【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます!ー新たなる王室編ー

愚者 (フール)

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第4章  未来への道

第17話 研修制度終了

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 プリムローズのさわぎで文官たちは、自分らの初心を改めて思い出す。
ブロイ宰相さいしょうも、痛烈つうれつな批判に文官の根本こんぽんを考え直す機会となった。

すっかり、彼女の姉御あねごぶりに感動し感激した者がいる。
コリーニ伯爵令息こと、ガスパールは子犬のようにプリムローズに付いて回っていた。

 お昼には食堂のおばちゃんまでもが、プリムローズにあんたは平民の味方で嬉しいよ。
内緒だよと、内緒とは言えないデカイ声でプリンに果物や生クリームたっぷりのデザートを置く。

これは、賄賂わいろにあたるのかしら?!
山盛りのデザートを食い入る様に見て、しばし眺めては悩む。

「おば様、いけませんわ。
払いに付けて下さいませ。
気持ちだけを頂きますね!
有り難うございます~~!」

子供らしい笑顔のお礼に、ホッコリする食堂のおばちゃん達とおじちゃん達。

なごやかな空気は、春の花園のように感じる。
香りは花ではないが、美味そうな匂いが辺りに漂うのだ。

ガスパールは、この計算された二面性に彼女の凄みを感じた。
大人になったら、全ての人々を手玉にとるんではないか?!

ブロイ宰相さいしょうもあれから彼女を見かけると、自然にお辞儀するので他の文官たちもそれにならう。

もう事実上の文官トップではないだろうか?
研修中に側にいた彼は、面白そうにプリムローズを観察して楽しんでいた。

担当シャレットはあれからプリムローズに呼ばれると、今ではひざまでつく有様だ。

あの母に教えたら、絶対に自慢気じまんげに話まわるのは確実だな。

息子のガスパールは、母の行いのために友人たちが少ないのだ。
心の底から信じてる友人たちのみが、今は彼ガスパールに付き合ってくれている。
最初はそんな母をうらんでいたが、この頃は母に感謝していた。

それは、夫であるコリーニ伯爵も同じだろう。
あの妻を持ち、寛容かんように許すのを友人たちは父に尊敬の念を表しているのだ。

そんな母の話を聞くのが、今では苦痛より楽しみになってきている。
話題大好きな伯爵夫人は今日も何処かで噂話しては、夫人たちとお茶でも飲み笑っているはずに違いない。

「クラレンス嬢、もう今日で研修も最終日ですね。
貴女は研修では、1番皆様にお役にたちましたね」

一緒に2週間過ごして、率直にそう感じていた。

「そうかなぁ?
けれども本当に文官になるのは、留学から帰ってもまだ先よ。
成人までに、6年もあるわ」

子羊のソテーを食べるのをやめて、彼に対して返事を返す。

「私はお待ちしておりますよ。
それまで、今よりも良い環境にする努力します。
貴女と研修できて楽しかったですよ。
ところで、留学はどちらに?!」

前にいる人の目を見つめて、この人は口が固いわ。
あのピンクのアマリリス様の息子さんなのに、初対面から想像と違う。
いい意味で、変なお方ね。

「どうして、母上に話さないの?
話題は、かなり提供ていきょうしていると思うけど」

「母は噂が好きだけど、彼女は嘘の話はしないよ。
ちゃんと裏をとってから話している。
私は息子として、そこは尊敬しているよ。
自分から話題を与えることは、絶対にしないと決めているんだ。アハハハ」

笑う瞳を見て思った、綺麗きれいな瞳をしているわね。
信頼できると感じ、正直に彼には行く国を教えた。

「ヘイズよ!」と、一言だけ答えて彼女はガスパールに微笑む。

その国名を聞いた彼は、プリムローズを驚きの目つきで見る。
彼は彼女の笑顔に、無言で優しく目を細めた。

そして、彼とは長く会うことはなかった。
お互いに今度会うときは、どんな立場になっているのか。

2人の間に一生忘れられない、青春の思い出の一部になる研修制度の期間は終わった。

6年後に彼はどんな地位にいて、彼女はどんな女性に成長しているのか?!
誰も、想像出来る者はいないであろう。

それは、彼ら本人も同じだった。

 
  
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