【完結】魔がさし令嬢の国外逃亡は恋の予感

愚者 (フール)

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第4章  真実の愛を求めて

第21話 祭りの準備

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     店に関する悩みが解決し、彼女はカルロスと衣装のテーマを相談したがっていた。
二人で会えて邪魔されない時間は、この時だけしかない。

「カルロス様、お勉強はここまでに致しましょう。
たまには息抜きも必要ですわ」

「なるほど…。#
詰__つ__#めこみすぎても疲れて、勉強の効率悪くなるだけですしね」

二人は意外にも、たがいに会話が成立していた。
彼が年下のせいかグレースは物怖ものおじせずせっし、カルロスは女性よりも教師の先生感覚でいた。

「では、どんな衣装にするかテーマを決めてからお店で探しませんか?」

「テーマですか?!」と、彼は驚きの表情を見せた。

「ベアトリス様は、水の精霊せいれいだそうです。
私たちはというか、私はその…。綺麗ではないしー」

「何をおっしゃる。
グレース嬢は、可愛いし綺麗です。
藤の花の下にいた貴女は、藤の精霊みたいでしたよ」

彼のおだて話を聞いていて、年甲斐としがいもなく顔を赤くしていた。

こんな私が、あの藤の花ですって!?
カルロス様ったら、勉強のし過ぎで頭と目が疲れているんだわ。

「花に例えられて、嬉しいですけれど。
ちなみに、カルロス様は何か希望はありますか?」

「私は別に…。
仮面を付けてのお祭りは、初めてですね。
あっ、子供頃は猫になりました」

カルロス様の幼い時期の子猫は、きっと凄く愛らしく可愛いだろうなぁ~。
子猫ちゃんを姿を、あれこれと妄想もうそうしてしまっていた。

「グレース嬢、グレース嬢ー!
どうか、されましたか?!」

「えっ!すみません。
大人になってからは、行きませんでしたの?!」

「恥ずかしくなりましてね。
仮面は外しました。
衣装も着ず普段の服装です。
カトリーナ嬢とは婚約してましたが、話が合わず。
その手の行事ぎょうじは、一緒にしたことはありませんでしたからね」

いけない事を聞いてしまい、嫌な思い出を思い返してしまいましたわ。

「では、人物はどうでしょう?
別に女性が、男性の格好かっこうをしても平気なんでしょうか?!」

彼女の発想に、カルロスは戸惑とまどった。
あの本を書いた人物だけあり、想像力は大したものに違いあるまい。

「私は聞いたことがないが、お祭りだから許されるのでは?!
少ないと思いますがー」

へぇー、少ないとは意外性で勝てるのでは?
誰と競うのか、グレースはベアトリスの美しさにはこれで対抗するしかないと考えてる。

海賊かいぞくにしましょう!
カルロス様は海賊を倒す騎士きしで、私が海賊です」

「二人とも男同士なのか?!
せっかくのお祭りですよ。
それはちょっと、私が海賊でグレース嬢はとらわれの姫ではどうだ。
お姫様、それがいい!」

それはナイナイ、お姫様って
無理に決まってるわよ。

「嫌ですわ。
では、格好かっこいい女海賊にしましょう。
そうだわ!騎士に捕まった女海賊で、なわくくたりして!」

「縄で、ですか?
グレース嬢、それはやりすぎでは?!」

彼女の突拍子とっぴょうしのない話に、目が点になりかかる。

「わかりました。
縄はやめときます。
でも、海賊は面白おもしろそうでしょう!」

彼女の言葉と迫力に負けた。
どうも、彼は彼女には弱いらしい。

本当は綺麗で可愛らしくした、グレース嬢が見たかったが残念だがあきめた。
このやり取りで、勉強以上の疲労感を味わったのだ。

    
 休日にカルロスとグレースは、王都の街に衣装を買いに外出する。
これを聞いたアデラとベアトリスは、互いに喜びあった。

「お母様、お兄様たちはー!
もしかして、もしかしますわよ」

「じつはね、ベアトリス。
私はここだけの話よ。
カルロスの嫁に、グレース嬢をと思っているのです」

「まぁー、お母様もでしたの!
私も義理の姉は、グレースをと思ってましたのよ」

ここに二人を結びつける会が、結束固けっそくかたく出来上がっていた。

当の本人たちは、知らない話である。

二人は、服や装飾を売っている通りを目指し馬車で向かう。

立派な店構えの高そうな洋服店の前に立つが、グレースが中に難色なんしょくを示してきた。

「カルロス様、ここは貴族の方が行くお店なのですか? 」

「そうですが。いけませんでしたか?!」

不満そうな顔をして、店を外から見ている。

「だって、たった1日の催しですよ。
海賊の衣装は、普段は着れません。
平民の店でお祭り用の衣装が、買える場所はございませんの?」

困り顔で話し合っていると、新しく馭者ぎょしゃになったタイラーが助けをだす。

「グレース、いい店があるぜ。
そこを案内してもいいが」

「タイラー父様、是非お願いします。
カルロス様、よろしいですわよね」

強く言われて押し切られた形になり、彼はただ黙ってうなづくのだった。
タイラーは二人のやり取りを見ていて、これはしりに敷かれるなぁと苦笑い。
そして、二人はまた馬車に乗るのだった。

やけに自信満々な態度のタイラーにおまかせして、その店を目指すのである。


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