【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます!幼女篇

愚者 (フール)

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第4章  王家の陰り

第23話 お古ドレスでボロ儲け

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 査定するポレット夫人は多忙で、またもう1人友人を召集させた。
シミや汚れたのもあるが、上手く手直しすればいい。
上質なドレスがただみたいに買い取り、利益はウハウハだと夫人はバカ笑いをしている。

この夫人は、見かけと違い大胆なお方ですの。

どうも元旦那様がかなり残念な方で、ご自分で食いぶちを稼いでいたのよ。
道理でシビアな考えの持ち主だと思ったわ。

私も似た考えなので気が合いすぎて、近くで見ていた祖母も少々ひいていました。

その中から、友達の要望の服を探し出す。
飾りを取り外して、小さなバッグにそれを付けるとお揃いになる。
生地も、丈を短くした残りもの。
捨てる生地は、ほとんど無かった。
バッグはプレゼントで、服代しか請求しなかった。
友達はお礼状で、嬉しいとか豪華なドレスが安くて良いのか書かれている。

『夏に私が帰ったら、着て見せるねには笑った。
それは秋冬物なのよ?!
夏に帰る時は、夏物をまた持参しないとね。
きっと、背が伸びているから』

私は部屋で独り手紙を読み、彼女らを思い微笑んでいた。

   
    買い取り店を出してみたら、意外に受けが良かった。
買い取ったドレスを変えて着たいと、ご夫人やご令嬢が噂を聞きつけ大勢やって来たわ。

どうやらブロイ公爵夫人とリンドール伯爵夫人が、カリスで噂好きのあの伯爵夫人に楽しそうに話した結果だ。

流石さすが、素晴らしい影響力!!

「私、ずっとあの伯爵夫人のドレスに憧れていたの。
実はこの店で、買い取って貰ったという情報を耳にしまして。
そのドレスがどうしても欲しいのです。
さすがに、そのままでは‥。
ねぇ、少し変えてくれなくって!?」

このような方が多いのよ。
人の着たドレスを気にしないようで、発案した私も内心驚いた。

そうなると、平民向けのドレスが少なくて困る始末。
これがしたくて始めたのに、思わず愚痴ぐちこぼす。

それを聞いていた祖母が、祖国の知り合いに声をかけてくれましたわ。

もう一軒、平民向けに出店する話が持ち上がっている。

  祖父が集まって話をしていたら、手のひら位のある布袋を3つぶら下げて部屋に入ってくる。

「プリムや。これ今月のお前の分け前じゃあ!」 

おそらく金貨がギッシリ入った袋を、無造作にテーブルの上にドーンと置く。

「お祖父様、あまり軽々しく置かない方が宜しいのでは?」

兄ブライアンが、祖父の行動をたしなめる。

「そうですよ。
身内うちなら良いですが、外で絶対にやらないでくれまし!」

祖母も兄と同じ意見だ。

「ありがとうございます。
明日の仕入れで残ったら、預かってほしいのです。
お祖父様の金庫に入れていい?」

「金庫か、プリム用にデカイのを買うか?
そうじゃ!!屋敷に金庫あるな。あそこに入れようぞ!」 

祖父は、1人納得した表情する。

「あそこって、この家には1つしかありませんよ ?
お祖父様?!」

プリムローズは、悩みながら布袋を見た。

「旦那様、あそこって愚息ぐそくの住む屋敷のことですか。
確かに、あの金庫は一部屋分ありますものね」

もうすぐ引っ越し予定となる、実家の父の屋敷を思い出す。

「プリムは商才あるね。
私は考えつかないよ。
1度着たドレスの転売か。
誰かが着たドレスを売って、そのドレスを誰が買うか…」

兄が話した後にうーんと考える姿を見て、兄にプリムローズは話しかける。

「まだありますわよ。
そのドレスをまた売りに来た場合は、綺麗なら半値。
汚れがあったりしたら、もっと安く買いますわ。
少しでもお金になれば、相手も嬉しいでしょう」

その話を聞き兄は、ビックリして質問してきた。

「じゃあ、ボロボロになったらどうすんの?!」

兄は頭の中が、ごちゃ混ぜになりながら質問してきた。

「あまりボロボロだと売れないから、見映えが良かったら孤児院に寄付するの。
勿論、最初の持ち主よ。
ちゃんと説明してから買い取るの。
これって大事よ!
代表で店の利益を少し教会や孤児院に寄付するわ。
買った人達の名前を名簿に添えてね。
いい考えでしょう?!」

プリムローズは、自慢げに胸を張る姿をした。

「なるほど、複雑すぎて帳簿の管理が大変なのか。
プリム、それ私がしても構わないか。
そして、給料を少し頂けないかな?
お金を稼いでみたいのだが、ダメか?!」

兄はすこし顔を赤らめ、はにかんで妹に頼んできた。

「それは、助かるわ!
大変で時間がなかったの。
ありがとう、お兄様!!」

この兄は、細かい事が得意だった。
いったい家族の誰に似ているのか。
きっと、知らない祖先であろう。

無駄なことを見つけては、コツコツ節約する。
経費が浮いた分は、その半分を兄に渡すとかなりの額になっていた。

後にこの経験が、この国に役に立つとはそれはまだ先の話である。
    
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