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第1章 奇跡の巡り合わせ
第19話 窮鳥入懐
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突然に馬車が左右に激しく動き、驚きの声をあげた3人。
揺れが収まるとスクード公爵が、扉を少し用心しながら開けてみる。
「馭者、どう致したのかー!」
公爵が大きな声で話すと、馭者が動揺しながら外から大きな声で返事を返してきた。
「だん、旦那さま!
白い鳥が何かを咥えて馬車に向かって飛んできました。
それで、馬が驚いたのでございます」
プリムローズとメリーは、すぐ正体に気づいてしまう。
「ピーちゃん!
あの子で間違いないわ!
寂しくなっちゃったのかしら?!」
プリムローズは、反対のドアから外に降り立った。
目にした瞬間に、鷹に問いかけをせずにいられない。
他人から見たら、頭が変な人だと思われるが…。
「ピーちゃん、どうしたの?
えーっ?それは、何よ?
ちょっと早く、ペッしなさいー!」
驚きと命令口調に、馬車から降りた公爵とメリーはビックリしていた。
白い鷹は、何かを咥えてプリムローズの前に立っている。
頭が良いのか、聞き分けが良いようだ。
飼い主の指示した通りに、咥えた物を地面に優しく置く。
「ピぃ、ピ!ピィ~!!」
プリムローズは鳴くピーちゃんを無視して、置いたものをしゃがんで見ていた。
ん、猫かしら?
まぁ~、白くて模様がある綺麗な猫さんね。
息があるから、コレはまだ生きてる。
「ミャ…、ミャ~」
か細く鳴くので彼女は、なんだか可哀想になり庇護欲が湧き上がる。
思わず手の中に入れて、優しくそっと抱き上げた。
「ピーちゃんは、この子を助けて欲しいのね?!」
鳥に語る姿を、ピーちゃんを知らない公爵と馭者はただ黙って見守っていた。
そんな彼らは、ピーちゃんの首輪に目が釘つけになる。
豪華すぎる首輪はよく似合っていたが、たかが鳥につけるには高価すぎていた。
エテルネルの公爵とは、それほどに財力があるのかとプリムローズの様子を見て考えていたのだ。
鳥と少女の対応に足止めを食らっているとー。
後ろを走っていた馬車に乗っていたギルたちも降りて、プリムローズたちに急ぎ足で近寄ってくる。
「おや、どうしたんお嬢?
何があったんですか。
おっ、お前ピーじゃん!
それ、何ですかい?」
ギルが呑気に、プリムローズの抱いたモノを見ようとしていた。
「これは!?
えーと、それは…。
あの~、この子…は?
ユキヒョウの、生まれて間もない赤ちゃんではないでしょうか?」
どうも自信なさそうにタルモが、勇気を出して話に割って入る。
「え~っ、どう見ても!
猫でしょう?!
ミャ~って、さっき鳴きましたわよ」
「……、尾っぽが太すぎるませんか?」
「普通の猫よりは成長してますけど…。
猫しか見えませんわ。
もう~、ご冗談をー!
タルモ殿は、オッホホㇹ…」
プリムローズは、猫の背中を擦ってタルモを笑っていた。
「うわぁ~、可愛い子猫ですね!
ピーちゃんが拾ったのですか?!」
エリアスも、プリムローズが抱く子猫をそっと触っていた。
「でも…、弱りましたわ。
スクード公爵様…。
ピーちゃんは、勝手に餌を取りますので気にしなくていいのですけど。
子猫まで、お屋敷に連れて行くのは…。ねぇ~~」
プリムローズは子猫を抱き、訴える目つきをする。
エリアスも悲しげに、翡翠の瞳をうるうるさせ公爵を見上げる。
うーっ、これでは駄目とは言えないではないか!
そんな事を言ったら、儂は冷酷な者と思われてしまう。
仮にも東を守る強き将軍の儂が、幼い子を泣かす訳にはいか~ん!!
「【窮鳥入懐】じゃあ。
構わん、構わんぞ!
猫一匹くらい飼いなさい」
「窮鳥入懐でございますか?
それは、どんな意味でしょうか?」
頭でいくら考えても分からないので、彼女に公爵は意味を教えて貰う事にした。
「窮地に陥った人が助けに求めたら、見捨てずに救うのが人の道だというたとえですわい!」
「なるほど、分かりましたわ!
窮鳥は、追い詰められた鳥。
入懐は、懐に入るですわね!
そうでございましょう!」
「おっ、そうですわい。
なかなか、賢いご令嬢ですな」
後日、スクード公爵はこの一言を悔やんだそうだ。
タルモは、以前にさる王様がユキヒョウのマントが欲しいと探し回った経験がある。
あの模様を忘れるはずはなかった。
しかし、あんなに喜ぶプリムローズとエリアスに何も言えないタルモである。
ピーちゃんを鳥籠に入れて、子猫はエリアスにお願いした。
いくらなんでも、公爵様と一緒の馬車には乗せられませんもの。
「スクード公爵、申し訳ございません。
子猫まで付いてきてしまいましたわ。
公爵様は、動物お嫌いではありませんか?」
スクード公爵に、形だけでも申し訳なさそうに尋ねた。
「気にするんではない!
好きじゃとも、安心するが良いぞ」
すっかり明るい感じの馬車の中、メイドのメリーはお二人にお茶を差し出した。
細長いコップに少量のお茶を注いで、膝には溢れても大丈夫なように膝掛けを掛けている。
「メリー、有り難う。
あのドタバタで喉が渇きましたわよ。
まさか、ピーちゃんが子猫を拾うとはね」
「お嬢様、ピーちゃんは今までたくさん拾ってきましたわよ」
公爵は、その会話を深掘りしたくなった。
「ちなみに、何を拾いましたか?
ちっーとばっかし、興味ありますぞ!」
プリムローズは、覚悟を決めて公爵に話し出す。
何故か何処か、遠くを見つめる眼差しで語る。
「忘れもしませんわ!
今も、たまに致します。
ピーちゃんは、キラキラ光る物が大大好きなのです」
「ふう~、そうですわね。
お嬢様、それは見事な輝きの物ばかりでしたわよね」
「ほぉ~、輝きですか?
ガラスの欠片とかですかなぁ。
それでは、ため息もつい出てしまうのう。ハハハ」
公爵がお気楽に笑いながら話すと、プリムローズは首を左右に振った。
「それならいいのです。
公爵様、ピーちゃんは何処から持ってくるのか。
その……、宝石を咥えてくるんですわ」
スクード公爵はビックリしながら、プリムローズの話を聞いていた。
「そうなんです、公爵様!
それも自慢気に咥えて来ては、お嬢様にお渡ししますのよ。
人に言えないことですわ。
これって、ドロ……。
良くない事ですよね」
盗みとは言えず苦悶を表情にして、俯向いて首を振る。
プリムローズはその宝石を返したいが、全然持ち主がわからない。
1度知り合いの宝石商に鑑定したら、どれも素晴らしい品ばかりで恐らく伯爵以上の方の持ち物だと教えられた。
スクード公爵は、何も返事が出来ずにプリムローズたちの悩み顔を眺めた。
「そして、今回は子猫ですわ。
とうとう生き物まで手をつけてきたとは…!
この先、何を咥えてくるのか不安で仕方ありません」
「どんな宝石か見てみたいですなぁ。
鷹が、咥えた宝石か?!
ふむふむ…」
公爵が呟くと、意外な返事が直ぐに返ってきた。
「ぜひとも、ご覧下さいませ!
祖父母には、この件は報告してますの。
エテルネルでは駄目だが、ヘイズなら問題ないだろうと持たされましたのよ!
オッホホホー!!」
「もう、年月が経った物もございますわ。
お嬢様、別に気にしなくても宜しいのでは?
失くした方も、お忘れになられてますよ。ふふふっ」
スクード公爵は、女性は歳が幾つでも恐ろしい。
何故か、自分の妻を思い浮かんだ。
あれからピーちゃんの妨害以外は、馬車は順調に進み公爵領アウローラに近づいて行く。
揺れが収まるとスクード公爵が、扉を少し用心しながら開けてみる。
「馭者、どう致したのかー!」
公爵が大きな声で話すと、馭者が動揺しながら外から大きな声で返事を返してきた。
「だん、旦那さま!
白い鳥が何かを咥えて馬車に向かって飛んできました。
それで、馬が驚いたのでございます」
プリムローズとメリーは、すぐ正体に気づいてしまう。
「ピーちゃん!
あの子で間違いないわ!
寂しくなっちゃったのかしら?!」
プリムローズは、反対のドアから外に降り立った。
目にした瞬間に、鷹に問いかけをせずにいられない。
他人から見たら、頭が変な人だと思われるが…。
「ピーちゃん、どうしたの?
えーっ?それは、何よ?
ちょっと早く、ペッしなさいー!」
驚きと命令口調に、馬車から降りた公爵とメリーはビックリしていた。
白い鷹は、何かを咥えてプリムローズの前に立っている。
頭が良いのか、聞き分けが良いようだ。
飼い主の指示した通りに、咥えた物を地面に優しく置く。
「ピぃ、ピ!ピィ~!!」
プリムローズは鳴くピーちゃんを無視して、置いたものをしゃがんで見ていた。
ん、猫かしら?
まぁ~、白くて模様がある綺麗な猫さんね。
息があるから、コレはまだ生きてる。
「ミャ…、ミャ~」
か細く鳴くので彼女は、なんだか可哀想になり庇護欲が湧き上がる。
思わず手の中に入れて、優しくそっと抱き上げた。
「ピーちゃんは、この子を助けて欲しいのね?!」
鳥に語る姿を、ピーちゃんを知らない公爵と馭者はただ黙って見守っていた。
そんな彼らは、ピーちゃんの首輪に目が釘つけになる。
豪華すぎる首輪はよく似合っていたが、たかが鳥につけるには高価すぎていた。
エテルネルの公爵とは、それほどに財力があるのかとプリムローズの様子を見て考えていたのだ。
鳥と少女の対応に足止めを食らっているとー。
後ろを走っていた馬車に乗っていたギルたちも降りて、プリムローズたちに急ぎ足で近寄ってくる。
「おや、どうしたんお嬢?
何があったんですか。
おっ、お前ピーじゃん!
それ、何ですかい?」
ギルが呑気に、プリムローズの抱いたモノを見ようとしていた。
「これは!?
えーと、それは…。
あの~、この子…は?
ユキヒョウの、生まれて間もない赤ちゃんではないでしょうか?」
どうも自信なさそうにタルモが、勇気を出して話に割って入る。
「え~っ、どう見ても!
猫でしょう?!
ミャ~って、さっき鳴きましたわよ」
「……、尾っぽが太すぎるませんか?」
「普通の猫よりは成長してますけど…。
猫しか見えませんわ。
もう~、ご冗談をー!
タルモ殿は、オッホホㇹ…」
プリムローズは、猫の背中を擦ってタルモを笑っていた。
「うわぁ~、可愛い子猫ですね!
ピーちゃんが拾ったのですか?!」
エリアスも、プリムローズが抱く子猫をそっと触っていた。
「でも…、弱りましたわ。
スクード公爵様…。
ピーちゃんは、勝手に餌を取りますので気にしなくていいのですけど。
子猫まで、お屋敷に連れて行くのは…。ねぇ~~」
プリムローズは子猫を抱き、訴える目つきをする。
エリアスも悲しげに、翡翠の瞳をうるうるさせ公爵を見上げる。
うーっ、これでは駄目とは言えないではないか!
そんな事を言ったら、儂は冷酷な者と思われてしまう。
仮にも東を守る強き将軍の儂が、幼い子を泣かす訳にはいか~ん!!
「【窮鳥入懐】じゃあ。
構わん、構わんぞ!
猫一匹くらい飼いなさい」
「窮鳥入懐でございますか?
それは、どんな意味でしょうか?」
頭でいくら考えても分からないので、彼女に公爵は意味を教えて貰う事にした。
「窮地に陥った人が助けに求めたら、見捨てずに救うのが人の道だというたとえですわい!」
「なるほど、分かりましたわ!
窮鳥は、追い詰められた鳥。
入懐は、懐に入るですわね!
そうでございましょう!」
「おっ、そうですわい。
なかなか、賢いご令嬢ですな」
後日、スクード公爵はこの一言を悔やんだそうだ。
タルモは、以前にさる王様がユキヒョウのマントが欲しいと探し回った経験がある。
あの模様を忘れるはずはなかった。
しかし、あんなに喜ぶプリムローズとエリアスに何も言えないタルモである。
ピーちゃんを鳥籠に入れて、子猫はエリアスにお願いした。
いくらなんでも、公爵様と一緒の馬車には乗せられませんもの。
「スクード公爵、申し訳ございません。
子猫まで付いてきてしまいましたわ。
公爵様は、動物お嫌いではありませんか?」
スクード公爵に、形だけでも申し訳なさそうに尋ねた。
「気にするんではない!
好きじゃとも、安心するが良いぞ」
すっかり明るい感じの馬車の中、メイドのメリーはお二人にお茶を差し出した。
細長いコップに少量のお茶を注いで、膝には溢れても大丈夫なように膝掛けを掛けている。
「メリー、有り難う。
あのドタバタで喉が渇きましたわよ。
まさか、ピーちゃんが子猫を拾うとはね」
「お嬢様、ピーちゃんは今までたくさん拾ってきましたわよ」
公爵は、その会話を深掘りしたくなった。
「ちなみに、何を拾いましたか?
ちっーとばっかし、興味ありますぞ!」
プリムローズは、覚悟を決めて公爵に話し出す。
何故か何処か、遠くを見つめる眼差しで語る。
「忘れもしませんわ!
今も、たまに致します。
ピーちゃんは、キラキラ光る物が大大好きなのです」
「ふう~、そうですわね。
お嬢様、それは見事な輝きの物ばかりでしたわよね」
「ほぉ~、輝きですか?
ガラスの欠片とかですかなぁ。
それでは、ため息もつい出てしまうのう。ハハハ」
公爵がお気楽に笑いながら話すと、プリムローズは首を左右に振った。
「それならいいのです。
公爵様、ピーちゃんは何処から持ってくるのか。
その……、宝石を咥えてくるんですわ」
スクード公爵はビックリしながら、プリムローズの話を聞いていた。
「そうなんです、公爵様!
それも自慢気に咥えて来ては、お嬢様にお渡ししますのよ。
人に言えないことですわ。
これって、ドロ……。
良くない事ですよね」
盗みとは言えず苦悶を表情にして、俯向いて首を振る。
プリムローズはその宝石を返したいが、全然持ち主がわからない。
1度知り合いの宝石商に鑑定したら、どれも素晴らしい品ばかりで恐らく伯爵以上の方の持ち物だと教えられた。
スクード公爵は、何も返事が出来ずにプリムローズたちの悩み顔を眺めた。
「そして、今回は子猫ですわ。
とうとう生き物まで手をつけてきたとは…!
この先、何を咥えてくるのか不安で仕方ありません」
「どんな宝石か見てみたいですなぁ。
鷹が、咥えた宝石か?!
ふむふむ…」
公爵が呟くと、意外な返事が直ぐに返ってきた。
「ぜひとも、ご覧下さいませ!
祖父母には、この件は報告してますの。
エテルネルでは駄目だが、ヘイズなら問題ないだろうと持たされましたのよ!
オッホホホー!!」
「もう、年月が経った物もございますわ。
お嬢様、別に気にしなくても宜しいのでは?
失くした方も、お忘れになられてますよ。ふふふっ」
スクード公爵は、女性は歳が幾つでも恐ろしい。
何故か、自分の妻を思い浮かんだ。
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