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第2章 解けない謎解き
第16話 好機逸すべからず
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新年を祝う晩餐会で、プリムローズは余計なモノを貰う羽目になっている。
叙勲授与の打ち合わせのために、一人で王宮へ出向くのであった。
ゲラン親子は当日のサプライズなので、練習はしない事にするようだ。
「べつに段取りくらい、見学しに行ってもいいだろう。
手順だけでも、後で教えてくれよな」
俺は小心者だからと、おちゃらけてプリムローズへ頼む。
『冗談なのか。
真面目に言っているのか』
聞いていた周りの者たちは、王宮で失礼な事をしかねないのではと心配になる。
父であるウィリアム・ゲランが、我が息子ながら不安になっていた。
「御迷惑だとは思います。
このバカ息子を随行させてくれませんか?」
王宮の様子を事前に見て来いと、息子の頭をグイグイ押して頭を下げさせた。
伯爵のウィリアムからお願いされては、プリムローズは断れないでいた。
護衛をかねてギルも、王宮へついて行くことになる。
『私だって平静を装ってるけど、本当は胸がドキドキするのよ』
王宮へ向かう馬車の中でプリムローズは、ギルに幼き頃に王宮へ行ったことがあるかと質問してみる。
「記憶にないな。
ヘイズの王家は短命な方々が多く、俺の代には子供がいなかった」
「エテルネルも王子ばかりで、王女殿下はいらっしゃらないわ。
女性の出産も命懸けだし、子供は病気になりやすい。
風邪とかをこじらすと、簡単に天国行きだしね」
プリムローズも、3日間熱で死にかけてた経験の持ち主。
それからは熱を出しても、なぜか元気いっぱいである。
「俺たちは、元気にここまで育って幸運だった。
神さまにでも感謝しないとな」
信心深いところがあるんだと、自分の前に座る男を見ていた。
「ねぇ、ギル。
ヘイズの新年の挨拶って、何で15日なの?
普通、1日じゃなくって?」
「何でも昔、海賊たちの話で決まったそうだ。
新年は、家族や友人で楽しく過ごそう。
月の真ん中位で、どうだろうで決定したんだ」
南国のせいか、何でもののんびりなんだ。
彼女は気候のせいにしては、独り納得していた。
「ほらほら、到着したわよ。
誰が、案内や説明してくれるのかなぁ。
王様やスクード公爵様が、説明してくれるとは思えないし…」
「誰なんだろうな。
でも、お嬢様なら本番はそつなくこなしそう」
『ギルに言われたくない!』
声にして出さないように、胸の内で悪態をついた。
馬車から降りて二人で歩いて行くと、表の広い玄関入口に兵士たちが立っていた。
その中に、明らかに違う人種がいた。
「これはクラレンス公爵令嬢プリムローズ様ですね。
私は、当日の手順の案内を伝えるために
侍従長をしてます。
ブロマンでございます」
侍従長の自己紹介を兼ねた挨拶に、プリムローズは目を大きくした。
隣に立つギルも、黒い森での戦いの関係者の一人に視線を向けた。
ヘイズ王がわざと、彼を案内係と指導役として指定したのか。
直接見て、話して判断してみようと…。
「侍従長が自らとは、ヘイズ王に感謝申し上げないといけませんわね。
本日はよろしくお願い致します。この者は、私の付き添いでございます」
紹介されたギルは、ペコリと一礼した。
『【好機逸すべからず】。
このコトを指すに相応しい言葉。
絶好の機会と思ったら、それを逃さず自分のために活用せよ』
紫の瞳の奥が一瞬鋭く光ったのを、護衛するギルは見逃さなかった。
『お嬢、なんかするな。
こんな目をするときは、問題を起こし兼ねない。
物騒なのは、俺は御免蒙りたいぜ』
「今は慌ただしく準備の最中で、騒がしい中で申し訳ありません。
当日、使用される大広間に先にご案内を致します」
侍従長のブロマンの後について行くと子供の私を好奇心の目で見ては、クラレンス公爵とかエテルネルの方だとボソボソ噂している。
この位は何時(いつ)ものこと、全く気にしないし慣れっこになっていた。
「コチラでございます。
ヘイズは海に囲まれた島国であり、国民には海賊の祖先がおります。
それ故、大広間は海を連想させる青のお色を使用しております」
「青一色ですか。
濃淡を使い、まるで海の中で1日過ごしているみたい。
玉座は、まるで早朝の海のように見えますわ」
特徴ある大広間の美しさに、彼女は目を奪われていた。
青色のドレスだと、この大広間の青に霞んでしまいそう。
「玉座の背後は、黄金の太陽を表して、少しずつ色が濃く暗くなっている。
玉座に鎮座する王が、太陽に見立てているんだ!」
知っていたのを自慢する様に、彼女に説明するギル。
声は出さないが、目を細めて聞いていた。
「左様でございます。
王が私たちを照らす太陽でございます。
この大広間の別名は、「和解の間」でございます」
「和解の間ですか。
なんとも考えさせられる名前をしていますね。
謂われでもありますの?」
「昔、2つの海賊が覇権を争い戦うことになりました。
長く激しい戦いが終わると、双方で話し合いがされた場所となります」
「和解の間」、じつに感慨深い場所だ。
クラレンスの屋敷にある「沈黙の間」。
私からしたら、「お笑いの間」と呼ぶべきか。
プリムローズはつい故郷を思い出してしまう。
和解か…。
彼とは上手く和解できるだろうか。
この人、見た感じは裏表あるように見えない。
しかし、安易に見かけでは判断してはならないと気を引き締めた。
「当日は新年の挨拶を陛下がされ、エリアス様の見つかった経緯を告げられます。
そして、貴女様の行いに対してお礼と勲章を受け取る。
このような流れとなります」
お得意の瞳をやや上にして、子供らしく愛らしく訴えてくる。
「私、緊張してしまいます。
大勢に見られて、勲章を受け取るのでしょう?!」
「大丈夫ですよ。
多少の失敗がありましても、まだお若い令嬢に、厳しくお小言を仰いません」
こういうときは、子供は得だわ。
もう一生子供でいいかもと、プリムローズは思っていた。
『お嬢は何言ってんだ?
いつも、平然と偉そうな態度しているクセに!
初対面の奴には、こうして猫かぶっているな』
ギルが笑いをこらえる表情を見て、ブロマンは違う捉え方をする。
「当日、陛下の側に私も控えております。
お困りの事がございましたら、ご遠慮なく私に申し出て下さい」
気遣い満点、侍従長の鏡。
そんな方が彼女を騙して、黙ってお茶を飲ませていたのかなぁ。
やはり、不幸が偶然に重なってしまったのよ。
その彼女が自ら命を断ったと聞かされたら、彼はどんな反応をするだろうか。
言うべきか言わざるべきか、悩みに悩むプリムローズ。
「お嬢、お花摘みですかい?
恥ずかしがって、出すものを無理したらいけないぞ」
「ヤダ、違うわよ。
受勲の御礼の言葉を考えていたの」
「それなら「有難き幸せです」。
この一言を返せば宜しいと思います。
陛下が貴族たちへお言葉をかける儀礼がございますので、簡素に済ませたほうが好印象です」
親切に助言してくれる人が、あんな暗躍する様には思えない。
思考しながら彼を見ていたら、王宮では相応しくない態度だ。
慌ただしく駆ける足音が反響し響いてきた。
「騒がしいですな。
クラレンス公爵令嬢、耳障りな音をお聞かせしました」
「いいえ、それよりも。
何事があったのでしょう?」
プリムローズたちは、そちらの方角へ反射的に顔を向ける。
部屋へ入ってきた姿が瞳に写ると、ただ事でないのだけは判断できた。
過去の遺物が関係した事件が起こるのを、この時は想像すらしていなかったのである。
叙勲授与の打ち合わせのために、一人で王宮へ出向くのであった。
ゲラン親子は当日のサプライズなので、練習はしない事にするようだ。
「べつに段取りくらい、見学しに行ってもいいだろう。
手順だけでも、後で教えてくれよな」
俺は小心者だからと、おちゃらけてプリムローズへ頼む。
『冗談なのか。
真面目に言っているのか』
聞いていた周りの者たちは、王宮で失礼な事をしかねないのではと心配になる。
父であるウィリアム・ゲランが、我が息子ながら不安になっていた。
「御迷惑だとは思います。
このバカ息子を随行させてくれませんか?」
王宮の様子を事前に見て来いと、息子の頭をグイグイ押して頭を下げさせた。
伯爵のウィリアムからお願いされては、プリムローズは断れないでいた。
護衛をかねてギルも、王宮へついて行くことになる。
『私だって平静を装ってるけど、本当は胸がドキドキするのよ』
王宮へ向かう馬車の中でプリムローズは、ギルに幼き頃に王宮へ行ったことがあるかと質問してみる。
「記憶にないな。
ヘイズの王家は短命な方々が多く、俺の代には子供がいなかった」
「エテルネルも王子ばかりで、王女殿下はいらっしゃらないわ。
女性の出産も命懸けだし、子供は病気になりやすい。
風邪とかをこじらすと、簡単に天国行きだしね」
プリムローズも、3日間熱で死にかけてた経験の持ち主。
それからは熱を出しても、なぜか元気いっぱいである。
「俺たちは、元気にここまで育って幸運だった。
神さまにでも感謝しないとな」
信心深いところがあるんだと、自分の前に座る男を見ていた。
「ねぇ、ギル。
ヘイズの新年の挨拶って、何で15日なの?
普通、1日じゃなくって?」
「何でも昔、海賊たちの話で決まったそうだ。
新年は、家族や友人で楽しく過ごそう。
月の真ん中位で、どうだろうで決定したんだ」
南国のせいか、何でもののんびりなんだ。
彼女は気候のせいにしては、独り納得していた。
「ほらほら、到着したわよ。
誰が、案内や説明してくれるのかなぁ。
王様やスクード公爵様が、説明してくれるとは思えないし…」
「誰なんだろうな。
でも、お嬢様なら本番はそつなくこなしそう」
『ギルに言われたくない!』
声にして出さないように、胸の内で悪態をついた。
馬車から降りて二人で歩いて行くと、表の広い玄関入口に兵士たちが立っていた。
その中に、明らかに違う人種がいた。
「これはクラレンス公爵令嬢プリムローズ様ですね。
私は、当日の手順の案内を伝えるために
侍従長をしてます。
ブロマンでございます」
侍従長の自己紹介を兼ねた挨拶に、プリムローズは目を大きくした。
隣に立つギルも、黒い森での戦いの関係者の一人に視線を向けた。
ヘイズ王がわざと、彼を案内係と指導役として指定したのか。
直接見て、話して判断してみようと…。
「侍従長が自らとは、ヘイズ王に感謝申し上げないといけませんわね。
本日はよろしくお願い致します。この者は、私の付き添いでございます」
紹介されたギルは、ペコリと一礼した。
『【好機逸すべからず】。
このコトを指すに相応しい言葉。
絶好の機会と思ったら、それを逃さず自分のために活用せよ』
紫の瞳の奥が一瞬鋭く光ったのを、護衛するギルは見逃さなかった。
『お嬢、なんかするな。
こんな目をするときは、問題を起こし兼ねない。
物騒なのは、俺は御免蒙りたいぜ』
「今は慌ただしく準備の最中で、騒がしい中で申し訳ありません。
当日、使用される大広間に先にご案内を致します」
侍従長のブロマンの後について行くと子供の私を好奇心の目で見ては、クラレンス公爵とかエテルネルの方だとボソボソ噂している。
この位は何時(いつ)ものこと、全く気にしないし慣れっこになっていた。
「コチラでございます。
ヘイズは海に囲まれた島国であり、国民には海賊の祖先がおります。
それ故、大広間は海を連想させる青のお色を使用しております」
「青一色ですか。
濃淡を使い、まるで海の中で1日過ごしているみたい。
玉座は、まるで早朝の海のように見えますわ」
特徴ある大広間の美しさに、彼女は目を奪われていた。
青色のドレスだと、この大広間の青に霞んでしまいそう。
「玉座の背後は、黄金の太陽を表して、少しずつ色が濃く暗くなっている。
玉座に鎮座する王が、太陽に見立てているんだ!」
知っていたのを自慢する様に、彼女に説明するギル。
声は出さないが、目を細めて聞いていた。
「左様でございます。
王が私たちを照らす太陽でございます。
この大広間の別名は、「和解の間」でございます」
「和解の間ですか。
なんとも考えさせられる名前をしていますね。
謂われでもありますの?」
「昔、2つの海賊が覇権を争い戦うことになりました。
長く激しい戦いが終わると、双方で話し合いがされた場所となります」
「和解の間」、じつに感慨深い場所だ。
クラレンスの屋敷にある「沈黙の間」。
私からしたら、「お笑いの間」と呼ぶべきか。
プリムローズはつい故郷を思い出してしまう。
和解か…。
彼とは上手く和解できるだろうか。
この人、見た感じは裏表あるように見えない。
しかし、安易に見かけでは判断してはならないと気を引き締めた。
「当日は新年の挨拶を陛下がされ、エリアス様の見つかった経緯を告げられます。
そして、貴女様の行いに対してお礼と勲章を受け取る。
このような流れとなります」
お得意の瞳をやや上にして、子供らしく愛らしく訴えてくる。
「私、緊張してしまいます。
大勢に見られて、勲章を受け取るのでしょう?!」
「大丈夫ですよ。
多少の失敗がありましても、まだお若い令嬢に、厳しくお小言を仰いません」
こういうときは、子供は得だわ。
もう一生子供でいいかもと、プリムローズは思っていた。
『お嬢は何言ってんだ?
いつも、平然と偉そうな態度しているクセに!
初対面の奴には、こうして猫かぶっているな』
ギルが笑いをこらえる表情を見て、ブロマンは違う捉え方をする。
「当日、陛下の側に私も控えております。
お困りの事がございましたら、ご遠慮なく私に申し出て下さい」
気遣い満点、侍従長の鏡。
そんな方が彼女を騙して、黙ってお茶を飲ませていたのかなぁ。
やはり、不幸が偶然に重なってしまったのよ。
その彼女が自ら命を断ったと聞かされたら、彼はどんな反応をするだろうか。
言うべきか言わざるべきか、悩みに悩むプリムローズ。
「お嬢、お花摘みですかい?
恥ずかしがって、出すものを無理したらいけないぞ」
「ヤダ、違うわよ。
受勲の御礼の言葉を考えていたの」
「それなら「有難き幸せです」。
この一言を返せば宜しいと思います。
陛下が貴族たちへお言葉をかける儀礼がございますので、簡素に済ませたほうが好印象です」
親切に助言してくれる人が、あんな暗躍する様には思えない。
思考しながら彼を見ていたら、王宮では相応しくない態度だ。
慌ただしく駆ける足音が反響し響いてきた。
「騒がしいですな。
クラレンス公爵令嬢、耳障りな音をお聞かせしました」
「いいえ、それよりも。
何事があったのでしょう?」
プリムローズたちは、そちらの方角へ反射的に顔を向ける。
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