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第5章 栄光を目指せ
第8話 弘法筆を選ばず
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学生たちが興奮する中で、1回戦を終えた勝者たちは祝福を受けていた。
それに喜ぶのが普通だが、ここだけ緊迫した空気が漂っている。
「エリアス殿下は、席を立たれて平気なの?
そんなことは起きないと思うけど、襲われたりしたら危険だわ」
手元に剣があれば彼を守れるのに、終了後に回収されてしまった。
危害を与える不審者がいないかと、エリアスに目を離さないようにしている。
「陛下から許可をもらって来ています。
それに見てください。
近衛が警護をしています」
「……、不審者に見つけやすそう。
でも抑止力になりますね」
高身長で美形揃いの近衛たちが、私たちを囲むように隠れている。
あれで周辺にバレていないと、本気で思っているのなら間抜けだろう。
遠い目をしてプリムローズが見てみると、木の影から長い足が飛び出ていた。
「殿下を襲う者はいないよ。
いざとなれば、私たちが殿下を守ろう」
将軍を父にもつオスモが、プリムローズに向けてこう言ってみせた。
『いや貴方一人で守ってよ。
さらっと勝手に、私を仲間に入れないでくれないかな』
愛想笑いしながら、オスモの方へ無言で向き直る。
「オスモ殿とプリムローズ嬢がいれば、私は安全ですね。
それに試合を観戦していたら、学生たちが強くて驚きました」
プリムローズだけをひいきしないで、平等に誉めるように
している。
出会った頃の天真爛漫な彼とは変わり、感情を抑えた会話に大人になったと感じた。
「見ているだけでしたけど、気が失いそうになりました」
精悍な騎士たちが、エリアスから目を離さないでいる。
そんなピリピリする空間の中で、プリムローズを中心に6人が座って談笑していた。
「始まったばかりで、これからが本番ですよ。
パーレン伯爵令嬢」
セント・ジョン学園には、三大悪女と呼ばれていた令嬢が三人いた。
その二人がここに集っていた。
水仙組に在籍する、テレーシア・パーレン伯爵令嬢。
「わかっております。
知り合いが決勝まで残ってしまったら、応援の途中で倒れてしまいそうですわ」
「オスモ様が対戦中は、冷静に観戦できませんでした」
ため息混じりに心境を伝える表情は、地毛よりも顔を赤くしていた。
「ライラ様ったら、顔を両手で覆っていましたもの。
指と隙間からでしかご覧できなかったようです」
オスモの婚約者ライラ・ヘーディン侯爵令嬢の隣にいる彼女は、残りの悪女である百合組のチューダー侯爵令嬢フレデリカがからかっていた。
「もうバカにして~!
フレデリカ様だって、兄上様の時は同じことしてましたわよ」
「ハハハ、パーレン伯爵令嬢とライラは似た者同士だな。
過度に緊張しないで、楽しんで応援して欲しい」
将軍の息子で生徒会長だって、自分は易々と負けないという余裕ある言葉にプリムローズは取られた。
婚約者にお願いし終えると、普通の時とは違う大声が聞こえてきた。
「やっと初戦が終わったみたいね。
サクサク進むかと思いましたが、対戦時間かかりました」
そうぼやくプリムローズとオスモは、エリアス殿下と会談するため他の学生たちより先に休憩を許されていた。
試合が終わってしまえば、観戦するしかやることはない。そのせいで、プリムローズたちへ不平を言ってくる人はいなかった。
「これでは時間がかかっては、観戦してるだけで疲れます」
「引き続き応援をヨロシク頼みます。
私も休憩に行きますね」
つかの間であるがこうして話をして、緊張を解してからまた気持ちを引き締めて戻るのだった。
お昼休み時間が終わり、2回戦の戦いが始まる。
勝利を手にすれば16人に入り、明日の3回戦に進めるのだ。
「私が1番手ですね。
では、行ってきます」
対戦相手は行き当たりばったり、目の前に現れてから知る。
「留学生の子か。
遊びで学ぶところではない。
軍学園を舐めんな」
『いつも挨拶代わりに、イヤなことを言ってくるの。
ホント、ムカつく!』
言い返さないでいるが、その分怒りは込みあがってくる。
「私語は慎みなさい。
1回戦と同じく、一本勝負である。
審判が勝ちと判断したら、速やかに退くこと。
両者、いいですね」
副審がそれぞれ剣を手渡す。
その手元にあるものに、長い睫毛をパチパチと何度も上下させて見る。
前の試合で使用したのは、平たい長板のような剣だったはず。
「えっ?剣の形が前のとは違うようですけど……」
「今年から対戦毎に、剣の形状を変えます。
休憩時間に先生から伝達されていませんでしたか?」
「今年からですか。
野暮用で休憩時間は席を外しておりましたので、知りませんでした」
「審判、どうして今年からなんです?
俺、戦いづらいんですけど」
プリムローズが思っていたことを、意外にも対戦相手が審判へ意見を言ってくれた。
審判の心象が悪くなるかもしれないのに、彼は正直な人なんだろうと思って聞いていた。
「【弘法筆を選ばず】である。
書道の達人である弘法大師という偉い人が、どんな筆でも素晴らしい書を書いたことから作られた言葉だ」
「ポンコツダイスって、ヘイズの偉い人ですの?」
「違うぜ!
審判はコンポー・ダイースって言ってたぞ」
「二人とも間違っています。
こうぼうだいしです。
私も詳しくないが、ヘイズとは異なった宗教を広めた方です。
大師は、その宗教で最高の敬意を表す言葉だそうですよ」
「なんだ、異国の偉い人か。
やっぱり世界は広いんだな」
遥か彼方の見知らぬ国を想像して、前方に立つプリムローズを真摯な表情で見つめていた。
ヘイズから出たことがない自分と、海の荒波を渡りたった一人で留学してきた女の子。
尊敬までとはいかないが、彼は単純にカッコいいと思ってしまう。
「真の名人や達人は、道具の良し悪しにこだわらず見事に使いこなす。
皆さんにもそうなって頂きたく、学園長が指示されたのです」
学生たちを思って言うが、チューダー侯爵の子息の飛び入り参加の目を逸らそうとしたのだろう。
対戦相手も彼女と同じようで、審判の言い分を承諾できなそうだった。
審判に抗議のつもりで、ふたりが沈黙する数秒後に悲鳴に近い大歓声があがる。
「何があったの?」
「さあな、人気者が勝ったんじゃないの」
プリムローズが歓声に驚き、対戦相手はこれに素っ気なく返事する。
冷静な審判までもが、そちらへ顔を動かすくらいの騒ぎだった。
「ブルムヘルが負けたようだぞ」
「いやーん、カルヴィ様」
「相手は誰だ!」
「嘘ですわ!
カルヴィ様が負けるなんて」
「平民が土をつけたみたいだぜ」
「やったー、大金星だ!」
「ざまあ~、貴族様に勝ったぜ!」
平民出身者たちは大喜びするが、貴族の令嬢たちからは落胆に近い悲鳴とため息。
何度か手合わせをしたが、油断できないほど彼に負けてしまった。
「無様にやられてやんの。
ハハハ、カルヴィは筆を選んでいたようだな」
「……、ロッタ先輩」
この騒ぎで恩人のカルヴィが敗れたのを、ロッタの耳に届いているはずだ。
自分の負けのように沈む彼女を、プリムローズは思い浮かべ心配する。
「いい加減に、無駄口はここまでにしなさい。
この試合だけ始まってないんだ。
さあ、はじめーー!」
歓声のする方へ意識を向けていたら、審判が試合開始をいきなり催促してきた。
意識をカルヴィに向けようとした時、対戦相手に不意を突かれる。
対戦相手の剣が目の前に現れ、2回戦が始まったのを自覚するのであった。
それに喜ぶのが普通だが、ここだけ緊迫した空気が漂っている。
「エリアス殿下は、席を立たれて平気なの?
そんなことは起きないと思うけど、襲われたりしたら危険だわ」
手元に剣があれば彼を守れるのに、終了後に回収されてしまった。
危害を与える不審者がいないかと、エリアスに目を離さないようにしている。
「陛下から許可をもらって来ています。
それに見てください。
近衛が警護をしています」
「……、不審者に見つけやすそう。
でも抑止力になりますね」
高身長で美形揃いの近衛たちが、私たちを囲むように隠れている。
あれで周辺にバレていないと、本気で思っているのなら間抜けだろう。
遠い目をしてプリムローズが見てみると、木の影から長い足が飛び出ていた。
「殿下を襲う者はいないよ。
いざとなれば、私たちが殿下を守ろう」
将軍を父にもつオスモが、プリムローズに向けてこう言ってみせた。
『いや貴方一人で守ってよ。
さらっと勝手に、私を仲間に入れないでくれないかな』
愛想笑いしながら、オスモの方へ無言で向き直る。
「オスモ殿とプリムローズ嬢がいれば、私は安全ですね。
それに試合を観戦していたら、学生たちが強くて驚きました」
プリムローズだけをひいきしないで、平等に誉めるように
している。
出会った頃の天真爛漫な彼とは変わり、感情を抑えた会話に大人になったと感じた。
「見ているだけでしたけど、気が失いそうになりました」
精悍な騎士たちが、エリアスから目を離さないでいる。
そんなピリピリする空間の中で、プリムローズを中心に6人が座って談笑していた。
「始まったばかりで、これからが本番ですよ。
パーレン伯爵令嬢」
セント・ジョン学園には、三大悪女と呼ばれていた令嬢が三人いた。
その二人がここに集っていた。
水仙組に在籍する、テレーシア・パーレン伯爵令嬢。
「わかっております。
知り合いが決勝まで残ってしまったら、応援の途中で倒れてしまいそうですわ」
「オスモ様が対戦中は、冷静に観戦できませんでした」
ため息混じりに心境を伝える表情は、地毛よりも顔を赤くしていた。
「ライラ様ったら、顔を両手で覆っていましたもの。
指と隙間からでしかご覧できなかったようです」
オスモの婚約者ライラ・ヘーディン侯爵令嬢の隣にいる彼女は、残りの悪女である百合組のチューダー侯爵令嬢フレデリカがからかっていた。
「もうバカにして~!
フレデリカ様だって、兄上様の時は同じことしてましたわよ」
「ハハハ、パーレン伯爵令嬢とライラは似た者同士だな。
過度に緊張しないで、楽しんで応援して欲しい」
将軍の息子で生徒会長だって、自分は易々と負けないという余裕ある言葉にプリムローズは取られた。
婚約者にお願いし終えると、普通の時とは違う大声が聞こえてきた。
「やっと初戦が終わったみたいね。
サクサク進むかと思いましたが、対戦時間かかりました」
そうぼやくプリムローズとオスモは、エリアス殿下と会談するため他の学生たちより先に休憩を許されていた。
試合が終わってしまえば、観戦するしかやることはない。そのせいで、プリムローズたちへ不平を言ってくる人はいなかった。
「これでは時間がかかっては、観戦してるだけで疲れます」
「引き続き応援をヨロシク頼みます。
私も休憩に行きますね」
つかの間であるがこうして話をして、緊張を解してからまた気持ちを引き締めて戻るのだった。
お昼休み時間が終わり、2回戦の戦いが始まる。
勝利を手にすれば16人に入り、明日の3回戦に進めるのだ。
「私が1番手ですね。
では、行ってきます」
対戦相手は行き当たりばったり、目の前に現れてから知る。
「留学生の子か。
遊びで学ぶところではない。
軍学園を舐めんな」
『いつも挨拶代わりに、イヤなことを言ってくるの。
ホント、ムカつく!』
言い返さないでいるが、その分怒りは込みあがってくる。
「私語は慎みなさい。
1回戦と同じく、一本勝負である。
審判が勝ちと判断したら、速やかに退くこと。
両者、いいですね」
副審がそれぞれ剣を手渡す。
その手元にあるものに、長い睫毛をパチパチと何度も上下させて見る。
前の試合で使用したのは、平たい長板のような剣だったはず。
「えっ?剣の形が前のとは違うようですけど……」
「今年から対戦毎に、剣の形状を変えます。
休憩時間に先生から伝達されていませんでしたか?」
「今年からですか。
野暮用で休憩時間は席を外しておりましたので、知りませんでした」
「審判、どうして今年からなんです?
俺、戦いづらいんですけど」
プリムローズが思っていたことを、意外にも対戦相手が審判へ意見を言ってくれた。
審判の心象が悪くなるかもしれないのに、彼は正直な人なんだろうと思って聞いていた。
「【弘法筆を選ばず】である。
書道の達人である弘法大師という偉い人が、どんな筆でも素晴らしい書を書いたことから作られた言葉だ」
「ポンコツダイスって、ヘイズの偉い人ですの?」
「違うぜ!
審判はコンポー・ダイースって言ってたぞ」
「二人とも間違っています。
こうぼうだいしです。
私も詳しくないが、ヘイズとは異なった宗教を広めた方です。
大師は、その宗教で最高の敬意を表す言葉だそうですよ」
「なんだ、異国の偉い人か。
やっぱり世界は広いんだな」
遥か彼方の見知らぬ国を想像して、前方に立つプリムローズを真摯な表情で見つめていた。
ヘイズから出たことがない自分と、海の荒波を渡りたった一人で留学してきた女の子。
尊敬までとはいかないが、彼は単純にカッコいいと思ってしまう。
「真の名人や達人は、道具の良し悪しにこだわらず見事に使いこなす。
皆さんにもそうなって頂きたく、学園長が指示されたのです」
学生たちを思って言うが、チューダー侯爵の子息の飛び入り参加の目を逸らそうとしたのだろう。
対戦相手も彼女と同じようで、審判の言い分を承諾できなそうだった。
審判に抗議のつもりで、ふたりが沈黙する数秒後に悲鳴に近い大歓声があがる。
「何があったの?」
「さあな、人気者が勝ったんじゃないの」
プリムローズが歓声に驚き、対戦相手はこれに素っ気なく返事する。
冷静な審判までもが、そちらへ顔を動かすくらいの騒ぎだった。
「ブルムヘルが負けたようだぞ」
「いやーん、カルヴィ様」
「相手は誰だ!」
「嘘ですわ!
カルヴィ様が負けるなんて」
「平民が土をつけたみたいだぜ」
「やったー、大金星だ!」
「ざまあ~、貴族様に勝ったぜ!」
平民出身者たちは大喜びするが、貴族の令嬢たちからは落胆に近い悲鳴とため息。
何度か手合わせをしたが、油断できないほど彼に負けてしまった。
「無様にやられてやんの。
ハハハ、カルヴィは筆を選んでいたようだな」
「……、ロッタ先輩」
この騒ぎで恩人のカルヴィが敗れたのを、ロッタの耳に届いているはずだ。
自分の負けのように沈む彼女を、プリムローズは思い浮かべ心配する。
「いい加減に、無駄口はここまでにしなさい。
この試合だけ始まってないんだ。
さあ、はじめーー!」
歓声のする方へ意識を向けていたら、審判が試合開始をいきなり催促してきた。
意識をカルヴィに向けようとした時、対戦相手に不意を突かれる。
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