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第4章 真実の愛を求めて
第4話 大根役者と現役令嬢
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諦めて早く終わらせてしまおうと、カルロスは栞の挟んである部分を開く。
彼は座っては様にならないと、ご丁寧にも立ち上がっていた。
「貴女たち、いいことぉーっ!!今日はあの生意気な令嬢を、人前に出れなくなるほど恥をかかせるのよぉ~!!」
座っている妹ベアトリスに、やけくそ気味に腰に手をやり指をさす。
「ぷーっ、あーははは!
お兄様、笑わせないでよ!
でも、面白くて最高ですわ!」
「煩い!
お前がやれと言ったんだ!
そんなに笑うなら、続きはしないぞ!」
笑いを堪えて謝る妹に、カルロスは怒りを押さえて続きを始めた。
「お任せ下さい。
カサンドラ様ー。
カサンドラ様は、王子様や王妃様のお側で高みの見物をなさって下さい。
私たちが、きっとキッチリ地獄に落としてみせますわぁ。
ウ、フフー……」
詩の朗読なら、まだ喜んでするのにな!
心で愚痴るカルロスを尻目に、涙を溜めて聞いているベアトリス。
「ん、まぁ。
私のドレスに紅茶をかけるおつもり?!
酷いわぁ‥。貴女~」
だんだんとヤル気が失せていく。
「お兄様、棒読みでなくて感情を入れて下さいません?
それじゃ、大根役者より下手ですわ」
「……。好き放題言うな!
私は、役者ではないし男だ。
いいから聞けよ!」
少しだけ高い声で真似て、頑張りをみせる兄である。
「惚けるおつもり?
私にかけるつもりが、自分にかかって言い掛かりをつけるつもりなの!なんて、お人なの?!」
誰もいない隣に話しかけて、お芝居を加えてきた。
「そんなー!貴女が私にお茶をかけたのよ!
ねぇ、隣の貴女は見たわよね?!」
また、ベアトリスの方へ顔を向ける。
「ええ、見ましたわ!
トレーバー伯爵令嬢が、キャサリン様にカップを傾けて失敗して自分の胸に紅茶をかけた瞬間をねぇ?!」と、ニャーっと笑う。
「嘘!嘘よ~!!」
頭を左右に揺らし前のベアトリスを見ながら必死の形相で!
「ねぇ、貴女は見たわよね?!
私ではないでしょうー!!」と、カルロスは叫んだ!
「何を仰っているの?
被害妄想ではなくって?
だって、貴女が勝手にご自分でお茶をこぼしたのでしょう!」
彼は腕を組み、座っていたベアトリスを睨みつけて言い出した。
「殿下にされてもいない事を言って、また慰めて貰うつもり!
最低だわ、ねぇ~皆様もそう思いますでしょう!」
両腕を広げて高らかに賛同を促す素振りをすると、今度は泣き真似をして最後の台詞。
「酷い!酷いですわぁ!
こうして、泣きながら一人席から逃げ出した。
これで終わりだ、ベアトリス!」
カルロスは、どカーンと椅子に座ると頭を抱えてる。
やっていて恥ずかしいのか、顔を赤くしてそっぽを向いていた。
「きゃは~、アーハハハ!!
お兄様、素敵ですし上手でしたわ。
まるでお茶会で、間近で伺っている気分です。
それに似たのを、何度か遠くから拝見してますわよ!!」
興奮状態のベアトリスは、満足したのか、紅茶を美味しそうに飲んでいる。
兄は疲労して本にまた栞を挟むと、座り直し紅茶を一気に飲んで息を吐くのであった。
翌日からカルロスとベアトリスは、学園に通う日が続く。
どこからか漏れて噂になり、トレド伯爵令嬢が学園を辞めた話が広がっていた。
だが、肝心のカルロスの関心事はグレースの本だ。
彼は妹ベアトリスの度重なる妨害で、全然本を読めなくなっていた。
それを取り戻す時間を、学園で使っていたのである。
そのお陰で噂や、令嬢の視線を無視することが出来た。
グレースの小説は、苦難を共にした伯爵令嬢が無事に王子の妃になり嫁ぐことになった。
意地悪な令嬢たちの悪事が明るみになり、伯爵令嬢は周りから信頼を勝ち取ったのだ。
主人公の令嬢は、そんな主人を見届けると故郷に里帰りをする内容に入っていった。
カルロスはやっと明るい話になり、前半の暗い世界から脱出したのを心から喜んだ。
私の精神が、滅入る前で良かった。
そう思うと、この小説は実に絶妙なタイミングで展開が変わると感心するカルロス。
なるほど、引き込まれる訳だ。
グレース嬢がそんなつもりで書いてないとすれば、父上が言っていたように作家になる才能を持ち合わせているのだろう。
物語の終わりに近づく頃は、絶対に自室で独りで読むことに決めた。
あの本好きの父が泣いたのだ。
私も泣くのだろうか、そんなカッコ悪い姿を学園の生徒たちに見せられない。
カルロスの矜持が許せなかった。
夕食が終わり次第、自室で本を読む予定。
妹ベアトリスには今晩読み終えるから、絶対に部屋には入るなと言い渡した。
「やっと、読み終わるのね。お兄様!
明日は、直ぐに渡して下さいな。私は読みたくて、堪りませんでしたのよ!」
ベアトリスが、夕食時に嬉しそうに言い出してきた。
「お前が中断させたんだぞ!
明日からは、読めるんだから大人しくしろよ!」
そんな兄妹の会話を父の侯爵は、少し微笑んだ顔をして食べていた。
そうか、カルロスも最後の場面を読むのか。
父マキシミアンは食事の手を止め、もう一度本を思い出す様に目を閉じた。
あの本は最後が良いんだよな。
だから魅了され、惑わされる。
私だってこの歳で、迷いに惑わされたのだから。若いカルロスはどう感じるのか。
彼は言い争う2人の子供らを目を細め見ては、また食事を続けていた。
彼は座っては様にならないと、ご丁寧にも立ち上がっていた。
「貴女たち、いいことぉーっ!!今日はあの生意気な令嬢を、人前に出れなくなるほど恥をかかせるのよぉ~!!」
座っている妹ベアトリスに、やけくそ気味に腰に手をやり指をさす。
「ぷーっ、あーははは!
お兄様、笑わせないでよ!
でも、面白くて最高ですわ!」
「煩い!
お前がやれと言ったんだ!
そんなに笑うなら、続きはしないぞ!」
笑いを堪えて謝る妹に、カルロスは怒りを押さえて続きを始めた。
「お任せ下さい。
カサンドラ様ー。
カサンドラ様は、王子様や王妃様のお側で高みの見物をなさって下さい。
私たちが、きっとキッチリ地獄に落としてみせますわぁ。
ウ、フフー……」
詩の朗読なら、まだ喜んでするのにな!
心で愚痴るカルロスを尻目に、涙を溜めて聞いているベアトリス。
「ん、まぁ。
私のドレスに紅茶をかけるおつもり?!
酷いわぁ‥。貴女~」
だんだんとヤル気が失せていく。
「お兄様、棒読みでなくて感情を入れて下さいません?
それじゃ、大根役者より下手ですわ」
「……。好き放題言うな!
私は、役者ではないし男だ。
いいから聞けよ!」
少しだけ高い声で真似て、頑張りをみせる兄である。
「惚けるおつもり?
私にかけるつもりが、自分にかかって言い掛かりをつけるつもりなの!なんて、お人なの?!」
誰もいない隣に話しかけて、お芝居を加えてきた。
「そんなー!貴女が私にお茶をかけたのよ!
ねぇ、隣の貴女は見たわよね?!」
また、ベアトリスの方へ顔を向ける。
「ええ、見ましたわ!
トレーバー伯爵令嬢が、キャサリン様にカップを傾けて失敗して自分の胸に紅茶をかけた瞬間をねぇ?!」と、ニャーっと笑う。
「嘘!嘘よ~!!」
頭を左右に揺らし前のベアトリスを見ながら必死の形相で!
「ねぇ、貴女は見たわよね?!
私ではないでしょうー!!」と、カルロスは叫んだ!
「何を仰っているの?
被害妄想ではなくって?
だって、貴女が勝手にご自分でお茶をこぼしたのでしょう!」
彼は腕を組み、座っていたベアトリスを睨みつけて言い出した。
「殿下にされてもいない事を言って、また慰めて貰うつもり!
最低だわ、ねぇ~皆様もそう思いますでしょう!」
両腕を広げて高らかに賛同を促す素振りをすると、今度は泣き真似をして最後の台詞。
「酷い!酷いですわぁ!
こうして、泣きながら一人席から逃げ出した。
これで終わりだ、ベアトリス!」
カルロスは、どカーンと椅子に座ると頭を抱えてる。
やっていて恥ずかしいのか、顔を赤くしてそっぽを向いていた。
「きゃは~、アーハハハ!!
お兄様、素敵ですし上手でしたわ。
まるでお茶会で、間近で伺っている気分です。
それに似たのを、何度か遠くから拝見してますわよ!!」
興奮状態のベアトリスは、満足したのか、紅茶を美味しそうに飲んでいる。
兄は疲労して本にまた栞を挟むと、座り直し紅茶を一気に飲んで息を吐くのであった。
翌日からカルロスとベアトリスは、学園に通う日が続く。
どこからか漏れて噂になり、トレド伯爵令嬢が学園を辞めた話が広がっていた。
だが、肝心のカルロスの関心事はグレースの本だ。
彼は妹ベアトリスの度重なる妨害で、全然本を読めなくなっていた。
それを取り戻す時間を、学園で使っていたのである。
そのお陰で噂や、令嬢の視線を無視することが出来た。
グレースの小説は、苦難を共にした伯爵令嬢が無事に王子の妃になり嫁ぐことになった。
意地悪な令嬢たちの悪事が明るみになり、伯爵令嬢は周りから信頼を勝ち取ったのだ。
主人公の令嬢は、そんな主人を見届けると故郷に里帰りをする内容に入っていった。
カルロスはやっと明るい話になり、前半の暗い世界から脱出したのを心から喜んだ。
私の精神が、滅入る前で良かった。
そう思うと、この小説は実に絶妙なタイミングで展開が変わると感心するカルロス。
なるほど、引き込まれる訳だ。
グレース嬢がそんなつもりで書いてないとすれば、父上が言っていたように作家になる才能を持ち合わせているのだろう。
物語の終わりに近づく頃は、絶対に自室で独りで読むことに決めた。
あの本好きの父が泣いたのだ。
私も泣くのだろうか、そんなカッコ悪い姿を学園の生徒たちに見せられない。
カルロスの矜持が許せなかった。
夕食が終わり次第、自室で本を読む予定。
妹ベアトリスには今晩読み終えるから、絶対に部屋には入るなと言い渡した。
「やっと、読み終わるのね。お兄様!
明日は、直ぐに渡して下さいな。私は読みたくて、堪りませんでしたのよ!」
ベアトリスが、夕食時に嬉しそうに言い出してきた。
「お前が中断させたんだぞ!
明日からは、読めるんだから大人しくしろよ!」
そんな兄妹の会話を父の侯爵は、少し微笑んだ顔をして食べていた。
そうか、カルロスも最後の場面を読むのか。
父マキシミアンは食事の手を止め、もう一度本を思い出す様に目を閉じた。
あの本は最後が良いんだよな。
だから魅了され、惑わされる。
私だってこの歳で、迷いに惑わされたのだから。若いカルロスはどう感じるのか。
彼は言い争う2人の子供らを目を細め見ては、また食事を続けていた。
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