【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます!幼女篇

愚者 (フール)

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第4章  王家の陰り

第22話 忘れていません !店の名は?

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 いろいろ忙しくて、ドレス買取り転売店の準備に時間がかかったわ。
買い取りドレスの店の名は、祖母と屋敷提供と店長を兼ねてくれるポレット夫人にお任せした。

初めて祖母とポレット夫人の屋敷にお邪魔した時に、祖母が言っていた話を思い出したわ。

「おばあ様?
このお屋敷をお店にしても、本当に宜しいのですか?!」

屋敷は、外から中が分からない。
何故なら、門からかなり離れているからだ。
これなら誰にも知れずに買い取りや購入が出来ますわねと、プリムローズは門から玄関までの道を馬車の窓から外を眺めていた。

「大丈夫です。
彼女は、わざとしているの。
殿方はポレット夫人とお茶会していると、勝手に勘違いをしているけど。
裏では、こうしてドレスを作っているのよ。
プリム、いいですか!
誰にも内緒ですからね!」

ほぉ怖いねー、祖母もここでドレスを作っているのかしら?
あのとき、領地で祖母が話していた理由がやっと分かった。

けして誰も文句が言えないと、自信満々に豪語ごうごしたわけね。

 
 この屋敷のあるじであるポレット夫人は、少しふっくらした方だった。
挨拶をしながら、夫人の人柄を想像する。
ほんわかして話しを聞くと、なんだかおだやかになるお方だった。

そう、だったのよ。
私は後日、この夫人の恐ろしさに気づくことになる。

1階のお店は、以前に使用されていた場所。
ちょっとした、舞踏会が開けるスペースがあり広かった。

2階は査定さてい専用にし、3階は裁断さいだん仕立したて作業と別々にしてある。

それぞれに元部下と、その娘たちを召集しょうしゅうさせた。
言い方があやしいって、それはまた後日ね!

 2階に行き、お茶やお菓子を頂きながら名前の発表となったわ。

「プリムローズ様のご発案はつあんとお聞きしまして、可愛らしいお名前に致しましたのよ!ホホホ」

ポレット夫人は、にこやかに微笑んで私を見て話す。

「では、夫人からプリムに話してね。
貴女たちが、これから手を取って出店するのですから!
勿論、私も考えたわよ」

「このお店の名はー!」と、らすようにしてから夫人が発表する。

「フルールですー!!!」

フルールとは、花という意味。

「まぁー!可愛らしいお名前だわぁ~!
あぁ、ポレット夫人!
そして、おばあ様!
有り難く思います!!
素敵な花を咲かせますことよー!!!」

プリムローズは、このとき素直に心から感動していた。

たが、その感動は一瞬しかなかったのである。

「プリム、この名には裏があります!」

祖母の言葉に、プリムローズは何があるのかと疑問がわく。

「左様ですの!
夫人方が旦那様に、今日は何処どこに行くんだと聞かれたら場合。
花屋に行くと、お返事出来ますでしょう?!」

ポレット夫人は、言った後に笑いながら紅茶を一口飲んだ。

「実際にフルールでしょう。
間違っていないわ。
勘違いをしたのは、聞いていた相手ですしね!フフフ」

薄ら笑いを浮かべておっしゃる、祖母ヴィクトリア。
プリムローズは、また大人の階段を1歩上がった。

ポレット夫人と私は話し合い、買い取りの手順を決める。
私は学園でフルールのドレス買い取りの話を、知り合いの令嬢たちに話したのよ。
それがまた、買っての反響がすざまじいかったわ。
どれだけ、服をやしにしていたのか。

私は休みに予定を組んで、分刻みに令嬢の屋敷巡りをした。
そのうち、私にも査定出来そうなほどよ!
色んな色のドレスを見ていて、目が変になりかかったわ! 

 本日は、フローラ様のお宅を出張買取しに出向いているわ。

「プリムローズ様。
このドレスなんですが、胸に小さいシミがございますのよ」

「どれ、なんだ平気よ!
リボンつければ、わからないわ」

フローラが不安そうに聞いてきたので、安心する言葉をかける。

「これ、お値段つきますの?!
なら、是非ともお願いします。あの~、母や姉のも査定してくれますか?」

「えぇ、もちろんです。
此方こそお願い致します」

ポレット夫人の下僕げぼく、もとい従業員が丁寧に頭を下げる。

『これは、良い商売だなぁ~!!』

プリムローズと従業員は、胸の中でニヤニヤ笑っている。
こうして、ますます顧客を増やすのであった。
    
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