僕はスキルで思い出す

魔法仕掛けのにゃんこ

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一章 トーマス村編

群れ

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トーマス村の北にある森を進んでいく一団。
エルミージュ師匠と僕が狩猟ギルド、ミリスと後3人が自警団所属で合計6人のチームになる。
この森は木の高さはやや高いけれど、それほど密集しているわけではないから日差しがそれほどさえぎられる事がなくって割と見通しがいい。それだけに獲物に気づかれやすいので、『気配察知』のスキル等で慎重に探っていかなければならない。
先頭は師匠が担当しているけど、あまり緊張した様子もなく余裕のある探索をしているように見える。流石だな。

「エルミさん!思ったより魔物がいませんね。」
「そうねー。ミリスちゃんは物足りなりないかもしれないけどー、それなりにフォレストウルフも倒してるじゃない?」

フォレストウルフはこの森に生息する魔物で大型犬より一回り大きい感じ、群れでいるタイプではないから比較的容易に狩猟することが出来るんだけど、たまにつがいでいたりすると1人で相手をするのはちょっと危険になる。
逆にゴブリンといわれる魔物は徒党を組んでいる事が多くて、一匹でいるならフォレストウルフより断然弱いけど、数の力で押してくるのでこっちのほうが脅威度は高い。今回の探索はゴブリンが増えているって情報があったから行われるわけで特に注意しないといけない。



森に入って二時間が過ぎたけれど、その間にフォレストウルフを4匹しとめている。
ミリスはあんな事を言っていたけど、普段より若干多い気がする。
ただ6人もいると苦戦することもなく余裕だ、なによりミリス以外の自警団員達がミリスに良い所をみせようと張り切っているのも大きい。本当にもててるんだな…

大分リラックスムードが漂いはじめたところで、何やら夢の話を自警団の1人がしだした。
いつかは同じ職業の女性と結婚して、一戸建ての家を建てて犬を飼って…なんて言っている。
露骨なアピールだと思うんだけど、察しているのかいないのかミリスは流しているようだ。


夢と言えば、初めて『思い出す』を使ったあの日からたまにガレンの夢を見る事がある。
スキルを使った時ほど鮮明ではないけど、自分がガレンになっている感覚があって起きてから少し混乱してしまうことがある。内容は前に見たのと同じだ、もう夢だとわかってるからすぐ落ち着くけど。
そんな日はなんだか海というものを見たくなるんだけど、見るとしたらこの村からは王都を経由して港町ルプスポートに行かないといけない。まぁ僕も村から出たことなんてないから海なんて見たことないんだけど…これってガレンの夢のせいなのかな?そのうち行ってみるのもいいのかもしれない。

そんな事を考えながら進んでいたけど、師匠がみんなに伏せるように合図を出して一点をみつめだした。師匠は僕らの友達のフェンが持つ『遠見』の上位スキル、『千里眼』を持っているのでそうとう先まで見ることが出来る。僕も大分目は良い方だけど『遠見』スキルほども見ることは出来ない、遠くを見ることができるのは狩人にとってとても有利なのでうらやましい。

「ゴブリンの集団をみつけたわぁ、思ったよりも多いみたい。20…4匹ってところね、問題は1匹だけ大きいゴブリンがいることねー。あれは多分ゴブリンジェネラルよー」

ゴブリンジェネラル!?それってゴブリンの中では上位種にあたる、強さ的にはCランクのモンスターだよね!?

モンスターにはランクと言うものがある。S、A、B、C、D、Eの6段階あって、C級だと僕ら全員でなんとか1匹を相手に出来るくらいのはずだ。ちなみにゴブリンもフォレストウルフもE級だ。

「音響矢は相手に気づかれちゃうから、一旦引いて合流地点にいきましょうー」
「そうですね、さすがに数が違いすぎます。ゴブリンジェネラルがいなければなんとかなったと思うんですけど…」
「あらあら駄目よ、自分達より数が多い敵とは戦ってはいけません!危険度が増しますからねー。それにジェネラルがいると言う事は、ゴブリンメイジやゴブリンレンジャーなんかがいてもおかしくありませんからねー」

ひゅん!

そんな事を師匠が言ったからなのか、ジェネラルとは別方向から矢が飛んできた。ゴブリンレンジャーだ!こんなに近くにいたのに気づかなかったなんて僕も師匠もジェネラルに気をとられすぎていたのかもしれない。
幸い誰もあたらなかったが、ゴブリンレンジャーが飛び跳ねながらギャギャギャと大声を出してしまったのでジェネラル達にも気づかれてしまったようだ!

「急いで撤退するわよー!」走りながら師匠が支持をだす。
「レンジャーの矢はミリスちゃんが後ろに守りの盾を出しながらふせいでー!私はミリスちゃんと併走して、距離をつめられてしまったら牽制をします!アルノちゃんは私と一緒に!」
「「「「「了解!」」」」」

森に入って二時間の距離だったが、走って戻れば追いつかれる前に森をぬけられるはずだ、僕らは合流地点を目指して走り出した。



全員で走りながら師匠と僕は適度に後ろを向き矢をいかける、もちろん当たるわけはなく牽制にすぎない。
ジェネラル達の集団もこっちに向かって走ってくるが、このペースならぎりぎりいける!
森を抜けたらそこが合流地点だから上手くいけばそこで反撃ができる、もし他のチームがいなかったらそのまま走り抜けて挟撃できるようにする予定だ。
よし、出口だ!3、2、1!


他の2チームはすでに合流地点にいたが、そこでは既にゴブリンジェネラル2匹が率いる50匹程のゴブリンの群れとの戦いが行われていた…





ステータス
名前 アルノ
種族 人間
職業 狩人
ユニークスキル 『思い出す』
スキル     『腕力強化Lv2』
        『集中Lv2』
        『気配察知Lv1』
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