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第1章 閉ざされし箱
第2話 損して得をとれ
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ヘイズ国で将軍を任命された、東の将軍スクード公爵と北の将軍チューダー侯爵。
この二将軍を引き連れて、ある人物がプリムローズたちの騒ぎに気づく。
彼がそちらへ向かい近づく度に、人々は通る道を開けては次々と頭を下げていたのである。
「騒がしい!
いったい、どうしたのだ。
もうじき出発するぞ!」
真打ち登場。
ヘイズ王のおでましである。
この中で一番身分高く、厄介なのが現れてしまった。
こういう方は関係ないのに偉そうに現れては、その場を荒らしてサッサと消えて行くのよね。
またもや嫌な予感と、頭を下げ彼女はぼやいていた。
「陛下、宸襟をお騒がせ致しまして申し訳ございません。
私は、ヴァロにいる姉を訪ねに参りたい。
ただ、それだけなのです」
頭を下げながら、マーシャル伯爵夫人ヘレンは王へ直訴する。
夫人の意外な肝っ玉の大きさに、驚きを隠せない周囲。
「マルクスよ。
じつに良いことではないか。
引きこもりの噂を払拭できる。
この訓練の後始末をしたら、急ぎ後から新年の挨拶に王宮へ参れ」
王に命じられて断りや不平を口にできないマーシャル伯爵は、妻の夫人に仕方なしに許可を与えるしかなかった。
「かしこまりました、陛下。
ヘレン、急ぎ後を追う。
それまでクラレンス公爵令嬢、家内を宜しく頼みますよ」
ヘッ、私に頼むですって?!
他国の会って数日の私が、なんでアンタの妻の面倒みるのよ。
これでもかという不機嫌な顔つきで、返事を渋り黙り込む。
そんなの彼女を、マーシャル伯爵は物で釣る作戦に出た。
「もちろん、タダとは言わぬ。
バナナの次は、コーヒー豆やカカオの実などをエテルネルに送ろうかなぁ~。
これで、どうだな」
物で釣る作戦に出た彼は、彼女の性格を短い期間で読み取っていた。
「はい!宜しくお願いします。
ヘレン様、馬車はご一緒致しましょう。
マーシャル伯爵様、ヴァロで奥方様とお待ちしておりますわね」
ニコニコと愛らしく、調子よく答えてるのだ。
『品二つで、こんなにコロッと態度を変えるとは……。
エテルネルの筆頭公爵の沽券に関わります』
そうメリーは止めようと口を開く前に、プリムローズは機嫌よく伯爵夫人の手を取り馬車へ並んで歩く。
「メリー、ぼーっとしていないで行きますわよ!
ほらっ、早く来なさいな」
後ろで立ちすくむ彼女は、何一つ声すら出せずにかろうじて返事をするのが限界。
「は、はい…。お嬢様」
ギルは馬に乗ってプリムローズたちの馬車の護衛を任された。
やり取りを馬上高い位置から見ていて、鼻で笑ってから段々に笑い声が大きくなる。
絶対に計算して選んだぜ、あれは…。
咄嗟に、どんだけ銭勘定したんだ。
若いのにガメついね、お嬢はー。
「【損して得取れ】って、これですわ。
一時的には、夫人の面倒を見ますけど。
特産物を考えたら、長い目をみたら得です!」
独り言のつもりで話していたが、手を取られていた伯爵夫人には丸聞こえ。
無視してあげて、共に馬車に乗り込んであげるのだった。
馬車の外では、男たちが出発前に兵士たちに事の次第を説明していた。
「皆の者ーー!
ヘイズで初めて大々的に行われた軍事訓練は、色々とあったがここで終了した!
そのどさくさに紛れて私腹を肥やし、未成年者誘拐した者を捕らえたぞ!」
「その名は、元西の将軍エドアルド・ヴェントだ!
ヴァロ到着後に、罪状を明らかにする!」
東の将軍スクードと北の将軍チューダーがそう馬上から伝え、続いてヘイズ王自ら出発の号令を声高に告げた。
「では、王都ヴァロヘ向けて出発じゃあー!!!」
「「「うおーーー!!!」」」
馬車の中から見物していた夫人は、アクビしてから近くにいる方々に正直に感想を述べた。
「どうして男って、ああして権力保持するような言い回しをするのかしらね?」
「マーシャル伯爵夫人。
旦那様も将軍ですし、お好きそうに見えましたが違いましたのね。
ですが、裏切ったヴェントの悪行を兵士や民たちに教え知らしめるのは重要なことですわ」
馬車の窓に顔を張りつけ、女性特有のおしゃべりを楽しむ。
「馬車だと、あの森を抜けられません。
遠回りして山の道を通るのね。荒れた山道で、お尻や腰が痛くなるので嫌ですよ!」
マーシャル伯爵夫人ヘレンは、椅子にクッションを敷いて座っていた。
これが原因で、将軍が引きこもりになったのね。
夫婦関係は、将軍が夫人に尻を引かれている感じがしたわ。
「御安心なされませ。
険しい山道は通りませんから」
プリムローズは、この時に意味深なことを言う。
それを夫人は気にしないで、聞き流して生返事を返していた。
彼女は夫人に、夫であるマーシャル伯爵の馴れ初めを伺ってみる事にする。
プリムローズは、余計な話題を振ったと後悔をした。
ヘレンは療養中であったために話す相手がおらず、その鬱憤ばらしに思いっきりお喋りしてくる。
馬車は黒い森と呼ばれるミュルクヴィズに入る入口で、ヘイズ王は進軍を一旦止めた。
この二将軍を引き連れて、ある人物がプリムローズたちの騒ぎに気づく。
彼がそちらへ向かい近づく度に、人々は通る道を開けては次々と頭を下げていたのである。
「騒がしい!
いったい、どうしたのだ。
もうじき出発するぞ!」
真打ち登場。
ヘイズ王のおでましである。
この中で一番身分高く、厄介なのが現れてしまった。
こういう方は関係ないのに偉そうに現れては、その場を荒らしてサッサと消えて行くのよね。
またもや嫌な予感と、頭を下げ彼女はぼやいていた。
「陛下、宸襟をお騒がせ致しまして申し訳ございません。
私は、ヴァロにいる姉を訪ねに参りたい。
ただ、それだけなのです」
頭を下げながら、マーシャル伯爵夫人ヘレンは王へ直訴する。
夫人の意外な肝っ玉の大きさに、驚きを隠せない周囲。
「マルクスよ。
じつに良いことではないか。
引きこもりの噂を払拭できる。
この訓練の後始末をしたら、急ぎ後から新年の挨拶に王宮へ参れ」
王に命じられて断りや不平を口にできないマーシャル伯爵は、妻の夫人に仕方なしに許可を与えるしかなかった。
「かしこまりました、陛下。
ヘレン、急ぎ後を追う。
それまでクラレンス公爵令嬢、家内を宜しく頼みますよ」
ヘッ、私に頼むですって?!
他国の会って数日の私が、なんでアンタの妻の面倒みるのよ。
これでもかという不機嫌な顔つきで、返事を渋り黙り込む。
そんなの彼女を、マーシャル伯爵は物で釣る作戦に出た。
「もちろん、タダとは言わぬ。
バナナの次は、コーヒー豆やカカオの実などをエテルネルに送ろうかなぁ~。
これで、どうだな」
物で釣る作戦に出た彼は、彼女の性格を短い期間で読み取っていた。
「はい!宜しくお願いします。
ヘレン様、馬車はご一緒致しましょう。
マーシャル伯爵様、ヴァロで奥方様とお待ちしておりますわね」
ニコニコと愛らしく、調子よく答えてるのだ。
『品二つで、こんなにコロッと態度を変えるとは……。
エテルネルの筆頭公爵の沽券に関わります』
そうメリーは止めようと口を開く前に、プリムローズは機嫌よく伯爵夫人の手を取り馬車へ並んで歩く。
「メリー、ぼーっとしていないで行きますわよ!
ほらっ、早く来なさいな」
後ろで立ちすくむ彼女は、何一つ声すら出せずにかろうじて返事をするのが限界。
「は、はい…。お嬢様」
ギルは馬に乗ってプリムローズたちの馬車の護衛を任された。
やり取りを馬上高い位置から見ていて、鼻で笑ってから段々に笑い声が大きくなる。
絶対に計算して選んだぜ、あれは…。
咄嗟に、どんだけ銭勘定したんだ。
若いのにガメついね、お嬢はー。
「【損して得取れ】って、これですわ。
一時的には、夫人の面倒を見ますけど。
特産物を考えたら、長い目をみたら得です!」
独り言のつもりで話していたが、手を取られていた伯爵夫人には丸聞こえ。
無視してあげて、共に馬車に乗り込んであげるのだった。
馬車の外では、男たちが出発前に兵士たちに事の次第を説明していた。
「皆の者ーー!
ヘイズで初めて大々的に行われた軍事訓練は、色々とあったがここで終了した!
そのどさくさに紛れて私腹を肥やし、未成年者誘拐した者を捕らえたぞ!」
「その名は、元西の将軍エドアルド・ヴェントだ!
ヴァロ到着後に、罪状を明らかにする!」
東の将軍スクードと北の将軍チューダーがそう馬上から伝え、続いてヘイズ王自ら出発の号令を声高に告げた。
「では、王都ヴァロヘ向けて出発じゃあー!!!」
「「「うおーーー!!!」」」
馬車の中から見物していた夫人は、アクビしてから近くにいる方々に正直に感想を述べた。
「どうして男って、ああして権力保持するような言い回しをするのかしらね?」
「マーシャル伯爵夫人。
旦那様も将軍ですし、お好きそうに見えましたが違いましたのね。
ですが、裏切ったヴェントの悪行を兵士や民たちに教え知らしめるのは重要なことですわ」
馬車の窓に顔を張りつけ、女性特有のおしゃべりを楽しむ。
「馬車だと、あの森を抜けられません。
遠回りして山の道を通るのね。荒れた山道で、お尻や腰が痛くなるので嫌ですよ!」
マーシャル伯爵夫人ヘレンは、椅子にクッションを敷いて座っていた。
これが原因で、将軍が引きこもりになったのね。
夫婦関係は、将軍が夫人に尻を引かれている感じがしたわ。
「御安心なされませ。
険しい山道は通りませんから」
プリムローズは、この時に意味深なことを言う。
それを夫人は気にしないで、聞き流して生返事を返していた。
彼女は夫人に、夫であるマーシャル伯爵の馴れ初めを伺ってみる事にする。
プリムローズは、余計な話題を振ったと後悔をした。
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