僕はスキルで思い出す

魔法仕掛けのにゃんこ

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二章 王都バッシュテン編

再び王都へ

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人魚のアクラを助けた次の日、残りの買い物を済ませた僕らは馬車に乗り一路王都へと出発した。

座席に座るミリスの髪には、アクラから貰った髪飾りが日に当たり輝いている。そういえば『神眼』のスキルを覚えたんだっけ、ためしに使ってみようかな。

潮騒の紅玉:人魚の一族に伝わる秘宝を参考に作られたレプリカの紅玉。レプリカではあるが火の魔力が籠められており、使用者の魔力を足す事により火の矢を放つ事が出来る。この矢は籠められた魔力がなくなるまで消える事がなく、水の中でも使う事ができる。

なんと、魔道具だったようだ。『神眼』のレベルは1しかないけど、スキル自体が最上位スキルなのでたいていの物は鑑定できてしまうようだ。これで鑑定できない物って一体なんなんだろうか?
それにしても火の矢を放つ事ができるって言うのはかなりいいんじゃないかな、ミリスは接近戦しか出来ないタイプだったから、戦闘の選択肢が広がるし。後で教えておこう。

そういえば、知恵の指輪を買った時に聞こえた声はオーリンだったような気がする。指輪も一応鑑定してみるかな……

知恵の指輪(双子の指輪):パズルになっていて2つに分けられる。青いラインが入っているのが男の子用、赤いラインが入っているのが女の子用、サイズは補正されます。(この指輪は双子の神ジェノンの加護を得ており、指輪をつけたもの同士で念話を行う事ができる。指輪の腹側を触りながら念じると相手に伝わる。)

!これって凄くない?どのくらいの距離まで使えるのかわからないけど、村くらいの広さで使えるようならそうとう使える魔道具だ。ちょっと試してみよう……

『ミリス、ミリス、聞こえる?』

「え?何?アルノ今呼んだ?」

びっくりした顔でそんな事を言う。

『この間買った指輪に隠された機能があったんだ、指輪の腹側を触りながら心の中で念じてみて。』

『こ、こう?』

『そうそう!口が動いてないのに話せるって変な感じだね。』

後々王都に戻った時に調べたら、王都の端と端でも話ができるのを確認した。凄いんだけど、これによっていつでもミリスからのありがたいお言葉(お願い)が届くようになってしまった……別にいいけど……



王都への帰路も半分を過ぎた頃、丁度見晴らしのよい丘を進んでいた時に、北東の方角に何だか豪華な馬車とそれを守るように走っている騎兵が何騎か見えた。どうやらあっちも王都に向かっているようだが、問題は馬車の後方にいる光っている巨大な鳥……見えているなら鑑定できるかな?『神眼』!

サンダーバード:ランクA・雷を纏った巨鳥、大きく広げた翼から雷を降らせる事ができる。鉤爪はミスリルよりも硬く雷の魔力を持っているため貴重品とされる。雷系の魔法は吸収するが、土系の魔法に弱い。

ランクA!なぜあんな魔物に追いかけられているんだろう?単純に獲物だと思われているんだろうか、でもこの辺にあんな魔物がいるなんて話は聞いたことがないけど。

「アルノ!どうしよう?」

「助けたいのは山々だけど……」

この馬車に乗ってるのは僕らだけじゃない、他に行商人のおじさんや、子供連れの母親もいる。

「冗談じゃねぇよぅ!このままじゃあっちと合流する道に行っちまうから、わき道はいっかんな!」

御者さんはそう言うと左の小道に馬車を向けた。サンダーバードから逃げている馬車をもう一度見てみる……ん?馬車の屋根の装飾の部分で揺れているのは何だろう?『神眼』!


サンダーバードの卵:雷の力を秘めた卵。とても硬くて特殊なハンマーでないと割れない。内側からは割れるので雛的には問題ない。

あれか!多分あの卵を追いかけてるんだ。あの卵をおろす事ができればなんとかなるかもしれない。




ステータス
名前 アルノ
種族 人間
職業 狩人
ユニークスキル 『思い出す』
        『魔法剣Lv1』
        『神眼Lv1』

スキル     『腕力強化Lv3』
        『集中Lv2』
        『気配察知Lv1』
        『剣聖Lv1』
        『神速Lv1』
        『神聖魔法Lv1』
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