【完結】魔がさし令嬢の国外逃亡は恋の予感

愚者 (フール)

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第4章  真実の愛を求めて

第26話 アルバ公爵夫妻

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  アルバ公爵は、グレースとカルロスを見て驚きの顔をしていた。
二人は同時にアルバ公爵は、何にそんなに驚いているのか視線の先をを追う。
顔ではない、それは二人の着ている海賊の衣装を見ていたのだった。

「すまない、その海賊の衣装はどうされたのか?!」

アルバ公爵の問いに話が長くなりそうなので、エーレンタール侯爵は良かったら御一緒しないかと誘うのであった。

それから軽く挨拶を交わして、お茶や軽い軽食やお菓子をつまみながら歓談かんだんした。

先に私たちが、アルバ公爵に説明をする。

「では、平民が経営している仮面の館という店に父娘おやこが現れて衣装をゆずったんですね?!」

「はい、てるには忍びない。誰か欲しい方に譲って欲しいと言われたそうです」

カルロス様が、アルバ公爵に詳しくお話をされた。
身分上、カルロス様が好ましいと思って私は黙っていた。

「私は、その衣装を見たことがあるのですよ」

懐かしそうな眼差まなざしは、優しく温かであった。

きっと素敵な思い出なのだろう、聞いていた者たちは静かに公爵の話に耳を傾けた。

「その衣装の持ち主の令嬢が、私の婚約者だった女性です。
仮面祭りで、父親の公爵と海賊の格好かっこうで王都の街を楽しげに歩いてましたよ」

グレースとカルロスは話を聞き驚いたが、それには他の者も目を見開いた。
そして夫の側にいる公爵夫人を、複雑な気持ちで侯爵家のご家族たちは見ていた。

そんな表情に気づいてか、公爵夫人はにこやかにおっしゃる。

「気にしなくて結構よ。
私は全て存じてますわ。
もともと家の繋がりの政略結婚ですから。
でも、旦那様のそんな純粋な面に好感をもちましたのよ。ホホホ」

夫人は、オットリと目を細めて堂々と自身の気持ちをべた。

グレースはいま自分が着ている衣装が、恩人であり尊敬している王妃様の衣装に驚く。
思わず、衣装を触っている自分がいた。

そんな様子をアルバ公爵は見て、彼女に質問をしてきた。

「こんな場で、失礼だが気になってな。
以前に伯爵のパーティに君がしていたルビーの指輪は…」

アルバ公爵は、そこで言葉が止まってしまったようだ。

「あの、公爵様。
私も何故、エテルネル王妃様が私に渡されたのか理由は分かるようでわからないのです」

アルバ公爵夫妻は、不思議な顔をしてグレースを見つめた。

グレースはアルバ公爵夫妻を信じ、エーレンタール侯爵に話していいか確認するとうなづいた。

私は、正直に自身の事を話すのだった。

「ハハハ、あの方らしい。
私は……、グレース嬢。
貴女の見解は正しいと思いますよ。
もしかしたら、私と貴女がこうして縁を持つように仕向しむけたかもしれません」

そうおっしゃると目を閉じて、口元だけお笑いになられた。 

 突然、バルコニーの下から群衆ぐんしゅうの声が騒ぎだした。

「どうやら、王族たちがお見えになるみたいだ」

エーレンタール侯爵マキシミリアンが、私たちに声をかける。

「凄いわ!
皆があんなに待ちわびてる!
なんて、素晴らしいのでしょう」

私が言葉をはっすると、ザィール貴族である彼らや彼女らは誇らしげな表情を浮かべた。

私は目を瞬きするのも忘れるぐらい、ザィール国の国王夫妻や王族たちを見つめていた。

「今年も、お元気なお姿を国民にお見せ遊ばせた。
また、来年も祝おうぞ!」

ここに集まる貴族たちは陽気に、店から祝いのシャンパングラスをもらうと大声で国王に祝いを述べてから飲みすのであった。

「グレース、どう我が国の国王様や王妃様は?!」 

ベアトリスが、自慢げに聞いてくる。

「えぇ、威厳がございますわ。
来たきっかけは複雑ですが、今日この日をいつまでも忘れることはないでしょう!」

グレースはバルコニーの下の平民や貴族がじわい喜ぶ様子に幸福を感じていた。

「グレース嬢!
もう、そろそろ行きませんと」

カルロスが、グレースに合図を送る。
グレースは頷くと、もう1つの本番が待っていた。

「まぁ、お二人はどちらに参りますの?」

ベアトリスはグレースたちが急いで、席を外す非礼をわびているのを聞き質問する。

「内緒だ、ベアトリス!
これから夢の舞台に行くのさぁー!」

カルロスはグレースの手を握ると、引っ張って店から出ていった。

「お母様!
私たちも、後を追いませんこと?!」

ベアトリスはドレスのすそを少しあげると、グレースたちを追うのであった。

出遅れた残りの者は躊躇ちゅうちょしていたが、アルバ公爵がうながすように言う。

「若い頃に戻ったような気持ちになる。
今日はお祭りですし、羽目はめはずしませんか?」

そう言われて立ち上がると、ベアトリスとその先にいるグレースたちを目指す。
これから起こることに、また驚かされるのである。
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