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第1章 思い出は夢の中へ
第8話 秘密の言葉
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リンドールは馬車を待ちながら、隣にいるニコライに話しかける。
「やっと自由になれたな。
ニコライ、家に寄っていけ。
喉がカラカラなんだ。
ゆっくりと夕食食って、今日はもう家に泊まれよ」
馬車が近づいて来るのを見て、ニコライはすぐに返答する。
「いいよ、遠慮する」
あの腕白小僧たちの相手は無理そうだ。
緊張し過ぎせいで、そんな気力すらないぜ。
「安心しろ。
双子は、嫁の実家でお爺ちゃんとお婆ちゃん孝行しに行って居ないよ」
リンドールは、ニコライの肩を叩きながら大笑していた。
「かえって悪い。
二人で、仲良く夫婦水入らずで過ごしてくれ」
俺だってそんな図々しくないぞ。
しかしリンドールに押しきられて、馬車に乗り屋敷へ走っていった。
「そうそう、ニコライ。
さっき、口元読んだよね?!
何て言った戦の神は、陛下に対してなんと申していたんだ」
興味津々に聞くリンドールに、ニコライは困り顔をする。
「知らない方がいいぞ。
絶対に、聞いたら後悔すると思う」
「それは、駄目だ!
今日は共同作業だろう。
最後まで、ちゃんと教えろよ」
「あぁー、しょうがないな。
ちょっと、リンドール耳を貸せよ」
「気持ち悪いな。
この馬車の中は、2人しかいないじゃないか」
訳がわからないリンドールは、不満顔をニコライに表した。
「何となく普通の声の大きさで、話しづらいんだよ」
こっちは、話したくないんだよ。
知らないからなぁと、ニコライはムッとして隣を見る。
「ほら、どうぞ。ニコライ様」
リンドールはニコライの口元近くに、自分の右耳を近づけた。
「○○すだ!」と、小声で話す。
「なんだと!
そんな物騒な事を、戦の神は陛下に申していたのか」
リンドールは、ニコライの目を見て話した。
「俺の言葉、信じられないみたいだな」
ニコライは、硬い表情で言う。
「いや、お前を疑ってはいない」
「殺す!!」の言葉だった。
馬車が、リンドールの屋敷に着いた瞬間であった。
馬車の音で夫の帰宅を知ったリンドール夫人は、玄関へ向かって歩いていた。
「お帰りなさい!
あら、ニコライも一緒だったのね。
ダニエル、ニコライ。
どうやら、お疲れのようね」
愛妻マーガレットの出迎えに顔を崩す、リンドールをやれやれだぜとニコライは呆れ顔で見ていた。
さっそく2人を居間に通して、夫人自らお茶を入れる姿を眺める。
メイドはお茶菓子をテーブルに置くと、静かに部屋を出た。
気のおける仲間のみである。
明るい金髪の薄い緑の目を持つ夫人。
「私ってぼやけて見えるのよ。
髪と目のせいで、存在感なしで嫌だわ」と、たまに文句を言う彼女。
それがいいんだけどね。
自己主張とは縁がなくて、俺の中では嫁さんはこの人みたいな女性が好ましいよね。
落ち着いた。妻の手作りクッキーと紅茶は最高だ。
2度と王宮には行きたくないが、仕事なら呼ばれたら行くしかない。
3人で楽しいティータイムだ。
仕事の話は出来ないが、今日会った人物の名を内緒だよと教える。
先程から妻はエーっしか言わない。
とても2人、いや3人の子を生んだとは思えない初々しさ。
妻との出会いは王立の学園。私とは1歳違い。
その当時、二人は別々の人と婚約していた。
私は家同士の政略結婚を前提で、お付き合いをしていたのだが…。
学園内である時突然に、婚約破棄が流行ってしまった。
きっかけは絶版になった本。
どんな本かは、私は興味ないから知らないな。
相手の婚約者の令嬢から、捨てられた私。
しかしその事で、今の妻である彼女と出会えた。
お茶を飲んでボケーっとしていたら、親友と妻が話で盛り上がっているようだ。
まるで、仲の良い姉弟のように見えてきた。
妻がドレスの裾を翻し走る音に、現実に戻ると横にいた妻が消えていく姿が目に入った。
何かを取りに行ったのか?
リンドールは妻が出ていった方を見つめている。
「やっと自由になれたな。
ニコライ、家に寄っていけ。
喉がカラカラなんだ。
ゆっくりと夕食食って、今日はもう家に泊まれよ」
馬車が近づいて来るのを見て、ニコライはすぐに返答する。
「いいよ、遠慮する」
あの腕白小僧たちの相手は無理そうだ。
緊張し過ぎせいで、そんな気力すらないぜ。
「安心しろ。
双子は、嫁の実家でお爺ちゃんとお婆ちゃん孝行しに行って居ないよ」
リンドールは、ニコライの肩を叩きながら大笑していた。
「かえって悪い。
二人で、仲良く夫婦水入らずで過ごしてくれ」
俺だってそんな図々しくないぞ。
しかしリンドールに押しきられて、馬車に乗り屋敷へ走っていった。
「そうそう、ニコライ。
さっき、口元読んだよね?!
何て言った戦の神は、陛下に対してなんと申していたんだ」
興味津々に聞くリンドールに、ニコライは困り顔をする。
「知らない方がいいぞ。
絶対に、聞いたら後悔すると思う」
「それは、駄目だ!
今日は共同作業だろう。
最後まで、ちゃんと教えろよ」
「あぁー、しょうがないな。
ちょっと、リンドール耳を貸せよ」
「気持ち悪いな。
この馬車の中は、2人しかいないじゃないか」
訳がわからないリンドールは、不満顔をニコライに表した。
「何となく普通の声の大きさで、話しづらいんだよ」
こっちは、話したくないんだよ。
知らないからなぁと、ニコライはムッとして隣を見る。
「ほら、どうぞ。ニコライ様」
リンドールはニコライの口元近くに、自分の右耳を近づけた。
「○○すだ!」と、小声で話す。
「なんだと!
そんな物騒な事を、戦の神は陛下に申していたのか」
リンドールは、ニコライの目を見て話した。
「俺の言葉、信じられないみたいだな」
ニコライは、硬い表情で言う。
「いや、お前を疑ってはいない」
「殺す!!」の言葉だった。
馬車が、リンドールの屋敷に着いた瞬間であった。
馬車の音で夫の帰宅を知ったリンドール夫人は、玄関へ向かって歩いていた。
「お帰りなさい!
あら、ニコライも一緒だったのね。
ダニエル、ニコライ。
どうやら、お疲れのようね」
愛妻マーガレットの出迎えに顔を崩す、リンドールをやれやれだぜとニコライは呆れ顔で見ていた。
さっそく2人を居間に通して、夫人自らお茶を入れる姿を眺める。
メイドはお茶菓子をテーブルに置くと、静かに部屋を出た。
気のおける仲間のみである。
明るい金髪の薄い緑の目を持つ夫人。
「私ってぼやけて見えるのよ。
髪と目のせいで、存在感なしで嫌だわ」と、たまに文句を言う彼女。
それがいいんだけどね。
自己主張とは縁がなくて、俺の中では嫁さんはこの人みたいな女性が好ましいよね。
落ち着いた。妻の手作りクッキーと紅茶は最高だ。
2度と王宮には行きたくないが、仕事なら呼ばれたら行くしかない。
3人で楽しいティータイムだ。
仕事の話は出来ないが、今日会った人物の名を内緒だよと教える。
先程から妻はエーっしか言わない。
とても2人、いや3人の子を生んだとは思えない初々しさ。
妻との出会いは王立の学園。私とは1歳違い。
その当時、二人は別々の人と婚約していた。
私は家同士の政略結婚を前提で、お付き合いをしていたのだが…。
学園内である時突然に、婚約破棄が流行ってしまった。
きっかけは絶版になった本。
どんな本かは、私は興味ないから知らないな。
相手の婚約者の令嬢から、捨てられた私。
しかしその事で、今の妻である彼女と出会えた。
お茶を飲んでボケーっとしていたら、親友と妻が話で盛り上がっているようだ。
まるで、仲の良い姉弟のように見えてきた。
妻がドレスの裾を翻し走る音に、現実に戻ると横にいた妻が消えていく姿が目に入った。
何かを取りに行ったのか?
リンドールは妻が出ていった方を見つめている。
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