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第3章 暗躍と毒女たちとの戦い
第12話 九死に一生を得る
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ヘイズ王の謁見の場にて、祖父グレゴリーから預かった親書を渡すことになった。
その機会を狙って、私は思いきって王様に伺ってみるのである。
「先のヘイズ王は、なぜに海を渡り祖父と出会ったのですか。
当時は、王太子の地位じゃありませんでしたか?」
皆がなぜか私の質問に驚き、不思議に感じながらヘイズ王の返事を待っていた。
「恩人のグレゴリー殿に、そなたは伺っているのではないのか?」
私がどこまで知っているか、探っていらっしゃる様子。
互いに質問攻めに、2人の会話がなりたたない。
「祖父は、知り合いに私を託すとしか伝えてませんでした。
しかし、年齢から考えると前王ならしっくりします。
最初はスクード公爵様と思いましたが、祖父の事を仰る態度に違和感を感じたのです」
王は声を出して笑うと、私をあのグレゴリー様の孫だとお褒め下さる。
「……ふむ、なるほどな。
亡き父上はヘイズの王になりたくなく、船に密航して嵐にあった。
そして、流れ着いて死にかけていたのを助けてもらったのだ」
はーい、はいはい?
王太子が、国から逃げたというの?
そして、マヌケにも漂着して祖父が戦の間に偶然にも出会って助けられた訳なの。
物語でも、出来すぎじゃない?!
いやっ、ちょっと違うわ。
あまりにも情けなくて話しても、誰も信じないわよ。
プリムローズは疑い目を、不謹慎にもヘイズ王に向けた。
「恥ずべき話だが、もう30年以上前の話だし時効だろう。
亡き父上は、島国のヘイズだけしか知らないで生きていくのが堪らなかったそうだ。
海の向こうに、希望を見出したのであろう」
プリムローズは言い方は美化しているが、タダの間抜けしか聞こえなかった。
こうして話している息子の国王も、自分で理解しているのだろう。
顔が少しだけ赤く、そしてひきっていた。
「これはこれは、冒険心を持ったお方でしたか!
凡人には、考えられない思考をお持ちだったのですな。
王になられる方は、常人とは違いますなぁー!
なぁ、ニーナ!ワハハ…」
スクード公爵の高らかな笑いが、嫌でも耳に入ってきた。
白々しいご機嫌とりの言葉だ。
臣下も気を使って大変だわ。
公爵の横で、彼女は冷静に感じていた。
「主人の話す通りでございますね。
私は怖くて、とても船にも乗れませんわ。
勇気がおありなのですね」
スクード公爵夫人も夫に続いて、頑張って後押しをしている。
素敵な忠信と、夫婦愛!
「ふぅ~、あの事故で【九死に一生を得る】を得た。
帰国した先王は、そらから人が変わられた。
今、ヘイズがあるのは全て貴女の祖父グレゴリー殿のお陰です。
父に代わり、礼を申す」
10のうち9まで死ぬと思われたなかで、やっとのこと生きながらえて助かれば少しは変わるでしょうよ。
プリムローズは、胸の中で悪態をついていた。
そう話すと、王も王妃もプリムローズに頭を下げる。
スクード公爵夫妻も、それに続いた。
「頭をお挙げ下さいませ。
私は、タダの孫です。
次期王として、重圧から逃避したかったのでしょう。
お若いんですから、そのような気持ちにもなります」
4人は、11歳の子供に気遣いされて複雑な思いをしていた。
そこから、スクード公爵は王と王妃にネズミの話を始める。
二人と公爵夫人が、黙って伺う様子はヘイズの闇の深さを表す顔つきであった。
「まさか!後継ぎのなかなか出来ないせいで、ここまで拗れていたのか。
弟夫婦が生きていたら、また違っていたのかもしれない」
王が話し終えると、隣の王妃様は自分のお腹に手を当てる素振りをする。
お可哀そうに世継ぎが誕生しないばかりか、秘密裏に子が出来なくする薬を飲まされていた。
同じ女性として許せないし、王妃を哀れんでいた。
そして思うのだ、王妃だけにはなりたくないとー。
王の美しい翡翠の瞳に、やはりエリアスを思い出す。
顔立ちもどことなく、似てる気がする。
「失礼ですが、王弟殿下はヘイズ王に似ておられましたか?
その瞳のお色は、王族しか持たないのでしょうか?」
4人は変わった質問する令嬢だと思ったが、子供特有の好奇心と深く考えなかった。
「えぇ、そうですわ!
不思議と男性に受け継げられますのよ。
代々のヘイズ王は、綺麗な翡翠のお色の瞳を持っております」
美しい青空の様な瞳を持つ、現王妃は微笑みながら教えて下さる。
その言葉に確信した、エリアスは王弟殿下のご子息だったんだわ。
何故、見つからなかったのか。
そんなのは、当たり前よ!
海の上で、ましてやあんな船底に居たと誰が思う?
ダメ押しで、王弟の肖像画を拝見して確認したい。
「そうそう、私の肖像画は何処にございますの?
祖父は私に相談もせずに、勝手にヘイズ国に送ったのです。
恥ずかしくて仕方ありません」
「とっても、可愛い絵でしたよ。
良かったら、王族たちのもお見せしよう。
亡き父上や我が弟にも、話していたら会いたくなりました」
願ってもない王からの申し出に、プリムローズは目を輝かし頷くのである。
ヘイズ王も昔を懐かしんでか、権力者からただの人に戻りつつあった様に感じていた。
これで、エリアスのことがハッキリするわ。
彼が、王弟の残された息子なのかどうかがー。
5人は、代々の王族たちの肖像画を掛かっている。
追憶の間と、呼ばれる部屋に向かうのだった。
その機会を狙って、私は思いきって王様に伺ってみるのである。
「先のヘイズ王は、なぜに海を渡り祖父と出会ったのですか。
当時は、王太子の地位じゃありませんでしたか?」
皆がなぜか私の質問に驚き、不思議に感じながらヘイズ王の返事を待っていた。
「恩人のグレゴリー殿に、そなたは伺っているのではないのか?」
私がどこまで知っているか、探っていらっしゃる様子。
互いに質問攻めに、2人の会話がなりたたない。
「祖父は、知り合いに私を託すとしか伝えてませんでした。
しかし、年齢から考えると前王ならしっくりします。
最初はスクード公爵様と思いましたが、祖父の事を仰る態度に違和感を感じたのです」
王は声を出して笑うと、私をあのグレゴリー様の孫だとお褒め下さる。
「……ふむ、なるほどな。
亡き父上はヘイズの王になりたくなく、船に密航して嵐にあった。
そして、流れ着いて死にかけていたのを助けてもらったのだ」
はーい、はいはい?
王太子が、国から逃げたというの?
そして、マヌケにも漂着して祖父が戦の間に偶然にも出会って助けられた訳なの。
物語でも、出来すぎじゃない?!
いやっ、ちょっと違うわ。
あまりにも情けなくて話しても、誰も信じないわよ。
プリムローズは疑い目を、不謹慎にもヘイズ王に向けた。
「恥ずべき話だが、もう30年以上前の話だし時効だろう。
亡き父上は、島国のヘイズだけしか知らないで生きていくのが堪らなかったそうだ。
海の向こうに、希望を見出したのであろう」
プリムローズは言い方は美化しているが、タダの間抜けしか聞こえなかった。
こうして話している息子の国王も、自分で理解しているのだろう。
顔が少しだけ赤く、そしてひきっていた。
「これはこれは、冒険心を持ったお方でしたか!
凡人には、考えられない思考をお持ちだったのですな。
王になられる方は、常人とは違いますなぁー!
なぁ、ニーナ!ワハハ…」
スクード公爵の高らかな笑いが、嫌でも耳に入ってきた。
白々しいご機嫌とりの言葉だ。
臣下も気を使って大変だわ。
公爵の横で、彼女は冷静に感じていた。
「主人の話す通りでございますね。
私は怖くて、とても船にも乗れませんわ。
勇気がおありなのですね」
スクード公爵夫人も夫に続いて、頑張って後押しをしている。
素敵な忠信と、夫婦愛!
「ふぅ~、あの事故で【九死に一生を得る】を得た。
帰国した先王は、そらから人が変わられた。
今、ヘイズがあるのは全て貴女の祖父グレゴリー殿のお陰です。
父に代わり、礼を申す」
10のうち9まで死ぬと思われたなかで、やっとのこと生きながらえて助かれば少しは変わるでしょうよ。
プリムローズは、胸の中で悪態をついていた。
そう話すと、王も王妃もプリムローズに頭を下げる。
スクード公爵夫妻も、それに続いた。
「頭をお挙げ下さいませ。
私は、タダの孫です。
次期王として、重圧から逃避したかったのでしょう。
お若いんですから、そのような気持ちにもなります」
4人は、11歳の子供に気遣いされて複雑な思いをしていた。
そこから、スクード公爵は王と王妃にネズミの話を始める。
二人と公爵夫人が、黙って伺う様子はヘイズの闇の深さを表す顔つきであった。
「まさか!後継ぎのなかなか出来ないせいで、ここまで拗れていたのか。
弟夫婦が生きていたら、また違っていたのかもしれない」
王が話し終えると、隣の王妃様は自分のお腹に手を当てる素振りをする。
お可哀そうに世継ぎが誕生しないばかりか、秘密裏に子が出来なくする薬を飲まされていた。
同じ女性として許せないし、王妃を哀れんでいた。
そして思うのだ、王妃だけにはなりたくないとー。
王の美しい翡翠の瞳に、やはりエリアスを思い出す。
顔立ちもどことなく、似てる気がする。
「失礼ですが、王弟殿下はヘイズ王に似ておられましたか?
その瞳のお色は、王族しか持たないのでしょうか?」
4人は変わった質問する令嬢だと思ったが、子供特有の好奇心と深く考えなかった。
「えぇ、そうですわ!
不思議と男性に受け継げられますのよ。
代々のヘイズ王は、綺麗な翡翠のお色の瞳を持っております」
美しい青空の様な瞳を持つ、現王妃は微笑みながら教えて下さる。
その言葉に確信した、エリアスは王弟殿下のご子息だったんだわ。
何故、見つからなかったのか。
そんなのは、当たり前よ!
海の上で、ましてやあんな船底に居たと誰が思う?
ダメ押しで、王弟の肖像画を拝見して確認したい。
「そうそう、私の肖像画は何処にございますの?
祖父は私に相談もせずに、勝手にヘイズ国に送ったのです。
恥ずかしくて仕方ありません」
「とっても、可愛い絵でしたよ。
良かったら、王族たちのもお見せしよう。
亡き父上や我が弟にも、話していたら会いたくなりました」
願ってもない王からの申し出に、プリムローズは目を輝かし頷くのである。
ヘイズ王も昔を懐かしんでか、権力者からただの人に戻りつつあった様に感じていた。
これで、エリアスのことがハッキリするわ。
彼が、王弟の残された息子なのかどうかがー。
5人は、代々の王族たちの肖像画を掛かっている。
追憶の間と、呼ばれる部屋に向かうのだった。
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