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第3章 友情と家族の絆
第7話 愉快で不愉快な噂
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時は、少しだけ巻き戻る話になる。
リザの父である男爵は、身分は低い貴族だが気さくな性格している。
人当たりがいいせいか、交流範囲が広かった。
彼は結構お呼ばれが多いのだ。
いつも人との繋がりを大事にして、嫌な顔せずに相手の聞き役に撤していたからである。
葡萄畑の件も、友人からの手助けの協力の申し出はあった。
最初は、リザを含めた子供の将来を考えて頼ろうと思案していたが…。
しかし、莫大な金額を支払うのは危険と感じ断っていた。
領地にいたリザの父は、娘からの手紙を読み王都に来ている。
「リザ、手紙を読んだ。
誠に、クラレンス公爵がその様に申していたのか!?」
「はい、お父様!葡萄畑を買い取ると、ハッキリと申して下さいましたわ。
相手の方とお父様に、クラレンス公爵の屋敷に訪れるようにと伝言を頼まれました」
クラレンス公爵なら、もし葡萄畑で損害を出しても痛くはない筈だ。
何せ数ある貴族の中で、他を寄せつけない圧倒的な財力を誇る。
裏では王族よりもあるのではと、真しやかに囁かれていた。
「お茶会はどうであったか?
粗相などを、公爵家でしなかったであろうな」
父は高位貴族の礼儀は想像つかなかったので、娘を心から心配していたのである。
「ご安心下さい。
シュワシュワを頂きました。
この世に、あんな不思議な飲み物が存在して驚きました」
「シュワシュワ?
聞いた事がない、そんな飲み物が王都には流行っておるのか?!」
娘は、父に炭酸水の話を詳しく話して聞かせた。
まさか、その話がキャロライン王妃の耳に入るとは思いもせずにリザは話していたのだ。
まず噂を聞きつけたのは、リザの父の知り合いであの噂大好き伯爵夫人の仲良し子爵夫人であった。
リザの父は子爵夫人の夫と友人で、今回のクラレンス公爵の申し出を相談している際にシュワシュワの話をして盛り上げていたのだ。
堅い話だけでなく、愉快な話を添えようとした結果である。
「ほぉ~、炭酸水ですか?
そう言えば、クラレンス領の領民の噂を聞いたことがあります。
その水は山深い山地に湧いていて、口に含むとパチパチと弾けるそうです」
「娘も同じように話してました。その不思議な水に、果物のシロップを入れてお出ししてくれましてな。
それはそれは、楽しく美味しく堪能したそうですよ」
そのちょっとした話を子爵は夫人にし、夫人が仲の良い伯爵夫人にしたのが始まりになる。
歩く噂好き伯爵夫人は友人の子爵夫人からその話を聞くと、早速その話題を広めに行く事に決めた。
楽しい話が大好きな彼女は、お茶の席でシュワシュワの話を興味深げに話して聞かせて歩く。
瞬く間に広がるシュワシュワの単語は、王宮務めの女官たちの話題になる。
そして、とうとう髪や化粧などを担当する身の回り侍女が王妃キャロラインに話を聞かせていた。
「シュワシュワ?
そんな変わった飲み物を、クラレンス公爵のお茶会に出されたの!?」
王妃は、侍女の楽しげに話す様子を不満げに聞き返してきた。
「あっ、はい。
そのような噂をお聞きしました。王妃様」
侍女は王妃の表情が不快に感じられて、話をしてはいけなかったと後悔する。
それからは黙って作業を続ける侍女の指先は、緊張のためか氷のように冷たくなっていた。
『気に入らないわ!
王妃である私を無視して、初めての茶会を開けば子爵や男爵令嬢たちを招待する。
私は2回も招待してあげたのに、クラレンス公爵は招待する素振りもない。
側室のスザナは、あの子は招待された事はあるのかしら?』
後日、茶会の話を訊いてみることにする。
キャロラインは身支度が整うと、側室スザナからの朝の挨拶を受けるのを日課としていた。
スザナは、彼女王妃を立てていた。
必ず毎朝、ご機嫌伺いに訪れてくれる。
かなり神経質なぐらい、王妃に気遣いをしてくれていた。
だからこそ正妻の王妃と側室が円満にいられると、スザナの行いを見ていた者は褒め称えている。
「王妃キャロライン様のご尊顔を拝しまして、恐悦至極に存じます」
丁寧にお辞儀して挨拶し、暫くしてキャロラインの顔を見る。
『どうしたのかしら?
怒ってらっしゃる?!
私は、何かしてしまったのかしら?!!』
スザナは、顔色を悪くすると、口元を隠して狼狽えてしまう。
「スザナ、どうしたのです。
顔色が悪くてよ!
誰かー、急ぎ医師をー!!」
椅子から立ち上がり、近くに控える者に命じる王妃。
「王妃様、平気ですわ。
あの、お顔がお怒りになられていたと思いましたの。
私が王妃のご不況を、買ったのだと思ったのですわ」
王妃は側室の側に寄ると、誤解を解いてクラレンスの茶会の話を聞くのだった。
「私の勘違いで、安堵致しました。
クラレンス公爵夫人の正式ではありませんが、一度だけ小さな屋敷の仮住まいの時に呼ばれましたわ。
ブロイ公爵夫人に、リンドール伯爵夫人もご一緒です」
「では、未亡人だったころなのね。
側室になってからはあるの?!」
「いいえ!
たとえ呼ばれてましても、王妃様がお先に決まっていますわ」
その返事に気を良くしたのか、キャロラインは愁眉を開いてから微笑む。
『そうよね、いつかは呼ばれるわ。
王妃のこの私が、臣下の屋敷に行くのを憚って遠慮しているだけね』
前に一度プリムローズの誕生日に行った事を、コロリと忘れている都合のよいキャロラインであった。
いつか呼ばれると信じ、クラレンス公爵からの茶会を待ち続けるのである。
リザの父である男爵は、身分は低い貴族だが気さくな性格している。
人当たりがいいせいか、交流範囲が広かった。
彼は結構お呼ばれが多いのだ。
いつも人との繋がりを大事にして、嫌な顔せずに相手の聞き役に撤していたからである。
葡萄畑の件も、友人からの手助けの協力の申し出はあった。
最初は、リザを含めた子供の将来を考えて頼ろうと思案していたが…。
しかし、莫大な金額を支払うのは危険と感じ断っていた。
領地にいたリザの父は、娘からの手紙を読み王都に来ている。
「リザ、手紙を読んだ。
誠に、クラレンス公爵がその様に申していたのか!?」
「はい、お父様!葡萄畑を買い取ると、ハッキリと申して下さいましたわ。
相手の方とお父様に、クラレンス公爵の屋敷に訪れるようにと伝言を頼まれました」
クラレンス公爵なら、もし葡萄畑で損害を出しても痛くはない筈だ。
何せ数ある貴族の中で、他を寄せつけない圧倒的な財力を誇る。
裏では王族よりもあるのではと、真しやかに囁かれていた。
「お茶会はどうであったか?
粗相などを、公爵家でしなかったであろうな」
父は高位貴族の礼儀は想像つかなかったので、娘を心から心配していたのである。
「ご安心下さい。
シュワシュワを頂きました。
この世に、あんな不思議な飲み物が存在して驚きました」
「シュワシュワ?
聞いた事がない、そんな飲み物が王都には流行っておるのか?!」
娘は、父に炭酸水の話を詳しく話して聞かせた。
まさか、その話がキャロライン王妃の耳に入るとは思いもせずにリザは話していたのだ。
まず噂を聞きつけたのは、リザの父の知り合いであの噂大好き伯爵夫人の仲良し子爵夫人であった。
リザの父は子爵夫人の夫と友人で、今回のクラレンス公爵の申し出を相談している際にシュワシュワの話をして盛り上げていたのだ。
堅い話だけでなく、愉快な話を添えようとした結果である。
「ほぉ~、炭酸水ですか?
そう言えば、クラレンス領の領民の噂を聞いたことがあります。
その水は山深い山地に湧いていて、口に含むとパチパチと弾けるそうです」
「娘も同じように話してました。その不思議な水に、果物のシロップを入れてお出ししてくれましてな。
それはそれは、楽しく美味しく堪能したそうですよ」
そのちょっとした話を子爵は夫人にし、夫人が仲の良い伯爵夫人にしたのが始まりになる。
歩く噂好き伯爵夫人は友人の子爵夫人からその話を聞くと、早速その話題を広めに行く事に決めた。
楽しい話が大好きな彼女は、お茶の席でシュワシュワの話を興味深げに話して聞かせて歩く。
瞬く間に広がるシュワシュワの単語は、王宮務めの女官たちの話題になる。
そして、とうとう髪や化粧などを担当する身の回り侍女が王妃キャロラインに話を聞かせていた。
「シュワシュワ?
そんな変わった飲み物を、クラレンス公爵のお茶会に出されたの!?」
王妃は、侍女の楽しげに話す様子を不満げに聞き返してきた。
「あっ、はい。
そのような噂をお聞きしました。王妃様」
侍女は王妃の表情が不快に感じられて、話をしてはいけなかったと後悔する。
それからは黙って作業を続ける侍女の指先は、緊張のためか氷のように冷たくなっていた。
『気に入らないわ!
王妃である私を無視して、初めての茶会を開けば子爵や男爵令嬢たちを招待する。
私は2回も招待してあげたのに、クラレンス公爵は招待する素振りもない。
側室のスザナは、あの子は招待された事はあるのかしら?』
後日、茶会の話を訊いてみることにする。
キャロラインは身支度が整うと、側室スザナからの朝の挨拶を受けるのを日課としていた。
スザナは、彼女王妃を立てていた。
必ず毎朝、ご機嫌伺いに訪れてくれる。
かなり神経質なぐらい、王妃に気遣いをしてくれていた。
だからこそ正妻の王妃と側室が円満にいられると、スザナの行いを見ていた者は褒め称えている。
「王妃キャロライン様のご尊顔を拝しまして、恐悦至極に存じます」
丁寧にお辞儀して挨拶し、暫くしてキャロラインの顔を見る。
『どうしたのかしら?
怒ってらっしゃる?!
私は、何かしてしまったのかしら?!!』
スザナは、顔色を悪くすると、口元を隠して狼狽えてしまう。
「スザナ、どうしたのです。
顔色が悪くてよ!
誰かー、急ぎ医師をー!!」
椅子から立ち上がり、近くに控える者に命じる王妃。
「王妃様、平気ですわ。
あの、お顔がお怒りになられていたと思いましたの。
私が王妃のご不況を、買ったのだと思ったのですわ」
王妃は側室の側に寄ると、誤解を解いてクラレンスの茶会の話を聞くのだった。
「私の勘違いで、安堵致しました。
クラレンス公爵夫人の正式ではありませんが、一度だけ小さな屋敷の仮住まいの時に呼ばれましたわ。
ブロイ公爵夫人に、リンドール伯爵夫人もご一緒です」
「では、未亡人だったころなのね。
側室になってからはあるの?!」
「いいえ!
たとえ呼ばれてましても、王妃様がお先に決まっていますわ」
その返事に気を良くしたのか、キャロラインは愁眉を開いてから微笑む。
『そうよね、いつかは呼ばれるわ。
王妃のこの私が、臣下の屋敷に行くのを憚って遠慮しているだけね』
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