【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます! ーヘイズ留学 暗躍編ー

愚者 (フール)

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第3章  暗躍と毒女たちとの戦い

第18話 阿諛追従

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 王弟殿下夫妻の忘れ形見がたみのエリアスの身柄みがらは、当分はそのままスクード公爵が預かる事で話がついた。

「公爵様、お願いですから。
学園は、今のまま通わせて下さい。
学園でやっと友人が作れたのに、皆さんと別れたくないのです」

私も彼の気持ちを考えて、プリムローズも一緒になってお願いをする。

「うむ、そうしてあげたいが心配じゃな。
もし、何かあってからで困るしのう~」

あごに手を当ててどうしたもんだとうなり声を出す、スクード公爵。

「平民も貴族も、一緒に学べるようにしたらどうでしょう?
そうしたら、敵の目をあざむけるかもしれません」

スクード公爵は顎から今度は両腕を組んで、私の案を考え始めた。

「これは、いい案かもしれん。
以前から、平民と貴族を区別するのに反対した者たちがおった。
その方面の方々と話し合ってみるか!」

エテルネルでの学園クラス分けを、参考にして頂くため話しだした。

「我がエテルネルは、最初は貴族と平民をゴチャ混ぜにしたら問題が起きたそうですわ。
なかなか、身分差とは難しいですわね」

「まっ、期間限定にすれば問題ないだろう。
儂から、うまく根回しをする」

こうしてエリアスはいままで通り、平民として学園へ通うことができそうだった。



   それから1週間後に、学園の掲示板けいじばんに張り紙がはらられた。

「平民の学舎が老朽化ろうきゅうかした為に、建て直すまでに此方こちらに来ることになりましたのね?!」

ライラ様が私に、掲示板の内容を読み上げてくれた。

「平民でも、同じ人ですわ。
差別は、いやしい方がする行いですよ。
まさか、ヘイズの高貴こうきなる方々はそんな事はなさいませんわよね」

わざとらしく周りを見渡しながら、少し大きな声で話した。

「プリムローズ様、当然でございます。
私たちは、将来は貴族の夫人になるんですもの。
弱いものや身分の下の方々に、慈愛じあいの心を持たなくてはいけません」

周りの他の令嬢たちに微笑み、意見の同意を求めて話していた。

今頃スクード公爵令息オスモ様も、男子の方で私たちと同じ事をしているはずだわ。

これは、プリムローズの作戦であった。
エリアスが貴族と見られても、これだけ学生がいれば敵から狙われる確率は減る。
後は嘘の噂で亡き王弟の息子が見つかり、王宮の奥に居ると声高に触れ回ればいい。

未来のヘイズ王になるかもしれない人物。
そして、亡き王弟夫妻の忘れ形見狙って動くはずだ。
あせれば焦るほど、尻尾を出すだろう。

エリアスのために、少しでもいい環境を作らなくてはね。
物騒な事を彼女は、独りで頭の中にて未来を考察こうさつしていた。

「プリムローズ様。
これから、百合組との合同授業ですわよ」

すっかり、エリアスのことで忘れていたわ。
えーと、フレデリカ様ってお名前でしたっけ?

髪型が個性的で、クルクルしか覚えてない。
あんな見事な縦巻きは、エテルネルでも見たことないわ。
すご腕なメイドをお持ちで、私がその者を引き抜こうかしら?

新しい商売が浮かびそう!

「ねぇ、ライラ様。
太巻きの毒○さんは、何てお名前だったかしら?
髪型の印象しか、頭にございませんのよ!」

プリムローズが正直に質問すると、横のライラ様が堪えきれずに吹き出した。

「だ、太巻き?!
それは、どんな物ですか?
クルクルって、あーーっ!
もうダメ!アッハーハハ!
やめてー、プッ…ぷぷ!
プリムローズ様、今だけは何もー!
お願い、仰らないで下さい!」

『あら嫌だぁ~、またやってしまった』

心の声が、もれれてしまっていた。

しかし、ライラ様は思いのほか笑い上戸じょうごだったのね。
必死におうぎで顔を、隠して笑っている。
気持ちは分かりますけど、余計に周りの方々の注目を集める。

貴女さまが原因だと、ライラは言いたかったが現在の状況では無理だった。

「あー、苦しかったわ!
お名前は、フレデリカ様です。
髪型のことは、本人気にしているそうよ。
言わないでいてあげてね」

「ライラ様…、ライラ様!
後ろに~!ご本人が…」

ライラが驚きながら、勢いよく後ろを振り向いてしまった。

「ご本人って、私の事をおっしゃってバカ笑いしてました?!
淑女しゅくじょになろうという方々が…。
他人の容姿を、けなして笑うるとはねぇ~」

二人は、フレデリカの冷静な抗議が恐怖だった。
サンドラの様に、怒鳴ってくれたら分かりやすかったのにー。

「チューダー侯爵令嬢、それはほめめ言葉ですよ。
私はあなた様の完璧な髪型に、感服かんぷくしておりますわ」

プリムローズはほめめ落とし作戦で、相手を気分良くしてやり過ごそうとした。

「フン!その様な見え透いたお世辞言われて、喜ぶと思うの!
貴女、私をクルクルと言ってましたでしょう!!」

フレデリカ様は今にも殴る様な態度で、こぶしを握りしめてプリムローズに言い返していた。
ライラは、警告したのにと様子を見ていた。

「では、その髪型をどう表現するのよ。
クルクルが、1番分かりやすくて妥当でしょう?!」

この反論に、彼女本人も言い返せなかった。
クルクルだわと、納得するしかない。
聞いていた関係ない令嬢たちも、胸の中でソウデスとしか言える言葉がない。

「貴女って、人はー!
阿諛追従あゆついしょう】って言葉をご存知?!
貴女の様な人に、ピッタリなお言葉よ!」

「私は別に貴女に気に入られようと、褒めているわけではありません。
それに身分の高い人に、びへつらう必要ないわ」

プリムローズは、きっと誤解しているんだと思って聞いていた。
先生が教室の中に入って来たので、チューダー侯爵令嬢との話は中断されてしまう。

この授業で、またまた騒ぎが起きそうな空気を充満じゅうまんさせていた。

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