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二章 王都バッシュテン編
今の僕の本気
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ジャイネンさんとの模擬戦が始まった。今の僕のステータスは……
ステータス
名前 アルノ
種族 人間
職業 狩人
ユニークスキル 『思い出す』
『魔法剣Lv1』
スキル 『腕力強化Lv2』
『集中Lv2』
『気配察知Lv1』
『剣聖Lv1』
『神速Lv1』
こうなっている。
トーマス村から王都バッシュテンまでの道のりでスキルの使用感は試しておいたので、『魔法剣』や『剣聖』、『神速』等のスキルも使える事は使える、だがユニークスキルである『魔法剣』はユーフィリス王女の代表的なスキルだ、今回は使わない方がいいだろう。それでも『剣聖』や『神速』はそうとうのアドバンテージになるはずだ。
「どうした?かかってこないのか?」
ジャイネンさんから挑発、と言うよりは単純に先手をとらせてくれるという事なのだろう。お言葉に甘えさせてもらおう。
「行きますっ!」
僕はラウンドシールドを前に構えてそのまま体当たりを仕掛ける、体格ではジャイネンさんにはかなわないのはわかっているので盾で受けさせるのが目的だ。
ガキンッ
円形の木に金属で補強してある盾なので、金属同士がぶつかると鉄の音が響く。そして音がした瞬間に盾で跳ね返るように反動をつけて左に1回転半回りながらジャイネンさんの右側に抜けるように移動してそのまま斬りかかる、相手の背後に移動するのと向きを変えるのを一度にやった形だ。しかしそこはさすがに守りの青騎士団の団員だけあってあっさり背後はとらせてくれない、僕とは反対方向に移動して間をはずされてしまった。
「曲芸みたいな動きをするな……しかも速い。」
ジャイネンさんはそんな事を言っているけれど、さっきは『神速』を使っての移動だったのに反応して対処してきた。反応速度が並じゃない、恐らく何らかのスキルを使っているのだと思われる。ちなみに『神速』は『加速』のスキルの上級スキルである『高速』のさらに上のスキルになる。
「次はこちらからいくぞ!」
盾で体を半身隠した状態でこちらににじり寄ってくる。僕は速さと手数で戦うタイプなので立ち止まっての打ち合いには応じない、ジャイネンさんの周りを左回りに移動しながら隙をうかがう。
「動きを止めさせてもらうぞ!『土魔法・バインド』!」
地面から蔦が伸びてきたかと思うと僕の足に絡み付いてきた!土魔法か!
ツタに剣をうちつけ外そうとしたが、それよりも早くジャイネンさんが攻撃してきた。
「おりゃ!」
こうなってしまっては正面からの打ち合いに応じるしかない、『剣聖』のスキルを信じて腹をくくる事にした。
「せいっ!てやぁ!」
打ち合う剣と剣、盾と盾、ジャイネンさんは剣のスキルも高レベルで持ってるのかもしれない。足をとられてしまっているため、相手の間合いにされてしまっているのも痛い。こっちもロングソードにしておくべきだった……
ショートソードでの反撃は相手の体に届かず、一方的に攻撃されてしまっている。
「小僧!それがお前の本気ではあるまい!ワシに今のお前の全力をみせろ!」
ミハイロフさんが不甲斐ない僕に怒声をあげる。僕は本気でやっている、やっているけど一つだけ確かにやっていない事があった。だけど……
「アルノ頑張って!トーマス村の力を見せるのよっ!」
拳を振り上げ全力で応援してくれているミリス……そうだね、ミリスはいつも全力だ。さっきの模擬戦も全力でやっていたからこそ認めて貰えていたし、負けはしたけど自分も納得できたんだろう。僕も、今の僕の全力でやらないと意味なんてないよね。
「そろそろ勝負をつけさせてもらうぞ!」
ジャイネンさんが剣を振りかぶり、必殺の剣戟を加えるべく気合の声を上げ振り下ろしてくる。
「僕もここで決めます!『魔法剣・聖』!」
ショートソードが光り輝きその剣身を伸ばしていく、スキルレベルが低いからユーフィリス王女ほど伸びはしなかったがそれでも二倍はリーチが伸びた。ジャイネンさんは剣を振り下ろしていたところだったので盾の位置が少しだけずれ、体への道が開く。
「ホーリーブレード!」
真っ直ぐ突き出したホーリーブレードはジャイネンさんのわき腹を突き通した。
「ぐっ!」
剣を取り落としひざを突くジャイネンさん。わき腹を押さえ脂汗を浮かべている。
しまった!やりすぎた!ホーリーブレードは貫通力がありすぎたんだ!
「すいません!えっと、誰か治療できる人は!」
「慌てるな……アルノ。『土魔法・アースヒール』」
抑えていた手から光があふれ傷口をふさいでいく。良かった!
「本当にすいませんでした、あんな事になるなんて……」
「いや、かまわんさ。模擬戦で怪我をする事なんて日常茶飯事だ。しかし『魔法剣』とは驚いたぞ。」
「それが今の小僧の全力、というわけだな。オーファス殿から話は聞いている、そのスキルはこの国にとって特別なスキルだ。技を磨きさらに精進せよ、わかったな?」
「はい!」
こうして騎士団での訓練は幕を閉じた。
◇
「ジャイネン、お前はどう思った?」
「試合前に騎士団長に聞いてはいましたが、『剣聖』と『神速』は確かに使っていたようですね。でなければ青騎士団筆頭騎士である私とここまで戦えはしませんよ。まだ戦闘に対する経験が不足している感はありますが、見込みはありますな。」
「そうだな、本来のお前の型なら勝てただろうからな。」
「次は私も本来の型でお相手させてもらいましょう、楽しみです。」
◇
城を出た僕達は今後の予定を決めるべく、まずはオーファスさんに貰った地図に書いてあった宿屋へ向かう事にした。オススメ!と書いてあったのでオススメなんだろう、多分。騎士団の訓練に参加したり今日は長い一日だったな。ミリスは具体的な目標が出来た事でやる気に満ちた目をしている、しばらくは朝つきあってる訓練が厳しいものになりそうだ……
ステータス
名前 アルノ
種族 人間
職業 狩人
ユニークスキル 『思い出す』
『魔法剣Lv1』
スキル 『腕力強化Lv2』
『集中Lv2』
『気配察知Lv1』
『剣聖Lv1』
『神速Lv1』
こうなっている。
トーマス村から王都バッシュテンまでの道のりでスキルの使用感は試しておいたので、『魔法剣』や『剣聖』、『神速』等のスキルも使える事は使える、だがユニークスキルである『魔法剣』はユーフィリス王女の代表的なスキルだ、今回は使わない方がいいだろう。それでも『剣聖』や『神速』はそうとうのアドバンテージになるはずだ。
「どうした?かかってこないのか?」
ジャイネンさんから挑発、と言うよりは単純に先手をとらせてくれるという事なのだろう。お言葉に甘えさせてもらおう。
「行きますっ!」
僕はラウンドシールドを前に構えてそのまま体当たりを仕掛ける、体格ではジャイネンさんにはかなわないのはわかっているので盾で受けさせるのが目的だ。
ガキンッ
円形の木に金属で補強してある盾なので、金属同士がぶつかると鉄の音が響く。そして音がした瞬間に盾で跳ね返るように反動をつけて左に1回転半回りながらジャイネンさんの右側に抜けるように移動してそのまま斬りかかる、相手の背後に移動するのと向きを変えるのを一度にやった形だ。しかしそこはさすがに守りの青騎士団の団員だけあってあっさり背後はとらせてくれない、僕とは反対方向に移動して間をはずされてしまった。
「曲芸みたいな動きをするな……しかも速い。」
ジャイネンさんはそんな事を言っているけれど、さっきは『神速』を使っての移動だったのに反応して対処してきた。反応速度が並じゃない、恐らく何らかのスキルを使っているのだと思われる。ちなみに『神速』は『加速』のスキルの上級スキルである『高速』のさらに上のスキルになる。
「次はこちらからいくぞ!」
盾で体を半身隠した状態でこちらににじり寄ってくる。僕は速さと手数で戦うタイプなので立ち止まっての打ち合いには応じない、ジャイネンさんの周りを左回りに移動しながら隙をうかがう。
「動きを止めさせてもらうぞ!『土魔法・バインド』!」
地面から蔦が伸びてきたかと思うと僕の足に絡み付いてきた!土魔法か!
ツタに剣をうちつけ外そうとしたが、それよりも早くジャイネンさんが攻撃してきた。
「おりゃ!」
こうなってしまっては正面からの打ち合いに応じるしかない、『剣聖』のスキルを信じて腹をくくる事にした。
「せいっ!てやぁ!」
打ち合う剣と剣、盾と盾、ジャイネンさんは剣のスキルも高レベルで持ってるのかもしれない。足をとられてしまっているため、相手の間合いにされてしまっているのも痛い。こっちもロングソードにしておくべきだった……
ショートソードでの反撃は相手の体に届かず、一方的に攻撃されてしまっている。
「小僧!それがお前の本気ではあるまい!ワシに今のお前の全力をみせろ!」
ミハイロフさんが不甲斐ない僕に怒声をあげる。僕は本気でやっている、やっているけど一つだけ確かにやっていない事があった。だけど……
「アルノ頑張って!トーマス村の力を見せるのよっ!」
拳を振り上げ全力で応援してくれているミリス……そうだね、ミリスはいつも全力だ。さっきの模擬戦も全力でやっていたからこそ認めて貰えていたし、負けはしたけど自分も納得できたんだろう。僕も、今の僕の全力でやらないと意味なんてないよね。
「そろそろ勝負をつけさせてもらうぞ!」
ジャイネンさんが剣を振りかぶり、必殺の剣戟を加えるべく気合の声を上げ振り下ろしてくる。
「僕もここで決めます!『魔法剣・聖』!」
ショートソードが光り輝きその剣身を伸ばしていく、スキルレベルが低いからユーフィリス王女ほど伸びはしなかったがそれでも二倍はリーチが伸びた。ジャイネンさんは剣を振り下ろしていたところだったので盾の位置が少しだけずれ、体への道が開く。
「ホーリーブレード!」
真っ直ぐ突き出したホーリーブレードはジャイネンさんのわき腹を突き通した。
「ぐっ!」
剣を取り落としひざを突くジャイネンさん。わき腹を押さえ脂汗を浮かべている。
しまった!やりすぎた!ホーリーブレードは貫通力がありすぎたんだ!
「すいません!えっと、誰か治療できる人は!」
「慌てるな……アルノ。『土魔法・アースヒール』」
抑えていた手から光があふれ傷口をふさいでいく。良かった!
「本当にすいませんでした、あんな事になるなんて……」
「いや、かまわんさ。模擬戦で怪我をする事なんて日常茶飯事だ。しかし『魔法剣』とは驚いたぞ。」
「それが今の小僧の全力、というわけだな。オーファス殿から話は聞いている、そのスキルはこの国にとって特別なスキルだ。技を磨きさらに精進せよ、わかったな?」
「はい!」
こうして騎士団での訓練は幕を閉じた。
◇
「ジャイネン、お前はどう思った?」
「試合前に騎士団長に聞いてはいましたが、『剣聖』と『神速』は確かに使っていたようですね。でなければ青騎士団筆頭騎士である私とここまで戦えはしませんよ。まだ戦闘に対する経験が不足している感はありますが、見込みはありますな。」
「そうだな、本来のお前の型なら勝てただろうからな。」
「次は私も本来の型でお相手させてもらいましょう、楽しみです。」
◇
城を出た僕達は今後の予定を決めるべく、まずはオーファスさんに貰った地図に書いてあった宿屋へ向かう事にした。オススメ!と書いてあったのでオススメなんだろう、多分。騎士団の訓練に参加したり今日は長い一日だったな。ミリスは具体的な目標が出来た事でやる気に満ちた目をしている、しばらくは朝つきあってる訓練が厳しいものになりそうだ……
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