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第4章 未来への道
第10話 アマリリスのトキメキ
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彼女は羞恥心を胸に秘めて、独りきりで役所に出向いた。
前に座る生真面目そうな彼に、自分の現状を打ち明けてみる。
彼女は話している間に、だんだんと気分が高まってしまう。
言わなくていい事まで、言ってしまっていたのではないか?
話し終えて後悔し、顔から火が出そうに熱くなる。
それでも、相談した年若い男性に問いかけた。
「ええっと…、あのですね。
今の話で、慰謝料って頂けますか?
この家同士で交わした、書類は効力ってあるのかしら?!」
ただ黙って一言も話さない男性を、彼女は不安になりながら必死に説明し自分だけ喋っていた。
『なんで、先ほどから何も仰ってくれないのよ!?
この方、まさか声が出せない人なの?』
担当者を変更できないかと、アマリリスは考え始めている。
それほど、不安になりかかっていた。
「慰謝料は請求できますよ。
相手の方と駆け落ちした時の証明が出来れば、浮気相手の女性にも請求は可能です」
『なんだ、突然話しかけられビックリしたわ。
この方は話せのね!
あまり驚かせないでよ』
やっと会話になり、ホッとして息を吐くと続きを話す。
「そうですか。
たしか、宿に泊まってましたわ。
その宿に証明して貰います!」
「貴女だけで行っても、はたして宿は証明してくれるでしょうか?
もし迷惑でなければ、私がご一緒しましょうか?」
彼は何故自分が、彼女にそんな話をしてしまったのか。
自分でも表情には出さずに、胸の内で驚くのである。
「でも、貴方様はお忙しいのでは?
今はあの話題の本のせいで、婚約破棄が急増してますよね?!」
彼は、初めて目を細めて笑ってくれた。
アマリリスは、その優しげな笑顔を見て胸が何故か高まってしまう。
「今日は、15時に勤務が終了です。
ずっと、休みがなかなか取れなくてね。
空きが出たから、休みを急に取れと言われても暇なんです。
お邪魔でなかったら、お付き合いしますよ」
「いいのですか?
有難うございます。
実を言うと一人で乗り込むのは、本当はすごく不安でしたの」
彼女は近くの椅子に座り、彼が仕事を終えるのを待っていた。
アマリリスは平常心になると、今いる部屋の中をゆっくり観察する。
自分の用件をどう話せばいいか、担当してくれる方に理解して貰えることしか頭になかった。
今やっと、周りの状況が見えてきた。
こんなにも、ここに大勢の人がいたのね。
あちらでは、婚姻届けを二人で提出しに来てるわ。
幸福そうで、嬉しそうな二人なの。
見ていて、気持ちが明るくなる。
とても微笑ましいわ。
こちらは反対に、怒って罵りあっているわ。
魅力がないのが悪いなんて、失礼な言い方をする殿方なのでしょう!
あの女性は今にも泣きそう、お気の毒でお可哀想だわ。
それと比べて何なのよ!
あの男性の横で、ニヤニヤして勝ち誇った女性の顔つきはー!
色んな人たちがいて、世の中は回っているのね。
私は、その中の一人に過ぎない。
この部屋で行われている人生模様を、アマリリスは観察していた。
「お待たせしました。
待ち疲れましたか?
少し何処かで休みますか?」
「平気ですわ。
いろいろな方がいるんだなぁと思いました。
それぞれの喜びや悲しみ、そして怒り。
私も、その中の1人なのですね」
彼は相変わらず、何も言わずにただ微笑むだけだった。
毎日、そんな人たちを見ていらっしゃるのね。
それなら、無口になるのも何となくわかる。
ずっと、こんな他人の相談事を聞いてあげてなくてはいけないのですもの。
仕事とはいえ、精神的に疲れてしまう。
「アマリリス様は、彼に好意を持たれました。
それは恋と呼ぶにはまだ遠い思いだったと、私は聞いていてそう感じましたよ」
ポレット夫人は、自分の恋を思い出していたのだろうか。
複雑な笑みして、小さな淑女にそう言った。
「この辺で宿屋はあと3つですね。
さぁ、入ってみましょう!」
もう既に、4箇所目になる。
こんなに付き合わせて、彼には申し訳ないわ。
「あっ、覚えてますよ。
宿屋の代金とか食事代とかを、やけに気にしてました。
宝石を売りたいとか、変わった相談してきましたからね」
窓口にいる若い男性従業員が、二人を覚えてくれていた。
彼女は目を大きくしてから、そっと安堵の息を吐く。
「実は、役所の手続きで泊まっていた証明書がいるのだ。
事件とかではない。
今流行りの婚姻に関することだ。
彼は不誠実な行いをしてね。
これ以上は言えないが、気持ちを察してくれないかい?!」
毎日相談事を処理するだけあり慣れているのか、彼は多くを語らずに上手く相手に頼み込む。
「お安いご用ですよ。
証明書だけなら律儀にも偽名でなく、本名で宿泊してますしね。
最近は、このような問い合わせが多くなっていますよ」
苦笑いして従業員は、スラスラと証明証を書き出してくれる。
こうして彼女は証明書を手にして慰謝料を請求し、詫びとして当面の生活費を手にしたのだった。
「本当に有難うございました。
貴方様が一緒に宿に付いてきて、説明をしてくれたからですわ。
きっと、女性独りなら追い返されてました」
「お力になれて良かった。
しかし、伯爵令嬢の貴女がこれから働いて独りで暮らせますか?!いや、余計な事を…」
またしても余計な話をする自分に、仕事の疲労のせいなのかと思い迷う。
「さぁ、どうでしょう!?
不安でもありますが、楽しみでもあります。
私は、自分で強くなりたいと思っていますの」
そう力強く自分に話す彼女の笑顔は夕日に輝き、彼の心に印象的に残る。
その後、彼とアマリリスがどうなるのか。
プリムローズはピンクのアマリリスの話に酔いながら、ポレット夫人の語る話に耳を傾けていた。
前に座る生真面目そうな彼に、自分の現状を打ち明けてみる。
彼女は話している間に、だんだんと気分が高まってしまう。
言わなくていい事まで、言ってしまっていたのではないか?
話し終えて後悔し、顔から火が出そうに熱くなる。
それでも、相談した年若い男性に問いかけた。
「ええっと…、あのですね。
今の話で、慰謝料って頂けますか?
この家同士で交わした、書類は効力ってあるのかしら?!」
ただ黙って一言も話さない男性を、彼女は不安になりながら必死に説明し自分だけ喋っていた。
『なんで、先ほどから何も仰ってくれないのよ!?
この方、まさか声が出せない人なの?』
担当者を変更できないかと、アマリリスは考え始めている。
それほど、不安になりかかっていた。
「慰謝料は請求できますよ。
相手の方と駆け落ちした時の証明が出来れば、浮気相手の女性にも請求は可能です」
『なんだ、突然話しかけられビックリしたわ。
この方は話せのね!
あまり驚かせないでよ』
やっと会話になり、ホッとして息を吐くと続きを話す。
「そうですか。
たしか、宿に泊まってましたわ。
その宿に証明して貰います!」
「貴女だけで行っても、はたして宿は証明してくれるでしょうか?
もし迷惑でなければ、私がご一緒しましょうか?」
彼は何故自分が、彼女にそんな話をしてしまったのか。
自分でも表情には出さずに、胸の内で驚くのである。
「でも、貴方様はお忙しいのでは?
今はあの話題の本のせいで、婚約破棄が急増してますよね?!」
彼は、初めて目を細めて笑ってくれた。
アマリリスは、その優しげな笑顔を見て胸が何故か高まってしまう。
「今日は、15時に勤務が終了です。
ずっと、休みがなかなか取れなくてね。
空きが出たから、休みを急に取れと言われても暇なんです。
お邪魔でなかったら、お付き合いしますよ」
「いいのですか?
有難うございます。
実を言うと一人で乗り込むのは、本当はすごく不安でしたの」
彼女は近くの椅子に座り、彼が仕事を終えるのを待っていた。
アマリリスは平常心になると、今いる部屋の中をゆっくり観察する。
自分の用件をどう話せばいいか、担当してくれる方に理解して貰えることしか頭になかった。
今やっと、周りの状況が見えてきた。
こんなにも、ここに大勢の人がいたのね。
あちらでは、婚姻届けを二人で提出しに来てるわ。
幸福そうで、嬉しそうな二人なの。
見ていて、気持ちが明るくなる。
とても微笑ましいわ。
こちらは反対に、怒って罵りあっているわ。
魅力がないのが悪いなんて、失礼な言い方をする殿方なのでしょう!
あの女性は今にも泣きそう、お気の毒でお可哀想だわ。
それと比べて何なのよ!
あの男性の横で、ニヤニヤして勝ち誇った女性の顔つきはー!
色んな人たちがいて、世の中は回っているのね。
私は、その中の一人に過ぎない。
この部屋で行われている人生模様を、アマリリスは観察していた。
「お待たせしました。
待ち疲れましたか?
少し何処かで休みますか?」
「平気ですわ。
いろいろな方がいるんだなぁと思いました。
それぞれの喜びや悲しみ、そして怒り。
私も、その中の1人なのですね」
彼は相変わらず、何も言わずにただ微笑むだけだった。
毎日、そんな人たちを見ていらっしゃるのね。
それなら、無口になるのも何となくわかる。
ずっと、こんな他人の相談事を聞いてあげてなくてはいけないのですもの。
仕事とはいえ、精神的に疲れてしまう。
「アマリリス様は、彼に好意を持たれました。
それは恋と呼ぶにはまだ遠い思いだったと、私は聞いていてそう感じましたよ」
ポレット夫人は、自分の恋を思い出していたのだろうか。
複雑な笑みして、小さな淑女にそう言った。
「この辺で宿屋はあと3つですね。
さぁ、入ってみましょう!」
もう既に、4箇所目になる。
こんなに付き合わせて、彼には申し訳ないわ。
「あっ、覚えてますよ。
宿屋の代金とか食事代とかを、やけに気にしてました。
宝石を売りたいとか、変わった相談してきましたからね」
窓口にいる若い男性従業員が、二人を覚えてくれていた。
彼女は目を大きくしてから、そっと安堵の息を吐く。
「実は、役所の手続きで泊まっていた証明書がいるのだ。
事件とかではない。
今流行りの婚姻に関することだ。
彼は不誠実な行いをしてね。
これ以上は言えないが、気持ちを察してくれないかい?!」
毎日相談事を処理するだけあり慣れているのか、彼は多くを語らずに上手く相手に頼み込む。
「お安いご用ですよ。
証明書だけなら律儀にも偽名でなく、本名で宿泊してますしね。
最近は、このような問い合わせが多くなっていますよ」
苦笑いして従業員は、スラスラと証明証を書き出してくれる。
こうして彼女は証明書を手にして慰謝料を請求し、詫びとして当面の生活費を手にしたのだった。
「本当に有難うございました。
貴方様が一緒に宿に付いてきて、説明をしてくれたからですわ。
きっと、女性独りなら追い返されてました」
「お力になれて良かった。
しかし、伯爵令嬢の貴女がこれから働いて独りで暮らせますか?!いや、余計な事を…」
またしても余計な話をする自分に、仕事の疲労のせいなのかと思い迷う。
「さぁ、どうでしょう!?
不安でもありますが、楽しみでもあります。
私は、自分で強くなりたいと思っていますの」
そう力強く自分に話す彼女の笑顔は夕日に輝き、彼の心に印象的に残る。
その後、彼とアマリリスがどうなるのか。
プリムローズはピンクのアマリリスの話に酔いながら、ポレット夫人の語る話に耳を傾けていた。
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