【完結】魔がさし令嬢の国外逃亡は恋の予感

愚者 (フール)

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第4章  真実の愛を求めて

第20話 新しい生徒

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    グレースがカルロスを供だってから、タイラー父様と奥さまはエーレンタール侯爵に働くようになり1ヶ月がつ。

ただいま私は、卒業試験が間近のカルロス様と猛勉強中。
どうやらザィールとエテルネルでは、そんなに学力は変わらないみたい。

「グレース嬢は教えるのが、上手ですね。
先生にでもなってみたらどうですか?」

私は隣に座る彼の話を聞き、妹のベアトリス様と同じ事を言うのねと思って笑う。

「有り難うございます。
きっと、先生の資料作りを手伝ったからですわね」

「そんな事まで、特待生だとしなくてはならないのですか?!」

「う~ん!そうではありませんが、やはり点数稼ぎですかね。
無償で学ばせてってますから、負い目がありましたのは確かです」

あの本の中のグリシーヌと同じだと感じた。
彼女の学園生活は、勉学一筋だったのだろう。

「たがら、お祭りも一度も行かなかったのですか?」

「うふふ、誘ってくれる友達はいましたけど。
お金がかかるでしょう?
お付き合いは、特にご令嬢たちはね!
りょうの中にいれば、全てはタダでしたのよ」

自分の学生生活との違いと、このグレース嬢との学力の差を感じた。

明らかに、数学は彼女が上だ!

男なのにと最初は悔しい思いもしだが、土台から学ぶ姿勢が違いすぎたのだ。
彼女には危機感がある、私にはそれがないのだから…。

勉学をするために、首席を通さなくてはならない。
どんなに辛く張り詰めた学生時代だったのか、ましてや婚約者に浮気され最後は破棄だ。

横で自分に教えているグレース嬢の横顔をカルロスは、自然と目がいくのだった。
気づくと顔を眺めている、そんな自分に我にかえって驚き。
そして、何故か胸が高鳴るのである。

 ベアトリス様が私に、仮面は何にするかドレスは何のモチーフにするとか聞いてきた。
そろそろ準備しないと、いけないそうだ。

ザィールの王様の誕生日は、いつなんだろうか?
思えば、ちょっと恥ずかしかったが質問した。

「うふふ、グレース!
王様の誕生日は分かりやすいでしょう」

そう話すと、両手の手のひらを開いて2回見せる。

「えーと、10月10日?」

「そうなの!当たり!
分かりやすくでしょう!あはは」

ご令嬢らしくなく、ベアトリスは笑い出すのだった。

「クスクス、私も覚えたわ!
あと3ヶ月しかない!」

グレースはあせりながら、何にしようか悩む。
なにせ、ドレスを作るには時間がかかる。
既製品きせいひんを買って、工夫するしかないわね。

もともとは、侯爵家たちとは比べられないないくらい。
地味で平凡な顔立ちだしね。
しかし、今回は仮面がつけられる!

着て行く仮装は、何にするんだろうか?

「ベアトリス様は決まってますの?」

「私はね、水の精霊にしましたの!
水色のドレスに波を思わす白いフリルをつけてますわ。
仮面は水しぶきを表す様に小さなサファイアの宝石を少し縫いましたのよ」

聞いてるだけで豪華で、さぞかし綺麗なんでしょうね。
グレースは頭の中でベアトリスの姿を、自分の持つだけの想像力を動員してみた。

隣で歩くのが悲しくなる、ましてや輝くようなご家族と…。
ダイヤモンドの中の石ころ、薔薇の中のタンポポ?!
タンポポは可愛いが…。

彼女は少しだけ考えるのを、自分の為にやめることにした。

「グレース、大丈夫?
ぼーっとして具合悪いの?」

ベアトリスは、カトリーナによる火傷事件と婦女暴行未遂事件があったことを考えていた。
きっと、たまにあの恐ろしい事件を思い出すのだわぁ。

私だって、聞いただけでも悲鳴をあげそうですもの。
悩み顔で石ころやタンポポを、想像してるなんて思いもしなかっただろう。

 カルロスは最後の卒業試験の追い込みに入っていた。

グレースは苦手な問題を、ワザと難しくし引っ掛け問題を作成していた。

「グレース嬢は、まるで本物の教師だ!
この問題は貴女が、自分で考えて作ったのですか?」

「ハァー、学園で在席中に先生に意見を求められましてね。
よく引っ掛け問題を、私が内緒ないしょで作りましたのよ」

アッサリと話す内容に、たぶん先生は楽をしたく彼女に頼んだのだと思った。
その先生は、まさか若い男だったのか?!

「その手伝わせた先生は、若い男性だったのか?!」

思わず声に、焼きもち混じりの怒りが含まれてしまった。

「若いって、ぷっフフフ!
お爺さん先生です。
定年間際まぎわで、だから王宮にも顔が利いたのですわ。
教え子の生徒さんには、結構偉い方がいらっしゃったそうです」

聞いていて赤くなるカルロスは、そうかと言っては顔をそむける。

「カルロス様に、お聞きしたい事がございますの」

グレースに声をかけられて、その時急に胸がドキっと高鳴った。
彼は自身でも初めての経験で、右手で胸を思わず触る。

「エッ!なんですか?!
グレース嬢!」

変なヤバい声をしたと気にしてあせったが、グレースは気にしてない様子にホッとした。

「お祭りの衣装は、お決めになりましたか?」

「いいえ、まだです。
では、一緒に同じような衣装にしませんか?!」

カルロスは、咄嗟とっさに口に出てしまったのだ。

「まぁ、嬉しい!お願いします!」

グレースは、ザィールのましてや王都のお店など知らない。
彼なら、きっと素敵な店をしっているはずだと思っていた。

その考えは、まったく当たらなく残念な結果になるのを知らない。
たが、そこには見えない力が二人を後押しをすることもー。
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