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第1章 閉ざされし箱
第11話 花より団子
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クレープ屋のオジサンとメリーは、気が合うようだった。
店で楽しげに会話していると、道を歩く人が気になるのか。
笑い声がする方へ、チラチラ目を向け始めた。
メリーの笑顔に引き寄せられて、客たちが足を止めて近づく。
遠くから目にして分かるぐらい、人だかりができるようになっていた。
「ギルの兄貴、あの店繁盛していますぜ。
常連ぽい人が多そうで近寄りにくい」
「そんなのは気にするな、ほら行くぞ!」
たった今、弟分になった男がそう話す。
ギルは気にしないで、どんどん店に歩いて行く。集っている客たちのすき間から、中心にいるメリーに呼びかけた。
「メリー、話はついた。
迎えに来たぞ」
ギルの呼ぶ声に反応して、食べかけのクレープを片手で持ち体を反転させた。
「待たせたな。
そんな感じはしないが…。
メリー、こいつと飯でも食いに行こうぜ」
泥棒だった人と、これから食事するの。
どうしたら、そんな話にまとまる。
状況を知っている店主は、メリーと同じ考えをして眉をひそめた。
「この方と食事ですか。
おじさん、いろいろとお世話になりました。
クレープ、すーごく美味しかったですよ!」
周りに聞こえるように、大きな声で味の宣伝してから軽くお辞儀する。
前に待っている、ギルたちの方へ歩いていく。
「嬢ちゃん、ありがとう!
また、いつでも来いな。
オマケするからなぁ~」
メリーのお陰で繁盛して、クレープを忙しく作りながら彼女に感謝と別れを言ってくれた。
そらからは、だんまり歩き目つきを鋭く盗っ人を見つめる。
疑心暗鬼の空気が、メリーと彼らの間を隔てるように存在している。
「ギル師匠。
どうしたら、この方と食事する話になったのですか?
私の鞄を奪おうとしたのにー」
「怖い思いをさせてしまい、盗んで悪いことしました。
貴女に心から謝ります。
申し訳ございません」
何度も謝るので彼をよくよく見てみると、とてもドロボウをする様には思えない。
彼の代わりにギルが、物取りした理由を話す。
「理由を聞いたら、辛い思いをされて王都に訪れたのですね。
奥さまを、探さなくていいのですか?
家出されたと話されてますけど、もしかしたら戻られているのでは?」
彼女の話を聞いていたが、表情は暗く固く沈んでいるように見える。
問いかけに対して、一言も返事を返さなかった。
「そんな事、もういいんだ。
早く飯を食いに行こうぜ。
お嬢が前に言っていたじゃないか。
お腹が空いたら元気でませんわぁ~、だよな!」
プリムローズの物まねをして、笑いをとるギル。
メリーは、そんなバカなまねをしてまで盛り上げて明るくする男を嫌いではなかった。
なんだかんだ言いながら、二人はプリムローズが閃いた通りに互いに惹かれ合っていたのである。
「何処で食べましょうか?
ここに来たのは初めてで、探すのも大変です」
人々が横切る人の流れ、混んでいる店先や看板を探す。
「旨くて人気ある店は、当たり前だが混むんだ。
滅多に来れない場所だし、やっぱ人気店にしよう」
活気ある食堂の前で、待っている間に並んでいる人達の会話を盗み聞きする。
「今日の定食は、鳥肉を使った味が少しだけ辛いそうだよ」
「あれって、豆が入っていて旨いんだよ。
パンも沢山食べちゃうんだ」
「スープも鶏ガラで骨からとっていて絶品で、並んでも悔いがない」
前に並ぶ常連客の男性3人組が、本日の昼の定食を詳しく話していた。
後ろに並ぶ3人も、味を想像して早く食べたくなってくる。
「どうやら、この店は当たりですね。
常連さんも、美味しいと話してますよ。
お嬢様がココにいたら、ヨダレを出してしまいそうですわ」
女のくせに、ヨダレって言葉を使うな。
横に立つ正真正銘の女性に冷やかに嫌味を浴びせた。
「メリーもお嬢も、【花より団子】に違いないな。
普通、あんな事を言うか?
女を捨てているとしか思えねぇよな。
お前さんも思うだろう?」
いきなり話を振られて、驚く男を無視して逆ギレする女。
「まぁー、失礼な!
花よりも花見団子に夢中になると思いますわね。
風流より実利を重んじて、風雅を理解できないと思っているでしょう」
難しい言葉のやり取りを体験する男は、店先で並んでいる人が見て笑っている。
『どうしたら言い争いを終わらせるのか、俺には言葉が頭に浮かんでこない』
一緒に傍にいるだけで、男は顔を赤くしていた。
頭に浮かんだことを、彼は素直に話してみる。
「人は腹が空いたら、花より食べ物だよ。
腹が満たされたら、花は美しく感じるものです。
本当にペコペコなので、今はそう思っている」
「慰めてくれているのね。
貴方、いい人なのね。
あら私ったら、こんなたくさんの人前でお恥ずかしいですわ」
隣に立つ男の背中をバチーンと叩くと、がたいのいいのによろめく。
突然で叩かれて、バランスが崩れたのか。
それとも彼女が―。
見知らぬ人たちは、深く考えるのをやめた。
「お次にお待ちの方!
3名様、どうぞコチラへ―。
店の中にお入り下さい」
ちょうど良いタイミングで店員から声がかかり、男は助かったと息を吐いた。
「へぇ~、中は奥があって広いんだな。
おっ、中庭があるぜ。
洒落てんな、この店」
「庭にも、席があって素敵ですね。
お嬢様と、この店に今度参りましょう」
席は残念ながら中庭でなかったが、庭を見て食べられる配置の席へ通された。
本日の定食を三人前頼むと、二人は男の顔をマジマジと見て感じる。
『奥さんに捨てられた男。
惨めに思うし、かける言葉もみつからない』
たぶん男も同じ考えをしていて、無言で見つめ合うしかない。
「自分、まだ名前を名乗ってませんでした。
俺はティモって言います。
西のランシ出身です。
ギルの兄貴には話してますが、妻に…」
「そんな事を言わなくていい。
人には、言いづらい話はあるもんだ。
気にせずに俺の所で働け!」
「えっー!
この人をお屋敷で働かせるつもりなの?!
お嬢様に、お許しを得なくてはいけませんよ」
また二人が言い争いになるのかと、ビクビクするティモ。
「お嬢は慈悲深く優しい方だ。
こんな面白い…。
違う、気の毒な方をほっとく事は絶対にしない」
今確かに、面白いってハッキリ言いましたよね。
男とメリーはギルを凝視していたら、店員がその場の様子を知らずに元気よく料理を持ってきた。
「はーい、お待たせしました!
今日の日替わり定食になります。
ごゆっくりと、どうぞ~」
人気店だけあり店員も、親しみやすく明るく客対応してくれる。
助かったとギルは店員に礼を述べると、食おうぜと話を誤魔化す方へもっていく。
この男も、花より団子らしい。
三人は先に料理を味わう事に決めたようで、それから静かに食べ始めた。
店で楽しげに会話していると、道を歩く人が気になるのか。
笑い声がする方へ、チラチラ目を向け始めた。
メリーの笑顔に引き寄せられて、客たちが足を止めて近づく。
遠くから目にして分かるぐらい、人だかりができるようになっていた。
「ギルの兄貴、あの店繁盛していますぜ。
常連ぽい人が多そうで近寄りにくい」
「そんなのは気にするな、ほら行くぞ!」
たった今、弟分になった男がそう話す。
ギルは気にしないで、どんどん店に歩いて行く。集っている客たちのすき間から、中心にいるメリーに呼びかけた。
「メリー、話はついた。
迎えに来たぞ」
ギルの呼ぶ声に反応して、食べかけのクレープを片手で持ち体を反転させた。
「待たせたな。
そんな感じはしないが…。
メリー、こいつと飯でも食いに行こうぜ」
泥棒だった人と、これから食事するの。
どうしたら、そんな話にまとまる。
状況を知っている店主は、メリーと同じ考えをして眉をひそめた。
「この方と食事ですか。
おじさん、いろいろとお世話になりました。
クレープ、すーごく美味しかったですよ!」
周りに聞こえるように、大きな声で味の宣伝してから軽くお辞儀する。
前に待っている、ギルたちの方へ歩いていく。
「嬢ちゃん、ありがとう!
また、いつでも来いな。
オマケするからなぁ~」
メリーのお陰で繁盛して、クレープを忙しく作りながら彼女に感謝と別れを言ってくれた。
そらからは、だんまり歩き目つきを鋭く盗っ人を見つめる。
疑心暗鬼の空気が、メリーと彼らの間を隔てるように存在している。
「ギル師匠。
どうしたら、この方と食事する話になったのですか?
私の鞄を奪おうとしたのにー」
「怖い思いをさせてしまい、盗んで悪いことしました。
貴女に心から謝ります。
申し訳ございません」
何度も謝るので彼をよくよく見てみると、とてもドロボウをする様には思えない。
彼の代わりにギルが、物取りした理由を話す。
「理由を聞いたら、辛い思いをされて王都に訪れたのですね。
奥さまを、探さなくていいのですか?
家出されたと話されてますけど、もしかしたら戻られているのでは?」
彼女の話を聞いていたが、表情は暗く固く沈んでいるように見える。
問いかけに対して、一言も返事を返さなかった。
「そんな事、もういいんだ。
早く飯を食いに行こうぜ。
お嬢が前に言っていたじゃないか。
お腹が空いたら元気でませんわぁ~、だよな!」
プリムローズの物まねをして、笑いをとるギル。
メリーは、そんなバカなまねをしてまで盛り上げて明るくする男を嫌いではなかった。
なんだかんだ言いながら、二人はプリムローズが閃いた通りに互いに惹かれ合っていたのである。
「何処で食べましょうか?
ここに来たのは初めてで、探すのも大変です」
人々が横切る人の流れ、混んでいる店先や看板を探す。
「旨くて人気ある店は、当たり前だが混むんだ。
滅多に来れない場所だし、やっぱ人気店にしよう」
活気ある食堂の前で、待っている間に並んでいる人達の会話を盗み聞きする。
「今日の定食は、鳥肉を使った味が少しだけ辛いそうだよ」
「あれって、豆が入っていて旨いんだよ。
パンも沢山食べちゃうんだ」
「スープも鶏ガラで骨からとっていて絶品で、並んでも悔いがない」
前に並ぶ常連客の男性3人組が、本日の昼の定食を詳しく話していた。
後ろに並ぶ3人も、味を想像して早く食べたくなってくる。
「どうやら、この店は当たりですね。
常連さんも、美味しいと話してますよ。
お嬢様がココにいたら、ヨダレを出してしまいそうですわ」
女のくせに、ヨダレって言葉を使うな。
横に立つ正真正銘の女性に冷やかに嫌味を浴びせた。
「メリーもお嬢も、【花より団子】に違いないな。
普通、あんな事を言うか?
女を捨てているとしか思えねぇよな。
お前さんも思うだろう?」
いきなり話を振られて、驚く男を無視して逆ギレする女。
「まぁー、失礼な!
花よりも花見団子に夢中になると思いますわね。
風流より実利を重んじて、風雅を理解できないと思っているでしょう」
難しい言葉のやり取りを体験する男は、店先で並んでいる人が見て笑っている。
『どうしたら言い争いを終わらせるのか、俺には言葉が頭に浮かんでこない』
一緒に傍にいるだけで、男は顔を赤くしていた。
頭に浮かんだことを、彼は素直に話してみる。
「人は腹が空いたら、花より食べ物だよ。
腹が満たされたら、花は美しく感じるものです。
本当にペコペコなので、今はそう思っている」
「慰めてくれているのね。
貴方、いい人なのね。
あら私ったら、こんなたくさんの人前でお恥ずかしいですわ」
隣に立つ男の背中をバチーンと叩くと、がたいのいいのによろめく。
突然で叩かれて、バランスが崩れたのか。
それとも彼女が―。
見知らぬ人たちは、深く考えるのをやめた。
「お次にお待ちの方!
3名様、どうぞコチラへ―。
店の中にお入り下さい」
ちょうど良いタイミングで店員から声がかかり、男は助かったと息を吐いた。
「へぇ~、中は奥があって広いんだな。
おっ、中庭があるぜ。
洒落てんな、この店」
「庭にも、席があって素敵ですね。
お嬢様と、この店に今度参りましょう」
席は残念ながら中庭でなかったが、庭を見て食べられる配置の席へ通された。
本日の定食を三人前頼むと、二人は男の顔をマジマジと見て感じる。
『奥さんに捨てられた男。
惨めに思うし、かける言葉もみつからない』
たぶん男も同じ考えをしていて、無言で見つめ合うしかない。
「自分、まだ名前を名乗ってませんでした。
俺はティモって言います。
西のランシ出身です。
ギルの兄貴には話してますが、妻に…」
「そんな事を言わなくていい。
人には、言いづらい話はあるもんだ。
気にせずに俺の所で働け!」
「えっー!
この人をお屋敷で働かせるつもりなの?!
お嬢様に、お許しを得なくてはいけませんよ」
また二人が言い争いになるのかと、ビクビクするティモ。
「お嬢は慈悲深く優しい方だ。
こんな面白い…。
違う、気の毒な方をほっとく事は絶対にしない」
今確かに、面白いってハッキリ言いましたよね。
男とメリーはギルを凝視していたら、店員がその場の様子を知らずに元気よく料理を持ってきた。
「はーい、お待たせしました!
今日の日替わり定食になります。
ごゆっくりと、どうぞ~」
人気店だけあり店員も、親しみやすく明るく客対応してくれる。
助かったとギルは店員に礼を述べると、食おうぜと話を誤魔化す方へもっていく。
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