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第3章 それぞれの巣立ち
第19話 女心と秋の空
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休み明けの学園では、気持ち新たに生徒たちが笑顔で続々と外から門へ入って来る。
久しぶりに友人を見つけると、再会の喜びに声をあげて交わす。
「この光景見ると、ああ青春って感じがする。
私にも、誰か声かけてくれたりしてー」
学園に通うのも、あと半年なのかと感慨深くなる。
長いようであっという間に過ぎてしまうんだろうなぁと、思いながら人を探す。
キョロキョロしていると、背後から激しくぶつかってきた。
そして、誰かが後ろから抱きついてくる。
「ブホッ、ゴホゴホ!
誰ですか?
いきなり、コホコホ……。
ビックリするじゃない」
驚きすぎて息を吸うタイミングで吐き出したら、咳が激しくでて前かがみになり腰を屈めた。
「プリムローズ様~、2日ぶりでーす!
エテルネルでは、貴重な体験が出来て楽しかったですわ」
『お前かよ!
まずは、ごめんなさいだろ』
咳き込んで声をする方へ視線を移すと、赤い髪と呑気な笑顔が眩しい。
貴重って何を指しているのか。
イマイチ理解できないライラの考えに、プリムローズは愛想笑いをする。
「ゴホン、それは良かったですね。
ちょうど、ライラ様を探してました。
これまで学園ではお世話になり、ありがとうございます」
「一緒に勉強できなくて、寂しくなります。
それに、別れの挨拶はまだ早いですわ。
フフフ、エテルネルのプリムローズ様。
あれを思い出すと、どうも笑いが止まらなくなります」
「……、祖国では家族の恥を見せてしまいました。
その節はお騒がせしましたわ」
嫌みのお騒がせの返しは、ライラには理解できないようだった。
こういう人いるよねと、プリムローズはライラの笑うしかない鈍感さに謝罪は諦めた。
「ぜんぜん、気にしてません。
プリムローズ様のご家族は、個性的な方々ですね。
愉快そうで、私は羨ましく思いました。
わが家の者は、面白味に欠けますもの」
「お楽しみ頂けたようです。
あのー、かなり長旅でしたがお疲れでは……。
ないようですね、ライラ様は」
「疲れる暇もありませんでした。
見るものが全て新鮮で、あっという間の夏休みが終わってしまいましたわ。
今度は、エテルネル国へゆっくり訪れたいですわ」
「ライラ様とオスモ様の新婚旅行は我が国へお越し下さい。
隠れた名所や観光地をご案内状致します」
「そうさせて貰います。
図々しいお願いで、アルゴラ国も追加でお願いします」
この場だけの社交儀礼のつもりが、ライラには本気にされて驚く。
話が終わりそうもない。
このままでは遅刻すると、顔から冷や汗出そうになる。
早く彼女と別れて、新しい学びの場へと向かいたい。
気持ちが焦るプリムローズ。
「では、ライラ様!
そろそろ、私は軍学園へ参ります。
もうこれから、寮生活ですので暫くはお会いできません。
では、お元気で!」
「あの、気をつけて下さいね。
同じ学年にはオスモ様がおりますから、彼を頼って下さいませ」
「ライラ様、お言葉に甘えてそうさせて貰います」
プリムローズは一学年飛び級でにして、それもまったく畑違いな軍学校へ通うことにした。
「心配させてしまったみたい。
それにしてもなんだろう。
最後に引っかかる言い方をしていたけど…。
まっ、いいか」
急ぎ待たせていた馬車に乗り込むと、少し離れた軍学校へー。
新たな学びの舎は、高い壁が立ちはだかっていた。
『同じ学園でも、学ぶことが違うだけなのに。
囚人でも囲っているよう』
自分の背より遥かに高く。
少し錆びた鉄の門が貫禄を感じさせいた。
その側には、見知った人が立ってい待っている。
「クラレンス嬢、歓迎します」
「プリムローズ・ド・クラレンスと申します。
これから御一緒に学ばせて頂きますので、宜しくお願いします」
出迎えに待っていてくれた人へ、深くお辞儀をする。
ライラ様の婚約者のオスモ殿が、歓迎してくれて両手を取りブンブン縦に振る。
「激しい歓迎してくれて、ありがとうございます。
もう、その手を離してくれませんか?」
「君のお陰で、筋力つける努力をしたんだ。
ヤル気を出させてくれて……。
こちらの方が感謝しているよ」
『目が笑っていない。
ヒェー、オスモ様怖い。
執念深く、まだ恨まれてるかも…』
よほどプリムローズに殴られたあの威力に、彼は衝撃を受けたようであった。
「いえ、あの時は我を忘れてしまい。
ボコボコに殴って、申し訳ありませんでした。
反省してまぁーす!」
先輩で生徒会長のオスモに、ひたすら彼女は謝罪した。
今後の学園生活を考え、下手に出て大人しくするのが正解だ。
あれからまた背が伸びたとはいえ、プリムローズは体格と背丈だけは負けてる。
首が疲れるまで目線を上にあげていた。
「編入試験、圧倒的な強さだったそうだね。
父上が絶賛しただけある。
今度、手合わせが出来るのを楽しみにしているよ」
挑戦状と取られる言葉に、プリムローズの闘争心のスイッチが入り瞳が光る。
オスモは彼女のパンチ力を経験して知っているが、剣術の実力はまだ知らなかった。
「でも、どうして急に軍学校に編入したのか?」
「心情としては、【女心と秋の空】かな。
ヘイズでやりたいことを、すべて成し遂げたい。
それに軍学校を知り、どんな学びをするのか。
とても興味ございましたの」
自分が誇りを持って通っている学園を気分で変えられて憮然としていた。
「変わりやすい秋の空模様のように、女性の気持ちは移り気だということか……。
そんなフワフワした気持ちで、転入して不愉快だ。
軍学校は、君が思うほど甘くはないぞ!」
「例えが悪かったようです。
軽い考えで、ここへ来たわけではございません。
ちゃんと、真面目に勉学に励むつもりですわ」
興味本位で来られても、馬鹿にされてるって思われるぞ。
オスモは彼女の言い分に、胸中でそう反論していた。
「プリムローズ嬢。
私以外の者には、もう少し言葉を選んだ方がよい。
女性騎士を目指す者は、とくに気高く!
男より気質は荒いんだ」
「そうなんですか?!
気をつけるようにします。
今日から、私も寮生活なんですよね」
「君はこれより、お嬢様気分の生活でいられなくなる。
寮での暮らしは、戦場を想定してサバイバルでもあるんのだ」
「戦場、サバイバルですか」
普段聞き慣れない単語で驚いているんだと、オスモは皮肉たっぷりに説明する。
プリムローズがブツブツ言っている様子に、気づかない程度に笑う。
どうせ、お嬢様育ちの彼女がすぐに逃げ帰るだろうと過小評価していたのだ。
荷物は、前日に運び込まれている。
メリーが荷物を整理したいと言ってきかなかったが、生徒以外は入室禁止で許可は下りない。
プリムローズが去ったら、メリーたちは新婚生活が本格的にスタートできる。
夫婦の邪魔になると思い、ゲラン侯爵家から出て寮生活することに決めのだ。
転入生プリムローズに、校内を案内しながら歩く。
大雑把に案内が終わると、世話役の女生徒に会いに行くことにする。
「今から紹介する生徒が、女子寮の寮長になる。
彼女は我々と同じ3年生で、私たちと同じクラスだ」
それを聞くと顔をパっと明るくさせて、素直に自分の気持ちを打ち明けた。
「オスモ様と、クラスが一緒で助かりました。
軍学校って想像もつかなくて、ちょっぴり不安でしたの」
「そうだと思ってね。
父が学園にかけ合ってくれたのだ。
陛下から勲章を受勲された方に、すこしは気を使えと学園長を脅かしたみたいだ」
脅したって、それって私の心象がかえって悪くなるのではないかしら?
余計なお世話にならなければいいが、嫌な予感がする。
軍学校の初日は、何事もなく無事に過ぎ去るのだろうか…。
プリムローズがいるところ、災いが勝手に向こうからやって来てしまう。
彼女を中心として、またハプニングが巻き起こりそうだった。
久しぶりに友人を見つけると、再会の喜びに声をあげて交わす。
「この光景見ると、ああ青春って感じがする。
私にも、誰か声かけてくれたりしてー」
学園に通うのも、あと半年なのかと感慨深くなる。
長いようであっという間に過ぎてしまうんだろうなぁと、思いながら人を探す。
キョロキョロしていると、背後から激しくぶつかってきた。
そして、誰かが後ろから抱きついてくる。
「ブホッ、ゴホゴホ!
誰ですか?
いきなり、コホコホ……。
ビックリするじゃない」
驚きすぎて息を吸うタイミングで吐き出したら、咳が激しくでて前かがみになり腰を屈めた。
「プリムローズ様~、2日ぶりでーす!
エテルネルでは、貴重な体験が出来て楽しかったですわ」
『お前かよ!
まずは、ごめんなさいだろ』
咳き込んで声をする方へ視線を移すと、赤い髪と呑気な笑顔が眩しい。
貴重って何を指しているのか。
イマイチ理解できないライラの考えに、プリムローズは愛想笑いをする。
「ゴホン、それは良かったですね。
ちょうど、ライラ様を探してました。
これまで学園ではお世話になり、ありがとうございます」
「一緒に勉強できなくて、寂しくなります。
それに、別れの挨拶はまだ早いですわ。
フフフ、エテルネルのプリムローズ様。
あれを思い出すと、どうも笑いが止まらなくなります」
「……、祖国では家族の恥を見せてしまいました。
その節はお騒がせしましたわ」
嫌みのお騒がせの返しは、ライラには理解できないようだった。
こういう人いるよねと、プリムローズはライラの笑うしかない鈍感さに謝罪は諦めた。
「ぜんぜん、気にしてません。
プリムローズ様のご家族は、個性的な方々ですね。
愉快そうで、私は羨ましく思いました。
わが家の者は、面白味に欠けますもの」
「お楽しみ頂けたようです。
あのー、かなり長旅でしたがお疲れでは……。
ないようですね、ライラ様は」
「疲れる暇もありませんでした。
見るものが全て新鮮で、あっという間の夏休みが終わってしまいましたわ。
今度は、エテルネル国へゆっくり訪れたいですわ」
「ライラ様とオスモ様の新婚旅行は我が国へお越し下さい。
隠れた名所や観光地をご案内状致します」
「そうさせて貰います。
図々しいお願いで、アルゴラ国も追加でお願いします」
この場だけの社交儀礼のつもりが、ライラには本気にされて驚く。
話が終わりそうもない。
このままでは遅刻すると、顔から冷や汗出そうになる。
早く彼女と別れて、新しい学びの場へと向かいたい。
気持ちが焦るプリムローズ。
「では、ライラ様!
そろそろ、私は軍学園へ参ります。
もうこれから、寮生活ですので暫くはお会いできません。
では、お元気で!」
「あの、気をつけて下さいね。
同じ学年にはオスモ様がおりますから、彼を頼って下さいませ」
「ライラ様、お言葉に甘えてそうさせて貰います」
プリムローズは一学年飛び級でにして、それもまったく畑違いな軍学校へ通うことにした。
「心配させてしまったみたい。
それにしてもなんだろう。
最後に引っかかる言い方をしていたけど…。
まっ、いいか」
急ぎ待たせていた馬車に乗り込むと、少し離れた軍学校へー。
新たな学びの舎は、高い壁が立ちはだかっていた。
『同じ学園でも、学ぶことが違うだけなのに。
囚人でも囲っているよう』
自分の背より遥かに高く。
少し錆びた鉄の門が貫禄を感じさせいた。
その側には、見知った人が立ってい待っている。
「クラレンス嬢、歓迎します」
「プリムローズ・ド・クラレンスと申します。
これから御一緒に学ばせて頂きますので、宜しくお願いします」
出迎えに待っていてくれた人へ、深くお辞儀をする。
ライラ様の婚約者のオスモ殿が、歓迎してくれて両手を取りブンブン縦に振る。
「激しい歓迎してくれて、ありがとうございます。
もう、その手を離してくれませんか?」
「君のお陰で、筋力つける努力をしたんだ。
ヤル気を出させてくれて……。
こちらの方が感謝しているよ」
『目が笑っていない。
ヒェー、オスモ様怖い。
執念深く、まだ恨まれてるかも…』
よほどプリムローズに殴られたあの威力に、彼は衝撃を受けたようであった。
「いえ、あの時は我を忘れてしまい。
ボコボコに殴って、申し訳ありませんでした。
反省してまぁーす!」
先輩で生徒会長のオスモに、ひたすら彼女は謝罪した。
今後の学園生活を考え、下手に出て大人しくするのが正解だ。
あれからまた背が伸びたとはいえ、プリムローズは体格と背丈だけは負けてる。
首が疲れるまで目線を上にあげていた。
「編入試験、圧倒的な強さだったそうだね。
父上が絶賛しただけある。
今度、手合わせが出来るのを楽しみにしているよ」
挑戦状と取られる言葉に、プリムローズの闘争心のスイッチが入り瞳が光る。
オスモは彼女のパンチ力を経験して知っているが、剣術の実力はまだ知らなかった。
「でも、どうして急に軍学校に編入したのか?」
「心情としては、【女心と秋の空】かな。
ヘイズでやりたいことを、すべて成し遂げたい。
それに軍学校を知り、どんな学びをするのか。
とても興味ございましたの」
自分が誇りを持って通っている学園を気分で変えられて憮然としていた。
「変わりやすい秋の空模様のように、女性の気持ちは移り気だということか……。
そんなフワフワした気持ちで、転入して不愉快だ。
軍学校は、君が思うほど甘くはないぞ!」
「例えが悪かったようです。
軽い考えで、ここへ来たわけではございません。
ちゃんと、真面目に勉学に励むつもりですわ」
興味本位で来られても、馬鹿にされてるって思われるぞ。
オスモは彼女の言い分に、胸中でそう反論していた。
「プリムローズ嬢。
私以外の者には、もう少し言葉を選んだ方がよい。
女性騎士を目指す者は、とくに気高く!
男より気質は荒いんだ」
「そうなんですか?!
気をつけるようにします。
今日から、私も寮生活なんですよね」
「君はこれより、お嬢様気分の生活でいられなくなる。
寮での暮らしは、戦場を想定してサバイバルでもあるんのだ」
「戦場、サバイバルですか」
普段聞き慣れない単語で驚いているんだと、オスモは皮肉たっぷりに説明する。
プリムローズがブツブツ言っている様子に、気づかない程度に笑う。
どうせ、お嬢様育ちの彼女がすぐに逃げ帰るだろうと過小評価していたのだ。
荷物は、前日に運び込まれている。
メリーが荷物を整理したいと言ってきかなかったが、生徒以外は入室禁止で許可は下りない。
プリムローズが去ったら、メリーたちは新婚生活が本格的にスタートできる。
夫婦の邪魔になると思い、ゲラン侯爵家から出て寮生活することに決めのだ。
転入生プリムローズに、校内を案内しながら歩く。
大雑把に案内が終わると、世話役の女生徒に会いに行くことにする。
「今から紹介する生徒が、女子寮の寮長になる。
彼女は我々と同じ3年生で、私たちと同じクラスだ」
それを聞くと顔をパっと明るくさせて、素直に自分の気持ちを打ち明けた。
「オスモ様と、クラスが一緒で助かりました。
軍学校って想像もつかなくて、ちょっぴり不安でしたの」
「そうだと思ってね。
父が学園にかけ合ってくれたのだ。
陛下から勲章を受勲された方に、すこしは気を使えと学園長を脅かしたみたいだ」
脅したって、それって私の心象がかえって悪くなるのではないかしら?
余計なお世話にならなければいいが、嫌な予感がする。
軍学校の初日は、何事もなく無事に過ぎ去るのだろうか…。
プリムローズがいるところ、災いが勝手に向こうからやって来てしまう。
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