【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます!ー新たなる王室編ー

愚者 (フール)

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第4章  未来への道

第16話 お前が諸悪の根源か

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 ものすごい怒りに、彼女の通る道を開ける文官たち。
ガスパールが気づいた時は、もう手遅れになっていたのだ。
声を掛けても、多分絶対に無駄であろう。

目の色が紫から赤紫の色に変化して、キラキラ光るのは涙を堪えているからか。

「人殺しいー!!
お前が!お前が…。
我が父や皆を苦しめたのか、殺しかけたのだぞ!
もう少し遅かったら死んでいた。よくも、やってくれたな!
諸悪しょあく根源こんげんめ!
許さない、無事にすむとは思うなー!!」

クラレンス公爵令嬢のまだ子供独特の甲高かんだかい声が、部屋中に大きく響き渡った。

「な、何で子供がいるんだ?!
お前こそ、誰なんだー!!」

いきなり怒鳴る子供に、ビックリして反対に怒鳴り返していた。

「ヤバい!
明日ではないのかよ。おっ、お許し下さいませ。
クラレンス公爵令嬢!」

仲間の文官はその子供の正体を見抜いて、咄嗟とっさに謝罪し頭を下げる。

「えっ、クラレンスだと!!」

散々さんざんバカにしていた男が狼狽うろたえ始めた。

ガスパールは、これは大吹雪がこの部屋に訪れたと感じる。

握りしめた両手を震わせて感情のままに、彼女は怒りを男たちへぶっけて大声で叫ぶ。

「無礼者め!
お前ら、私に無断で話すな!
家名と名を名乗れ!
子供だからといってバカにするなよ。
本気になれば、今すぐにお前たちの頭と胴体を切り離すぞ!」

この一言で、部屋は一気に凍りついてしまった。
やろうと思えば、クラレンスなら簡単に出来る。

今いる相手は、なにせ国1番の権力者。
筆頭公爵の溺愛している、あの孫娘。
瞬く間に、白を真っ黒するぐらい出来るお方なのだ。

ガスパールが落ちつかせようと、彼女に近づこうとした時ー。
彼の前を光のごとく、物凄い速度で通りすぎる人物。

今回担当しているシャレットは、顔面青く全身震えて彼女の側に滑り込む様に両膝をつく。

「クラレンス嬢、如何いかがしましたか??!」

シャレットは強張る顔で、プリムローズにお伺いをするのである。
その姿は、まるで王女と下僕げぼくのようであったと後日周りは語られた。

「ああ、シャレット担当!
今すぐにブロイ宰相さいしょうをここへ呼べ!
私が呼んどるとなぁ。
よいか、もし来なかったらアルゴラが攻めに来るぞ。
あの国では、神のような扱いだからな。フフフ」

ガスパールはあまりの言動に、自分の耳が変なのかと思い始めた。
転がるように部屋を出ていく、シャレットを見送る部署の者たち。

固まり見つめている先は!!

プリムローズが腕を組ながら、椅子に座る前には2人の男性が今まさに土下座どげざをしていた。

コリーニ伯爵令息は、プリムローズの横にピッタリと立ちすくむ。
その様子は、女王と近衛騎士このえきしのようであると後に語られる。

「クラレンス嬢、本当にこの者たちをギロチンへ送るつもりですか?!」

物騒な話を平然とする、ガスパール。

「そうねぇ、簡単に死なすのはつまらないわねぇ~?
お前たちは、今後生きていたいの?!」

周りで見ている文官たちは、白い顔色で見守るしかなかった。

床に土下座して、泣きながら何度も縦に首を振り続けていた。

   しばらくすると、けたたましい足音をたててブロイ宰相が顔色悪く彼女たちに近づいた。

「プリムローズ嬢、何事がありましたか??」

現宰相が血相を変えて、子供の彼女にお伺いをする。

「宰相、この者が例の文官だ!
私はこの耳で直接聞いたぞ!
わざと報告しないだけでなく、医師にも他の土地に移るようにうながしたぞ。
私は許せぬ~、宰相どう責任をとるのだ!!」

恐ろしい、部屋中の者が全てがプリムローズのげきに一歩足を引く。
どうなるのかと、この先を見届けたくないような気分になる。

「お前たち、本当なのか?
そのような事をしていたのか?!」

ブロイは真っ青に近い顔色で、部下たちに意見を聞いてみた。

「申し訳ありませんでした!」

泣き声で謝罪する男たちを、睨み付ける10歳児。

「ブロイ宰相!
もう一度全ての文官に心構えを、一から叩き込むのじゃな。
よく聞け、お前たちは平民たちに食わせてもらっているのだ。
その分際ぶんざいで、偉そうな態度をとるな。
民の為の文官だ!
王の為ではない!
王とて、同じだ!
頭と心に、しかと叩き込め!」

子供とは思えない、ド迫力に部屋中の者たちが固まり震えた。

この騒動は、瞬く間に全文官たちに広まる。

そして、これも文官たちの間で伝説級の扱いとなっていた。

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