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第4章 王家の陰り
第24話 次期王とスザナ
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次期王の第1元王子が、隣国ウィルスターからこの国エテルネルへそして王宮へ入る。
母親が違う兄と弟は、長い年月を経て久しぶりの再会。
2人はその夜遅くまで酒を飲み語られたと、お付きの方々から密やかに伝えられていた。
本日、私は次期王と2人で初めて会う日。
気合いを入れて準備するメイドたち。
その筆頭にいるのは、専属メイドのメリーだ。
ドレスは淡いピンク、ドレスの帯と靴はシルバー。
髪には庭に咲いていた小さなピンクの薔薇を指すことになった。
薔薇は可哀想だが、用意してしまったので仕方ない。
「ウオーッ。
可愛いピンクの薔薇姫、妖精!!
生けるお人形さん~!!」
私の周りをくるくる踊りながら声を出している。
それを見ていたら、目が回りそうになった。
他のメイドたちも、クスクス笑いをしていた。
いつも私がお出かけドレスを着ると、興奮状態の私のメリーは可愛らしい。
確か、成人しているよね。
ちょっと、恥ずかしいぞ!メリー?!
「それでは、行ってきますわ。
皆様、粗相のないように気をつけてます」
あれほど騒いでいたメリーが、よそ行きに表情に変身して付き添っている。
なんという変わり身の早さだ。
支度の騒ぎを思い出していたら、馬車が王宮に着いたようだわ。
「プリムローズ様。
私は、メイド専用の部屋で待機しております」
澄ました顔をして、メリーは離れていった。
控えている者や案内係が、ジーっと私を見ている。
はぁ~、王宮はよい感じがしないのよ。
今日は、何が起こるか不安しかないわ。
王宮に仕えてる皆様は、どうも私の所為で国王が変更になったと思うと緊張しているみたいだわ。
もともとは欠陥だらけの王族なのに、私のせいにしないでよね。
本当は優しいわよって感じで、フワフワドレスを着て歩いていった。
『あっ、お庭に前王様に前王妃様とスザナ様がお話をしているわ。
スザナ様に、本当に悪いことをしたなぁ。
側室の件が流れてしまって、本人は気にしないでと言われたが‥…。
それなのに、こうしてまだお会いに来る。
お優しい方なんだわ』
「クラレンス公爵令嬢、此方です」
いけない、余所見してしまったわ。
しっかりしなくては!
扉が開きキラキラした方が、1人立って待っていた。
この人が、新王さまになる方ね。
噂で聞いてたモテモテ王子が、
今は真面目な義理の王弟として公務しているのね。
そう考えると、人って変わることの出来る生き物なのね!?
「初めまして、クラレンス公爵令嬢。
シャルル・ド・エテルネルと申す」
次期王が、私に自己紹介して下さった。
「お初にお目文字つかまつります。
お会いでき、光栄の至りと存じ上げます。
クラレンス公爵次女プリムローズでございます。
新たなる王よ!」
「へぇ、まだ、9歳か。
こんな子供が、私を玉座に座らせたとはね!」
そう言って、私に椅子をすすめてきた。
見かけとは違い気さくで、豪快なお方なのかしら?
「弟が君は自分より、王らしい人だと話していたよ。
君が自分から玉座を盗んで、私に与えたと言われた」
「違いますわ。
原因はあったかもしれませんが、王が自ら進退を決めたのですよ。
そして、貴方様が答えた」
笑いながら、次期王は私に話した。
「君に心構えを賜りたい。
お願い出来るかなぁ?」
「新たなる王よ。
私達は、全国民の僅かしかいない。
平民が私たちを支えているのです。
天災に備え、幸せに導く。
その代わりをする貴族たちに、尊敬される王にお成り下さい。
期待しますし、道を外さないように見張りますよ!」
次期王は、両手を軽く挙げた。
「了解、クラレンス公爵令嬢は怖いよ。
よく見張ってくれ、頼みますよ」
本当に気さくな方ね。
私は思わず微笑んでた。
「あら、スザナ様だわ。
やはり、お綺麗な方ね。
そうは思いません、次期王さま!」
私たちはベランダでお茶をして座っている所から、彼女らを眺めた。
「彼女は、何度か姿を拝見していますよ。
父と母と散歩しているのを」
私に次期王は、彼女をご存知ですかと聞いてきた。
数ヵ月前の側室の話題をすると、彼は眉を下げてしまう。
そして、彼女を見詰めている。
「失礼ですが、次期王妃様とは恋愛それとも政略どちらですか?」
私の質問に、次期王は目を開いた。
「政略です。
王妃には好きな方が、昔からいましてね。
今は内緒の愛人で、いつも側に居ますよ」
私は驚いて、つい本音を言ってしまった。
「えっ、何ですって!?
次期王様は、妻を許しているのですか?
まさか王子たちは、どちらのお子ですか!」
プリムローズは、かなり不味い質問を堂々としてしまった。
「私の子は長男、次男は愛人の子です。
偶然とはいえ、彼と私は髪の色と目の色がよく似てましてね。
次男は時期的にハッキリ違うんでね。
私たち夫婦と、愛人しか知らない秘密ですよ。
もしかしたら、第1王子の息子は気づいているかもね?!」
口元に人差し指を立てて、話す次期王。
「では、貴方も愛人や側室を持って良いのでは。
不公平でございましょう?」
9歳の子は、大胆に発言してきた。
「それはいいですね!
彼女を、私に紹介して下さい。
クラレンス公爵令嬢!!」
次期王は、プリムローズにお願いをしてくる。
他の人が伺っていたら、どんな反応になるのか。
これは、問題発言だ。
今は人払いをして、2人しかいないから出来る会話であった。
スザナ様たちの場所まで、次期王と手を繋ぎ私たちは歩き出した。
「何で手を繋ぐ、急にどうしたのだ!?」
挙動不審の次期王に説明する。
「スザナ様に次期王は、子供好きな良い人とみせる所為よ。
第一印象は、かなり大事ですからね」
庭にいる3人に声をかけた。
「前王様に前王妃様、スザナ様ご機嫌よう!」
「おお、クラレンス公爵令嬢。
シャルルと手を繋いで仲良しさんだなぁ」
前王は私たちに気づくと、目を細めて笑って返事を返した。
「はい!
次期王様は初めてお会いしたのに、とてもお優しい方です 。
次期王様、こちらはスザナ・ロジュアン侯爵未亡人ですわ。
美しいでしょう。
それにとても優しい方なの。
そうでございましょう、前王様と前王妃様!」
プリムローズは、2人に明るく尋ねた。
「ええ。今日も私たちに会いに来てくれて、まるで娘のようね。
ねぇー貴方!!」
前王妃様が、隣にいる前王様に嬉しそうに話しかけた。
「前王様、前王妃様。風が出てきましたわ。
私と中でお茶でもしませんか?
スザナ様と次期王様は、2人で中庭でも散歩してはどうですか?」
プリムローズは、2人きりにさせる作戦にでた。
「そうじゃ、そうじゃのう!
クラレンス公爵令嬢、前王妃参ろうぞ!」
嬉しげに相槌を打ち、私を真ん中にして手を繋いで歩き出した。
それから、3人でお茶をして帰宅した。
後日、この出会いの結果がでるでしょう。
私は自室のベランダから、夜空の星たちを眺めながらそう思っていた。
母親が違う兄と弟は、長い年月を経て久しぶりの再会。
2人はその夜遅くまで酒を飲み語られたと、お付きの方々から密やかに伝えられていた。
本日、私は次期王と2人で初めて会う日。
気合いを入れて準備するメイドたち。
その筆頭にいるのは、専属メイドのメリーだ。
ドレスは淡いピンク、ドレスの帯と靴はシルバー。
髪には庭に咲いていた小さなピンクの薔薇を指すことになった。
薔薇は可哀想だが、用意してしまったので仕方ない。
「ウオーッ。
可愛いピンクの薔薇姫、妖精!!
生けるお人形さん~!!」
私の周りをくるくる踊りながら声を出している。
それを見ていたら、目が回りそうになった。
他のメイドたちも、クスクス笑いをしていた。
いつも私がお出かけドレスを着ると、興奮状態の私のメリーは可愛らしい。
確か、成人しているよね。
ちょっと、恥ずかしいぞ!メリー?!
「それでは、行ってきますわ。
皆様、粗相のないように気をつけてます」
あれほど騒いでいたメリーが、よそ行きに表情に変身して付き添っている。
なんという変わり身の早さだ。
支度の騒ぎを思い出していたら、馬車が王宮に着いたようだわ。
「プリムローズ様。
私は、メイド専用の部屋で待機しております」
澄ました顔をして、メリーは離れていった。
控えている者や案内係が、ジーっと私を見ている。
はぁ~、王宮はよい感じがしないのよ。
今日は、何が起こるか不安しかないわ。
王宮に仕えてる皆様は、どうも私の所為で国王が変更になったと思うと緊張しているみたいだわ。
もともとは欠陥だらけの王族なのに、私のせいにしないでよね。
本当は優しいわよって感じで、フワフワドレスを着て歩いていった。
『あっ、お庭に前王様に前王妃様とスザナ様がお話をしているわ。
スザナ様に、本当に悪いことをしたなぁ。
側室の件が流れてしまって、本人は気にしないでと言われたが‥…。
それなのに、こうしてまだお会いに来る。
お優しい方なんだわ』
「クラレンス公爵令嬢、此方です」
いけない、余所見してしまったわ。
しっかりしなくては!
扉が開きキラキラした方が、1人立って待っていた。
この人が、新王さまになる方ね。
噂で聞いてたモテモテ王子が、
今は真面目な義理の王弟として公務しているのね。
そう考えると、人って変わることの出来る生き物なのね!?
「初めまして、クラレンス公爵令嬢。
シャルル・ド・エテルネルと申す」
次期王が、私に自己紹介して下さった。
「お初にお目文字つかまつります。
お会いでき、光栄の至りと存じ上げます。
クラレンス公爵次女プリムローズでございます。
新たなる王よ!」
「へぇ、まだ、9歳か。
こんな子供が、私を玉座に座らせたとはね!」
そう言って、私に椅子をすすめてきた。
見かけとは違い気さくで、豪快なお方なのかしら?
「弟が君は自分より、王らしい人だと話していたよ。
君が自分から玉座を盗んで、私に与えたと言われた」
「違いますわ。
原因はあったかもしれませんが、王が自ら進退を決めたのですよ。
そして、貴方様が答えた」
笑いながら、次期王は私に話した。
「君に心構えを賜りたい。
お願い出来るかなぁ?」
「新たなる王よ。
私達は、全国民の僅かしかいない。
平民が私たちを支えているのです。
天災に備え、幸せに導く。
その代わりをする貴族たちに、尊敬される王にお成り下さい。
期待しますし、道を外さないように見張りますよ!」
次期王は、両手を軽く挙げた。
「了解、クラレンス公爵令嬢は怖いよ。
よく見張ってくれ、頼みますよ」
本当に気さくな方ね。
私は思わず微笑んでた。
「あら、スザナ様だわ。
やはり、お綺麗な方ね。
そうは思いません、次期王さま!」
私たちはベランダでお茶をして座っている所から、彼女らを眺めた。
「彼女は、何度か姿を拝見していますよ。
父と母と散歩しているのを」
私に次期王は、彼女をご存知ですかと聞いてきた。
数ヵ月前の側室の話題をすると、彼は眉を下げてしまう。
そして、彼女を見詰めている。
「失礼ですが、次期王妃様とは恋愛それとも政略どちらですか?」
私の質問に、次期王は目を開いた。
「政略です。
王妃には好きな方が、昔からいましてね。
今は内緒の愛人で、いつも側に居ますよ」
私は驚いて、つい本音を言ってしまった。
「えっ、何ですって!?
次期王様は、妻を許しているのですか?
まさか王子たちは、どちらのお子ですか!」
プリムローズは、かなり不味い質問を堂々としてしまった。
「私の子は長男、次男は愛人の子です。
偶然とはいえ、彼と私は髪の色と目の色がよく似てましてね。
次男は時期的にハッキリ違うんでね。
私たち夫婦と、愛人しか知らない秘密ですよ。
もしかしたら、第1王子の息子は気づいているかもね?!」
口元に人差し指を立てて、話す次期王。
「では、貴方も愛人や側室を持って良いのでは。
不公平でございましょう?」
9歳の子は、大胆に発言してきた。
「それはいいですね!
彼女を、私に紹介して下さい。
クラレンス公爵令嬢!!」
次期王は、プリムローズにお願いをしてくる。
他の人が伺っていたら、どんな反応になるのか。
これは、問題発言だ。
今は人払いをして、2人しかいないから出来る会話であった。
スザナ様たちの場所まで、次期王と手を繋ぎ私たちは歩き出した。
「何で手を繋ぐ、急にどうしたのだ!?」
挙動不審の次期王に説明する。
「スザナ様に次期王は、子供好きな良い人とみせる所為よ。
第一印象は、かなり大事ですからね」
庭にいる3人に声をかけた。
「前王様に前王妃様、スザナ様ご機嫌よう!」
「おお、クラレンス公爵令嬢。
シャルルと手を繋いで仲良しさんだなぁ」
前王は私たちに気づくと、目を細めて笑って返事を返した。
「はい!
次期王様は初めてお会いしたのに、とてもお優しい方です 。
次期王様、こちらはスザナ・ロジュアン侯爵未亡人ですわ。
美しいでしょう。
それにとても優しい方なの。
そうでございましょう、前王様と前王妃様!」
プリムローズは、2人に明るく尋ねた。
「ええ。今日も私たちに会いに来てくれて、まるで娘のようね。
ねぇー貴方!!」
前王妃様が、隣にいる前王様に嬉しそうに話しかけた。
「前王様、前王妃様。風が出てきましたわ。
私と中でお茶でもしませんか?
スザナ様と次期王様は、2人で中庭でも散歩してはどうですか?」
プリムローズは、2人きりにさせる作戦にでた。
「そうじゃ、そうじゃのう!
クラレンス公爵令嬢、前王妃参ろうぞ!」
嬉しげに相槌を打ち、私を真ん中にして手を繋いで歩き出した。
それから、3人でお茶をして帰宅した。
後日、この出会いの結果がでるでしょう。
私は自室のベランダから、夜空の星たちを眺めながらそう思っていた。
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