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第1章 閉ざされし箱
第12話 食後の一睡、万病丹
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その頃、ベルナドッテ公爵邸にいるもう一方はー。
クシャミ連発の公爵令嬢は、謝りながらも苦しげに堪えていた。
自然現象に勝てなかったようだ。
「ク、クシュン!
もう、申し訳あり…。
グシュン!
ハァ~、ハックション!」
『急にクシャミがー!
誰かが、私の噂をしているのかしら?』
思い当たる点が多すぎて、誰とは見当がつかない。
彼女は恨みから、感謝されるまで範囲が広すぎていた。
「他国から留学される公爵令嬢だけあり、人気者なんですね。
私は友人と呼べる方はいないので、咳はしますがクシャミはあまりしませんね」
公爵令息ヨハンは笑って彼女に話しかけてくると、横でやり取りを見て微笑みを絶やさないベルナドッテ公爵。
『いい人そうに見えるわ。
人って根っからの、悪人はいないと私は信じている』
こんな考えをしていたら、気がそっちへいったせいかクシャミが止まった。
「やっと、おさまりました。
お恥ずかしいところを、お見せしましたわ」
非礼を詫びると公爵は、わざとではないし自然現象だからと仰って下された。
「そうですわ。お詫びとは関係ございませんが、ヨハン様にお渡ししたい品がございますのよ」
プリムローズは、持参した大きな篭からハチミツの瓶と水筒を取り出してテーブルに出して並び始めた。
「このハチミツは、南の将軍様の領地エテラで採れました夏みかんを使いました。
マーマレードジャムですわ。
パンに付けて食せば、食が細い方も進みましょう」
販売店の売り子のように、両手でジャムを見せて説明する。
エテルネル国の中でも大貴族、これでも筆頭公爵ご令嬢。
そう言われて前に差し出されたジャムを、迫力に負けて受け取ったヨハン。
「ほう、美味しいそうじゃな。
ご令嬢の手作りですかね?」
「ええ、そうです。
ベルナドッテ公爵様。
私が元気になるようにと、特別な気合いを込めて作りましたのよ」
ここまで言われれば、食べないのは失礼になりそうで公爵は食べる決心をした。
「もうじき、昼になります。
これを塗り、皆で食べるのどうですかな?」
私が変な物でも入れていると、公爵は疑っている?
「えぇ、それはヨハン様に差し上げたのです。
彼の許しを得れば、私は構いませんことよ」
ヨハンを横目でチラリと見れば、手作りに反応しているのか何やら嬉しげである。
「父上、初めて友人から贈り物を頂きました。
それも、なんと手作りですよ。
ありがとう、クラレンス公爵令嬢。
是非、3人で食べてみましょう」
こんなに喜んで下さる。
勝手に許可なく、友人扱いをされましたが許してあげるわ。
「ヨハンと令嬢から、許しを貰ったから用意させよう!誰か、側にー!早う近くに参れ」
公爵は、少し離れて給仕する者を呼びつける。
機嫌よく昼の支度を命じ、特にパンをジャムに合う旨そうなものを用意せよと念を押していた。
「申し訳ありません。
お茶だけのつもりでしたのに。
お昼までご相伴に預って…。ホホホ」
首をちょこっと傾げて、愛想よく笑ってお礼を言う。
「今頃はお付きの方々も、町でお昼を食べているでしょう。
私もこうして、楽しく食事が出来で嬉しいです!」
『危険ですわ。
私って、素直で弱々しい方を助けたくなるのよね。
雨に打たれて鳴いている、ヨハン様はそんな仔猫のようですわ』
どうしたら、こんな考えになるのか。
彼女の思考は、一般人からはかけ離れていて理解は難しい。
「そうそう、こちらは不思議なお水ですわ。
飲めば元気百倍!
どうぞ、お飲み下さいませ!」
今度は水筒を籠から出して勧めだすのを、1つ買うともう1つありますよ的なノリに見える。
「では、食事の時に飲みましょうか。
不思議な水ですか?
どちらの水ですかなぁ?」
父親のベルナドッテ公爵は、息子に変な得体の知れない物を与えるな!
彼女に、遠回しに言ってくるのであった。
「黒い森の中で見つけましたの。
洞窟の奥に泉がありまして、動物が泉の水を飲んでいました。
飲んでみたところ、美味しくて元気がでましたわ」
黒い森って話した瞬時に、ベルナドッテ公爵は驚きの声を出す。
「黒い森とは、ミュルクヴィズの森のことか??!」
そんなにあの森は、この国にとって特別な存在なの?
驚き方が、尋常ではないように思えますわ。
「はい、そうですけど。
軍事訓練は、ミュルクヴィズの森でも行われました。
あの森、変わっていて面白いのです。
日が昇り、沈むまでしか居られない。
焚き火とか、火を森で使ってはならない掟があるのです」
「そんな約束事があったとは、全然知りませんでした。
特別な力がある森とは、国民のほぼ全員が存じております」
プリムローズの話に、ヨハンは興味を示し語りかけてきた。
「幼いのに黒い森に入られるとは、この水はその森から汲んできたものか?!」
グラスに入った水を観察して、怪訝そうにプリムローズに問うた。
「はい、まだ1日半しか経ってません。
こうして、急ぎ訪問予定をたてたのです。
一応は、腹痛の薬も持参しました。
飲んでくれませんでしょうか?」
「父上、こんなにおっしゃってくれているのです。私は飲みますよ」
彼はグラスに口をつけると、迷うことなく飲み干した。
『おぉ~、見かけによらず潔い方だわ』
次にプリムローズがグビグビと飲み干すと、遅れて公爵が口をつける。
三人が飲み干したグラスを見て、ヨハンが最初に感想を述べた。
「これは美味しい。
ハチミツは言い過ぎですが、甘味を感じました。
体内がポカポカして、重かった体が一気に軽くなった気がします!」
エリアスと、同じような感想を言うのね。
二人とも、似た感じの疲労と虚弱体質なのか?!
「うむっ、甘さは感じなかった。
しかし、スッキリとした中にまろやかさがある。
体が軽ろうなり、力が沸く気分だ」
う~ん、こちらもお祖父様と似た感想だ。
年の取り方で違うのだろうか。
「好評みたいですね。
腹下しの薬をお飲み下さいな。
食事前に、飲むのもおかしいですわよね?」
笑い声が自然に沸き起こり、それを合図に給仕たちがサラダやスープなどの昼用の軽食をテーブルに置いてゆく。
最初から昼を出そうとしたような節が見受けられた。
パンにプリムローズ手製のマーマレードを付けて食べると、二人は凄く美味しいと喜んでいる。
「おやっ、ヨハン眠むそうだな」
息子の異変に敏感に気づく。
妻亡き後は、一人息子の病弱な体を気遣い過ごしてきた様におもえる。
「急に眠気が…。
昨夜、今日のことを考えて夜更かしをしたので…」
目を覚まそうと、顔を左右に振る素振りをした。
「【食後の一睡一睡、万病丹】。
食後の眠りは、体に良いと言われてますわ。
万病丹は、万病に効果あるといわれる丸薬。
ヨハン様、少し休まれたら如何ですか?!」
押し付けがましくなく、ヨハンを別室で休ませるよう助言し気遣うようにみせた。
「そう言って下さってありがたい。それまで令嬢に我が屋敷を案内しよう。
誰か、ヨハンを頼む」
彼が先に退室し、部屋には公爵と二人きりになってしまった。
彼の妻である亡き公爵夫人のお話が聞けると、彼女は密かに二人きりになれた幸運に胸を躍らせた。
マーシャル伯爵夫人の姉君と彼女との関係、パーレン伯爵夫人の学生時代の苛め。
何より王族たちの関係は、エリアスに関わってくるはずだ。
公爵に話してもらえるようにするには、どう言葉を運べばよいのか。
プリムローズは食後のデザートを食べ、目の前の公爵を不自然にならない程度に顔を見ていた。
クシャミ連発の公爵令嬢は、謝りながらも苦しげに堪えていた。
自然現象に勝てなかったようだ。
「ク、クシュン!
もう、申し訳あり…。
グシュン!
ハァ~、ハックション!」
『急にクシャミがー!
誰かが、私の噂をしているのかしら?』
思い当たる点が多すぎて、誰とは見当がつかない。
彼女は恨みから、感謝されるまで範囲が広すぎていた。
「他国から留学される公爵令嬢だけあり、人気者なんですね。
私は友人と呼べる方はいないので、咳はしますがクシャミはあまりしませんね」
公爵令息ヨハンは笑って彼女に話しかけてくると、横でやり取りを見て微笑みを絶やさないベルナドッテ公爵。
『いい人そうに見えるわ。
人って根っからの、悪人はいないと私は信じている』
こんな考えをしていたら、気がそっちへいったせいかクシャミが止まった。
「やっと、おさまりました。
お恥ずかしいところを、お見せしましたわ」
非礼を詫びると公爵は、わざとではないし自然現象だからと仰って下された。
「そうですわ。お詫びとは関係ございませんが、ヨハン様にお渡ししたい品がございますのよ」
プリムローズは、持参した大きな篭からハチミツの瓶と水筒を取り出してテーブルに出して並び始めた。
「このハチミツは、南の将軍様の領地エテラで採れました夏みかんを使いました。
マーマレードジャムですわ。
パンに付けて食せば、食が細い方も進みましょう」
販売店の売り子のように、両手でジャムを見せて説明する。
エテルネル国の中でも大貴族、これでも筆頭公爵ご令嬢。
そう言われて前に差し出されたジャムを、迫力に負けて受け取ったヨハン。
「ほう、美味しいそうじゃな。
ご令嬢の手作りですかね?」
「ええ、そうです。
ベルナドッテ公爵様。
私が元気になるようにと、特別な気合いを込めて作りましたのよ」
ここまで言われれば、食べないのは失礼になりそうで公爵は食べる決心をした。
「もうじき、昼になります。
これを塗り、皆で食べるのどうですかな?」
私が変な物でも入れていると、公爵は疑っている?
「えぇ、それはヨハン様に差し上げたのです。
彼の許しを得れば、私は構いませんことよ」
ヨハンを横目でチラリと見れば、手作りに反応しているのか何やら嬉しげである。
「父上、初めて友人から贈り物を頂きました。
それも、なんと手作りですよ。
ありがとう、クラレンス公爵令嬢。
是非、3人で食べてみましょう」
こんなに喜んで下さる。
勝手に許可なく、友人扱いをされましたが許してあげるわ。
「ヨハンと令嬢から、許しを貰ったから用意させよう!誰か、側にー!早う近くに参れ」
公爵は、少し離れて給仕する者を呼びつける。
機嫌よく昼の支度を命じ、特にパンをジャムに合う旨そうなものを用意せよと念を押していた。
「申し訳ありません。
お茶だけのつもりでしたのに。
お昼までご相伴に預って…。ホホホ」
首をちょこっと傾げて、愛想よく笑ってお礼を言う。
「今頃はお付きの方々も、町でお昼を食べているでしょう。
私もこうして、楽しく食事が出来で嬉しいです!」
『危険ですわ。
私って、素直で弱々しい方を助けたくなるのよね。
雨に打たれて鳴いている、ヨハン様はそんな仔猫のようですわ』
どうしたら、こんな考えになるのか。
彼女の思考は、一般人からはかけ離れていて理解は難しい。
「そうそう、こちらは不思議なお水ですわ。
飲めば元気百倍!
どうぞ、お飲み下さいませ!」
今度は水筒を籠から出して勧めだすのを、1つ買うともう1つありますよ的なノリに見える。
「では、食事の時に飲みましょうか。
不思議な水ですか?
どちらの水ですかなぁ?」
父親のベルナドッテ公爵は、息子に変な得体の知れない物を与えるな!
彼女に、遠回しに言ってくるのであった。
「黒い森の中で見つけましたの。
洞窟の奥に泉がありまして、動物が泉の水を飲んでいました。
飲んでみたところ、美味しくて元気がでましたわ」
黒い森って話した瞬時に、ベルナドッテ公爵は驚きの声を出す。
「黒い森とは、ミュルクヴィズの森のことか??!」
そんなにあの森は、この国にとって特別な存在なの?
驚き方が、尋常ではないように思えますわ。
「はい、そうですけど。
軍事訓練は、ミュルクヴィズの森でも行われました。
あの森、変わっていて面白いのです。
日が昇り、沈むまでしか居られない。
焚き火とか、火を森で使ってはならない掟があるのです」
「そんな約束事があったとは、全然知りませんでした。
特別な力がある森とは、国民のほぼ全員が存じております」
プリムローズの話に、ヨハンは興味を示し語りかけてきた。
「幼いのに黒い森に入られるとは、この水はその森から汲んできたものか?!」
グラスに入った水を観察して、怪訝そうにプリムローズに問うた。
「はい、まだ1日半しか経ってません。
こうして、急ぎ訪問予定をたてたのです。
一応は、腹痛の薬も持参しました。
飲んでくれませんでしょうか?」
「父上、こんなにおっしゃってくれているのです。私は飲みますよ」
彼はグラスに口をつけると、迷うことなく飲み干した。
『おぉ~、見かけによらず潔い方だわ』
次にプリムローズがグビグビと飲み干すと、遅れて公爵が口をつける。
三人が飲み干したグラスを見て、ヨハンが最初に感想を述べた。
「これは美味しい。
ハチミツは言い過ぎですが、甘味を感じました。
体内がポカポカして、重かった体が一気に軽くなった気がします!」
エリアスと、同じような感想を言うのね。
二人とも、似た感じの疲労と虚弱体質なのか?!
「うむっ、甘さは感じなかった。
しかし、スッキリとした中にまろやかさがある。
体が軽ろうなり、力が沸く気分だ」
う~ん、こちらもお祖父様と似た感想だ。
年の取り方で違うのだろうか。
「好評みたいですね。
腹下しの薬をお飲み下さいな。
食事前に、飲むのもおかしいですわよね?」
笑い声が自然に沸き起こり、それを合図に給仕たちがサラダやスープなどの昼用の軽食をテーブルに置いてゆく。
最初から昼を出そうとしたような節が見受けられた。
パンにプリムローズ手製のマーマレードを付けて食べると、二人は凄く美味しいと喜んでいる。
「おやっ、ヨハン眠むそうだな」
息子の異変に敏感に気づく。
妻亡き後は、一人息子の病弱な体を気遣い過ごしてきた様におもえる。
「急に眠気が…。
昨夜、今日のことを考えて夜更かしをしたので…」
目を覚まそうと、顔を左右に振る素振りをした。
「【食後の一睡一睡、万病丹】。
食後の眠りは、体に良いと言われてますわ。
万病丹は、万病に効果あるといわれる丸薬。
ヨハン様、少し休まれたら如何ですか?!」
押し付けがましくなく、ヨハンを別室で休ませるよう助言し気遣うようにみせた。
「そう言って下さってありがたい。それまで令嬢に我が屋敷を案内しよう。
誰か、ヨハンを頼む」
彼が先に退室し、部屋には公爵と二人きりになってしまった。
彼の妻である亡き公爵夫人のお話が聞けると、彼女は密かに二人きりになれた幸運に胸を躍らせた。
マーシャル伯爵夫人の姉君と彼女との関係、パーレン伯爵夫人の学生時代の苛め。
何より王族たちの関係は、エリアスに関わってくるはずだ。
公爵に話してもらえるようにするには、どう言葉を運べばよいのか。
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