【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます!幼女篇

愚者 (フール)

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第2章  王都の生活

第12話 方針と姉の評判

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 どうせ帰り道じゃと言われてると、断れなく父も承知しょうちした。

「おじい様!
結局は、王子と会話しませんでしたね。
王子の友達を、見つけよう会だったんでしょう?
学園ですればいいのにさぁ。
僕は、王子と友達は嫌だけどね」

馬車の中でリュカ様は、興味なさげに投げやりにいう。

「そうか、迷惑だったのう。
もう行かなくてよいぞ。
リュカ!」

横に座る孫の頭を、ヨシヨシと大きな手で優しくでる。

「私も、これで最後にして欲しいですわ。
王子様の顔も、よく覚えてませんもの」

2人の男性は、ププッと吹き出す。

「王子さまが、苦手にがてなお姫さまか?!」

店の物件が見つかったら、セパヌイールに連絡を入れる約束してくれた。

送ってくれたお礼を言うと、遠ざかる馬車に大きく手を振った。

これから先、ブロイ公爵家と長く深い付き合いになる。
このときは、プリムローズは思いもしなかった。
 

 馬車から降りると、人影が目についた。

「お嬢様、お待ちしてました。
馬車の準備はしております」

メイドのメリーが、プリムローズに近づいて話す。

「メリー、待たせたかしら?
早くセパヌイールに、これを持って行きましょう」

メリーに、ケーキの入った箱たちを指差す。

「まぁまぁ、たくさんありますね。
馬車の中へ運び入れます」

メリーも使用人たちも、箱たちを見てあきれている様子。

馬車の中で、お茶会の話をする。
メリーは上手く逃げましたわねと、笑って聞いてくれた。


  裏口から入ると、厨房ちょうぼうからお菓子の焼きあがる香ばしい匂いがただう。

「皆さん、お疲れ様です!
王宮のお菓子を持ってきましたよ。
参考にしてください」

プリムローズ達が顔を出すと、作業していた者たちは手を止める。

「お嬢様、本当にするとは思いませんでしたよ!ワァハハ!」

厨房の中から、たくさんの笑い声が広がった。

「私は店長と話をするので、こちらをお願いね?」

お菓子を渡すと、店長のいる部屋に行く2人。

「店長、こんにちは!
いつもまかせきりで、ごめんなさいね。
王宮からお菓子を、パティシエ達が味見してくれているわ。
何か問題とかあるかしら?」

「売上は絶好調で、閉店2時間前には品がなくなります。
女性たちは小物作りや、前日の準備などをしております。
新しい店を、早く出店したいものですね」

売れると売れるなりに、問題がでるものなのね。

「店の件は有力な方の力が、頂けそうですのでもう少し待ってて。
この店は、日持ちのする菓子ばかりでしょう?
新店舗はその場で食べるので、新メニューの開発しなくてはいけないわ」

話をしている最中さいちゅうに、従業員は礼をして3人のお茶を運んでいた。

私たちは、目礼して感謝を表した。

「空いた時間に、いろんな品を作ってみます!」

メリーがモジモジして、何か言いたげで私をじっと見ていた。

私が発言を許すと、メリーが話をしだした。

「あの~。
給仕きゅうじできる方を、お探しになった方がいいと存じます。
ちゃんとされた方をー」

私と店長は、同時にアッとした顔になった。

「そうだったわね。
ありがとう、メリー!
給仕できる方を探しましょう。
貴族に仕えた経験のある人がいいわね。
女性2人、男性は2人でいきましょう!」

店長は男性ですか?と、プリムローズに疑問を投げかけた。

「そうよ!
何かあったとき、対処は男性の方がいいわ。
女性客が大部分をしめているでしょう。
素敵すてきな殿方に、給仕されたらそりゃあ喜ぶわよ!」

なるほどねと、店長も賛同さんどうしている。

「女性心理ですなぁ?!
私はその逆ですがね、ハハハ」

苦笑いをした店長は、私たち2人にする。

新店舗は主に貴族の夫人方を客にするため、華やかな綺麗なお菓子を作るように指示した。
それを伝えて、今から準備に取りかかることにした。

 
 帰りの馬車でメリーが、プリムローズに相談を持ちかけてくる。

「お嬢様。あの場所では言えなかったんですが、給仕きゅうじに雇って頂きたい者がいますの?」

メリーの顔は、かなり言いにくそうにしていた。

「誰なの?メリーが歯切はぎれ悪いと気持ちが悪いわ。
遠慮しないで、ハッキリいつもみたいに仰いなさいな」

プリムローズが許可すると、ガラリと態度が変わった。

「ありがとうございます!
お嬢様の姉上リリアンヌ様付きのメイドです。
彼女は毎日、リリアンヌ様に当たられているのです。
たまたま目にしましたが、酷かったですよ!
もう辞めて出て行くと泣いて、他のメイドたちはなぐめておりましたわ!」

まさかの身内の恥に、プリムローズは顔を赤くした。

食事の態度を見れば、絶対にあり得るとプリムローズは考えた。
両親は、姉のメイドに対しての行いを知っているのだろうか?

「メリー、アンナは知らないの?彼女なら見ないふりはしないはずよ?!」

メリーはしかめっ面して、大きくため息をついた。

「リリアンヌ様は、上手に奥様とメイド長のアンナさんが外出の時に当たるのですわ!
あれは、凄い才能です!
それにメイドたちは、アンナさんにご迷惑をかけたくないのです」

何ですって、そんなにそこまで性格が悪いの?
あぁ~嫌ですわ。
そんな姉がいるのはー!
プリムローズは、絶望感ぜつぼうかんに襲われた。

「雇いますわ。
そのメイドに伝えてね。
準備出来たら話すから、それまで耐えなさいとー。
住む場所も用意します。
メリー、クラレンス家はどうなるのでしょう?!
もう、兄上以外はダメな気がします」

馬車の中は、夜のやみより暗いように感じられた。
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