、私の中に挿れたいですか…?」
「挿れたい…サーシャの中に入りたい…」
レイの目は潤み、懇願するような視線をサーシャに送る。サーシャはレイに求められているその目が大好きだった。
「私が挿れます、ね。」
サーシャは、大きなレイの陰茎をゆっくりと自分の中に突き刺していく。幾度となく受け入れたそれは、ピッタリと蜜壺にハマるように膣道を進んでいく。
「ぁ…はぁ…ん…、気持ちいぃ…。」
「くっ…、サーシャ…っ。」
サーシャはレイの上で乱れた。今が日中だということも忘れて、ただただレイの陰茎を悦んで受け入れた。気持ち良さで身体が溶けそうだった。
サーシャはレイの頭を抱えてキスをした。キスをすると、蜜壺がより締まり、レイをより近くに感じられた。
「…っ!もう、無理だっ!!」
レイはそう言うと、サーシャの腰を持って、下から打ち付けた。
「あっ…ひゃんっ!…レイさまぁっ!激しっ!!
あっ、はっ、あぁん!」
「サーシャ…、サーシャ…!
愛してるっ!!俺の…番っ!」
「レイ…!あっ、はぁ…んっ!
私もぉ…愛してるっ!
あっ、あ…あっ、イく!イっちゃうよぉ!!」
「俺も…イくっ!!」
二人は強く抱きしめ合って、絶頂を迎えた。
サーシャはぐたっとレイにもたれかかる。
レイは強くサーシャを抱きしめたままだ。
(抜いて…きれいにしないと…)
サーシャがそう思い、レイの上から退こうとするが、レイの腕は緩まない。
「はぁ…ん?レイ様?」
「まだ…」
「え?」
「まだ出し切ってない。」
「え…いや、でも。」
「もっとサーシャが欲しい。」
レイはそう言うと、サーシャのお尻に手を回し、抱いて、立ち上がった。もちろん繋がったまま。
「あぁっ!」
深く突き刺さる陰茎にサーシャが嬌声を上げると、レイは満足そうに笑う。
「このままベッドに行こうね。
到着するまでにサーシャは何回イくかなぁ?」
「ひゃ…やっ…ダメ…」
「ん?」
レイが再びその場でサーシャを揺さぶる。
「はっ、やっ、ああぁんっ!!」
「あ、イったね。
ふふっ。本当にサーシャは奥が弱いんだから。」
「レイぃ……。もぉ…むり…」
「大丈夫。
サーシャはもっといっぱいイったことあるから。」
結局、その日、レイとサーシャが部屋から出てくることはなく、二人は朝まで愛を確かめ合った。
目の前の女性はニコッと笑い、名乗った。
「挨拶が遅れて申し訳ありませんでした。
私、五年前の渡り人の成宮桜と申します。こっちに来てからはサクラと皆に呼ばれていますので、是非そう呼んでいただけると嬉しいです。」
「俺はレイ。宜しく、サクラ。
こちらこそ挨拶が出来てなくて済まなかった。」
レイは水晶宮に来た時にイルドへ挨拶はしていたが、サクラには挨拶が出来ていなかった。いつ行っても彼女の専属世話役に今は会えないと、追い返されていたので、すっかり忘れていた。
「いえ、私が籠っていたのがいけないのです。どうしても集中したくて、誰が来ても通さないようにシシリーに伝えてしまっていたので。」
「集中?」
「はい。
実は私、小説を書いて、出版しているのです。」
サクラは少し恥ずかしそうに俯く。
「そ、そうだったんですか?!」
サーシャはレイが来る前に何回かサクラを担当したこともあったが、そんなことは聞いたこともなかった。よく机に向かって、作業をしているな…とは思っていたが、「趣味よ、趣味」と言ってサクラは教えてくれなかった。
「そうなのよ、サーシャ。別にバレてもいいんだけどね。恥ずかしくて隠しているの。知ってるのはシシリーとイルド様だけよ。だから、貴方も秘密にしてもらえると助かるわ。」
そう言うと、人差し指を立てて、唇に当てた。
「は、はい。それは勿論…。」
「ありがとう。やっぱりサーシャは優しいわ。」
レイは驚いたように言う。
「執筆のために部屋に籠っていたのか。
てっきり俺が獣人だから会いたくないのかとー。」
「そんなのあり得ません!!
来たのが獣人であるレイ様だと知ってたら、すぐに小説なんて投げ出してきたのに…。あぁ、なんと可愛らしいお耳に、立派な尻尾なのかしら…!」
サクラはうっとりとレイの耳と尻尾を見つめる。徐々に前のめり、センターテーブルがあるのに吸い込まれるように近付いてくる。
レイは身の危険を感じ、少し身体を震わせた。
「サ、サクラ…?」
名前を呼ばれ正気に戻ったサクラは、姿勢を正してソファに座り直した。
「はっ!失礼しました!
じ、実は私、獣人が大好きでして…書いている小説も獣人が出てくる恋物語なんです。」
それを聞いて、レイが恐る恐る尋ねる。
「…もしかして、いま市井で人気の獣人が出てくる小説ってー。」
「あぁ…私が書いてるものですね。
シシリー、あれを。」
サクラがそう指示すると、シシリーによって机の上に数冊の本が置かれた。
本の表紙には『もふもふ騎士団長から逃げられない!~イケメン狼に甘く激しく溶かされて~』と書いてある。
レイの顔が引き攣る。
「こ、これは…?」
サクラは頬を少し染める。
「私が書いている本です。本来、私の顔を知ってる人には見せないのですが、レイ様には是非取材に協力していただきたく、お見せしています!」
「きょ、協力…」
ますますレイの腰は引ける。なんだか、嫌な予感しかしない。サクラには関わるな、と全身が拒否している。
その一方でサクラは熱く話している。
「えぇ!実際のところはどうなのか、色々と教えて欲しいのです!」
「…は?サクラは獣人に会ったことがないの?」
本に書くくらいなんだから、獣人のことをよく知ってるだろうとレイは思っていた。番のシステムまで知ってるのだから、と。
「はい。私のいた世界では想像上の存在でした。」
空想でそんなに書けるものなのか、レイには全く分からなかった。
「え?!
だって、番のこととかも書いてあるんだよね?」
その言葉にサクラの目が光る。
「つがいっ!!やっぱりいるんですね!?」
「ま、まぁ…。」
サクラは興奮して、バシバシと自分の膝を叩いたり、足をパタパタさせたりしている。
「きゃー!わー!!すごい!!
それってすぐに分かるんですか?
やっぱり番に会うと身体が疼くんですか?!
番とはやっぱり相性がめちゃくちゃ良くて、腰が抜けるくらい抱き潰すんですか?!
どこですか?レイ様の番は何処ですかっ?!」
レイもサーシャも顔が赤い。
二人はチラッと目線を合わせる。
その時、サクラが口を開いた。
「…え?もしかして…」
サーシャは自分の名前が呼ばれると思い、緊張する。別に隠すつもりはないが、互いに愛し合っていると周囲にバレるのは気恥ずかしかった。
しかし、サクラは斜め上の回答をした。
「…私?」
思わず、レイが突っ込む。
「違うっ!サーシャだ!!」
サクラはポケッとした後に、頬を緩ませて、ニコォ~と笑う。
「えー!すごい!専属の世話役が番だったとか、本当運命ですね!!なんかエロくないですか?…夜の世話も宜しく…みたいな!!」
まさかの指摘にレイもサーシャも俯き、真っ赤な顔を隠す。それを見て、クスクスとサクラが笑う。
「あれ、満更でもない感じですか?
いいですね、いいです!!すごく!!
あー、書きたくなってきたー!ちょっと取材はまた今度にして、一旦帰ります。この意欲が消えないうちに書きたい!それでは、また今度二人のことをゆっくり聞かせてください!!今日はありがとうございましたー!」
そう言って、サクラとシシリーは帰って行った。
レイがぽつりと呟く。
「…嵐みたいだったね。」
サーシャは頷く。
「私はサクラ様があんなに話すのを初めて見ました…」
「そして、この小説を見るのは…ちょっと勇気が出ないな。獣人に変な特性があるように書かれていたらどうしよう…。」
レイがそう言って頭を抱えると、サーシャは隣に座り、励ました。
「…わ、私が読みます!元々女性向けに書かれたものですし、本を読むのは得意なので。私がレイ様が困るようなことが書いてないから、チェックしますので!」
レイは目線を上げて、サーシャを見つめる。
「いいの?…サクラのキャラからしても、タイトルからしても、内容が激しそうだけど…大丈夫?」
「だ、大丈夫です。
私ももう…その、経験…してますし…。」
レイはサーシャの腰に手を回して、耳元で囁いた。
「そうだね。
…サーシャは毎晩、俺の上で乱れてるもんね。」
「やっ…レイ様!」
「ねぇ、しようか?」
レイは耳をぺろっと舐める。
「だめ…。まだ明るいし…、いつセオさんが帰ってくるかー」
「大丈夫。セオには何もなければ夕飯まで声を掛けるなって言ってある。セオは優秀だから、そのまま帰ってこないよ。」
「で、でもぉ…」
必死に拒否しようとするものの、レイに舐められ、囁かれるだけで、サーシャの身体にはゾクゾクとした快感が走る。身体の奥にジリッと熱がともり、自分の身体が抱かれる準備をしているのが、サーシャには分かった。
「ほら、サーシャに触れてたら、こんなになっちゃった。これじゃあ、廊下も歩けないよ。」
レイはサーシャの手を取り、自分の中央の膨らみに導いた。そこは服の下から解放されたいと、硬く大きく主張していた。
「あ…」
「…サーシャの中に入りたいって。ダメ?」
レイはサーシャの瞳を覗き込む。
「…ダメ…じゃない、です。」
レイは妖しく微笑む。
「サーシャ、舌を出して。」
サーシャは言われるがまま、舌を差し出す。レイの顔が近付き、そのまま二人は舌を擦り合わせた。
レイの手はお仕着せの上からサーシャの胸を揉みしだく。サーシャの乳首が勃ち上がり、強い刺激を欲する。
「ひゃ…はぁ、レイひゃま…ぁ。」
サーシャの懇願に応えるようにレイはお仕着せの上からしっかりと乳首をキュッと摘んだ。もう何度も抱いているサーシャの身体のことはよく分かる。
「あぁんっ!」
サーシャの舌がレイから離れると、すかさずレイはサーシャの頭を捕らえ、再び口付けた。今度は口内をべろりと舐め回される。
「ん…っ!」
レイの手は胸への愛撫から、どんどんと下に移っていく。お仕着せの中に手を入れると、パンティの紐を解く。
「濡れる前に脱いじゃおうね。」
そう言って、レイがパンティをスカートから取り出す。しかし、もう既に愛液でパンティは濡れていた。
「サーシャったら…もう濡らしちゃったの?
こんなのいやらしい匂いのするのを履いて近くで仕事されたら、いつ襲っちゃうか分かんないな。そうならないように出し切らなくちゃ。
…全部、受け止めてくれるよね?」
レイはサーシャにまた口付けをする。
サーシャの目はトロンとしている。発情している自分の番に、レイはより自身を硬くした。
「…はい。私の中に全部出して…。」
サーシャはそう言うと、レイのズボンの前を寛げ、大きな陰茎を取り出した。床に座り、愛おしそうに陰茎を撫でた後に、たっぷりの唾液と共に舐め出した。
「ぅ…サーシャ…。」
丁寧に周りを隈なく舐め切った後に、陰茎をその小さな口におさめる。もちろん陰嚢への刺激も忘れない。手で優しく優しく揉んでいく。
「はぁ…うっ…。」
徐々に頭を振り、陰茎への刺激を強めていく。
「あっ…サーシャっ!!イく!!」
次の瞬間、サーシャの口の中には勢いよく、甘いレイの精液が吐き出された。サーシャはそれをうっとりと受け止めて、そのまま口の中で咀嚼すると、ゴクッと飲み込んだ。
「はっ…あ…サーシャ。なんて、淫靡な…。」
サーシャの座り込んでいた床には、愛液の水溜りが出来ていた。舐めている時から、レイの陰茎が欲しくて堪らなかった。
サーシャは、レイに跨るようにすると、お仕着せのスカートを捲り、レイから淫部が見えるようにした。
まるで性器でキスをするように、まだ元気なレイの陰茎の先と、サーシャの蜜口をチュッチュッとくっつける。
「サーシャ…ぁ…。」
「レイ様……、私の中に挿れたいですか…?」
「挿れたい…サーシャの中に入りたい…」
レイの目は潤み、懇願するような視線をサーシャに送る。サーシャはレイに求められているその目が大好きだった。
「私が挿れます、ね。」
サーシャは、大きなレイの陰茎をゆっくりと自分の中に突き刺していく。幾度となく受け入れたそれは、ピッタリと蜜壺にハマるように膣道を進んでいく。
「ぁ…はぁ…ん…、気持ちいぃ…。」
「くっ…、サーシャ…っ。」
サーシャはレイの上で乱れた。今が日中だということも忘れて、ただただレイの陰茎を悦んで受け入れた。気持ち良さで身体が溶けそうだった。
サーシャはレイの頭を抱えてキスをした。キスをすると、蜜壺がより締まり、レイをより近くに感じられた。
「…っ!もう、無理だっ!!」
レイはそう言うと、サーシャの腰を持って、下から打ち付けた。
「あっ…ひゃんっ!…レイさまぁっ!激しっ!!
あっ、はっ、あぁん!」
「サーシャ…、サーシャ…!
愛してるっ!!俺の…番っ!」
「レイ…!あっ、はぁ…んっ!
私もぉ…愛してるっ!
あっ、あ…あっ、イく!イっちゃうよぉ!!」
「俺も…イくっ!!」
二人は強く抱きしめ合って、絶頂を迎えた。
サーシャはぐたっとレイにもたれかかる。
レイは強くサーシャを抱きしめたままだ。
(抜いて…きれいにしないと…)
サーシャがそう思い、レイの上から退こうとするが、レイの腕は緩まない。
「はぁ…ん?レイ様?」
「まだ…」
「え?」
「まだ出し切ってない。」
「え…いや、でも。」
「もっとサーシャが欲しい。」
レイはそう言うと、サーシャのお尻に手を回し、抱いて、立ち上がった。もちろん繋がったまま。
「あぁっ!」
深く突き刺さる陰茎にサーシャが嬌声を上げると、レイは満足そうに笑う。
「このままベッドに行こうね。
到着するまでにサーシャは何回イくかなぁ?」
「ひゃ…やっ…ダメ…」
「ん?」
レイが再びその場でサーシャを揺さぶる。
「はっ、やっ、ああぁんっ!!」
「あ、イったね。
ふふっ。本当にサーシャは奥が弱いんだから。」
「レイぃ……。もぉ…むり…」
「大丈夫。
サーシャはもっといっぱいイったことあるから。」
結局、その日、レイとサーシャが部屋から出てくることはなく、二人は朝まで愛を確かめ合った。
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