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第4章 真実の愛を求めて
第25話 初めての体験
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秋の季節に相応しい青空、夏の蒸した気候からガラリと変ってカラッとした爽やかな空気。
そう、今日はザィール国王の生誕日。
エーレンタール侯爵家の方々も、仮面祭りの支度に特にメイドたちが忙しそうに動いている。
私は一人で、部屋の鏡の前に座り化粧をしていた。
化粧といっても、仮面をつければ口元しかするところがない。
ピンクの上品な赤が少し入った口紅を、丁寧に唇にのせて引く。
「うん、やっぱりこの色で正解!
地味な顔立ちが、口紅だけで華やかに見える。
私、唇の形だけはいいのよね!」
馬鹿みたい、鏡に映る自分に話しかけた。
ザィールに来てから、初めて買った化粧品だった。
アデラ様がご贔屓にしている商人たちが、1ヶ月に何回か品を持ってくる。
侯爵夫人や令嬢とは、同じ品というわけではない。
「質なんてどうでもいいわ。
変な材料は入ってないって言ってた。
私は、ほとんど化粧はしないしね」
一般の人が、買える質が落ちた物だが、メイドたちもその品を見て買うことが出来るのだ。
その中から選んだのが、この口紅だ。
お気に入りで、見ているだけで嬉しくなった。
後はあのドロシーさんの仮面の館で頂いた衣装、購入した帽子と仮面を着てつけたら支度は終わる。
「よし、海賊になりきるぞ!
初めてのお祭りを、楽しんで体験するぜ!」
グレースは腰の模造した剣をむき、天井に高々あげてみせた。
どうやら、役になりきる練習をしているようだった。
部屋の扉を叩く音がしたので、開けたらカルロス様が海賊の衣装を着て立っていた。
「おはよう、グレース嬢!
準備出来てるみたいだね、今日は頑張ろう!」
カルロス様の今日の空に負けないサファイアの瞳が、私を見て微笑んでいた。
うん、尊いお姿だ!
カルロスに好意を持つ、あの令嬢たちなら倒れてしまうかもね。
グレースは、また妄想を朝っぱらからしてしまう。
馭者のタイラーも宮廷臣下の格好をして、主人たちを馬車の前で待ってくれていた。
仮面をつけながら、馬車は扱いにくいので顔を出しているので照れくさそうにしている。
「おはようございます。
タイラー父様、お似合いではないですか!
今日は、例の為に頑張りましょうね!」
「おはよーだぜ、グレース!
今日のあの為に、あんな恥ずかしい練習を重ねてきたのだからなぁ。
絶対に手に入れるぞー!!」
タイラー父様は、いつも以上に気合が入っていた。
奥様も私たちが優勝するとは考えてないせいか、夫に約束したのだ。
優勝したら賞金は、全てがタイラー父様のものになるとー。
これは必ず頂くぜの心境になっているのだ。
どうも飲み代は、毎月のお小遣いで奥さまから貰っているみたい。
私は笑いながら、ウンウンと頷いて馬車の中に入っていく。
馬車の中の前の席には、美しく着飾った女神と水の精霊。
私の女海賊で精霊とは別物扱いで、全く比べられない。
美しい二人の女性たちを見て良かったこれでと、グレースは胸のうちで安堵して思っていた。
馬車は、街の中心街の近くに来ていた。
どうやら天候が良いせいか、人手がかなり多そうだ。
馬車も渋滞して、前に進みにくい様子。
「お母様、馬車が全然進みませんわ。
私は喉が渇きましてよ」
「そうね、歩きながら王宮を目指しましょうか?」
私が驚くと、アデラ様が説明をされた。
「王宮が一般公開されるのよ。
場所は限られるけどね。
12時にバルコニーに出られて、王族の方々が現れお姿を平民でも拝見出来るのよ」
「私もザィールの王族を拝見することが出来るなんて!
誠に光栄ですわ」
祖国エテルネルも同じだけど。
他国の王族も、お考えがご一緒なのね。
どこの国の王も、国民に好かれないといけませんもの。
そう言えば、仮面祭りの大会は何時から始まるのかしら?!
ドロシーさんが参加を登録するって、張り切っていたけど。
結局、馬車を降りて歩きながら王宮を目指すことになった。
「グレース、大会は13時30分からだぞ。
俺も午後から休みをもらった。
噴水前の広場だ!
カルロス様に伝えてあるけど、遅れるなよ。じゃあな~!!」
馬車から降りる時に、アデラ様たちに知られぬようにタイラー父様が話してくれた。
「こうしませんか?
王宮近くのカフェの3階から王族方を拝見したら如何?」
「それ、いいじゃない!
彼処なら融通がきくわ!
グレース、ゆっくりお茶をしてご尊顔を拝見出来きますわよ」
侯爵家の中でも1,2を争うお家柄は格は違うわと、グレースは母娘の会話を黙って聞いていた。
エーレンタール侯爵マキシミアンとカルロス様と合流して、王宮近くの超高級カフェ店に入る。
仮面のままだと礼儀に反するので、店内ではもちろん仮面は外す。
そのカフェは、会員制で伯爵以上でないと入れない店。
グレースは中に入り、まるで王宮みたいな豪華さに驚く。
もう何組かの貴族たちが既にいるようで、優雅に侯爵に挨拶を交わす。
またしてもグレースは、貴族の中の格差をまざまざと肌で感じる場面だった。
そして、王族の出られるバルコニーがよく見える。
店内のバルコニー席は、ほぼ通りを挟み真正面に近い。
この席に、私たちは腰を下ろした。
そこに偶然にも伯爵のパーティで、ー度だけ御挨拶したアルバ公爵夫妻が姿を現す。
グレースは後日、アデラからアルバ公爵がエテルネルの現王妃
ジュセフィーヌ様の婚約者だったと教えて貰っていた。
この後にグレースにとって、運命の扉が開かれる事になるとはー。
青空の上におわす、神しかご存知ないであろう。
そう、今日はザィール国王の生誕日。
エーレンタール侯爵家の方々も、仮面祭りの支度に特にメイドたちが忙しそうに動いている。
私は一人で、部屋の鏡の前に座り化粧をしていた。
化粧といっても、仮面をつければ口元しかするところがない。
ピンクの上品な赤が少し入った口紅を、丁寧に唇にのせて引く。
「うん、やっぱりこの色で正解!
地味な顔立ちが、口紅だけで華やかに見える。
私、唇の形だけはいいのよね!」
馬鹿みたい、鏡に映る自分に話しかけた。
ザィールに来てから、初めて買った化粧品だった。
アデラ様がご贔屓にしている商人たちが、1ヶ月に何回か品を持ってくる。
侯爵夫人や令嬢とは、同じ品というわけではない。
「質なんてどうでもいいわ。
変な材料は入ってないって言ってた。
私は、ほとんど化粧はしないしね」
一般の人が、買える質が落ちた物だが、メイドたちもその品を見て買うことが出来るのだ。
その中から選んだのが、この口紅だ。
お気に入りで、見ているだけで嬉しくなった。
後はあのドロシーさんの仮面の館で頂いた衣装、購入した帽子と仮面を着てつけたら支度は終わる。
「よし、海賊になりきるぞ!
初めてのお祭りを、楽しんで体験するぜ!」
グレースは腰の模造した剣をむき、天井に高々あげてみせた。
どうやら、役になりきる練習をしているようだった。
部屋の扉を叩く音がしたので、開けたらカルロス様が海賊の衣装を着て立っていた。
「おはよう、グレース嬢!
準備出来てるみたいだね、今日は頑張ろう!」
カルロス様の今日の空に負けないサファイアの瞳が、私を見て微笑んでいた。
うん、尊いお姿だ!
カルロスに好意を持つ、あの令嬢たちなら倒れてしまうかもね。
グレースは、また妄想を朝っぱらからしてしまう。
馭者のタイラーも宮廷臣下の格好をして、主人たちを馬車の前で待ってくれていた。
仮面をつけながら、馬車は扱いにくいので顔を出しているので照れくさそうにしている。
「おはようございます。
タイラー父様、お似合いではないですか!
今日は、例の為に頑張りましょうね!」
「おはよーだぜ、グレース!
今日のあの為に、あんな恥ずかしい練習を重ねてきたのだからなぁ。
絶対に手に入れるぞー!!」
タイラー父様は、いつも以上に気合が入っていた。
奥様も私たちが優勝するとは考えてないせいか、夫に約束したのだ。
優勝したら賞金は、全てがタイラー父様のものになるとー。
これは必ず頂くぜの心境になっているのだ。
どうも飲み代は、毎月のお小遣いで奥さまから貰っているみたい。
私は笑いながら、ウンウンと頷いて馬車の中に入っていく。
馬車の中の前の席には、美しく着飾った女神と水の精霊。
私の女海賊で精霊とは別物扱いで、全く比べられない。
美しい二人の女性たちを見て良かったこれでと、グレースは胸のうちで安堵して思っていた。
馬車は、街の中心街の近くに来ていた。
どうやら天候が良いせいか、人手がかなり多そうだ。
馬車も渋滞して、前に進みにくい様子。
「お母様、馬車が全然進みませんわ。
私は喉が渇きましてよ」
「そうね、歩きながら王宮を目指しましょうか?」
私が驚くと、アデラ様が説明をされた。
「王宮が一般公開されるのよ。
場所は限られるけどね。
12時にバルコニーに出られて、王族の方々が現れお姿を平民でも拝見出来るのよ」
「私もザィールの王族を拝見することが出来るなんて!
誠に光栄ですわ」
祖国エテルネルも同じだけど。
他国の王族も、お考えがご一緒なのね。
どこの国の王も、国民に好かれないといけませんもの。
そう言えば、仮面祭りの大会は何時から始まるのかしら?!
ドロシーさんが参加を登録するって、張り切っていたけど。
結局、馬車を降りて歩きながら王宮を目指すことになった。
「グレース、大会は13時30分からだぞ。
俺も午後から休みをもらった。
噴水前の広場だ!
カルロス様に伝えてあるけど、遅れるなよ。じゃあな~!!」
馬車から降りる時に、アデラ様たちに知られぬようにタイラー父様が話してくれた。
「こうしませんか?
王宮近くのカフェの3階から王族方を拝見したら如何?」
「それ、いいじゃない!
彼処なら融通がきくわ!
グレース、ゆっくりお茶をしてご尊顔を拝見出来きますわよ」
侯爵家の中でも1,2を争うお家柄は格は違うわと、グレースは母娘の会話を黙って聞いていた。
エーレンタール侯爵マキシミアンとカルロス様と合流して、王宮近くの超高級カフェ店に入る。
仮面のままだと礼儀に反するので、店内ではもちろん仮面は外す。
そのカフェは、会員制で伯爵以上でないと入れない店。
グレースは中に入り、まるで王宮みたいな豪華さに驚く。
もう何組かの貴族たちが既にいるようで、優雅に侯爵に挨拶を交わす。
またしてもグレースは、貴族の中の格差をまざまざと肌で感じる場面だった。
そして、王族の出られるバルコニーがよく見える。
店内のバルコニー席は、ほぼ通りを挟み真正面に近い。
この席に、私たちは腰を下ろした。
そこに偶然にも伯爵のパーティで、ー度だけ御挨拶したアルバ公爵夫妻が姿を現す。
グレースは後日、アデラからアルバ公爵がエテルネルの現王妃
ジュセフィーヌ様の婚約者だったと教えて貰っていた。
この後にグレースにとって、運命の扉が開かれる事になるとはー。
青空の上におわす、神しかご存知ないであろう。
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