【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます!幼女篇

愚者 (フール)

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第2章  王都の生活

第6話 愛馬との出会い

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 授業が終わり先生にお茶会を勧めていたが、ゴメンねと言って急いで帰って行ってしまった。

「先生はお忙しい方のようですね?!
お嬢様、お茶をどうぞ」

「帰宅するのに時間がかかるみたい。
ムリに引き留めても、先生にご迷惑だわ。
授業も楽しいし、とても感じの良い方よ」

 夕食時に兄が私に、遠乗とおのり用の馬を見ようと誘う話をしてくる。

「お兄様!
ねぇ、朝何時にしますか?
私はとても楽しみですわ。
どんな、お馬さんでしょう?!」

2人で会話していると、めずしく父が話しかけてくる。

「2人の会話を耳にしたが、遠乗りに行くのか?
プリムローズは、馬に乗れるのか?!」

領地の馬たちを、思い出し父と兄に語る。

「はい!
領地では祖父とよく乗ってました。
祖父の愛馬デスペラードにも乗ってましたわ。
最初は祖父しか乗せんぞって振り落とされましたが、今では私のところまで来てくれますの」

父もデスペラードの名を、知っているようでしたわ。

「あの、デスペラードがー。
私も乗ろうとしたが、暴れてあきめた。
あの馬が乗れるなら、ここの馬は全て乗れるだろう」

苦笑して父は、プリムローズに言う。

「姉上、姉上の馬だった。
ヴァンブランをプリムローズに貸してくれますか?
あの馬なら、プリムローズに似合うと思うのでお願いします」

「あぁ、あの馬ね?!
別にいいわよ。
私は馬には、ニ度と乗らないから!
あんな馬、あげるわよ!」

ムッとしながら姉は、兄にぞんざいな言葉遣いをした。

私と兄は、顔を合わせて笑いあった。
どんな馬かしら、明日の朝会うのが待ち遠しいわ。

 早朝に2人は、馬蹄ばていが舎から出してくるのを待つ。

1頭は栗毛くりげの馬で、兄の姿を見ると嬉しげに鳴いている。

横に白毛しろげの美しい馬がいた。
あの馬がヴァンブランなのね?!

私たちが、近づくと対比たいひがよくわかる。

1頭は兄に頭を寄せて喜びを表し、もう1頭はなにやら悲しげに首を下にしている。
私たちに目を合わせてもくれなかった。

「ヴァンブランは、姉を振り落としてしまったんだ。
原因は姉が上手く乗れなくて、バランスを崩してしまった。
姉は馬のせいにしたんだよ。
それから人を、乗せないようになってしまってね。
僕も乗ろうとしたが、逃げてしまうんだ」

自分の愛馬をでながら、兄ブライアンは詳しく訳を教えてくれた。

「人を乗せるのに、すっかり自信を失ってしまったのね。
可哀想かわいそうに。
いいわ!
乗せてくれるまで毎日朝、私がブラッシングとえさを与えて信頼を取り戻す」

私は、ヴァンブランにそっと触れる。
ビックとしたが、暴れたりしなかった。
緊張のためか動きが止まっている。

「こんなにも人に対して、緊張してしまってー。
まさか、姉はこの馬に何かしたのかしら?!」

姉は何故たった一度の落馬で、諦めてしまったのかしらね?

そのおかげでヴァンブランに出会えた。
まぁ、姉に感謝しましょう!

 毎日、雨が降っても起きるのが辛くても馬舎に通った。
世話を続けて少しずつ、様子が柔らかくなっていくのがわかったわ。

「ヴァンブラン?
私と一緒に走りませんか?」

目を見めて話すと、頭を大きく振って鳴いてくれた。

鞍をつけてまたがり、軽く合図をしたら歩き出した。
馬丁も驚きを隠せない様子を、横に見ながら速度をあげる。

気持ちよさそうに走るヴァンブランを感じ、たぶん私の馬になったと確信した。

出会って10日後であった。

兄との約束からかなりの日数がってしまったが、ヴァンブランに乗れたことを話すと喜んでくれる。

やっと、兄妹は明日遠乗りをすることになった。

    
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