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第2章 愛と希望とそして秘密
第3話 不毛の大地
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馬車の中から父たちがいる領地を見ると、石が多くあるのがハッキリわかる。
「大変な土地だわ。
石を退けて、土を掘る。
途方もない作業しなくてはならないわ」
「それだけではないよ。
プリムローズ。この土地は土が硬いし、普通より深く掘らなくてはいけないんだ。
前領主が、土地を放り出し国に返すほどにね」
私たちはあまりの過酷さに、これ以上会話にならなかった。
馬車1台と帆が張った荷馬車3台で、元王族たちと家族たちがいる屋敷に到着する。
屋敷といっても住んでいない期間があったのだろうか、手入れは最低限にみえる。
「ご無沙汰しております。
わざわざ出迎えて頂き、有難うございます」
兄が挨拶してから、私も軽くお辞儀する。
「こちらこそ、お久しぶりです。
今日は来てくれて感謝します。
公爵令息、ご令嬢」
少し前まで王だった男が、代表して返礼をしてくれた。
彼は、王から伯爵にまで降格されてしまった。
あまりにも、それは厳しい位の下げ方だった。
「こちらの品は、施しではございませんわ。
クラレンス公爵家からの投資です。
気にしないで、受け取って下さいませね」
プリムローズが荷馬車を見て言うと、出迎えた方々は頷いてお礼を言ってくれた。
屋敷の中に入ると、少し寒く感じた。
北に位置する土地は、王都より早く秋が訪れているようである。
客間に案内されて、ソファーに座ると執事長トーマスより元王に持参した品の目録を渡した。
一通り目を通したら、とても嬉しそうな顔してみえた。
「これは助かります。
薬、お茶、はちみつに寒さに強い作物の種もある」
伯爵が話すと、父クリストファーも続いた。
「下着や厚手のコートに毛布。
子供たちや女性たちにも、教科書や香水、石鹸もある!」
「お菓子やジャム、それに服も沢山あるわ。
サイズもピッタリそうだわ!」
元王妃の伯爵夫人や母と姉も、とても喜んでくれている。
前の暮らしでは、当たり前に転がっていた品ばかり。
今の彼ら彼女らには、金貨や宝石に思えるのだろうか…。
「もし、必要な品がありましたら手紙に書いて下さい。
また、来る予定です。
迷惑でなければ…」
兄ブライアンが、遠慮がちに皆様に伝えた。
「ここに来て、初めて後悔しましたわ。
ここまでの荒れ地とは、想像しませんでした。
まだ出発まで時間があります。
私たちを、いま耕している場所に連れて行って下さい。
お手伝いをさせて欲しいのです!」
プリムローズが話すと、皆は戸惑い困惑する。
それからは、帰るまで数時間手伝いをした。
「プリムローズ、手慣れてるわ。
貴女、もしかして畑を耕した事があるの!?」
姉リリアンヌが、横で鍬を持ち妹に質問する。
「ありますよ。
領地では、平民たちと働いてました。
お父様、畑を耕すのに馬を使うと楽よ。人の手だけでは、時間がかかりますもの」
父クリストファーは娘の発言に驚きながらも、笑いが止まらなかった。
「プリムローズとブライアンが、今度来るときは此処を耕しておくな!」
不毛の大地を背にして父親は頼もしく、離れて暮らす子供ら2人にそう言う。
不思議ね。
こんなにも家族らしい会話が、自然に交わせている。
彼女は心からそう思っていた。
あっという間に、別れの時間になってしまう。
「私が原因ですが、皆さんはー。
幸せですか?」
彼女が選ばせた運命を、どうしてもどうなっているか知りたかった。
「私たちは何の気兼ねなく、のんびり家族と暮らせてます。
確かに生活は大変ですがー」
この領地を治める伯爵が返事すると、皆さんが同意するように頷く。
「プリムローズ、私たちもだ。
初めは、互いに言い争いもした。
領民たちの仲も上手くいかなかった。
今は少しずつだが、いい関係になってきている!」
父と彼らの言葉と表情を見て、私は心から笑顔になれた。
「また、2人で来ます!
もしかしたら、4人になるかもしれません。
それまで、どうかお元気でいて下さい」
ブライアンの言葉が挨拶になり、私たちは家族と別れた。
ギリギリ日が落ちる前に宿屋に着いた。
「危なかったわ。
もう少しで暗くなって、道が見えにくくなりかかりましたわ」
「プリムローズが畑に夢中になりすぎるからだぞ。
しかし、初めてだったが楽しかったよ。
父や母と姉と、あんなに普通に話せたなんてね。
前は気取っていて、上部だけの会話しかしなかったからね」
私と同じような感覚を、兄も感じたようだった。
「お兄様。
思ったより困難で、私ならどうなるんだろうと思いました。
ちょっとだけ、あの方々を尊敬しましたわ」
兄ブライアンは、ちょっと何だと話を聞いて笑いそうになった。
「プリムローズは、逞しいから平気だよ。
畑仕事の鍬の使い方にも、皆が驚いていたよ。
何であんなに速く掘れるんだ?」
妹は大笑いしてから、不思議がる彼に訳を説明した。おおわらいして
「剣の稽古の体力造りに、畑仕事をしてたんですの。こんな時に、役に立つとは何でもやってみるもんですね!」
寒いのか温かいお茶のカップを両手でお行儀悪く飲んでいる兄は、冬になる前に物資を持って行こうと誘ってくる。
「お祖父様とおばあ様は、一泊ではお辛いだろう。
2泊して貰い、私たちは馬で帰ろう。
明日は早いからもう寝ようか!」
私たちは翌朝に出発して、やっと夜遅く王都の屋敷に戻ってきた。
「大変な土地だわ。
石を退けて、土を掘る。
途方もない作業しなくてはならないわ」
「それだけではないよ。
プリムローズ。この土地は土が硬いし、普通より深く掘らなくてはいけないんだ。
前領主が、土地を放り出し国に返すほどにね」
私たちはあまりの過酷さに、これ以上会話にならなかった。
馬車1台と帆が張った荷馬車3台で、元王族たちと家族たちがいる屋敷に到着する。
屋敷といっても住んでいない期間があったのだろうか、手入れは最低限にみえる。
「ご無沙汰しております。
わざわざ出迎えて頂き、有難うございます」
兄が挨拶してから、私も軽くお辞儀する。
「こちらこそ、お久しぶりです。
今日は来てくれて感謝します。
公爵令息、ご令嬢」
少し前まで王だった男が、代表して返礼をしてくれた。
彼は、王から伯爵にまで降格されてしまった。
あまりにも、それは厳しい位の下げ方だった。
「こちらの品は、施しではございませんわ。
クラレンス公爵家からの投資です。
気にしないで、受け取って下さいませね」
プリムローズが荷馬車を見て言うと、出迎えた方々は頷いてお礼を言ってくれた。
屋敷の中に入ると、少し寒く感じた。
北に位置する土地は、王都より早く秋が訪れているようである。
客間に案内されて、ソファーに座ると執事長トーマスより元王に持参した品の目録を渡した。
一通り目を通したら、とても嬉しそうな顔してみえた。
「これは助かります。
薬、お茶、はちみつに寒さに強い作物の種もある」
伯爵が話すと、父クリストファーも続いた。
「下着や厚手のコートに毛布。
子供たちや女性たちにも、教科書や香水、石鹸もある!」
「お菓子やジャム、それに服も沢山あるわ。
サイズもピッタリそうだわ!」
元王妃の伯爵夫人や母と姉も、とても喜んでくれている。
前の暮らしでは、当たり前に転がっていた品ばかり。
今の彼ら彼女らには、金貨や宝石に思えるのだろうか…。
「もし、必要な品がありましたら手紙に書いて下さい。
また、来る予定です。
迷惑でなければ…」
兄ブライアンが、遠慮がちに皆様に伝えた。
「ここに来て、初めて後悔しましたわ。
ここまでの荒れ地とは、想像しませんでした。
まだ出発まで時間があります。
私たちを、いま耕している場所に連れて行って下さい。
お手伝いをさせて欲しいのです!」
プリムローズが話すと、皆は戸惑い困惑する。
それからは、帰るまで数時間手伝いをした。
「プリムローズ、手慣れてるわ。
貴女、もしかして畑を耕した事があるの!?」
姉リリアンヌが、横で鍬を持ち妹に質問する。
「ありますよ。
領地では、平民たちと働いてました。
お父様、畑を耕すのに馬を使うと楽よ。人の手だけでは、時間がかかりますもの」
父クリストファーは娘の発言に驚きながらも、笑いが止まらなかった。
「プリムローズとブライアンが、今度来るときは此処を耕しておくな!」
不毛の大地を背にして父親は頼もしく、離れて暮らす子供ら2人にそう言う。
不思議ね。
こんなにも家族らしい会話が、自然に交わせている。
彼女は心からそう思っていた。
あっという間に、別れの時間になってしまう。
「私が原因ですが、皆さんはー。
幸せですか?」
彼女が選ばせた運命を、どうしてもどうなっているか知りたかった。
「私たちは何の気兼ねなく、のんびり家族と暮らせてます。
確かに生活は大変ですがー」
この領地を治める伯爵が返事すると、皆さんが同意するように頷く。
「プリムローズ、私たちもだ。
初めは、互いに言い争いもした。
領民たちの仲も上手くいかなかった。
今は少しずつだが、いい関係になってきている!」
父と彼らの言葉と表情を見て、私は心から笑顔になれた。
「また、2人で来ます!
もしかしたら、4人になるかもしれません。
それまで、どうかお元気でいて下さい」
ブライアンの言葉が挨拶になり、私たちは家族と別れた。
ギリギリ日が落ちる前に宿屋に着いた。
「危なかったわ。
もう少しで暗くなって、道が見えにくくなりかかりましたわ」
「プリムローズが畑に夢中になりすぎるからだぞ。
しかし、初めてだったが楽しかったよ。
父や母と姉と、あんなに普通に話せたなんてね。
前は気取っていて、上部だけの会話しかしなかったからね」
私と同じような感覚を、兄も感じたようだった。
「お兄様。
思ったより困難で、私ならどうなるんだろうと思いました。
ちょっとだけ、あの方々を尊敬しましたわ」
兄ブライアンは、ちょっと何だと話を聞いて笑いそうになった。
「プリムローズは、逞しいから平気だよ。
畑仕事の鍬の使い方にも、皆が驚いていたよ。
何であんなに速く掘れるんだ?」
妹は大笑いしてから、不思議がる彼に訳を説明した。おおわらいして
「剣の稽古の体力造りに、畑仕事をしてたんですの。こんな時に、役に立つとは何でもやってみるもんですね!」
寒いのか温かいお茶のカップを両手でお行儀悪く飲んでいる兄は、冬になる前に物資を持って行こうと誘ってくる。
「お祖父様とおばあ様は、一泊ではお辛いだろう。
2泊して貰い、私たちは馬で帰ろう。
明日は早いからもう寝ようか!」
私たちは翌朝に出発して、やっと夜遅く王都の屋敷に戻ってきた。
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