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第1章 閉ざされし箱
第6話 艱難汝を玉にす
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朝の食事を終え馬車は走り、マーシャル伯爵夫人はプリムローズになぜヘイズまで海を渡り留学しに来たのかと質問する。
長寿の泉の水欲しさにとは答えられずに、もうひとつの本心を話した。
「ほら、私は公爵の娘でしょ。
家のため政略結婚しろと言われ、自由を奪われるかもしれないわ。
つまんない人生だったと、老後にぼやいて終わりたくなかったのです。
子供でワガママ言える時は、好き放題すると決めていたの」
「お気持ち分かります。
公爵令嬢なら、王妃様にと周辺が騒ぎそうですもの。
ご令嬢は、1人娘ですの?」
静かに話を窺っていたメイドメリーは、伯爵夫人の質問にギョっとして視線を二人の顔へ交互に向ける。
「姉が上に1人います。
あらまぁ、偶然ですね。
兄も上に1人居ますし、伯爵夫人と同じですか?」
「まぁ、本当に偶然ね。
どんな姉上様でしたか?
教えてくださいな!」
メリーは夫人にそれを聞いてしまうのと、口に手を当てて隣に座る主人をすごい勢いで何度も目を瞬きして見てしまう。
「どんなって…。
マーシャル伯爵夫人の姉妹愛とは違いますよ。
すーごく仲の悪いのでもなく、それ以前の問題で無視されてました。
姉だけではなく、祖父母を除く家族全員にね。
詳しく、教えて差し上げますわ!ふふんー」
始まってしまいました。
お嬢様の真っ黒黒な屈折した、闇の深い幼少期のお話がー。
私は、寝たふりをして聞かなかったことにしましょう。
あれだけ大きな瞳を見開いたのに、ワザとらしく何度もアクビしてから船を漕ぎ始めた。
メリーは、聞き耳たてて目を閉じる。
「そ、そんな…。
無視して会話もなく、食べ終えたらその場から家族が立ち去るのですか。
たった3歳の娘を置いて…」
ヘレンは亡くした子供を思い出し、プリムローズの話と重なり泣き始めた。
「泣かないでいいのよ。
敵には、その後にたっぷりとお返ししました。
祖父の教え通りに、ちゃんと倍返し以上しました。
続きを聞いて下さいませね」
お嬢様、嬉しそうに話してます。
敵あつかいまでして、御自分の血を分けた御家族に対して…。
それもあんなに嬉しげに、クラレンス公爵家の没落話を仰るとはー。
違いました、訂正してお詫びします。
実際、父親は没落でした。
メリーは独り胸の中で、解説して楽しんでいた。
マーシャル伯爵夫人には、驚愕の内容で涙がいつの間に引っ込んでしまっていた。
このまだ子供の様なお方が、そんな裏工作して自国の王を伯爵に落としたの。
公爵で宰相だった自分の父を、子爵まで身分を落として荒地へ送った。
かなり話を盛っているのではと勘違いする、伯爵夫人。
だが、それは全て真実であった。
「プリムローズ様、貴女は恐ろしい子供だわ!
子供って時は分別なく、残酷行為しますと言われてます。
これがそうなのね」
自分が学生時代、パーレン伯爵令嬢にした行いが、とっても可愛らしいいじめだったのではと思ってきた。
「あの方たちも、【艱難汝を玉にす】になったのですわ。
今では、私たちは心が通じて仲良くなりましたの」
「難しいお言葉を、よくご存知です。
聞いた事がありません。
大人の私が知らないとは、恥ずかしいですわね」
なにやら、難しい事を存じてますのね。
学園の成績、私は普通でしたから理解できない。
夫人は顔を赤らめて、年下の彼女に実直に話す。
「そんな事はありません。
孤独でしたので、暇をもて余していた時に本を読んで知りました」
「誰も気にかける方がいなく、なんておかわいそうなの」
また泣き出しそうな夫人に、言葉の意味を話した方がよさそうだった。
「艱難は、困難あって苦しみ悩むことです。
苦労して掘り出された粗玉が、磨かれて美しい玉になるという意味ですよ」
「なんとなく理解しました。
荒れ地に行かれたご家族は、困難や苦労を乗り越えて成長されたのですね。
そして、和解したのですか。
素敵なお話で感動しました。
私も姉と、わかり合いたいものです」
メリーはいつ目を覚ましていいのかと苦悶の表情で二人の話を聞いていたら、また馬車が止まりプリムローズに呼びかける声がした。
今だと目を覚ましたフリして、目を開けると横にいた主人は消えていた。
「道を案内して欲しいとチューダー侯爵が、プリムローズ様を連れて行かれましたわ。
他国の令嬢に道案内をさせるのはおかしいと思いません?」
その伯爵夫人の言葉に、貴女様も同じですよと心で言ってあげた。
不思議な道は行き止まりになり、これ以上は進めないようで、またもや彼女の力を発揮する出番となった。
無事に開かれた場所は、王都よりあと少しの距離であった。
それを知ると、アルゴラ常勝王の間抜けさを思い知る彼女。
私もその血筋ですねと、顔をしかめる。
黒い森の戦いは、静かに幕を下ろした。
王都ヴァロへの道は開け、2日後に各自の屋敷に帰還する。
ここから、王都ヴァロでの本当の真相解明の戦いが待ち受けていた。
長寿の泉の水欲しさにとは答えられずに、もうひとつの本心を話した。
「ほら、私は公爵の娘でしょ。
家のため政略結婚しろと言われ、自由を奪われるかもしれないわ。
つまんない人生だったと、老後にぼやいて終わりたくなかったのです。
子供でワガママ言える時は、好き放題すると決めていたの」
「お気持ち分かります。
公爵令嬢なら、王妃様にと周辺が騒ぎそうですもの。
ご令嬢は、1人娘ですの?」
静かに話を窺っていたメイドメリーは、伯爵夫人の質問にギョっとして視線を二人の顔へ交互に向ける。
「姉が上に1人います。
あらまぁ、偶然ですね。
兄も上に1人居ますし、伯爵夫人と同じですか?」
「まぁ、本当に偶然ね。
どんな姉上様でしたか?
教えてくださいな!」
メリーは夫人にそれを聞いてしまうのと、口に手を当てて隣に座る主人をすごい勢いで何度も目を瞬きして見てしまう。
「どんなって…。
マーシャル伯爵夫人の姉妹愛とは違いますよ。
すーごく仲の悪いのでもなく、それ以前の問題で無視されてました。
姉だけではなく、祖父母を除く家族全員にね。
詳しく、教えて差し上げますわ!ふふんー」
始まってしまいました。
お嬢様の真っ黒黒な屈折した、闇の深い幼少期のお話がー。
私は、寝たふりをして聞かなかったことにしましょう。
あれだけ大きな瞳を見開いたのに、ワザとらしく何度もアクビしてから船を漕ぎ始めた。
メリーは、聞き耳たてて目を閉じる。
「そ、そんな…。
無視して会話もなく、食べ終えたらその場から家族が立ち去るのですか。
たった3歳の娘を置いて…」
ヘレンは亡くした子供を思い出し、プリムローズの話と重なり泣き始めた。
「泣かないでいいのよ。
敵には、その後にたっぷりとお返ししました。
祖父の教え通りに、ちゃんと倍返し以上しました。
続きを聞いて下さいませね」
お嬢様、嬉しそうに話してます。
敵あつかいまでして、御自分の血を分けた御家族に対して…。
それもあんなに嬉しげに、クラレンス公爵家の没落話を仰るとはー。
違いました、訂正してお詫びします。
実際、父親は没落でした。
メリーは独り胸の中で、解説して楽しんでいた。
マーシャル伯爵夫人には、驚愕の内容で涙がいつの間に引っ込んでしまっていた。
このまだ子供の様なお方が、そんな裏工作して自国の王を伯爵に落としたの。
公爵で宰相だった自分の父を、子爵まで身分を落として荒地へ送った。
かなり話を盛っているのではと勘違いする、伯爵夫人。
だが、それは全て真実であった。
「プリムローズ様、貴女は恐ろしい子供だわ!
子供って時は分別なく、残酷行為しますと言われてます。
これがそうなのね」
自分が学生時代、パーレン伯爵令嬢にした行いが、とっても可愛らしいいじめだったのではと思ってきた。
「あの方たちも、【艱難汝を玉にす】になったのですわ。
今では、私たちは心が通じて仲良くなりましたの」
「難しいお言葉を、よくご存知です。
聞いた事がありません。
大人の私が知らないとは、恥ずかしいですわね」
なにやら、難しい事を存じてますのね。
学園の成績、私は普通でしたから理解できない。
夫人は顔を赤らめて、年下の彼女に実直に話す。
「そんな事はありません。
孤独でしたので、暇をもて余していた時に本を読んで知りました」
「誰も気にかける方がいなく、なんておかわいそうなの」
また泣き出しそうな夫人に、言葉の意味を話した方がよさそうだった。
「艱難は、困難あって苦しみ悩むことです。
苦労して掘り出された粗玉が、磨かれて美しい玉になるという意味ですよ」
「なんとなく理解しました。
荒れ地に行かれたご家族は、困難や苦労を乗り越えて成長されたのですね。
そして、和解したのですか。
素敵なお話で感動しました。
私も姉と、わかり合いたいものです」
メリーはいつ目を覚ましていいのかと苦悶の表情で二人の話を聞いていたら、また馬車が止まりプリムローズに呼びかける声がした。
今だと目を覚ましたフリして、目を開けると横にいた主人は消えていた。
「道を案内して欲しいとチューダー侯爵が、プリムローズ様を連れて行かれましたわ。
他国の令嬢に道案内をさせるのはおかしいと思いません?」
その伯爵夫人の言葉に、貴女様も同じですよと心で言ってあげた。
不思議な道は行き止まりになり、これ以上は進めないようで、またもや彼女の力を発揮する出番となった。
無事に開かれた場所は、王都よりあと少しの距離であった。
それを知ると、アルゴラ常勝王の間抜けさを思い知る彼女。
私もその血筋ですねと、顔をしかめる。
黒い森の戦いは、静かに幕を下ろした。
王都ヴァロへの道は開け、2日後に各自の屋敷に帰還する。
ここから、王都ヴァロでの本当の真相解明の戦いが待ち受けていた。
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