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第1章 隣国の王族
第6話 王からの手紙
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プリムローズの風邪は熱が引いて、やっと喉越しの良いものなら食べられるようになっていた。
祖父母はカリスのプリンと果物をメイドたちに持たせて、彼女の部屋に見舞いに訪れている。
「ご迷惑をかけました。
風邪などひきまして…。
確か今日は、王族から招待された日でしたのでしょう?!」
彼女は、少しだけ頬を赤くして詫びていた。
「よいのですよ。
先方が勝手に来いと命じたのです。
ましてや、貴女がアルゴラから帰って次の日に日程を入れてくるなんて!
あちらが非常です!」
祖母ヴィクトリアは、よく冷えたプリンを彼女に渡しながら怒っている。
「そうじゃとも、カリスのプリンを食べて元気におなり。
気にするな。
今頃はブライアンが王族と談笑しているであろう」
祖父グレゴリーは、まさかその時ブライアンが土下座しているとは思ってもいなかった。
「お祖父様、私…。
ルシアン殿下と同じクラスは嫌ですわ。
数ヶ月間ですが、また事件が起きそうな予感がしますの」
プリムローズはうんざりし、困惑した表情で相談してくる。
「旦那様、プリムは元第一王子から剣で刺されそうになりましたわ。
クラスを替えてくれる様頼んだらどうですか?!」
「おばあ様、それは嫌で御座います。
仲良くなれた友と別れたくありません」
首を左右に振ると具合が良くないのか、気持ちが抑えられないみたいで珍しく駄々をこねていた。
「案ずるな!
プリムは、王子を無視していればよいぞ。
周りの者に、世話を頼むのがいい!
儂から、学園には脅しておく!ワーハハハ!」
逆に心配になる孫娘、どんな事を言って言い従わせるのか。
考えたら風邪が悪化しそうなので、直ちに思考を停止するのであった。
疲れ果てて疲労困憊の兄ブライアンは、クラレンスの屋敷に無事に生還した。
出迎えは、執事長トーマスのみである。
話を聞くと、祖父母は妹の部屋に見舞いに訪れているようだ。
「ブライアン様、お疲れのようにお見受け致します。
旦那様には、私からお戻りになられたとお伝えします。
どうか、お部屋でお休み下さいませ」
気の利く執事長で助かると、胸の内で感謝する。
彼は最後の最後に、王から妹宛の手紙を無理やりに押し付けられてしまう。
これを渡す役目に気が重く、帰りの馬車で気分が悪くなった。
最大の原因を、彼は軽く握り締める。
「トーマス、本当は私が渡さないとならないが急ぎかもしれん。
お前から、プリムローズに渡してくれないか?頼むー!!」
そう早口で話すと、聞いていた執事長トーマスの腕を掴み手の中に手紙を押し付けた。
「あー!お待ち下さいませ!!
ブライアン様~!!」
トーマスの叫び声が玄関エントランスに虚しく響き渡った時、ブライアンは駆け足で階段を上がって姿を消してしまっていた。
手の中にある手紙の封の紋章と差出人の名前を見る。
有能な執事長は、下を向き深くタメ息をつく。
執事長トーマスは白い手袋をはめて、銀のトレーに手紙とペーパーナイフを乗せた姿でプリムローズの部屋の前に立ちすくんでいた。
どう話して渡せばよいか、長年損な役割をこなしてきた彼は意を決して扉を叩く。
返事の声と共にお嬢様専属メイドメリーが扉を開けると、中から楽しげな主人たちの笑い声が耳に入ってきたのである。
「トーマスではないか?
如何したか、その手紙は誰からで誰宛じゃあ?!」
緊張した面持ちで、彼は一礼すると説明を始めた。
「先程、ブライアン様がお戻りになりました。
たいそうお疲れのご様子でしたので、私の判断でお部屋で休まれるようにと進言致しました。
旦那様を通さずに、申し訳ございませんでした」
深く頭を下げて、祖父の許しを得るまでそのままのようだ。
「お祖父様!
トーマスは気を使ってくれたのですわ。
お兄様は、王族の中一人で立ち向かったのです。
疲労するのは当たり前と、お祖父様もお思いになりませんか!?」
トーマスは、お嬢様は天使が天からこの世に降り立ったお方ではないかと感動していた。
「プリムは優しいのう。
トーマス、手紙を開けてくれぬか。
まだ、プリムは本調子でない。
儂が読んで聞かせる」
「大丈夫ですわ。
王自らが、お書きになったのですもの。
自分で、目を通すのが礼儀と考えますわ」
彼女はトーマスから手紙を受け取り、読み出すとだんだん表情が険しくなっていった。
「何が書いてあるのです。
プリムローズ、遠慮なく申しなさい!」
祖母ヴィクトリアは、孫の顔色を見ていて苛立っていた。
「息子が同じクラスになる。
隣国から来て間もなく、頼る友人も居ない。
筆頭貴族である私に、是非に友人になってあげて欲しいと書かれてますわ」
「まぁー、なんと厚顔無恥な!
プリムローズにあんな事をした王族がー!
旦那様、どうお考えですか?!」
手元に扇を忘れた祖母は、我慢できないのか派手に指を鳴らしていた。
その音を聞くと、夫であるグレゴリーは毅然と孫に命じた。
「王の世迷い言など気にするな!
誰が玉座に座らせてやったのだ!プリムローズではないか。
そなたの思う通りにするがよいぞ!」
「はい、お祖父様!
私は、もう王族とは距離をおきたいのですわ。
無視致します!」
彼女は、高らかに宣言するのだった。
祖父母はカリスのプリンと果物をメイドたちに持たせて、彼女の部屋に見舞いに訪れている。
「ご迷惑をかけました。
風邪などひきまして…。
確か今日は、王族から招待された日でしたのでしょう?!」
彼女は、少しだけ頬を赤くして詫びていた。
「よいのですよ。
先方が勝手に来いと命じたのです。
ましてや、貴女がアルゴラから帰って次の日に日程を入れてくるなんて!
あちらが非常です!」
祖母ヴィクトリアは、よく冷えたプリンを彼女に渡しながら怒っている。
「そうじゃとも、カリスのプリンを食べて元気におなり。
気にするな。
今頃はブライアンが王族と談笑しているであろう」
祖父グレゴリーは、まさかその時ブライアンが土下座しているとは思ってもいなかった。
「お祖父様、私…。
ルシアン殿下と同じクラスは嫌ですわ。
数ヶ月間ですが、また事件が起きそうな予感がしますの」
プリムローズはうんざりし、困惑した表情で相談してくる。
「旦那様、プリムは元第一王子から剣で刺されそうになりましたわ。
クラスを替えてくれる様頼んだらどうですか?!」
「おばあ様、それは嫌で御座います。
仲良くなれた友と別れたくありません」
首を左右に振ると具合が良くないのか、気持ちが抑えられないみたいで珍しく駄々をこねていた。
「案ずるな!
プリムは、王子を無視していればよいぞ。
周りの者に、世話を頼むのがいい!
儂から、学園には脅しておく!ワーハハハ!」
逆に心配になる孫娘、どんな事を言って言い従わせるのか。
考えたら風邪が悪化しそうなので、直ちに思考を停止するのであった。
疲れ果てて疲労困憊の兄ブライアンは、クラレンスの屋敷に無事に生還した。
出迎えは、執事長トーマスのみである。
話を聞くと、祖父母は妹の部屋に見舞いに訪れているようだ。
「ブライアン様、お疲れのようにお見受け致します。
旦那様には、私からお戻りになられたとお伝えします。
どうか、お部屋でお休み下さいませ」
気の利く執事長で助かると、胸の内で感謝する。
彼は最後の最後に、王から妹宛の手紙を無理やりに押し付けられてしまう。
これを渡す役目に気が重く、帰りの馬車で気分が悪くなった。
最大の原因を、彼は軽く握り締める。
「トーマス、本当は私が渡さないとならないが急ぎかもしれん。
お前から、プリムローズに渡してくれないか?頼むー!!」
そう早口で話すと、聞いていた執事長トーマスの腕を掴み手の中に手紙を押し付けた。
「あー!お待ち下さいませ!!
ブライアン様~!!」
トーマスの叫び声が玄関エントランスに虚しく響き渡った時、ブライアンは駆け足で階段を上がって姿を消してしまっていた。
手の中にある手紙の封の紋章と差出人の名前を見る。
有能な執事長は、下を向き深くタメ息をつく。
執事長トーマスは白い手袋をはめて、銀のトレーに手紙とペーパーナイフを乗せた姿でプリムローズの部屋の前に立ちすくんでいた。
どう話して渡せばよいか、長年損な役割をこなしてきた彼は意を決して扉を叩く。
返事の声と共にお嬢様専属メイドメリーが扉を開けると、中から楽しげな主人たちの笑い声が耳に入ってきたのである。
「トーマスではないか?
如何したか、その手紙は誰からで誰宛じゃあ?!」
緊張した面持ちで、彼は一礼すると説明を始めた。
「先程、ブライアン様がお戻りになりました。
たいそうお疲れのご様子でしたので、私の判断でお部屋で休まれるようにと進言致しました。
旦那様を通さずに、申し訳ございませんでした」
深く頭を下げて、祖父の許しを得るまでそのままのようだ。
「お祖父様!
トーマスは気を使ってくれたのですわ。
お兄様は、王族の中一人で立ち向かったのです。
疲労するのは当たり前と、お祖父様もお思いになりませんか!?」
トーマスは、お嬢様は天使が天からこの世に降り立ったお方ではないかと感動していた。
「プリムは優しいのう。
トーマス、手紙を開けてくれぬか。
まだ、プリムは本調子でない。
儂が読んで聞かせる」
「大丈夫ですわ。
王自らが、お書きになったのですもの。
自分で、目を通すのが礼儀と考えますわ」
彼女はトーマスから手紙を受け取り、読み出すとだんだん表情が険しくなっていった。
「何が書いてあるのです。
プリムローズ、遠慮なく申しなさい!」
祖母ヴィクトリアは、孫の顔色を見ていて苛立っていた。
「息子が同じクラスになる。
隣国から来て間もなく、頼る友人も居ない。
筆頭貴族である私に、是非に友人になってあげて欲しいと書かれてますわ」
「まぁー、なんと厚顔無恥な!
プリムローズにあんな事をした王族がー!
旦那様、どうお考えですか?!」
手元に扇を忘れた祖母は、我慢できないのか派手に指を鳴らしていた。
その音を聞くと、夫であるグレゴリーは毅然と孫に命じた。
「王の世迷い言など気にするな!
誰が玉座に座らせてやったのだ!プリムローズではないか。
そなたの思う通りにするがよいぞ!」
「はい、お祖父様!
私は、もう王族とは距離をおきたいのですわ。
無視致します!」
彼女は、高らかに宣言するのだった。
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