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第1章 閉ざされし箱
第17話 看板に偽りあり
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主人プリムローズが息も詰まるよう話を聞いているのも知らずに、人気の食堂で舌鼓し腹を満足させていたメリーとギル。
そして、出会いのきっかけは最悪な男が1人。
「ティモさんは、奥様をお好きではなかったのですか?
婚姻して、2人で暮らされていたんですよね」
メリーは妻が家を出て行き、愛したはずの女性を探しに向かわないのを不思議に思っていた。
婚姻する相手すら居ない彼女だが、アッサリと連れ添った妻を忘れてもいいものなのか。
愛はなかったのかと、叫びたくなるのだ。
プリムローズの側仕えで、主人の癖の独り言が移ったようだった。
「俺には愛はあった。
アイツはなかったんだ。
俺の知り合いと、心を通じ合っていたのさ。
きっと、あの男と逃げたんだ!
俺が戦場に行っている間に、浮気をされていた。
ちっ……、チクショー!!」
男の怒鳴る声に、食堂の賑やかさが静まった気がした。
「おいっ、ティモよせ!
メリーも、飯食っている時の話でないだろう。
お前って、空気読めねぇな。
夫婦の間は、他人には関係ない。
ましてや、知り合ったばかりだろう」
口調は悪いが常識的な内容に、見知らぬ人たちは男を感心してみた。
よく見てみると野性味があるが気品もあり、美男子の部類に入る。
店員の娘は気になるのか、顔を見て頬を赤らめていた。
「ごめんなさい、ティモさん。
いくら浮気でも、捜索願は出した方がいいわ。
浮気も勘違いで、貴方を家で待ってるかもしれない」
「謝らなくていいよ。
まぁな、まだ夫婦だしな。
アイツ、何処にいるんだろう。
今頃は、家で俺を待っているのかなぁ」
「そうだといいわね。
奥様に負けないで、貴方もステキな相手を探したら?」
まるでプリムローズが乗り移ったような話し方に、ギルは目を見開いて話す。
「メリー、言いすぎだぜ。
本当にメリーか?
お嬢の魂が宿って、言わせているみたいだぞ!」
「ちょっと、怖いことを言わないで下さい。
このままでは、法的に不味いと忠告を申し上げているのですわ。
ティモさんに良い人が出来ても婚姻していたら、重婚になります」
まだ知り合って1時間、先に行き過ぎだろうと客たちも聞き耳を立てる。
「ティモもさぁ~。
勢いでこっちへ来たみたいだけど、住んでいた家とかそのままでいかんだろ」
「うん、誰もいない家に戻るのが辛いがそうする」
「俺たちの主人に会えよ。
いいか、その方は勘の鋭い恐ろしい御方だ。
正直に話すんだぞ!」
『どんな人だろう』、ティモは貴族の令嬢を想像する。
お嬢様…、きっと美しい薔薇のような。
それとも、気高い百合のようなご令嬢か。
彼は、平民女性しか見たことがない。
期待に胸を躍らせながら、ニヤけるのだった。
「お前、お嬢を想像しただろう?!
妄想するなよ。
【看板に偽りあり】、うちのお嬢の事を言う」
隣に座るギルの肩を力強く叩くと、その音が食堂に響き渡る。
「プリムローズ様に対して、無礼ですよ!
天使のように愛らしく、時に悪魔のように腹黒い。
竹の割った性格に見えて、底なし沼の様に恐ろしい。
そんなお方に失礼な!」
ティモや知らぬ客たちや店の者は、時が止まってしまう。
「お嬢に対して、お前は失礼過ぎるだろう。
俺は、そこまで言ってねぇよ!
外見と中身が、一致していないって教えてあげてるだけだ」
どっちにしても、かなり風変わりなご令嬢に違いない。
仕えている者に、こんなに言われ放題されている。
「喧嘩はやめてくれないか。
一度、故郷に戻ります。
もしかしたら、あいつが戻っているかもしれない」
神妙に話す男、故郷と妻を思い出している様に二人にはみえた。
「戻っても、治安悪いんだろう。
この先考えたら、新しい土地へいった方がいいんじゃないか」
「そう思いますが、生きていくには住む場所や働き口がないといけないし……」
「何ならいっそ、お嬢に仕えたらどうだ!
それに客人で、南の将軍の奥様が滞在する。
屋敷では、いまは人手が足りないんだ」
「あの有名な引き篭もり将軍、その奥方様ですか?
領地から出てこないと、平民でも有名な話ですよ」
一般のそれも西の領民たちにも、知れ渡っていたのかとギルはちょっと驚いている。
「奥方様は少し病にかかっていましたが、すっかり元気におなりになりました。
我が主人と離れるのがお辛いのか、ヴァロにまでついて参ったのです。
ほら、新年の王宮晩餐会に出席される予定ですわ」
詳しく予定を話すと、王都でも南の将軍の引きこもりが有名なのか聞いてた人たちが騒ぎだしてしまう。
「おいおい、こんな人気店の中で軽々しく喋て平気なのかよ。
あ~、俺はどうなっても知らんからなぁ~」
焦って周りを急ぎグルリと見ると、客たちがワイワイその話題で持ちきり。
「ああ、どうしょう?!
聞こえてしまったのかしら?」
「まぁ、聞こえても平気だろ。
戻ったら、お嬢によくよく詫びるんだな」
どう二人に声をかけていいのか。分からないティモは、ギルに同調して笑ってみるとメリーがガックシして座る姿を眺めていた。
「そのお嬢様は、何処のご令嬢でございますか?!」
質問に反応して、二人は顔を合わせて吹き出した。
「聞いてなかったの?
ごめんなさいね、笑ったりして。
ギル師匠は、先に教えてなかったのですか?!
普通は、挨拶がわりに家名を名乗るものです」
笑いが止まると、ギルは悪いとその場で謝罪した。
「俺たちは、エテルネルから留学しに来たご令嬢の付き添いだ。
お嬢の名は、プリムローズ・ド・クラレンス公爵令嬢だ。
知らないとは思うが、祖父は国では戦の神と呼ばれる方だ。
戦って負けなしの生ける伝説だ」
「祖母はアルゴラの第一王女殿下であられましたわ。
それはもう、滅多にお目にかかれない方でございます。
今でも変わらず、お美しく。
プリムローズ様は、その方によく似て美少女。
もう天使で、生けるお人形さん!」
メイド馬鹿の彼女は、いつも通りにお嬢様のご自慢には余念はない。
「そうだ、なぁ~ティモ!
お嬢にヴァロ見物して来いって言われたんけど、どこ行けばいいんだ」
話を振られて表情を固めていたら、盗み聞きしていた人が近づく。
三人が悩んでいると、魚がたくさん見られる場所へ行けばと店員が教えてくれた。
「頭のいい魚が芸をして、運良ければ餌を与えることもできますよ。
子供やお年寄りまで楽しめる場所です」
女性店員は、ギルの顔を横目で見て、メリーに対してお勧めしてくる。
「素敵な場所を教えてくれて、有り難うございます。
面白そうですわ!
お嬢様も動物はお好きですし、ギル師匠そこへ行きましょう」
「遠くないか?!
お嬢の所へは、午後3か4時には戻らないとならないぜ」
二人で込み入った話し合っていると、見知らぬ客人が話しかけてきた。
「大丈夫だ!
ここから馬車ですぐだ。
海の水を引いて作ってある。王都は東より真ん中だが、渦潮の海流の勢いを利用しているんだよ」
「へぇ~、凄いな。
それって、最近できたのかい?」
ギルが国を離れて10年前には、なかった場所だと思い返していた。
「あぁ、王弟殿下のお子様が誕生するのを祝って作られる筈だった。
もうじき出来きあがる時に、事故に遭い他界してー。
お子様は、行方不明に……」
とってもいい御方たちだったのにと、エリアスのご両親を話している。
「噂ではそのお子様が、見つかったそうじゃないか!」
「良かったよな!
いつか、俺たちにもお顔を見せてくれるかな」
一時は食堂の中は暗くなってしまったが、最近見つけられたエリアスの話題で盛り上がる。
気を取り直して三人は、その場所へ向かうことにした。
そして、出会いのきっかけは最悪な男が1人。
「ティモさんは、奥様をお好きではなかったのですか?
婚姻して、2人で暮らされていたんですよね」
メリーは妻が家を出て行き、愛したはずの女性を探しに向かわないのを不思議に思っていた。
婚姻する相手すら居ない彼女だが、アッサリと連れ添った妻を忘れてもいいものなのか。
愛はなかったのかと、叫びたくなるのだ。
プリムローズの側仕えで、主人の癖の独り言が移ったようだった。
「俺には愛はあった。
アイツはなかったんだ。
俺の知り合いと、心を通じ合っていたのさ。
きっと、あの男と逃げたんだ!
俺が戦場に行っている間に、浮気をされていた。
ちっ……、チクショー!!」
男の怒鳴る声に、食堂の賑やかさが静まった気がした。
「おいっ、ティモよせ!
メリーも、飯食っている時の話でないだろう。
お前って、空気読めねぇな。
夫婦の間は、他人には関係ない。
ましてや、知り合ったばかりだろう」
口調は悪いが常識的な内容に、見知らぬ人たちは男を感心してみた。
よく見てみると野性味があるが気品もあり、美男子の部類に入る。
店員の娘は気になるのか、顔を見て頬を赤らめていた。
「ごめんなさい、ティモさん。
いくら浮気でも、捜索願は出した方がいいわ。
浮気も勘違いで、貴方を家で待ってるかもしれない」
「謝らなくていいよ。
まぁな、まだ夫婦だしな。
アイツ、何処にいるんだろう。
今頃は、家で俺を待っているのかなぁ」
「そうだといいわね。
奥様に負けないで、貴方もステキな相手を探したら?」
まるでプリムローズが乗り移ったような話し方に、ギルは目を見開いて話す。
「メリー、言いすぎだぜ。
本当にメリーか?
お嬢の魂が宿って、言わせているみたいだぞ!」
「ちょっと、怖いことを言わないで下さい。
このままでは、法的に不味いと忠告を申し上げているのですわ。
ティモさんに良い人が出来ても婚姻していたら、重婚になります」
まだ知り合って1時間、先に行き過ぎだろうと客たちも聞き耳を立てる。
「ティモもさぁ~。
勢いでこっちへ来たみたいだけど、住んでいた家とかそのままでいかんだろ」
「うん、誰もいない家に戻るのが辛いがそうする」
「俺たちの主人に会えよ。
いいか、その方は勘の鋭い恐ろしい御方だ。
正直に話すんだぞ!」
『どんな人だろう』、ティモは貴族の令嬢を想像する。
お嬢様…、きっと美しい薔薇のような。
それとも、気高い百合のようなご令嬢か。
彼は、平民女性しか見たことがない。
期待に胸を躍らせながら、ニヤけるのだった。
「お前、お嬢を想像しただろう?!
妄想するなよ。
【看板に偽りあり】、うちのお嬢の事を言う」
隣に座るギルの肩を力強く叩くと、その音が食堂に響き渡る。
「プリムローズ様に対して、無礼ですよ!
天使のように愛らしく、時に悪魔のように腹黒い。
竹の割った性格に見えて、底なし沼の様に恐ろしい。
そんなお方に失礼な!」
ティモや知らぬ客たちや店の者は、時が止まってしまう。
「お嬢に対して、お前は失礼過ぎるだろう。
俺は、そこまで言ってねぇよ!
外見と中身が、一致していないって教えてあげてるだけだ」
どっちにしても、かなり風変わりなご令嬢に違いない。
仕えている者に、こんなに言われ放題されている。
「喧嘩はやめてくれないか。
一度、故郷に戻ります。
もしかしたら、あいつが戻っているかもしれない」
神妙に話す男、故郷と妻を思い出している様に二人にはみえた。
「戻っても、治安悪いんだろう。
この先考えたら、新しい土地へいった方がいいんじゃないか」
「そう思いますが、生きていくには住む場所や働き口がないといけないし……」
「何ならいっそ、お嬢に仕えたらどうだ!
それに客人で、南の将軍の奥様が滞在する。
屋敷では、いまは人手が足りないんだ」
「あの有名な引き篭もり将軍、その奥方様ですか?
領地から出てこないと、平民でも有名な話ですよ」
一般のそれも西の領民たちにも、知れ渡っていたのかとギルはちょっと驚いている。
「奥方様は少し病にかかっていましたが、すっかり元気におなりになりました。
我が主人と離れるのがお辛いのか、ヴァロにまでついて参ったのです。
ほら、新年の王宮晩餐会に出席される予定ですわ」
詳しく予定を話すと、王都でも南の将軍の引きこもりが有名なのか聞いてた人たちが騒ぎだしてしまう。
「おいおい、こんな人気店の中で軽々しく喋て平気なのかよ。
あ~、俺はどうなっても知らんからなぁ~」
焦って周りを急ぎグルリと見ると、客たちがワイワイその話題で持ちきり。
「ああ、どうしょう?!
聞こえてしまったのかしら?」
「まぁ、聞こえても平気だろ。
戻ったら、お嬢によくよく詫びるんだな」
どう二人に声をかけていいのか。分からないティモは、ギルに同調して笑ってみるとメリーがガックシして座る姿を眺めていた。
「そのお嬢様は、何処のご令嬢でございますか?!」
質問に反応して、二人は顔を合わせて吹き出した。
「聞いてなかったの?
ごめんなさいね、笑ったりして。
ギル師匠は、先に教えてなかったのですか?!
普通は、挨拶がわりに家名を名乗るものです」
笑いが止まると、ギルは悪いとその場で謝罪した。
「俺たちは、エテルネルから留学しに来たご令嬢の付き添いだ。
お嬢の名は、プリムローズ・ド・クラレンス公爵令嬢だ。
知らないとは思うが、祖父は国では戦の神と呼ばれる方だ。
戦って負けなしの生ける伝説だ」
「祖母はアルゴラの第一王女殿下であられましたわ。
それはもう、滅多にお目にかかれない方でございます。
今でも変わらず、お美しく。
プリムローズ様は、その方によく似て美少女。
もう天使で、生けるお人形さん!」
メイド馬鹿の彼女は、いつも通りにお嬢様のご自慢には余念はない。
「そうだ、なぁ~ティモ!
お嬢にヴァロ見物して来いって言われたんけど、どこ行けばいいんだ」
話を振られて表情を固めていたら、盗み聞きしていた人が近づく。
三人が悩んでいると、魚がたくさん見られる場所へ行けばと店員が教えてくれた。
「頭のいい魚が芸をして、運良ければ餌を与えることもできますよ。
子供やお年寄りまで楽しめる場所です」
女性店員は、ギルの顔を横目で見て、メリーに対してお勧めしてくる。
「素敵な場所を教えてくれて、有り難うございます。
面白そうですわ!
お嬢様も動物はお好きですし、ギル師匠そこへ行きましょう」
「遠くないか?!
お嬢の所へは、午後3か4時には戻らないとならないぜ」
二人で込み入った話し合っていると、見知らぬ客人が話しかけてきた。
「大丈夫だ!
ここから馬車ですぐだ。
海の水を引いて作ってある。王都は東より真ん中だが、渦潮の海流の勢いを利用しているんだよ」
「へぇ~、凄いな。
それって、最近できたのかい?」
ギルが国を離れて10年前には、なかった場所だと思い返していた。
「あぁ、王弟殿下のお子様が誕生するのを祝って作られる筈だった。
もうじき出来きあがる時に、事故に遭い他界してー。
お子様は、行方不明に……」
とってもいい御方たちだったのにと、エリアスのご両親を話している。
「噂ではそのお子様が、見つかったそうじゃないか!」
「良かったよな!
いつか、俺たちにもお顔を見せてくれるかな」
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気を取り直して三人は、その場所へ向かうことにした。
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