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第三章/赤羽裕璃
Episode040/善と悪(前)
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(67.)
九月二十七日、金曜日の帰路での出来事だった。
その日は瑠璃は異能力者保護団体に行っていて、僕は通常どおり学校に登校していた。可能ならば瑠璃と同行したいが、毎回そういうわけにもいかないらしい。
そんなわけで瑠衣と二人で帰宅する流れとなり、いつもどおりの帰り道を雑談しながら帰っていた。
まだまだ日差しは暑く、そろそろ秋だというのに、漂う空気の匂いはまだ夏の残り香を感じるくらいだ。
「あのさ……瑠衣って自分が同性愛だってカミングアウトしたの?」
以前から気になっていたが、瑠璃がいるから訊けなかった事を訊ねてみた。
「なんで? 私、ビアンじゃない、よ?」
「いやいやいや、だって瑠璃に対して『私がレズだから?』みたいなこと言ってたじゃん」
「……言ってない」
健忘症かな?
どうやら考えずに口から発された言葉だったらしい。
でも、瑠璃はもう瑠衣がレズだと認識しているのか、特別驚いている様子は見られなかった。ありすもいい加減察しているだろうし、バレていないと思っているのは自分だけーーというやつか。
「きょう、家に来る?」
「え……な、なんで?」
「姉さんがいないから……」
そんな『きょう両親いないから』的なノリで誘われても……瑠璃がいなければなんだっていうんだ。
でも、べつに暇だし行ってもいいかな……でも、瑠璃に知られたら何て言われるか……うーむ。
しばらく言葉を濁しながら二人で歩き細道に入ろうとしたところ、一台の車が急に路肩に止まった。なんだなんだと様子を見ると、なにやら見慣れた顔のひとが車の窓から窺えた。
すぐに窓が下がり、運転者がこちらに顔を向ける。
「やあ、久しぶりだね。ちょっと今、時間は空いているかい?」
「ーー! 陽山……さん?」
そこには、陽山月光の姿。よくよく見ると、助手席にも見覚えのある顔ーーたしか、赤羽源吾さんがいた。
「だれ? 助手席のひとは、ヤクザだよね?」
瑠衣は首を傾げながら僕に問う。
それはそうだろう。赤羽さんは会ったことがあるが、陽山は瑠衣どころか瑠璃とも面識はない。知らなくて当然の相手だ。そもそも、殺し屋と瑠衣を積極的に関わらせたくないとすら思う。
……大輝さんの気持ちがわからないでもなくなってきた。
でも……この殺し屋は、ありすが嫌っている殺し屋。要は敵対同士にあるかもしれない存在だ。あまり繋がりを持たせたくないと思うのも至極普通のことだろう。
「え、えっと……知り合いのおじさん」
「へー」
どうやら納得してくれたらしく、瑠衣は興味なさそうな表情を浮かべ、そのまま手持ちぶさたに空を見上げる。
「ちょっと訊きたいことがあるからよ。少し付き合ってくれねぇか?」
赤羽さんは強面を僕に向けながら、頼むように片手をたたせる。
「えっと……」
「悪いな瑠衣ちゃん。少し豊花ちゃんを借りてくぜ?」
「……わかった」
僕が答えるまえに瑠衣は了承した。納得はいっていない様子だけど。しぶしぶという感情がこちらにまで伝わってくる。
「じゃあ後部座席に乗ってくれ。すんません、アニキ。少し窮屈ですが許してください。あ、まえに乗りますか?」
……アニキ?
赤羽さんの、アニキ?
多分、兄貴じゃなくてアニキが乗っている横に座れと?
血の繋がりじゃなくって、盃を交わしたほうのアニキの横に?
「はっ、べつに構わねーよ。おい、嬢ちゃん。さっさと乗ってくれ。窓空けてると空気が暑くなってしょうがねぇからよ」
後部座席を力強く開け放ったのは、サングラスをした赤羽さんよりヤの風貌を漂わせているおっさんだった。
「あ、どうも……る、瑠衣、じゃあね……」
「……また明日」
明日は土曜日、休みだよ?
瑠衣はとぼとぼと一人で細道に入っていった。
ごめん、瑠衣……でも、赤羽さんが裕璃のことをどう考えているか知りたいというのもあるんだ。
僕はサングラスおじさんの隣に、身を小さくしながら乗り込んだ。
「間に合ってよかったよ。君たちならこの道を通るかと思って、本当なら待つつもりだったんだ」
なぜなにどうして陽山がそのことを知っているんだ?
すぐに車は発進し、見慣れた町並みを横目にする。
「えっと、なんの用事でしょうか?」
殺し屋、ヤクザ、ヤクザ大物の異様な空気のなか、14歳少女がひとり。すごいドキドキする。赤羽さんがいなかったらぜったいに乗り込まずに逃げていただろう。
「こいつの娘のことを訊きたいんだってよ。悪いな嬢ちゃん」
「あ、あの、僕は杉井豊花っていいます」
「そうか嬢ちゃん」
わざとだろうか?
「大海のアニキだって、舞香ちゃんが傷負わされたときに暴走したじゃないっすか……それに俺の場合、実の娘っすよ? 娘みたいなものだからって、さすがにーー」
ガツンっと激しい音を立てながら、サングラスーー大海さんは助手席を蹴り飛ばす。
そのまま赤羽さんの髪の毛を引っ張り、座席に向かって引っ張る。
「生意気なこと言ってんじゃねぇよ。いつからおまえは目上の人間に意見するまで偉くなったんだ? ああ?」
「す、すいません……謝ります、二度と言いません」
「ちっ、グダグダ言ってねーで訊きたいことあんならさっさと訊けボケが」
大海さんは赤羽さんから手を離し、音を立てて座席に座り直した。
こ、怖いんですけど……実際の兄弟とは全然違うんだなぁ……。
「豊花ちゃん、訊きたいことってのは、裕璃のことだ」
「は、はい。でも、僕に答えられることがあるかどうか……」
「学校の例の事件も、舞香ちゃんたちと敵対する相手とつるんでやらかした事、両方知ってるって話じゃねぇか」
「まあ、一応」
知っていることになるんだろうか。
「裕璃が最後の日、俺に向かって『愛を元どおりにして豊花に気に入られるようにする』って言って出掛けたんだ。豊花ちゃん、なにかあいつに言われたのか? どうしてあいつは俺を待たずに自らの手を汚したんだ?」
「……」
答えづらい。
それを知ってどうするつもりなんだろう?
「あいつの行いに正当性はあったのかが知りたいんだ。豊花ちゃんは、あいつが悪人だから罪を犯したのか、それとも犯罪するだけの理由があるのか、どう思う?」
「悪人……ではないと思います」
そうだ。
べつに裕璃は、悪人ではないはずだ。
手段は悪かったけど、自分がされたことに復讐しただけじゃないか。
関係ないひとも一人殺害したらしいけど、金沢があんなことをしなければ、裕璃は異能力者になってもいなかったはず。せめて少年院とかに入れさせられるくらいで、拷問まがいな行為まで受ける必要はない!
「そうか……なら、やっぱり俺は自分を捨ててでも助けるべきだよな」
「え?」
赤羽さんも、裕璃を助け出したいと思っているのか。
そりゃそうか。父親だし、娘を助けたいと考えるのは普通のことかもしれない。
「こいつはぐずぐず悩みやがって、犯罪者の娘を助けるべきか、素直に罰を受けさせるか葛藤してやがるんだよ。てめぇひとりで助けだそうと思っても、どうにもならないっつーのにな」
「……ひとりじゃないです。自分も協力します」
そうだ。僕も裕璃がああなった業を背負っているんだ。瑠璃には悪いけど、やっぱり未だに迷いは晴れない。なら、瑠璃を安全な場所に逃がしてやるくらいはしなくちゃいけないだろう。
ーー豊花? きみ自身が捕まる可能性があることを考えたほうがいい。あまり自分の責だと思い込まないほうがいいぞ?ーー
ユタカ、それくらいはわかっている。けど、やっぱりなにかしらしなければいけない気がするんだ。
「おいおい、お嬢ちゃんが加わったくらいで状況は一変しねぇぞ?」
「いえ、青海さんーーじゃなくって、舞香さんが助けるなら協力してくれると言ってました」
「ああ?」
空気が凍った。
大海さんはドスの効いた声で瞳を睨ませる。
「舞香ちゃんを巻き込むのはやめろ」
「でも、言っていたんです。まえに助けようとしたときに失敗して、隙を見て助け出すのに協力してくれるーーって」
「そりゃ本当かい? なら心強い」
「赤羽、黙ってろ」
「アニキも心配なら、助けるのに協力して舞香ちゃんを守ってあげればいいじゃないっすか」
「黙ってろっつったのが聞こえねーのか、ああ!?」
車内がシーンと静まり返る。
こ、怖い。赤羽さんと違ってよく怒鳴るなぁ……。
「やれやれ、車内での喧嘩はやめてくれないかな? 空気が不味くなる」
「うるせぇ、殺し屋風情が。もういい、愛のある我が家へ向かえ。直接舞香ちゃんに言って聞かせてやる」
「わかった、好きにしてくれ。やれやれ、ヤクザ者はこれだからたちが悪い」
「黙って運転しろ。てめぇごときすぐに闇に葬れるんだからな?」
「おお、怖いねぇ」
陽山はどこまでも飄々とした態度をとっている。
口と裏腹に怖がっている様子はない。
ニヤニヤとした表情で車を走らせるだけだ。
……あれ、このまま愛のある我が家に行くの?
(68.)
「いらっしゃいませ。そろそろ来る頃だと思っていましたよ」
愛のある我が家の一室にたどり着き、開口一番で沙鳥さんに言われたことがそれだった。
「ああ……大海さんもいらしていたんですね。赤羽さんも」
「嵐山の嬢ちゃん、舞香ちゃんはいるかい?」
室内に入るなり、大海さんは沙鳥さんに問い詰めるように訊く。
「ちょうどいらっしゃいますよ? なにかご用件が?」
「いいから舞香ちゃんを出せ。話したいことがある」
「べつに構いませんが、いったいなんのご用事でしょうか?」
「うるせぇ、さっさと出しやがれ」
沙鳥さんはしぶしぶといった感じに室内のリビングへとみんなを招き入れる。
そこには、きょうは人数があまりいないのか、舞香さん以外には誰もいなかった。
「あら、大海のオヤジじゃない」
舞香さんは気さくに大海さんに気づいて声をかける。
「オヤジはやめろ、大海でいい。それよりも」大海さんはずいっと舞香さんに顔を近寄らせた。「こいつの娘を助け出す手伝いなんて危険な真似を、またするつもりか?」
「ありゃりゃ、大海さんに伝えたのね?」
舞香はこちらを横目で見ながら呟くように言った。
「ええ、今すぐには無理だけど、助けるのに微力を尽くすつもりよ?」
「……やめろや。おまえはあそこが危険な場所だって知っているだろうが」
大海さんは、子どもに言って聞かせるように言葉を紡ぐ。赤羽さんたちに対する態度とかなり違う。
「俺はヒヤヒヤしっぱなしなんだよ。リベリオンズの襲撃時の傷もまだ癒えてねぇだろうが。だいたい、一度捕まってひどい目に遭わされただろうが。やめとけやめとけ」
「そうね。たしかに危ないからすぐに手を出すつもりはないわ。でもね、その子には借りがあるのよ」
舞香さんは僕を一瞥する。
……あんまり役に立っていなかったようにも思えるけど……僕、なにかしたっけ?
「おい、危険な目に遭うとわかってて、自ら行くのを許すと思うか?」
大海さんは、少しドスの効いた声で舞香さんを牽制する。
「許す許されないじゃなくて、私がやりたいかやりたくないかで決めるわ。止めるならどうぞお好きに。でも、必死の抵抗はさせていただくわ」
「ちっ……そしたら俺が留めるのは無理じゃねぇか。おい、赤羽」
大海さんは頭を掻きむしりながら、赤羽さんに顔を向ける。
「なんですか?」
「わかってんだろうな、てめぇ。舞香ちゃんに怪我のひとつでも負わせてみろ。おまえの墓場が廃棄物処理場になりたくなかったらな?」
「……わかってますよ」
赤羽さんは少しびくびくしながら返事する。
……やっぱり、同じくらいの強面でも、立場の違いでこんなにも差があるんだなぁ……。
「俺たち大海組も手伝えることは手伝う。だがよ、上の総白組にまで泥はつけられねぇ。あくまで手伝うのは大海組(うち)までの範囲だ」
「ありがとうございます、大海さん」
舞香さんには弱いのだろうか、赤羽さんにやったような乱暴は舞香さんにはしない。それどころか、可能なかぎり手伝うとすら言ってくれた。
「とはいっても、こちらにも準備があります。瑠奈さんはネタの売買で忙しい最中ですし、留守番係の朱音さんは異世界に赴いていて、もうひとりの留守番係にできそうな翠月さんも少女売春倶楽部の営業で忙しい。澄さんとゆきさんは遠征中ーーまあ、澄さんは今回協力してくれないでしょうけど」だから、と沙鳥さんはつづけた。「まずは大海さんに頼んで、あちら側の情報収集をお願いできますか?」
「たくっ、仕方ねぇ。おい、帰ったらやること増えるからな、赤羽?」
大海さんはだいぶ落ち着いたのか、説得を諦めたのか、赤羽さんに顔を向けた。
「わかってますよ、アニキ。自分の娘を助け出すためだ。四の五のいわずに尽力しますって」
赤羽さんはホッとしたような顔をする。
「あの……僕はなにをすれば……?」
「豊花さんはしばらく指示があるまで、普段どおりの暮らしを満喫していてください。ああ、もし可能でしたら、ありすさんにでも戦術指南を受けてみてはいかがでしょうか?」
え……ありす、まだぼろぼろだから無理な気が……あれかな?
ありすから指南を受けた瑠衣にでも頼めばいいか。
「ですが、あなたはまだ一般市民。裕璃さんを助け出す代償として、最悪あなたが捕まってしまうかもしれませんよ?」
「あ……」
そうだった。頭のなかが興奮して、あまり考えていなかった。
裕璃を無理やり助け出すことに成功したとして、自分の人生はどうなる?
「手だてはありますが……一応、異能力者保護団体は私たち愛のある我が家に所属するメンバーには、易々と手を出せない契約を交わしています」ですから、と沙鳥さんはつづけた。「あなたも愛のある我が家の一員になりませんか? もちろん、仕事を手伝ってもらったりすることになるでしょうけど」
愛のある我が家の、メンバーに……?
でも、それって、悪の反対である善の異能力者保護団体に所属している僕は、やってはいけない行為なんじゃなかろうか。
そうなったら、もしかしたら瑠璃や瑠衣に幻滅されるかもしれない。
「まあまあ、焦らずゆっくりと考えてくださいね。時間はまだありますから」
「……」
善(異能力者保護団体)と悪(愛のある我が家)ーーどちらを僕は取ればいいんだろうか。
もしも悪についたら、せっかく恋仲になった瑠璃に嫌われるかもしれない。
それは嫌だ……。
でも、自分のせいで捕まってしまった裕璃を見捨てるのも気にかかる。
「ちょっと……考えさせてください」
「ええ。時間はまだありますからね。ただ、悩みすぎていると、手遅れになる可能性もあるとだけ、胸に刻んでおいてください」
「……」
僕は無言で、愛のある我が家をあとにした。
九月二十七日、金曜日の帰路での出来事だった。
その日は瑠璃は異能力者保護団体に行っていて、僕は通常どおり学校に登校していた。可能ならば瑠璃と同行したいが、毎回そういうわけにもいかないらしい。
そんなわけで瑠衣と二人で帰宅する流れとなり、いつもどおりの帰り道を雑談しながら帰っていた。
まだまだ日差しは暑く、そろそろ秋だというのに、漂う空気の匂いはまだ夏の残り香を感じるくらいだ。
「あのさ……瑠衣って自分が同性愛だってカミングアウトしたの?」
以前から気になっていたが、瑠璃がいるから訊けなかった事を訊ねてみた。
「なんで? 私、ビアンじゃない、よ?」
「いやいやいや、だって瑠璃に対して『私がレズだから?』みたいなこと言ってたじゃん」
「……言ってない」
健忘症かな?
どうやら考えずに口から発された言葉だったらしい。
でも、瑠璃はもう瑠衣がレズだと認識しているのか、特別驚いている様子は見られなかった。ありすもいい加減察しているだろうし、バレていないと思っているのは自分だけーーというやつか。
「きょう、家に来る?」
「え……な、なんで?」
「姉さんがいないから……」
そんな『きょう両親いないから』的なノリで誘われても……瑠璃がいなければなんだっていうんだ。
でも、べつに暇だし行ってもいいかな……でも、瑠璃に知られたら何て言われるか……うーむ。
しばらく言葉を濁しながら二人で歩き細道に入ろうとしたところ、一台の車が急に路肩に止まった。なんだなんだと様子を見ると、なにやら見慣れた顔のひとが車の窓から窺えた。
すぐに窓が下がり、運転者がこちらに顔を向ける。
「やあ、久しぶりだね。ちょっと今、時間は空いているかい?」
「ーー! 陽山……さん?」
そこには、陽山月光の姿。よくよく見ると、助手席にも見覚えのある顔ーーたしか、赤羽源吾さんがいた。
「だれ? 助手席のひとは、ヤクザだよね?」
瑠衣は首を傾げながら僕に問う。
それはそうだろう。赤羽さんは会ったことがあるが、陽山は瑠衣どころか瑠璃とも面識はない。知らなくて当然の相手だ。そもそも、殺し屋と瑠衣を積極的に関わらせたくないとすら思う。
……大輝さんの気持ちがわからないでもなくなってきた。
でも……この殺し屋は、ありすが嫌っている殺し屋。要は敵対同士にあるかもしれない存在だ。あまり繋がりを持たせたくないと思うのも至極普通のことだろう。
「え、えっと……知り合いのおじさん」
「へー」
どうやら納得してくれたらしく、瑠衣は興味なさそうな表情を浮かべ、そのまま手持ちぶさたに空を見上げる。
「ちょっと訊きたいことがあるからよ。少し付き合ってくれねぇか?」
赤羽さんは強面を僕に向けながら、頼むように片手をたたせる。
「えっと……」
「悪いな瑠衣ちゃん。少し豊花ちゃんを借りてくぜ?」
「……わかった」
僕が答えるまえに瑠衣は了承した。納得はいっていない様子だけど。しぶしぶという感情がこちらにまで伝わってくる。
「じゃあ後部座席に乗ってくれ。すんません、アニキ。少し窮屈ですが許してください。あ、まえに乗りますか?」
……アニキ?
赤羽さんの、アニキ?
多分、兄貴じゃなくてアニキが乗っている横に座れと?
血の繋がりじゃなくって、盃を交わしたほうのアニキの横に?
「はっ、べつに構わねーよ。おい、嬢ちゃん。さっさと乗ってくれ。窓空けてると空気が暑くなってしょうがねぇからよ」
後部座席を力強く開け放ったのは、サングラスをした赤羽さんよりヤの風貌を漂わせているおっさんだった。
「あ、どうも……る、瑠衣、じゃあね……」
「……また明日」
明日は土曜日、休みだよ?
瑠衣はとぼとぼと一人で細道に入っていった。
ごめん、瑠衣……でも、赤羽さんが裕璃のことをどう考えているか知りたいというのもあるんだ。
僕はサングラスおじさんの隣に、身を小さくしながら乗り込んだ。
「間に合ってよかったよ。君たちならこの道を通るかと思って、本当なら待つつもりだったんだ」
なぜなにどうして陽山がそのことを知っているんだ?
すぐに車は発進し、見慣れた町並みを横目にする。
「えっと、なんの用事でしょうか?」
殺し屋、ヤクザ、ヤクザ大物の異様な空気のなか、14歳少女がひとり。すごいドキドキする。赤羽さんがいなかったらぜったいに乗り込まずに逃げていただろう。
「こいつの娘のことを訊きたいんだってよ。悪いな嬢ちゃん」
「あ、あの、僕は杉井豊花っていいます」
「そうか嬢ちゃん」
わざとだろうか?
「大海のアニキだって、舞香ちゃんが傷負わされたときに暴走したじゃないっすか……それに俺の場合、実の娘っすよ? 娘みたいなものだからって、さすがにーー」
ガツンっと激しい音を立てながら、サングラスーー大海さんは助手席を蹴り飛ばす。
そのまま赤羽さんの髪の毛を引っ張り、座席に向かって引っ張る。
「生意気なこと言ってんじゃねぇよ。いつからおまえは目上の人間に意見するまで偉くなったんだ? ああ?」
「す、すいません……謝ります、二度と言いません」
「ちっ、グダグダ言ってねーで訊きたいことあんならさっさと訊けボケが」
大海さんは赤羽さんから手を離し、音を立てて座席に座り直した。
こ、怖いんですけど……実際の兄弟とは全然違うんだなぁ……。
「豊花ちゃん、訊きたいことってのは、裕璃のことだ」
「は、はい。でも、僕に答えられることがあるかどうか……」
「学校の例の事件も、舞香ちゃんたちと敵対する相手とつるんでやらかした事、両方知ってるって話じゃねぇか」
「まあ、一応」
知っていることになるんだろうか。
「裕璃が最後の日、俺に向かって『愛を元どおりにして豊花に気に入られるようにする』って言って出掛けたんだ。豊花ちゃん、なにかあいつに言われたのか? どうしてあいつは俺を待たずに自らの手を汚したんだ?」
「……」
答えづらい。
それを知ってどうするつもりなんだろう?
「あいつの行いに正当性はあったのかが知りたいんだ。豊花ちゃんは、あいつが悪人だから罪を犯したのか、それとも犯罪するだけの理由があるのか、どう思う?」
「悪人……ではないと思います」
そうだ。
べつに裕璃は、悪人ではないはずだ。
手段は悪かったけど、自分がされたことに復讐しただけじゃないか。
関係ないひとも一人殺害したらしいけど、金沢があんなことをしなければ、裕璃は異能力者になってもいなかったはず。せめて少年院とかに入れさせられるくらいで、拷問まがいな行為まで受ける必要はない!
「そうか……なら、やっぱり俺は自分を捨ててでも助けるべきだよな」
「え?」
赤羽さんも、裕璃を助け出したいと思っているのか。
そりゃそうか。父親だし、娘を助けたいと考えるのは普通のことかもしれない。
「こいつはぐずぐず悩みやがって、犯罪者の娘を助けるべきか、素直に罰を受けさせるか葛藤してやがるんだよ。てめぇひとりで助けだそうと思っても、どうにもならないっつーのにな」
「……ひとりじゃないです。自分も協力します」
そうだ。僕も裕璃がああなった業を背負っているんだ。瑠璃には悪いけど、やっぱり未だに迷いは晴れない。なら、瑠璃を安全な場所に逃がしてやるくらいはしなくちゃいけないだろう。
ーー豊花? きみ自身が捕まる可能性があることを考えたほうがいい。あまり自分の責だと思い込まないほうがいいぞ?ーー
ユタカ、それくらいはわかっている。けど、やっぱりなにかしらしなければいけない気がするんだ。
「おいおい、お嬢ちゃんが加わったくらいで状況は一変しねぇぞ?」
「いえ、青海さんーーじゃなくって、舞香さんが助けるなら協力してくれると言ってました」
「ああ?」
空気が凍った。
大海さんはドスの効いた声で瞳を睨ませる。
「舞香ちゃんを巻き込むのはやめろ」
「でも、言っていたんです。まえに助けようとしたときに失敗して、隙を見て助け出すのに協力してくれるーーって」
「そりゃ本当かい? なら心強い」
「赤羽、黙ってろ」
「アニキも心配なら、助けるのに協力して舞香ちゃんを守ってあげればいいじゃないっすか」
「黙ってろっつったのが聞こえねーのか、ああ!?」
車内がシーンと静まり返る。
こ、怖い。赤羽さんと違ってよく怒鳴るなぁ……。
「やれやれ、車内での喧嘩はやめてくれないかな? 空気が不味くなる」
「うるせぇ、殺し屋風情が。もういい、愛のある我が家へ向かえ。直接舞香ちゃんに言って聞かせてやる」
「わかった、好きにしてくれ。やれやれ、ヤクザ者はこれだからたちが悪い」
「黙って運転しろ。てめぇごときすぐに闇に葬れるんだからな?」
「おお、怖いねぇ」
陽山はどこまでも飄々とした態度をとっている。
口と裏腹に怖がっている様子はない。
ニヤニヤとした表情で車を走らせるだけだ。
……あれ、このまま愛のある我が家に行くの?
(68.)
「いらっしゃいませ。そろそろ来る頃だと思っていましたよ」
愛のある我が家の一室にたどり着き、開口一番で沙鳥さんに言われたことがそれだった。
「ああ……大海さんもいらしていたんですね。赤羽さんも」
「嵐山の嬢ちゃん、舞香ちゃんはいるかい?」
室内に入るなり、大海さんは沙鳥さんに問い詰めるように訊く。
「ちょうどいらっしゃいますよ? なにかご用件が?」
「いいから舞香ちゃんを出せ。話したいことがある」
「べつに構いませんが、いったいなんのご用事でしょうか?」
「うるせぇ、さっさと出しやがれ」
沙鳥さんはしぶしぶといった感じに室内のリビングへとみんなを招き入れる。
そこには、きょうは人数があまりいないのか、舞香さん以外には誰もいなかった。
「あら、大海のオヤジじゃない」
舞香さんは気さくに大海さんに気づいて声をかける。
「オヤジはやめろ、大海でいい。それよりも」大海さんはずいっと舞香さんに顔を近寄らせた。「こいつの娘を助け出す手伝いなんて危険な真似を、またするつもりか?」
「ありゃりゃ、大海さんに伝えたのね?」
舞香はこちらを横目で見ながら呟くように言った。
「ええ、今すぐには無理だけど、助けるのに微力を尽くすつもりよ?」
「……やめろや。おまえはあそこが危険な場所だって知っているだろうが」
大海さんは、子どもに言って聞かせるように言葉を紡ぐ。赤羽さんたちに対する態度とかなり違う。
「俺はヒヤヒヤしっぱなしなんだよ。リベリオンズの襲撃時の傷もまだ癒えてねぇだろうが。だいたい、一度捕まってひどい目に遭わされただろうが。やめとけやめとけ」
「そうね。たしかに危ないからすぐに手を出すつもりはないわ。でもね、その子には借りがあるのよ」
舞香さんは僕を一瞥する。
……あんまり役に立っていなかったようにも思えるけど……僕、なにかしたっけ?
「おい、危険な目に遭うとわかってて、自ら行くのを許すと思うか?」
大海さんは、少しドスの効いた声で舞香さんを牽制する。
「許す許されないじゃなくて、私がやりたいかやりたくないかで決めるわ。止めるならどうぞお好きに。でも、必死の抵抗はさせていただくわ」
「ちっ……そしたら俺が留めるのは無理じゃねぇか。おい、赤羽」
大海さんは頭を掻きむしりながら、赤羽さんに顔を向ける。
「なんですか?」
「わかってんだろうな、てめぇ。舞香ちゃんに怪我のひとつでも負わせてみろ。おまえの墓場が廃棄物処理場になりたくなかったらな?」
「……わかってますよ」
赤羽さんは少しびくびくしながら返事する。
……やっぱり、同じくらいの強面でも、立場の違いでこんなにも差があるんだなぁ……。
「俺たち大海組も手伝えることは手伝う。だがよ、上の総白組にまで泥はつけられねぇ。あくまで手伝うのは大海組(うち)までの範囲だ」
「ありがとうございます、大海さん」
舞香さんには弱いのだろうか、赤羽さんにやったような乱暴は舞香さんにはしない。それどころか、可能なかぎり手伝うとすら言ってくれた。
「とはいっても、こちらにも準備があります。瑠奈さんはネタの売買で忙しい最中ですし、留守番係の朱音さんは異世界に赴いていて、もうひとりの留守番係にできそうな翠月さんも少女売春倶楽部の営業で忙しい。澄さんとゆきさんは遠征中ーーまあ、澄さんは今回協力してくれないでしょうけど」だから、と沙鳥さんはつづけた。「まずは大海さんに頼んで、あちら側の情報収集をお願いできますか?」
「たくっ、仕方ねぇ。おい、帰ったらやること増えるからな、赤羽?」
大海さんはだいぶ落ち着いたのか、説得を諦めたのか、赤羽さんに顔を向けた。
「わかってますよ、アニキ。自分の娘を助け出すためだ。四の五のいわずに尽力しますって」
赤羽さんはホッとしたような顔をする。
「あの……僕はなにをすれば……?」
「豊花さんはしばらく指示があるまで、普段どおりの暮らしを満喫していてください。ああ、もし可能でしたら、ありすさんにでも戦術指南を受けてみてはいかがでしょうか?」
え……ありす、まだぼろぼろだから無理な気が……あれかな?
ありすから指南を受けた瑠衣にでも頼めばいいか。
「ですが、あなたはまだ一般市民。裕璃さんを助け出す代償として、最悪あなたが捕まってしまうかもしれませんよ?」
「あ……」
そうだった。頭のなかが興奮して、あまり考えていなかった。
裕璃を無理やり助け出すことに成功したとして、自分の人生はどうなる?
「手だてはありますが……一応、異能力者保護団体は私たち愛のある我が家に所属するメンバーには、易々と手を出せない契約を交わしています」ですから、と沙鳥さんはつづけた。「あなたも愛のある我が家の一員になりませんか? もちろん、仕事を手伝ってもらったりすることになるでしょうけど」
愛のある我が家の、メンバーに……?
でも、それって、悪の反対である善の異能力者保護団体に所属している僕は、やってはいけない行為なんじゃなかろうか。
そうなったら、もしかしたら瑠璃や瑠衣に幻滅されるかもしれない。
「まあまあ、焦らずゆっくりと考えてくださいね。時間はまだありますから」
「……」
善(異能力者保護団体)と悪(愛のある我が家)ーーどちらを僕は取ればいいんだろうか。
もしも悪についたら、せっかく恋仲になった瑠璃に嫌われるかもしれない。
それは嫌だ……。
でも、自分のせいで捕まってしまった裕璃を見捨てるのも気にかかる。
「ちょっと……考えさせてください」
「ええ。時間はまだありますからね。ただ、悩みすぎていると、手遅れになる可能性もあるとだけ、胸に刻んでおいてください」
「……」
僕は無言で、愛のある我が家をあとにした。
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断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
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断罪まで、あと10分。
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なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
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50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
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