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第3章 カルロスの婚約者
第20話 黒い噂と婚約破棄
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婚約者カトリーナは反省の言葉がないために、侯爵夫人が憲兵に突き出すこととなる。
それを知ったのはグレースが痛みに堪えながらも医者の診察を受けた後、ベッドに横になって目が覚めてからだった。
エーレンタール侯爵夫人の怒りは、普段の彼女を知っている人たちには驚愕する姿。
「カトリーナ嬢ー!!
貴女はわざと、グレース嬢の顔を狙ってお茶をかけましたわね!
言い逃れは出来ませんよ!!」
テーブルに片手を付き、彼女を指差す夫人は怒りで震えていた。
「それは、言いがかりですわ!
カップを持とうとしたら熱かったので、驚いて手が滑りましたの。
あんなお茶をいれた、あの方が悪いんですわ!」
あくまでも悪いのはグレースだとの一点張りで、しらを通す伯爵令嬢。
聞いていた人たちが、呆れて気分が悪くなる言い訳を平然とする。
「あの場では、全てのカップにお茶が入れられてから飲むのが礼儀です!
そのために、彼女は熱いお茶を用意したのですよ!」
もてなしの心を込めてした結果がこれとは、グレースがあまりに不憫すぎる。
自分で言っていて、涙が出そうになるのを我慢して話す夫人。
ベアトリスに至っては怒りで我をなくし泣きながら、カトリーナに向かって激しく責め立てる。
「いいえ、貴女が悪いのよ!
私は、確かに目の前で見ましたわ。
笑いながらグレースに、わざわざ立ち上がってカップを投げつけたじゃない!?嘘つきー!!」
騒ぎで駆けつけた侍従たちに、侯爵夫人のアデラは冷たく命じた。
「許すことは出来ぬ、誰かこの者を捕らえよー!
憲兵に突きだす!
エーレンタール侯爵とトレド伯爵に報告するようにー!」
これには、周りの人たちは衝撃を受けた。
婚約破棄ですら驚きなのに、法的に訴えてくるとは誰ひとり考えていなかった事である。
「えっ!憲兵って、ご冗談をー!どうしてよー!!
カップの熱さで、気が動転しただけよ?!
エーレンタール侯爵夫人は、べつに無傷ではないですか?!」
カトリーナは、両手を後ろに回され縄をかけられた。
両肩を揺すり、拒否の態度を見せつける。
「なんと、最後まで醜態を見せるとは!
貴女が毎晩、何処でなにを明け方までしてるか。
細かく調べましたわよ!」
カトリーナは夜遊びを調査されたのを、ここまでしたのかと目を大きくして無言で聞いていた。
「それも一緒に通報致します!
グレース嬢にあんな事をしなければ、穏便に済ましてあげたのにね。
愚かなお人ー!!」
続けざまに怒鳴りつけると、泣きじゃくる娘を心配し側に寄って声をかけた。
二人はグレースが気になり、この場には用がないと後にする。
その二人に向かい叫んで文句を言う伯爵令嬢には、一切振り向きもせずに二人は急ぎ足で歩く。
息子のカルロスは、父とトレド伯爵夫妻にグレースの火傷の件を説明する。
侯爵夫人のアデラが伯爵令嬢を憲兵に引き渡したと話したら、伯爵夫妻は顔色が真っ青になってしまう。
「私はこんな恐ろしい事をするご令嬢とは、この先人生を歩むのは無理でございます!
この婚約は無いものにしてください!!」
カルロスはハッキリと3人に話すと、エーレンタール侯爵も自分も同じ意見だと伯爵夫妻に宣言する。
「……、そんな?!
破棄されたら娘は、傷物扱いにされて嫁ぎ場所がないではないかぁー!!」
「これでは、余りにも一方的ではないですか!」
トレド伯爵夫妻に、エーレンタール侯爵はある書類を見せるようにトレド伯爵に渡す。
それを読むとますます顔色が悪くなり、トレド伯爵は頭を抱えて唸りだした。
「これは、凄い娘さんですなぁ?!
婚約してるのに、他の殿方と毎晩夜会に出席してるだけでなく、賭博までしてるとはな!」
賭博に反応して、驚きの表情を見せたトレド伯爵夫妻。
「呆れますぞ。
このエーレンタール侯爵に嫁ぐには値しないー!!」
侯爵が怒鳴りつけると、伯爵に3枚の書類に記名するようにペンと書類を差し出す。
トレド伯爵は震える手で、何とか3枚の書類にサインを終えた。
「あぁ~、旦那様ー!!
絶対に、婚約破棄の書類にサインをしてはなりません!
カトリーナ、カトリーナはどうなるのですー!!!」
トレド伯爵夫人は必死に夫を止めようとしたが、伯爵は妻に一言だけ伝えた。
「もう、トレド伯爵家は終わりだ!
私がお前たちを甘やかし過ぎたのだー!!」
書類を自分の分を持ち、2枚をエーレンタール侯爵に力なく前に置く。
「これで全て終わりましたなぁ。祖先の願いは叶いませんでしたね。
ご機嫌よう、トレド伯爵。
もう私たちに、2度と話しかけないように」
侯爵が冷酷に突き放す。
トレド伯爵は1度侯爵に頭を下げて、妻と二人で屋敷を去って行く。
もう一方では、グレースを見舞って侯爵夫人と令嬢がベッドに横になって寝ている様子を見ていた。
「メリッサ、グレースの具合はどう?!熱があるみたいね」
侯爵夫人は心配そうに、熱を出してぐったりとしてるグレースを見ている。
「火傷といきなり冷水をかなり浴びたので、風邪を引いたと医者が申してました」
「メリッサ、グレースの火傷は残ってしまうの?!
キレイに元どおりならないの?!」
同じ女性としてベアトリスは、罪のないグレースが不憫でならなかった。
涙を浮かべてグレースを見ながら、質問をするのであった。
「薬を塗って様子を見ないとわからないようです。
ですが、難しいと医者が…」
メリッサも説明しながら、表情は段々と暗くなる。
エーレンタール侯爵の夕食は、重苦しい雰囲気で始まる。
「今日は知っての通りに、カトリーナ嬢とカルロスの婚約破棄が成立した!
きっかけは、グレース嬢がカトリーナ嬢にされた火傷事件だ」
侯爵が食事の最後のデザートで、この話を切り出して出てきた。
「私の元婚約者が御迷惑をおかけまして、申し訳ありませんでした。
もっと私もハッキリ態度を、示さなかったのが悪かったのです」
「それは我がエーレンタール家も同じですわ。
いくら先祖の頼み事でも、あの令嬢では無理です。
グレース嬢は犠牲者です」
長男と母の会話を聞き、娘のベアトリスはカトリーナ嬢に怒りを感じた。
「お父様、そのカトリーナ嬢は今後はどうなるのですか?
グレースに、直接謝罪もしないで済ますのですか?
私はそんなの許せませんわ!」
娘の言うことは正しい。
一生残る傷を負わせたのだ。
このまま、何もさせないのは承知できない。
カトリーナ嬢は、いま貴族用の牢屋に入って尋問を憲兵から受けているだろう。
これが終わり真実が明らかにならない限り、前には進まないと侯爵は考えていた。
それを知ったのはグレースが痛みに堪えながらも医者の診察を受けた後、ベッドに横になって目が覚めてからだった。
エーレンタール侯爵夫人の怒りは、普段の彼女を知っている人たちには驚愕する姿。
「カトリーナ嬢ー!!
貴女はわざと、グレース嬢の顔を狙ってお茶をかけましたわね!
言い逃れは出来ませんよ!!」
テーブルに片手を付き、彼女を指差す夫人は怒りで震えていた。
「それは、言いがかりですわ!
カップを持とうとしたら熱かったので、驚いて手が滑りましたの。
あんなお茶をいれた、あの方が悪いんですわ!」
あくまでも悪いのはグレースだとの一点張りで、しらを通す伯爵令嬢。
聞いていた人たちが、呆れて気分が悪くなる言い訳を平然とする。
「あの場では、全てのカップにお茶が入れられてから飲むのが礼儀です!
そのために、彼女は熱いお茶を用意したのですよ!」
もてなしの心を込めてした結果がこれとは、グレースがあまりに不憫すぎる。
自分で言っていて、涙が出そうになるのを我慢して話す夫人。
ベアトリスに至っては怒りで我をなくし泣きながら、カトリーナに向かって激しく責め立てる。
「いいえ、貴女が悪いのよ!
私は、確かに目の前で見ましたわ。
笑いながらグレースに、わざわざ立ち上がってカップを投げつけたじゃない!?嘘つきー!!」
騒ぎで駆けつけた侍従たちに、侯爵夫人のアデラは冷たく命じた。
「許すことは出来ぬ、誰かこの者を捕らえよー!
憲兵に突きだす!
エーレンタール侯爵とトレド伯爵に報告するようにー!」
これには、周りの人たちは衝撃を受けた。
婚約破棄ですら驚きなのに、法的に訴えてくるとは誰ひとり考えていなかった事である。
「えっ!憲兵って、ご冗談をー!どうしてよー!!
カップの熱さで、気が動転しただけよ?!
エーレンタール侯爵夫人は、べつに無傷ではないですか?!」
カトリーナは、両手を後ろに回され縄をかけられた。
両肩を揺すり、拒否の態度を見せつける。
「なんと、最後まで醜態を見せるとは!
貴女が毎晩、何処でなにを明け方までしてるか。
細かく調べましたわよ!」
カトリーナは夜遊びを調査されたのを、ここまでしたのかと目を大きくして無言で聞いていた。
「それも一緒に通報致します!
グレース嬢にあんな事をしなければ、穏便に済ましてあげたのにね。
愚かなお人ー!!」
続けざまに怒鳴りつけると、泣きじゃくる娘を心配し側に寄って声をかけた。
二人はグレースが気になり、この場には用がないと後にする。
その二人に向かい叫んで文句を言う伯爵令嬢には、一切振り向きもせずに二人は急ぎ足で歩く。
息子のカルロスは、父とトレド伯爵夫妻にグレースの火傷の件を説明する。
侯爵夫人のアデラが伯爵令嬢を憲兵に引き渡したと話したら、伯爵夫妻は顔色が真っ青になってしまう。
「私はこんな恐ろしい事をするご令嬢とは、この先人生を歩むのは無理でございます!
この婚約は無いものにしてください!!」
カルロスはハッキリと3人に話すと、エーレンタール侯爵も自分も同じ意見だと伯爵夫妻に宣言する。
「……、そんな?!
破棄されたら娘は、傷物扱いにされて嫁ぎ場所がないではないかぁー!!」
「これでは、余りにも一方的ではないですか!」
トレド伯爵夫妻に、エーレンタール侯爵はある書類を見せるようにトレド伯爵に渡す。
それを読むとますます顔色が悪くなり、トレド伯爵は頭を抱えて唸りだした。
「これは、凄い娘さんですなぁ?!
婚約してるのに、他の殿方と毎晩夜会に出席してるだけでなく、賭博までしてるとはな!」
賭博に反応して、驚きの表情を見せたトレド伯爵夫妻。
「呆れますぞ。
このエーレンタール侯爵に嫁ぐには値しないー!!」
侯爵が怒鳴りつけると、伯爵に3枚の書類に記名するようにペンと書類を差し出す。
トレド伯爵は震える手で、何とか3枚の書類にサインを終えた。
「あぁ~、旦那様ー!!
絶対に、婚約破棄の書類にサインをしてはなりません!
カトリーナ、カトリーナはどうなるのですー!!!」
トレド伯爵夫人は必死に夫を止めようとしたが、伯爵は妻に一言だけ伝えた。
「もう、トレド伯爵家は終わりだ!
私がお前たちを甘やかし過ぎたのだー!!」
書類を自分の分を持ち、2枚をエーレンタール侯爵に力なく前に置く。
「これで全て終わりましたなぁ。祖先の願いは叶いませんでしたね。
ご機嫌よう、トレド伯爵。
もう私たちに、2度と話しかけないように」
侯爵が冷酷に突き放す。
トレド伯爵は1度侯爵に頭を下げて、妻と二人で屋敷を去って行く。
もう一方では、グレースを見舞って侯爵夫人と令嬢がベッドに横になって寝ている様子を見ていた。
「メリッサ、グレースの具合はどう?!熱があるみたいね」
侯爵夫人は心配そうに、熱を出してぐったりとしてるグレースを見ている。
「火傷といきなり冷水をかなり浴びたので、風邪を引いたと医者が申してました」
「メリッサ、グレースの火傷は残ってしまうの?!
キレイに元どおりならないの?!」
同じ女性としてベアトリスは、罪のないグレースが不憫でならなかった。
涙を浮かべてグレースを見ながら、質問をするのであった。
「薬を塗って様子を見ないとわからないようです。
ですが、難しいと医者が…」
メリッサも説明しながら、表情は段々と暗くなる。
エーレンタール侯爵の夕食は、重苦しい雰囲気で始まる。
「今日は知っての通りに、カトリーナ嬢とカルロスの婚約破棄が成立した!
きっかけは、グレース嬢がカトリーナ嬢にされた火傷事件だ」
侯爵が食事の最後のデザートで、この話を切り出して出てきた。
「私の元婚約者が御迷惑をおかけまして、申し訳ありませんでした。
もっと私もハッキリ態度を、示さなかったのが悪かったのです」
「それは我がエーレンタール家も同じですわ。
いくら先祖の頼み事でも、あの令嬢では無理です。
グレース嬢は犠牲者です」
長男と母の会話を聞き、娘のベアトリスはカトリーナ嬢に怒りを感じた。
「お父様、そのカトリーナ嬢は今後はどうなるのですか?
グレースに、直接謝罪もしないで済ますのですか?
私はそんなの許せませんわ!」
娘の言うことは正しい。
一生残る傷を負わせたのだ。
このまま、何もさせないのは承知できない。
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