僕はスキルで思い出す

魔法仕掛けのにゃんこ

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二章 王都バッシュテン編

サンダーバードと王様

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「ミリス!あの馬車の手助けをしてくるからこの馬車の方をお願い!」

僕はそう言って転がり落ちた、一応草むらを選んだけど思ったより痛い。とと、そんな事よりも……あっちの馬車の通り道に先回りしなくちゃいけない、この距離なら間に合うはず。



きた!

僕は道の脇に陣取ると護衛の騎兵をやりすごし、馬車が通過するのにあわせて『神速』を使い並走。なんとか馬車の後部に取り付いた。

「なんだ貴様は!」

馬車の窓から顔を出したおじさん?がこっちに詰問してきた。今はそんな場合じゃない、僕は無言で馬車の屋根に上ると卵を確認した。

「おじさん!あのサンダーバードは屋根に乗ってる卵を追っています!馬車から降ろしてかまいませんね?」

「なんじゃと?そんなものが乗ってると言うのか!降ろしてかまわん、この馬車の安全を確保するのに協力いたせ!」

僕は無言で1つうなずき、卵を屋根に固定してあった縄をほどき左手で抱えた。馬車の下部まで恐る恐る降りると、馬車から飛び降りるタイミングを計る。

「おじさん!少し速度を落としてください!このままでは降りられません!」

「わかった、少しまっとれ!」

おじさんが御者に伝えたようで速度が少し落ちてくる、サンダーバードは一度馬車を追い抜き旋回して戻ってくるようだ。今のうちだ!僕は卵を抱えたまま飛び降りた、卵は相当頑丈らしいけどもし割れたらと思うとこれしかなかった。

卵を持ったまま道から少しはずれて草むらに置く。さらに少し離れて様子を見ることにした、これで帰ってくれればいいんだけど……
サンダーバードは地面ぎりぎりまで降りてくると卵を足で抱えて飛び上がった。あっと言うまに遠くに飛んでいってしまった、ふぅ……無事にすんでよかった!



指輪を使いミリスと無事の確認をしあっていると、騎兵が一騎僕のところまで来た。

「私はアレスガルド王国、クレイド陛下直属親衛隊のクローヴィスと申す。どうやらそなたの協力で魔物を追い払う事ができたようだ、感謝する。この先の開けたところで陛下の馬車が休んでおられるのだが、お主に礼の言葉をかけたいとおおせなので来ていただけまいか?」

クレイド陛下!隣国に行っているという話しだったっけ、丁度帰りが重なったみたいだな。バッシュテンで謁見する予定にはなってるけど、別に早くてもいいよね。

「かしこまりました。謹んでお受けさせていただきます!」



クローヴィスさんの馬の後ろに乗せてもらって馬車との合流地点にやってきた。騎兵が二列に並んで馬車までの道を作っている。
手前で降ろされた僕はクローヴィスさんに連れられて馬車の手前まで歩いて行き跪いた。馬車から1人降りてきた気配がする。

「お主が先程の若者じゃな?陛下からお言葉がある。そのまま待つが良い。」

どうやら今降りてきたのはさっきのおじさんのようだ、大臣とかそんな感じの人なのだろうか……もう1人降りてきた。

「私がアレスガルド国王、クレイド・ナーシェム・アレスガルドである。面をあげよ。」

恐る恐る顔をあげると、そこには国王陛下が此方を見下ろしていた。まだ30歳くらいのはずだが恐ろしいまでの威厳を感じる、ユーフィリス王女と同じ銀髪にこちらを見透かすような青い瞳、武人としても有名な陛下だが、筋肉もりもりと言うよりは引き締まった体型をしている。

「お主の名を聞かせてもらおうか。」

その涼しげな声に答えようとしたが、僕の口から出てきた言葉は……

「やっと帰ってきたぞ!クレイド!」

陛下の名前を呼び捨てにしていた……







ステータス
名前 アルノ
種族 人間
職業 狩人
ユニークスキル 『思い出す』
        『魔法剣Lv1』
        『神眼Lv1』

スキル     『腕力強化Lv3』
        『集中Lv2』
        『気配察知Lv1』
        『剣聖Lv1』
        『神速Lv1』
        『神聖魔法Lv1』
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