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第5章 栄光を目指せ
第5話 ウドの大木
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円卓の上には、軍学園に関する規則を書かれた書類が置かれる。
数え忘れるほど読み返していた彼は、最終学年を担当している教師たちの口論に耳を傾けていた。
「まいりましたな。
ギリギリになって、学園に出戻ってくるとは思いませんでした」
復学したチューダー侯爵令息を受け入れた担任が、災厄がやって来たような顔つきでいの一番発言する。
「復学に対して、不満を訴えてくる生徒たちもいます。
せっかく充実して学園で最後の試合ができるように、私たちも準備をしてきました」
「復学を来年にしてもらうように、チューダー侯爵に掛け合ってみたらどうでしょう」
復学後に数週間で卒業するよりも、1年間授業を受けさせれば不平はでないと提案をしてきた。
同意する教師には、面倒から逃げたい担任も含まれている。
決まりかけて優勢になるが、そこに年配の教師が反対意見を述べる。
「彼は、もう20歳だ。
来年になれば、当然だが21歳になる。
たった1歳の差でも、印象と聞こえが悪い」
教師たちの間でも派閥があるようで、だんだん白熱して互いに主張を譲らない。
「それに拒絶すれば、留学したら復学ができない。
こう思われてしまっては、他国へ学ぼうとする人がいなくなる」
「同意見です。
学問を学ぶ門を閉ざしてはなりません。
今回は受け入れて、今回の件を機に制度を考え直しましょう」
意見が分かれて、行き詰まって結論が決まらない。
中立の立場からは、受け入れるならハンデを与えるべきだと意見も出てくる。
それでは学園の原点である平等に反すると、落とし所がつかず無駄な時だけが過ぎていく。
最終決定は、学園長にすべて委ねることになった。
くせ毛の黒髪の兄妹に、真っ赤な赤毛と銀に近い白金の金髪。
それぞれが際立つ存在感で、容姿だけでなく性格も個性的な集まりだった。
チューダー侯爵令嬢フレデリカが、兄アンテロを紹介するためにお茶にプリムローズたちを誘ってくれた。
断るつもりでいたプリムローズだったが、ひとりはイヤだとライラに泣きつかれて仕方なくここにいる。
「妹と母上の仲を取り持ってくれたそうですね。
お二人には、礼を申します」
「左様でしたか。
それはご丁寧に、お礼を言われるほどではこざいません」
あまりのプリムローズの素っ気ない態度に、となりに座るライラの方が気まずくなる。
「ご出身は、エテルネル国だそうですね。
私も留学していた身で、ヘイズに来てくれて喜ばしい思いです」
「チューダー侯爵令息は、2か国にも留学されたのですよね。
留学の思い出は、どんなことが印象に残りましたか?」
彼の社交的な笑みが、彼女の問い掛けで一瞬で消える。
妹のフレデリカは、兄の心の傷を広げてしまうのを恐れているようだった。
「あのう、プリムローズ嬢。
その質問はー」
「いやいや、お恥ずかしい。ウィルスターは、野暮用で滞在していただけです」
侯爵令息は周辺の目が気になるみたいで、相手に印象を持たれたい様子だった。
『呑気に笑っているわ。
今、学園ではあなたのせいで揉めていることを知らないのかしら』
「プリムローズ様!
お声にでておりますよ」
「いや構わない。
不興を買っているのは、私も自覚している。
もっと早く帰国を考えていたのですが、自分のけじめをつけるに時間がかかりました」
けじめとは女性から貢がされた分だけ、彼自身が稼がなくてはいけなかったのだろう。
彼は自分の留学費がどこからでているのを気にしている。
金銭感覚がしっかりしていて、プリムローズはこれだけは立派なものだと評価していた。
「本音がでてしまいました。
試験を直前に、強敵が現れたら将軍のご子息ですもの。
動揺する気持ちを、どうか察してください」
ライラは彼女の率直さは嫌いではないが、無神経な言い過ぎは控えて欲しかった。
「兄は、軍学園を卒業しなくてはなりませんの。
ですから……」
「フレデリカ、やめなさい。
庇いだてはしなくていい。
いつまでも落ち込んで、帰国しなかったのがいけなかったのだ」
留学先で気の合う女性と出会って、彼はその人に恋をした。
しかし、それは一方通行な片思いだった。
「最後には、【ウドの大木】と言われてしまいました」
「ウドの大木?
ウドってたしか、若葉とつぼみや茎と芽が食べられるのよ。
でも、育ちすぎると食用にならず茎が柔らかいから木材にもならないそうです」
「プリムローズ様、よくご存じですわね。
要は図体が大きいけど、役にたたないってことよね」
「使い方を間違っているわ。
だって、アンテロ様は若いもの。
さんざん貢がして、こんな捨て台詞をよく言えるわね」
プリムローズとライラはウドについて、ついつい詳しく説明を始めてしまう。
身の置きようがない彼は、冷静に自己分析をする。
「相手に好かれたと思い込んで、焦って求婚したのが失敗でした。
それより、最初から相手にされてなかった」
咳払いをしてから、妹フレデリカは兄が気の毒すぎて嘆くのである。
「手紙では彼女ができ、留学生活は充実していると書かれておりましたのに…」
兄を不憫に思ってか、話す動作は、顔を扇で覆って泣きそうな表情を隠す。
「ヘイズに嫁に来てくれって告白したら、未開の地には嫁げないと言われてな。
ただの友人だったと告げられた」
「フラレたの?!」
女性たちは口にしてしまい、慌てて自分らの口を手で抑えた。
彼女らの態度を見て、頭を掻きながら、頬を赤らめて素直に話を続ける。
「彼女、婚約者もいたんだ。
相手の方も、婚姻前に他の人と遊んでいたらしくてな。
どうも、当て馬に使われたようだ」
人が良さそうな彼が、シュンとしている様は虎が猫になっているようだった。
ダメな良い人間を見ると、なぜか応援したくなる。
また、プリムローズのお節介な性格が疼いてしまう。
「そんな女狐に、骨までしゃぶられなくて良かったです」
「女狐ですか…。
そうですね。
お恥ずかしい話ですが、高い授業料を払ったと割り切ります」
「お兄様、一緒に社交界で素敵な方を探しましょう」
フレデリカは自身の婚活も大事でもあるが、失恋を忘れるには新たな恋をするのが一番と思う。
「それなら、私の遠縁に婚約者のいない人がいます。
お歳は10歳で、性格は擦れてなくて純心ですよ」
「10歳ですか……」
ライラの申し出にアンテロは、自分が幼女誘拐犯になった気分だった。
二人の会話を聞き、考えてる様子で扇を開いたり閉じたりしていたプリムローズ。
その手元が止まった。
「アンテロ様には、騎士道がなにかを知り剣に精通した方がいいわ」
「プリムドーゾ嬢、そんな女性がいらっしゃるのですか?」
すがる目付きで、プリムローズに聞き直す。
「最終実技試験には、女性騎士を目指す方が参加します。
3年間過酷な学園生活を過ごした。
貴方様に、ピッタリな相性な方々だと思いませんか?」
「ブロンドローズ嬢のお言葉通り、生半可ではここまで残れないでしょう」
ライラとフレデリカは、アンテロがプリムローズの名前を間違っているのに気づく。
言い直すように妹が兄に声をかけようとするが、プリムローズが扇で口元を当てやめさせる。
「同じ道を進み同士。
戦って合間見れば、心を通じる人が現れるかもしれません」
帰国してから兄が、初めて気遣いなしの笑顔を浮かべている。
美しく装って感情を隠す令嬢より、彼にはあっているのかもしれない。
フレデリカとライラは、目配せをして同時にうなずいて見せた。
プリムローズのお節介が、また実を結ぶことになるのだろうか。
数え忘れるほど読み返していた彼は、最終学年を担当している教師たちの口論に耳を傾けていた。
「まいりましたな。
ギリギリになって、学園に出戻ってくるとは思いませんでした」
復学したチューダー侯爵令息を受け入れた担任が、災厄がやって来たような顔つきでいの一番発言する。
「復学に対して、不満を訴えてくる生徒たちもいます。
せっかく充実して学園で最後の試合ができるように、私たちも準備をしてきました」
「復学を来年にしてもらうように、チューダー侯爵に掛け合ってみたらどうでしょう」
復学後に数週間で卒業するよりも、1年間授業を受けさせれば不平はでないと提案をしてきた。
同意する教師には、面倒から逃げたい担任も含まれている。
決まりかけて優勢になるが、そこに年配の教師が反対意見を述べる。
「彼は、もう20歳だ。
来年になれば、当然だが21歳になる。
たった1歳の差でも、印象と聞こえが悪い」
教師たちの間でも派閥があるようで、だんだん白熱して互いに主張を譲らない。
「それに拒絶すれば、留学したら復学ができない。
こう思われてしまっては、他国へ学ぼうとする人がいなくなる」
「同意見です。
学問を学ぶ門を閉ざしてはなりません。
今回は受け入れて、今回の件を機に制度を考え直しましょう」
意見が分かれて、行き詰まって結論が決まらない。
中立の立場からは、受け入れるならハンデを与えるべきだと意見も出てくる。
それでは学園の原点である平等に反すると、落とし所がつかず無駄な時だけが過ぎていく。
最終決定は、学園長にすべて委ねることになった。
くせ毛の黒髪の兄妹に、真っ赤な赤毛と銀に近い白金の金髪。
それぞれが際立つ存在感で、容姿だけでなく性格も個性的な集まりだった。
チューダー侯爵令嬢フレデリカが、兄アンテロを紹介するためにお茶にプリムローズたちを誘ってくれた。
断るつもりでいたプリムローズだったが、ひとりはイヤだとライラに泣きつかれて仕方なくここにいる。
「妹と母上の仲を取り持ってくれたそうですね。
お二人には、礼を申します」
「左様でしたか。
それはご丁寧に、お礼を言われるほどではこざいません」
あまりのプリムローズの素っ気ない態度に、となりに座るライラの方が気まずくなる。
「ご出身は、エテルネル国だそうですね。
私も留学していた身で、ヘイズに来てくれて喜ばしい思いです」
「チューダー侯爵令息は、2か国にも留学されたのですよね。
留学の思い出は、どんなことが印象に残りましたか?」
彼の社交的な笑みが、彼女の問い掛けで一瞬で消える。
妹のフレデリカは、兄の心の傷を広げてしまうのを恐れているようだった。
「あのう、プリムローズ嬢。
その質問はー」
「いやいや、お恥ずかしい。ウィルスターは、野暮用で滞在していただけです」
侯爵令息は周辺の目が気になるみたいで、相手に印象を持たれたい様子だった。
『呑気に笑っているわ。
今、学園ではあなたのせいで揉めていることを知らないのかしら』
「プリムローズ様!
お声にでておりますよ」
「いや構わない。
不興を買っているのは、私も自覚している。
もっと早く帰国を考えていたのですが、自分のけじめをつけるに時間がかかりました」
けじめとは女性から貢がされた分だけ、彼自身が稼がなくてはいけなかったのだろう。
彼は自分の留学費がどこからでているのを気にしている。
金銭感覚がしっかりしていて、プリムローズはこれだけは立派なものだと評価していた。
「本音がでてしまいました。
試験を直前に、強敵が現れたら将軍のご子息ですもの。
動揺する気持ちを、どうか察してください」
ライラは彼女の率直さは嫌いではないが、無神経な言い過ぎは控えて欲しかった。
「兄は、軍学園を卒業しなくてはなりませんの。
ですから……」
「フレデリカ、やめなさい。
庇いだてはしなくていい。
いつまでも落ち込んで、帰国しなかったのがいけなかったのだ」
留学先で気の合う女性と出会って、彼はその人に恋をした。
しかし、それは一方通行な片思いだった。
「最後には、【ウドの大木】と言われてしまいました」
「ウドの大木?
ウドってたしか、若葉とつぼみや茎と芽が食べられるのよ。
でも、育ちすぎると食用にならず茎が柔らかいから木材にもならないそうです」
「プリムローズ様、よくご存じですわね。
要は図体が大きいけど、役にたたないってことよね」
「使い方を間違っているわ。
だって、アンテロ様は若いもの。
さんざん貢がして、こんな捨て台詞をよく言えるわね」
プリムローズとライラはウドについて、ついつい詳しく説明を始めてしまう。
身の置きようがない彼は、冷静に自己分析をする。
「相手に好かれたと思い込んで、焦って求婚したのが失敗でした。
それより、最初から相手にされてなかった」
咳払いをしてから、妹フレデリカは兄が気の毒すぎて嘆くのである。
「手紙では彼女ができ、留学生活は充実していると書かれておりましたのに…」
兄を不憫に思ってか、話す動作は、顔を扇で覆って泣きそうな表情を隠す。
「ヘイズに嫁に来てくれって告白したら、未開の地には嫁げないと言われてな。
ただの友人だったと告げられた」
「フラレたの?!」
女性たちは口にしてしまい、慌てて自分らの口を手で抑えた。
彼女らの態度を見て、頭を掻きながら、頬を赤らめて素直に話を続ける。
「彼女、婚約者もいたんだ。
相手の方も、婚姻前に他の人と遊んでいたらしくてな。
どうも、当て馬に使われたようだ」
人が良さそうな彼が、シュンとしている様は虎が猫になっているようだった。
ダメな良い人間を見ると、なぜか応援したくなる。
また、プリムローズのお節介な性格が疼いてしまう。
「そんな女狐に、骨までしゃぶられなくて良かったです」
「女狐ですか…。
そうですね。
お恥ずかしい話ですが、高い授業料を払ったと割り切ります」
「お兄様、一緒に社交界で素敵な方を探しましょう」
フレデリカは自身の婚活も大事でもあるが、失恋を忘れるには新たな恋をするのが一番と思う。
「それなら、私の遠縁に婚約者のいない人がいます。
お歳は10歳で、性格は擦れてなくて純心ですよ」
「10歳ですか……」
ライラの申し出にアンテロは、自分が幼女誘拐犯になった気分だった。
二人の会話を聞き、考えてる様子で扇を開いたり閉じたりしていたプリムローズ。
その手元が止まった。
「アンテロ様には、騎士道がなにかを知り剣に精通した方がいいわ」
「プリムドーゾ嬢、そんな女性がいらっしゃるのですか?」
すがる目付きで、プリムローズに聞き直す。
「最終実技試験には、女性騎士を目指す方が参加します。
3年間過酷な学園生活を過ごした。
貴方様に、ピッタリな相性な方々だと思いませんか?」
「ブロンドローズ嬢のお言葉通り、生半可ではここまで残れないでしょう」
ライラとフレデリカは、アンテロがプリムローズの名前を間違っているのに気づく。
言い直すように妹が兄に声をかけようとするが、プリムローズが扇で口元を当てやめさせる。
「同じ道を進み同士。
戦って合間見れば、心を通じる人が現れるかもしれません」
帰国してから兄が、初めて気遣いなしの笑顔を浮かべている。
美しく装って感情を隠す令嬢より、彼にはあっているのかもしれない。
フレデリカとライラは、目配せをして同時にうなずいて見せた。
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