【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます! ーヘイズ留学 暗躍編ー

愚者 (フール)

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第1章  奇跡の巡り合わせ

第18話 馬子にも衣装

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 お店の中でバラバラに散らばり彼の服を見ていると、服と同時にエリアスの靴も選んでいた。
彼の前にいていた靴は、ボロボロで穴が空いていて靴の役にたっていなかったのだ。

「皆さん、お待たせしました。
エリアスの登場でーす!」

メリーが興奮ぎみで、彼の登場を紹介する。

「は、恥ずかしいですよ」

エリアスは、真っ赤な顔をして出てきた。

「うわぁー、似合っているわ。
エリアス、とても素敵よ!」

プリムローズがエリアスを誉めまくる。
ギルとタルモも、おぉっと感嘆の声を出した。

「そうですとも、このメリー様のセンスには狂いがありません。
エリアスは、土台がいいのです。
体に肉がつけば完璧ですわ。オホホ!」

メリーの高笑いで、一気に興奮が覚めるプリムローズたちである。

「これはお買い上げね。
これは、私が選んだのよ。
紺のベストと黒いズボンに、水色のタイ。
絶対に似合うはずよ」

プリムローズが試着を勧めると、ギルが俺はこれだぜと渡してくる。

エリアスは困りぎみでハイっと、言ってはまたメリーと部屋に消えたていく。
またエリアスの姿を見ては、プリムローズたちの興奮は最高潮に。

「いゃ~ん、良いですわぁ。
馬子まごにも衣装】よ!
こんなに、衣装選びが楽しいとは思わなかった。
旅の疲れも忘れるわ」

プリムローズは、自分の選んだ服を着るエリアスに酔いしれた。

「お嬢、変なことを言うなよ!
確かにエリアスは、ヴァンブランの面倒みる馬子だけどよ」

ギルが、プリムローズへ変な顔をしてギロッと見る。

「それは、ギル殿の言う事が正しいですね。
中身がないものが、いい服を着ればそれなりに良く見える言葉の意味ですよ。プリムローズ様」

タルモが、馬子にも衣装の意味を伝えた。

「まぁ、それは失礼しましたわ。
エリアスは、中身がとっても良いものね。
ごめんね、エリアス。
これもお買い上げ、最後はギルの選んだ服ね」

「次は、俺選んだ普段用だぜ!動きやすいのを重視し、色は汚れが目立たない茶系だぜ。
ベストも、脱ぎやすくポケット付きだ。
どうよ、エリアス着てみろよ」

ギルは、自信げにふんずり返っている。

エリアスは3着も良いのかと悩むが、皆の強いキラキラ目線に負けて着替えに行く。

着替えるのを待つ間、エリアスの着た服を店員に畳ませている。

「調子にのって、3着も着てしまいました」

遠慮してエリアスが出てくると、ギルはエリアスの頭にちょこんと帽子のせた。

「やっぱ、俺様の見立て最高だぜ。
なぁお嬢、これも似合っているよな!」

ギルがプリムローズにお伺いをすると、プリムローズは首を思い切り縦に振ってみせた。

「珍しくギルと意見合うわね。
ええ、これもお買い上げよ!
後は王都に着いたらにしましょう。
楽しみは後にも取っておかないとね、ウフフ」

選んでおいた靴を、エリアスに履かせてサイズを合わせた。
結局は3人が選んだ服に、靴を2足買った。

「あの、お嬢様。
有り難うございます!」

エリアスが、嬉しそうに礼を言ってくる。

「何を言うのよ。
私は初めての男性の服選びで、凄く楽しかったわよ。
他人の服を選ぶのって興奮するわね。
メリー、貴女の気持ちが初めて理解できたわ」

プリムローズは、エリアスの両手を繋ぎ回り出した。

「まぁまぁ、お嬢様ったら。
お行儀が悪いですよ!」

メリーが注意すると、ギルもタルモもプリムローズを見て苦笑していた。

  
    翌朝から馬車で、王都ヴァロを目指して出発した。
スクード公爵とプリムローズに、専属メイドのメリーが一緒に乗ることになった。

普通は護衛のギルを乗せるのだが、公爵とプリムローズが乗る時に同じ意見を言い出した。

「私は強いから、べつに護衛いらないわ」

「うむ、そうじゃな。
わしも結構強いぞ!」

メリーは、2人の会話を聞いて考えていた。
では何故にギルを、ヘイズに連れて来たのだと。

黙って聞いてきたギルが、プリムローズに返事してきた。

「ふ~ん、確かにそうだな。
じゃあ、俺はエリアスとタルモ殿の護衛しょうかなぁー」

いきなり名を呼ばれて、2人はどうすればとその場に固まってしまう。

出発前からそんな事があったので、現在メリーは少し緊張の中で馬車に揺られていた。

プリムローズは公爵と出会ってから、ひたすら考察していた。
この目の前にいる方が、お祖父様が救った方なの?

お祖父様は沈黙の間で、商人を助けたとハッキリと仰ってたわ。
私が見る限りこの方は、商人にはまったく見えない。

だが30年以上も前のお話で、人相もかなり変わるはずよね。

まるで喉に何か詰まった感じがして、もうイライラするわ。
白バラ、黒バラの関係性並のムズムズよ。

聞きたいけど聞けない、苦しいし辛いわぁ~。
プリムローズがスクード公爵をそんな思いで見ていたのが悪いのか、馬車の中は微妙な空気感が漂っていた。

スクード公爵も、プリムローズの眉間に深いシワが刻みこまれているのを感じていた。

何じゃ、儂の顔に何か付いておるのか?
思わず公爵は、自分の顔をで回す。

いや、大事な客人に無礼でないように身だしなみには十分に気を付けとるぞ。

まさか、もしや加齢臭かれいしゅうかぁ?!

いや王都で有名な香水店で、爽やか人気1番のを使っとるぞ!
じゃが、さわやか過ぎて加齢臭と重なり不快な匂いかも知れんぞ。

公爵は焦りを表情に出さずに、胸の内で葛藤かっとうしていた。

メリーも2人の微妙すぎる空気に、どうしたらいいか悩んだ。
先程から何かしら、この中が殺伐さつばつとしている気がする。
ちょっと、違う感じ。
お互いにけん制しあっている、そんな雰囲気ふんいきだ。

私がこの場を和やかにさせなくては、お嬢様の専属メイドですもの!
そうだわ、ここでお茶でも薦めようかしら?!
メリーは、近くに置いたお茶の入っている大きなカゴに目を向けた。

話すタイミングと話しかける言葉を考えていると、突然馬車が急に激しく揺れて止まった。
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