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第5章 永遠の愛をあなたに
第7話 戸惑いは恋の予感
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早朝の水汲みをした時に、ボーッとして桶に入れたつもりが自分に水が掛かっていた。
「グレース!アンタ、何してるの!?
心ここにあらずを体現しているよ。
風邪ひくから、早く着替えておいで!」
姉御肌のメイド仲間が、口調は悪いが親切に声をかけてくれた。
「溢した分を、また汲みにいかないといけないから…」
「私が代わりにするから、この仮はいつかお返ししてね!」
悪い事をしてしまった。
ぼんやりしてあの告白を思い出していたからだわ。
どうしたら良いのかしら?
私自身が、よく分からなくなってきてしまった。
嫌いではないし、好きだと思う。
人として好き、男性としても好きなのか。
カルロス様からの告白は、誰にも内緒だから。
気をつけて安心な方に、相談しなくてはならない。
いったい誰に、相談をしたらいいの? !
「はぁ~、失敗しちゃった。
迷惑をかけてしまったし、二週間の約束があっという間にやって来てしまう。
困ったなぁ」
「何か困りごとなの?
グレース、相談に乗りましてよ!」
周りに誰もいないと思い独り言を言いながら歩いていたら、背後から突然ベアトリス様に声をかけられてしまった。
「ベアトリス様、おはようございます。
いいえ、大した困りごとではありません。
失礼致します!」
「ま、待ってよー!グレース!」
あんなに慌てて逃げるなんて、怪しいー!
絶対に、お兄様と会っていた時の事に違いない。
グレースに兄が、愛の告白したのは間違いないはずよ。
二人揃って遠くから見ても、お顔が真っ赤でしたもの。
私にだけは相談をしてくれたらと思っておりましたのに、グレースったらつれないですわ。
ああー、驚いたわよ。
ベアトリス様、逃げ出して変に思われたわよね。
でも、ご家族である彼女はダメよ。
やはり他人で、しかも私たちを知ってる方でないとー。
仕事が終わったら、タイラー父様と奥様に相談をしてみようかな。
グレースはタイラ夫妻が住んでいる部屋を訪れていたが、なかなか相談しにくかった。
「グレースさん、遊びに来てくれて嬉しいわ。
ソワソワしてるみたいだけど、何かございましたの?!」
奥様が彼女の落ち着かない態度が気になり、有り難い事に聞いてきて下さった。
「あのですね。
お二人を見て思ったんです。
タイラー父様には、もったいない奥様だなぁって。
恋愛か紹介か、どんな出会いでしたか?そんな想像をしてましたの」
「失礼な奴だな!俺たちは同じ故郷なんだ。
小さい頃から知っていて、大人になっていく途中で気になっていたんだよ!」
照れて口調は相変わらず乱暴だが、相思相愛ぶりが手に取るようにみえた。
「私もね。いつも気づけば、旦那様を目で追っていたわ。
あれは、きっと恋の始まりの予感ね」
恋の予感…?
私はあの頃は、元婚約者にどうしていたのだろうか?
幼い時に、クッキーを自分の分をくれて優しい子だと思ったわ。
あれは初恋だと信じていたが、大人になると考えが違ってくる。
考えてもますます分からなくなった彼女は、二人の恋愛話を伺っていた。
「俺も母ちゃんが誰よりも輝いて見えた。
キレイな女はたくさんいるが、お前は特別だと感じた時に…。好きなんだと思ったさ」
相手に対しての特別な感情が、恋の予感!
その言葉だけが、グレースの頭の中を駆け巡っていたのであった。
もう他に誰か、相談できる相手はいないのかなぁ~。
あっ、いたわ一人だけ!
エーレンタール侯爵家に、なにひとつの関わり合いもない方。
仮面の館のドロシーさんなら、バシッと答えてくれる!
彼女なら客商売だし、たくさん方々の色んな話を聞いているんではないかしら?!
休みの日に、また今度はマドレーヌでも焼いて持っていこう!
館に訪問して、話を聞いて貰うことに決めたのである。
グレース嬢はあれから、私と接点を持たないようにしているみたいだ。
嫌われたのか、私がまだまだ未熟者だからだろうか。
友人に恋愛の話をしてみたら、まるで子供だなと呆れた顔をされてしまった。
「お兄様、聞こえておりますか?
先程から、何度も声をかけてますのよ。
そんなんだから、グレースに見向きもされないんですわ」
「何だ、ベアトリスか。
グレース嬢は関係ないだろう。少しだけ考え事をしていただけだよ。何のようなんだ」
「グレースにお茶を入れて貰おうとしたら、何処かへ出かけてしまったのよ。
お兄様は、気になりませんか?彼女、この国に知り合いなんていたかしら?」
何処かへ出かける?
どこへ行ったんだろうか。
カルロスは考えていると、一人だけ思い浮かんだ。
仮面の館か。
ドロシーさんに相談に行ったんだろうか。
「彼女、グレース嬢に変な話をして吹き込まないといいけど…」
「お兄様!何独り言をブツブツ仰っているの。しっかりなさってよ!
だから、グレースにフラれるのよ!」
カルロスは口をへの字にすると、妹に強く言った。
「お前は黙っていろ!
自分こそ、婚約者に捨てられないようにしろよ。
よくも、こんなじゃじゃ馬を好いてくれているな。
彼の心は、空のように広い!」
文句を言うと彼は不機嫌になり、長い足で急ぎ動かし妹を置いて部屋を出ていく。
「怒って文句言って、消えてしまったわ。
あんな兄を、グレースは好きになってくれるのかしら?
私はグレースと家族になりたいのに…。
ほんと、頼りないお兄様だわ!」
ベランダからグレースのために植えてあるグリシーヌを見ては、ベアトリスは二人の煮えきらない関係に苛つきを感じていた。
この悶々とする気持ちか、あと少しの辛抱になる事を知らない彼女である。
「グレース!アンタ、何してるの!?
心ここにあらずを体現しているよ。
風邪ひくから、早く着替えておいで!」
姉御肌のメイド仲間が、口調は悪いが親切に声をかけてくれた。
「溢した分を、また汲みにいかないといけないから…」
「私が代わりにするから、この仮はいつかお返ししてね!」
悪い事をしてしまった。
ぼんやりしてあの告白を思い出していたからだわ。
どうしたら良いのかしら?
私自身が、よく分からなくなってきてしまった。
嫌いではないし、好きだと思う。
人として好き、男性としても好きなのか。
カルロス様からの告白は、誰にも内緒だから。
気をつけて安心な方に、相談しなくてはならない。
いったい誰に、相談をしたらいいの? !
「はぁ~、失敗しちゃった。
迷惑をかけてしまったし、二週間の約束があっという間にやって来てしまう。
困ったなぁ」
「何か困りごとなの?
グレース、相談に乗りましてよ!」
周りに誰もいないと思い独り言を言いながら歩いていたら、背後から突然ベアトリス様に声をかけられてしまった。
「ベアトリス様、おはようございます。
いいえ、大した困りごとではありません。
失礼致します!」
「ま、待ってよー!グレース!」
あんなに慌てて逃げるなんて、怪しいー!
絶対に、お兄様と会っていた時の事に違いない。
グレースに兄が、愛の告白したのは間違いないはずよ。
二人揃って遠くから見ても、お顔が真っ赤でしたもの。
私にだけは相談をしてくれたらと思っておりましたのに、グレースったらつれないですわ。
ああー、驚いたわよ。
ベアトリス様、逃げ出して変に思われたわよね。
でも、ご家族である彼女はダメよ。
やはり他人で、しかも私たちを知ってる方でないとー。
仕事が終わったら、タイラー父様と奥様に相談をしてみようかな。
グレースはタイラ夫妻が住んでいる部屋を訪れていたが、なかなか相談しにくかった。
「グレースさん、遊びに来てくれて嬉しいわ。
ソワソワしてるみたいだけど、何かございましたの?!」
奥様が彼女の落ち着かない態度が気になり、有り難い事に聞いてきて下さった。
「あのですね。
お二人を見て思ったんです。
タイラー父様には、もったいない奥様だなぁって。
恋愛か紹介か、どんな出会いでしたか?そんな想像をしてましたの」
「失礼な奴だな!俺たちは同じ故郷なんだ。
小さい頃から知っていて、大人になっていく途中で気になっていたんだよ!」
照れて口調は相変わらず乱暴だが、相思相愛ぶりが手に取るようにみえた。
「私もね。いつも気づけば、旦那様を目で追っていたわ。
あれは、きっと恋の始まりの予感ね」
恋の予感…?
私はあの頃は、元婚約者にどうしていたのだろうか?
幼い時に、クッキーを自分の分をくれて優しい子だと思ったわ。
あれは初恋だと信じていたが、大人になると考えが違ってくる。
考えてもますます分からなくなった彼女は、二人の恋愛話を伺っていた。
「俺も母ちゃんが誰よりも輝いて見えた。
キレイな女はたくさんいるが、お前は特別だと感じた時に…。好きなんだと思ったさ」
相手に対しての特別な感情が、恋の予感!
その言葉だけが、グレースの頭の中を駆け巡っていたのであった。
もう他に誰か、相談できる相手はいないのかなぁ~。
あっ、いたわ一人だけ!
エーレンタール侯爵家に、なにひとつの関わり合いもない方。
仮面の館のドロシーさんなら、バシッと答えてくれる!
彼女なら客商売だし、たくさん方々の色んな話を聞いているんではないかしら?!
休みの日に、また今度はマドレーヌでも焼いて持っていこう!
館に訪問して、話を聞いて貰うことに決めたのである。
グレース嬢はあれから、私と接点を持たないようにしているみたいだ。
嫌われたのか、私がまだまだ未熟者だからだろうか。
友人に恋愛の話をしてみたら、まるで子供だなと呆れた顔をされてしまった。
「お兄様、聞こえておりますか?
先程から、何度も声をかけてますのよ。
そんなんだから、グレースに見向きもされないんですわ」
「何だ、ベアトリスか。
グレース嬢は関係ないだろう。少しだけ考え事をしていただけだよ。何のようなんだ」
「グレースにお茶を入れて貰おうとしたら、何処かへ出かけてしまったのよ。
お兄様は、気になりませんか?彼女、この国に知り合いなんていたかしら?」
何処かへ出かける?
どこへ行ったんだろうか。
カルロスは考えていると、一人だけ思い浮かんだ。
仮面の館か。
ドロシーさんに相談に行ったんだろうか。
「彼女、グレース嬢に変な話をして吹き込まないといいけど…」
「お兄様!何独り言をブツブツ仰っているの。しっかりなさってよ!
だから、グレースにフラれるのよ!」
カルロスは口をへの字にすると、妹に強く言った。
「お前は黙っていろ!
自分こそ、婚約者に捨てられないようにしろよ。
よくも、こんなじゃじゃ馬を好いてくれているな。
彼の心は、空のように広い!」
文句を言うと彼は不機嫌になり、長い足で急ぎ動かし妹を置いて部屋を出ていく。
「怒って文句言って、消えてしまったわ。
あんな兄を、グレースは好きになってくれるのかしら?
私はグレースと家族になりたいのに…。
ほんと、頼りないお兄様だわ!」
ベランダからグレースのために植えてあるグリシーヌを見ては、ベアトリスは二人の煮えきらない関係に苛つきを感じていた。
この悶々とする気持ちか、あと少しの辛抱になる事を知らない彼女である。
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