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第3章 それぞれの巣立ち
第17話 若い時旅をせねば老いての物語がない
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机の上には、祖国エテルネルからの便りが山盛りに置かれている。
一通り読み終えてから、もう一度彼女はよーく考えていた。
孤児院による悪い噂を、分散して二極化するか。
できたらそちらに、話題が行ってくれたらと思っていた。
『エテルネル国全体が浮き立つような。
なにか目をひく物や、噂するほどの話題があればー』
そうすることで、査問会に集中させないようにしたいと。
「ヘイズ王に謁見して、あの件を願い出てみよう。
もっと、後に頼む予定だったけど…。
そんな事を言ってられないわ」
窓の外を見やり独り言を言うと、謁見の願いをしたためる書状を書く。
エリアス殿下に頼めば早いが、あまり慣れられしいのは後日の憂いを招く事になりかねない。
祖国の汚職事件が、彼女を慎重にさせていたのは間違いないだろう。
彼女の謁見願いは思っていたより早く、ゲラン侯爵家に返事が届く。
今後のエテルネルとの関係を、早急に話し合いたかったようである。
ヴェント元侯爵の処遇も、相談をしたかったと書かれていた。
「まだ決めかねているの?
ヘイズ王は、決断力にかけているわ。
同じエテルネル国王は、自分にかかった火の粉を払えるだろうか」
前王妃がしでかした災厄を、現王妃がどう納めるのか。
これで、王妃の力量を測れるわ。
元ウィルスターの第一王女殿下の器量も一緒にね。
週末に彼女は、王宮へ陛下に謁見しに出かける。
正直に現状を述べて、少しでも平民たちの話題を他に向かわせたいと懇願してみる。
「そうか、汚職か…。
我がヘイズも似たようなことがあり、謀反に近い事件が起きてしまった。
世間には、これは発表されない。
今回の件で、欲は人を罪人にするとよく分かった」
「陛下、彼女は私たちを助けてくれた方です。
どうか、お力添えをお願い致します」
「叔父上様!
私からもお願いします。
プリムローズ嬢を助けてあげて下さい」
妻と甥に言われては、ダメとは言えぬ。
ヘイズ王は、聡明な彼女に何をしたいか。
愉快そうに、そう探りを入れてくるのだった。
「有難うございます。
陛下、王妃様にエリアス殿下。
エテルネルに、貴国を紹介する店を開きたいと存じます」
「ほうほう、エテルネルにヘイズの特販品の店か。
品を販売して、ヘイズを知ってもらう場にするのだな」
「素晴らしい考えです。
クラレンス公爵令嬢」
「ご協力に感謝申し上げます。
貴国には、南国で採れる珍しい果物などがございます。
それを店でお出しして、輸入の足がかりにしていきたいのです」
国王は早速エテルネル王に書簡を送り、彼女プリムローズが帰国する際に話を進める外交官の使者を立てることに決めたのである。
謀反を企てた西の将軍ヴェント将軍の処罰に、頭を痛めていた王は結論を話してきた。
「話し合いで、孤島にある流刑人の監視させることにした。
これはあくまでも表向きだ!
ヴェントには厳しく見張りをつけるつもりだ」
「孤島でございますか?
いささか気になります。
ヴェントなら流刑の囚人を、仲間にして脱走するかもしれませんわ」
「それは十分に考えてみた。
あそこにおる者たちは、一匹オオカミの気質が多いと聞いた。
貴族は嫌いみたいだし、ヴェントが仲間にするのは難しいはずだ」
最高権力者の王が、このように決定したのだ。
これ以上、口出しはできないであろう。
王妃様は心配していた彼女に、微笑みながらその島を詳しく説明してくれる。
「あの巨大な渦潮が、島を取り囲んでいます。
海流が変化する時期がありますが、一箇所からしか通行出来ません」
王を守る渦潮を利用して、囚人を出さないようにしている。
エテルネルとは、違い島国特有のやり方。
感心して考えていたら、明るい声がプリムローズの耳もとに入ってきた。
「クラレンス公爵令嬢は、夏休みにその査問会で帰国するんだね。
休みにいないのは寂しいなぁ。
また違う観光地に、皆さんと行きたかったのに残念です」
エリアスは夏休み遊びに行くのを、密かに期待していたのだった。
「なら、エリアスもエテルネルに行けばよい!
【若い時旅をせねば、老いての物語がない】、そういうことだ」
ガッカリと肩を落として見える彼に、国王から思ってもない言葉が飛び出す。
「私が……、本当にエテルネルへ行けるんですか?
プリムローズ嬢が育った国へ、すごく嬉しいです」
甥の喜ぶ様子に、豪快に笑う。
おおっ、そうだと返事してあげていた。
何を考えているのだと、唖然として二人を見るプリムローズ。
「若い時に旅をしておかなければ、年をとってから人に話す話題がないということ。
エリアスその目で、他国を見てくるがよい」
簡単にその辺に行くように仰るが、平気なんだろうか?
海を越えて他国に行くのです。危険だってあり、安全とは断言出来ないわ。
「エリアス様に、大事あってはなりませぬ。
両国が、本格的に交流を持ちましたらにされたらー」
「叔父上!
ありがとうございます。
お聞きになりましたか?
私も一緒に、エテルネルに行けるようになりました」
今にも飛び跳ねそうな彼を見て、連れて行かないって本人へ言えるはずもない。
「ですが、エリアス様は言葉も不自由ですわ。
またの機会で、如何でしょう?!」
それでも彼女は、やんわりとお断りをする。
「挨拶ぐらいなら話せますよ。
エテルネルに関心を持ち、密かに語学を習っておりました。
内緒にしていて、ごめんなさい。
君を驚かせようと、こうして黙ってたんだ」
逆に否定されて、こちらが驚く立場になる。
「私のため!?
エテルネル語を勉強してくれていたの?」
『努力してくれているエリアスに、どう説得すればいいの』
彼が自分の国を知ろうとしてくれていたのは素直に嬉しい。
しかし、問題があるエテルネルに来るのは控えてほしい。
思い切り困った表情を露にしていた。
「そんな露骨に、嫌そうな顔をするでないぞ。
エリアスには専属の警護を付けよう。
そうだ!
ゲラン侯爵、あの親子に頼もうとしよう。
彼らなら、エテルネルに長年住んでいた。
これで、クラレンス公爵令嬢も安心だろう」
いま思い付いたように、ヘイズ王は言っていた。
しかし、演技が下手すぎる。
聞いていた3人は、驚愕するくらいで固まってしまう。
ゲラン侯爵からエテルネルの話を聞いて、裏で根回しをしていたのだろう。
ウィル親方が、ギル父親だったのを忘れていた。
『あの親子は、調子いい性格だったわ。
知っていることをホイホイ話したのだろう。
まぁ事実だし、べつに良いけど』
知らぬは自分だけで、見事に出し抜かれた感がある。
もう、どうにでもなれ。
エリアスがエテルネルに来たら、外見はいいから受けはいいだろう。
ちょっとの間でも彼が盛り上げて、イヤなことを吹き飛ばすのを期待した。
使えるものは何でも使う、プリムローズのご都合者義が現れた。
「エリアス殿下はお世話になった友人で、私が個人で招待したことにします。
不謹慎な時期ですが、この方法しか思い付きませんわ」
彼女の心労は、こうしてまた一つ増えた。
「こんなに早くに、他国へ旅する機会が訪れられる。
夢みたいだ!
プリムローズ嬢、楽しみですね」
無邪気に嬉しがっているエリアスには、めっぽう弱いプリムローズはひきつり無言でコクりと頷くのがやっとだった。
こんなかわいい子には、私は逆らえない。
どうなるか先が読めない査問会の開催中に、次期ヘイズの王に一番近い彼が初めて大陸の真ん中に位置するエテルネル国へ赴く。
もし祖国で彼に何かあってしまったら、国が揺らぐくらい一大事になる。
プリムローズの悩みが、またひとつ増えてしまうのであった。
一通り読み終えてから、もう一度彼女はよーく考えていた。
孤児院による悪い噂を、分散して二極化するか。
できたらそちらに、話題が行ってくれたらと思っていた。
『エテルネル国全体が浮き立つような。
なにか目をひく物や、噂するほどの話題があればー』
そうすることで、査問会に集中させないようにしたいと。
「ヘイズ王に謁見して、あの件を願い出てみよう。
もっと、後に頼む予定だったけど…。
そんな事を言ってられないわ」
窓の外を見やり独り言を言うと、謁見の願いをしたためる書状を書く。
エリアス殿下に頼めば早いが、あまり慣れられしいのは後日の憂いを招く事になりかねない。
祖国の汚職事件が、彼女を慎重にさせていたのは間違いないだろう。
彼女の謁見願いは思っていたより早く、ゲラン侯爵家に返事が届く。
今後のエテルネルとの関係を、早急に話し合いたかったようである。
ヴェント元侯爵の処遇も、相談をしたかったと書かれていた。
「まだ決めかねているの?
ヘイズ王は、決断力にかけているわ。
同じエテルネル国王は、自分にかかった火の粉を払えるだろうか」
前王妃がしでかした災厄を、現王妃がどう納めるのか。
これで、王妃の力量を測れるわ。
元ウィルスターの第一王女殿下の器量も一緒にね。
週末に彼女は、王宮へ陛下に謁見しに出かける。
正直に現状を述べて、少しでも平民たちの話題を他に向かわせたいと懇願してみる。
「そうか、汚職か…。
我がヘイズも似たようなことがあり、謀反に近い事件が起きてしまった。
世間には、これは発表されない。
今回の件で、欲は人を罪人にするとよく分かった」
「陛下、彼女は私たちを助けてくれた方です。
どうか、お力添えをお願い致します」
「叔父上様!
私からもお願いします。
プリムローズ嬢を助けてあげて下さい」
妻と甥に言われては、ダメとは言えぬ。
ヘイズ王は、聡明な彼女に何をしたいか。
愉快そうに、そう探りを入れてくるのだった。
「有難うございます。
陛下、王妃様にエリアス殿下。
エテルネルに、貴国を紹介する店を開きたいと存じます」
「ほうほう、エテルネルにヘイズの特販品の店か。
品を販売して、ヘイズを知ってもらう場にするのだな」
「素晴らしい考えです。
クラレンス公爵令嬢」
「ご協力に感謝申し上げます。
貴国には、南国で採れる珍しい果物などがございます。
それを店でお出しして、輸入の足がかりにしていきたいのです」
国王は早速エテルネル王に書簡を送り、彼女プリムローズが帰国する際に話を進める外交官の使者を立てることに決めたのである。
謀反を企てた西の将軍ヴェント将軍の処罰に、頭を痛めていた王は結論を話してきた。
「話し合いで、孤島にある流刑人の監視させることにした。
これはあくまでも表向きだ!
ヴェントには厳しく見張りをつけるつもりだ」
「孤島でございますか?
いささか気になります。
ヴェントなら流刑の囚人を、仲間にして脱走するかもしれませんわ」
「それは十分に考えてみた。
あそこにおる者たちは、一匹オオカミの気質が多いと聞いた。
貴族は嫌いみたいだし、ヴェントが仲間にするのは難しいはずだ」
最高権力者の王が、このように決定したのだ。
これ以上、口出しはできないであろう。
王妃様は心配していた彼女に、微笑みながらその島を詳しく説明してくれる。
「あの巨大な渦潮が、島を取り囲んでいます。
海流が変化する時期がありますが、一箇所からしか通行出来ません」
王を守る渦潮を利用して、囚人を出さないようにしている。
エテルネルとは、違い島国特有のやり方。
感心して考えていたら、明るい声がプリムローズの耳もとに入ってきた。
「クラレンス公爵令嬢は、夏休みにその査問会で帰国するんだね。
休みにいないのは寂しいなぁ。
また違う観光地に、皆さんと行きたかったのに残念です」
エリアスは夏休み遊びに行くのを、密かに期待していたのだった。
「なら、エリアスもエテルネルに行けばよい!
【若い時旅をせねば、老いての物語がない】、そういうことだ」
ガッカリと肩を落として見える彼に、国王から思ってもない言葉が飛び出す。
「私が……、本当にエテルネルへ行けるんですか?
プリムローズ嬢が育った国へ、すごく嬉しいです」
甥の喜ぶ様子に、豪快に笑う。
おおっ、そうだと返事してあげていた。
何を考えているのだと、唖然として二人を見るプリムローズ。
「若い時に旅をしておかなければ、年をとってから人に話す話題がないということ。
エリアスその目で、他国を見てくるがよい」
簡単にその辺に行くように仰るが、平気なんだろうか?
海を越えて他国に行くのです。危険だってあり、安全とは断言出来ないわ。
「エリアス様に、大事あってはなりませぬ。
両国が、本格的に交流を持ちましたらにされたらー」
「叔父上!
ありがとうございます。
お聞きになりましたか?
私も一緒に、エテルネルに行けるようになりました」
今にも飛び跳ねそうな彼を見て、連れて行かないって本人へ言えるはずもない。
「ですが、エリアス様は言葉も不自由ですわ。
またの機会で、如何でしょう?!」
それでも彼女は、やんわりとお断りをする。
「挨拶ぐらいなら話せますよ。
エテルネルに関心を持ち、密かに語学を習っておりました。
内緒にしていて、ごめんなさい。
君を驚かせようと、こうして黙ってたんだ」
逆に否定されて、こちらが驚く立場になる。
「私のため!?
エテルネル語を勉強してくれていたの?」
『努力してくれているエリアスに、どう説得すればいいの』
彼が自分の国を知ろうとしてくれていたのは素直に嬉しい。
しかし、問題があるエテルネルに来るのは控えてほしい。
思い切り困った表情を露にしていた。
「そんな露骨に、嫌そうな顔をするでないぞ。
エリアスには専属の警護を付けよう。
そうだ!
ゲラン侯爵、あの親子に頼もうとしよう。
彼らなら、エテルネルに長年住んでいた。
これで、クラレンス公爵令嬢も安心だろう」
いま思い付いたように、ヘイズ王は言っていた。
しかし、演技が下手すぎる。
聞いていた3人は、驚愕するくらいで固まってしまう。
ゲラン侯爵からエテルネルの話を聞いて、裏で根回しをしていたのだろう。
ウィル親方が、ギル父親だったのを忘れていた。
『あの親子は、調子いい性格だったわ。
知っていることをホイホイ話したのだろう。
まぁ事実だし、べつに良いけど』
知らぬは自分だけで、見事に出し抜かれた感がある。
もう、どうにでもなれ。
エリアスがエテルネルに来たら、外見はいいから受けはいいだろう。
ちょっとの間でも彼が盛り上げて、イヤなことを吹き飛ばすのを期待した。
使えるものは何でも使う、プリムローズのご都合者義が現れた。
「エリアス殿下はお世話になった友人で、私が個人で招待したことにします。
不謹慎な時期ですが、この方法しか思い付きませんわ」
彼女の心労は、こうしてまた一つ増えた。
「こんなに早くに、他国へ旅する機会が訪れられる。
夢みたいだ!
プリムローズ嬢、楽しみですね」
無邪気に嬉しがっているエリアスには、めっぽう弱いプリムローズはひきつり無言でコクりと頷くのがやっとだった。
こんなかわいい子には、私は逆らえない。
どうなるか先が読めない査問会の開催中に、次期ヘイズの王に一番近い彼が初めて大陸の真ん中に位置するエテルネル国へ赴く。
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