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第六章/平凡な非日常
Episode147╱伊勢原青&楠瀬美里
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(211.)
12月27日(木)。
学校創立記念日も終わり、普段通りの平日がやってきた。
本来なら既に学校も休みだけど、例の事件で伸びて28日からになっている。
普段どおりといっても、これからは毎週普通になりたい同好会に出向くことになる。
肌寒い空気が頬を切り、思わず身震いしてポケットに手を入れてしまう。
「おは……よう」
瑠衣が後ろから頬をツンツンしてくる。
思わずビクッとしてしまった。
「寒いんだからやめてよ……」
「私も、寒い、仲間」
「豊花も瑠衣も情けないわねー」
そういう瑠璃は制服の上からなにも羽織っていない
姉妹でこうも違うのか?
「もうすぐ休みねー。やることなくて暇よ」
「姉さん、異能力者保護団体、いく」
「そりゃ行くけど、あまりひとが来なくてね」
ピコーンと頭に閃いた。
「あのさ、こんなときにあれなんだけどさ、瑠璃」
「なに?」
「デートとか行かない? 二人きりで。いやいや深い意味はないんだけど」
「私は?」
瑠衣は今度埋め合わせをするから!
「私はべつにいいわよ? どこにいくの?」
考えてなかった……。
「なら、私がまえまえから行ってみた場所でいいかな?」
「え、あ、うん。もちろんだよ」
「越谷レイクタウン」
「こし? まあうん、そこにしよう」
と言いながらスマホで検索。
げげ、めちゃくちゃ広いショッピングモールじゃないか!
お金たりるかな……って杞憂な心配だったな。
通帳にはお金が沢山あるし、瑠璃も金持ちだし。
「じゃあ約束ね」
「砂風、私は」
「瑠衣にはきちんと別の場所に連れていってあげるから」
こんなふうに校門をくぐり抜け、各地の教室へとむかった。
(202.)
授業が終わり、普通になりたい同好会の門を潜ると、なぜか黒ひげ危機一髪を楽しんでいる一向がいた。
「かー、わたしの負けね。廊下走るついでにトイレ行ってくるわ」
楠瀬がトイレに向かう。
ここぞとばかりに、伊勢原に事情を訊く。
やはり歪なのだ。どうして数あるなかから伊勢原にターゲットを決めたのかいまいちわからない。
「伊勢原は本当の友達がほしくて同好会に入ったんでしょ?」
「あ、はい……」
「ならこうして遊んでいる仲間は友だちじゃないの?」
「ただ単に僕が不細工だから」
「不細工なら、言っちゃ悪いけど他にもたくさんいる!」
「おい、杉井。やめてやれ」
「でも!」
こんな金銭でやり取りする友達なんておかしい!
楠瀬が帰宅してきた。
くそ、“もしも私に過去を見るちからがあれば……”
「うっ! げぇぇ!」
「おい杉井」
急に嘔吐してしまった。
ーー慣れないちからを使おうとするからだ!ーー
苦しみ始める私に対して、皆それぞれ応急措置を始める。
みんなが心配するなか、私はたしかに伊勢原と楠瀬の過去を垣間見る。
いや、伊勢原は思い出せない。
楠瀬が伊勢原と最初に会ったのはゲームセンター。不良に絡まれているなか、伊勢原が手を引き「ごめん、遅れた」と手を引っ張って助けたうっ!
はあはあ……ダメだ。未来視ができるならと思ったけど、過去視はきつい。
ーーむちゃくちゃなちからの使い方をするからだ! 金輪際そのちからはつかうんじゃない!ーー
そして、その過去を見せられていたのは私たちだけではないらしい。
周りの空先輩に、田井中先輩、柊、伊勢原、そして楠瀬までも私の想起あるいは妄想した過去が脳裏に流れてしまったらしい。
皆唖然としている。
楠瀬がしばらく無言でいると、涙を流した。
「もういい、もういいわよ! おしまい! 友だちごっこはおしまい!」
楠瀬がもういい! と今までもらったらしきくしゃくしゃになった現金を伊勢原の机叩きつけ走り去っていった。
「屋上……きっと屋上だ!」
伊勢原はなにかをようやく思い出したようで、屋上へ繋がる廊下を走り出した。
楠瀬は屋上の塀に佇んでいる。
「危ないからやめろ!」「いったん話を聴く、降りるんだ」「弱いから降りるなら強くなれ」「楠瀬!」「これ以上学校に死体を増やすんじゃない!」
誰だいま不謹慎なことをほざいたやつ。
「私が伊勢原先輩に会ったのはゲームセンターだった」と語り始めた。
ゲームセンターでたちの悪い不良数名に絡まれていたとき、伊勢原先輩は臆せず不良に混ざり、私を待ち合わせのひとだと偽って助けてくれた。
その日は楽しかったわ、久しぶりにぼっちの私に話しかけてくれるひとがいてくれるなんて……?
高校が同じで嬉々として会いにいった貴方はどうなっていたか。あなたもぼっちだった。
そうよ。この性格が仇となっていじめられていたの。
でも、自分から友だちになってなんてクズな発言、私自身許せなかった。
「だから友だち料金なんかをせしめたんだな」空先輩は集めていた金銭を見せつけた。
「それがあれば、どんなに私に幻滅しても、友達になってくれるでしょ? でもごっこ遊びはおしまい。誰かさんのせいで、これが仮初めの友達ごっこだって自覚したの」楠瀬は息を飲む。「ごめん……お金は全部返す。友達付き合いしてくれてありがとうーーさよなら」
「これが」空先輩から伊勢原から金銭を奪い取り、宙に向かって投げ飛ばす。「なんだっていうんだよ」
「本当の友達になりたかった。お願いだよ、楠瀬ーーいや美里!」
伊勢原はたったひとりの友人に走り出す。
「きみがいなくなったらぼくは本当のぼっちだ。頼むからそんな真似しないでくれ! お金なんてどうでもいいなら、他に改善して見せるから、死ぬだなんて考えないでくれ」
楠瀬は美里と名前で呼ばれたことに動揺し動きを一瞬止めた。
その隙に伊勢原は今まで見せたことのない全身全霊の走りを見せつけた。
楠瀬の腕をガッシリ掴み取る。
「金銭のやり取りをつづけたっていい、つづけなくたっていい。僕の唯一無二の大切な友達なんだよ、美里は!」
「いいの? あんな酷いこと言いまくったりしまくったりしていたのに?」
「うん、だから、これならも友達だ」
二人がひしりと抱き締めたところで予鈴がなった。
なにはともあれ、問題のひとつは解決した。
ーーなにか、どこかで見たことのあるやり取りだったな……。ーー
そこは気にしないでおこう。
涙で顔を張らした二人にハンカチを渡し、私たちは遅れて授業に向かうのだった。
12月27日(木)。
学校創立記念日も終わり、普段通りの平日がやってきた。
本来なら既に学校も休みだけど、例の事件で伸びて28日からになっている。
普段どおりといっても、これからは毎週普通になりたい同好会に出向くことになる。
肌寒い空気が頬を切り、思わず身震いしてポケットに手を入れてしまう。
「おは……よう」
瑠衣が後ろから頬をツンツンしてくる。
思わずビクッとしてしまった。
「寒いんだからやめてよ……」
「私も、寒い、仲間」
「豊花も瑠衣も情けないわねー」
そういう瑠璃は制服の上からなにも羽織っていない
姉妹でこうも違うのか?
「もうすぐ休みねー。やることなくて暇よ」
「姉さん、異能力者保護団体、いく」
「そりゃ行くけど、あまりひとが来なくてね」
ピコーンと頭に閃いた。
「あのさ、こんなときにあれなんだけどさ、瑠璃」
「なに?」
「デートとか行かない? 二人きりで。いやいや深い意味はないんだけど」
「私は?」
瑠衣は今度埋め合わせをするから!
「私はべつにいいわよ? どこにいくの?」
考えてなかった……。
「なら、私がまえまえから行ってみた場所でいいかな?」
「え、あ、うん。もちろんだよ」
「越谷レイクタウン」
「こし? まあうん、そこにしよう」
と言いながらスマホで検索。
げげ、めちゃくちゃ広いショッピングモールじゃないか!
お金たりるかな……って杞憂な心配だったな。
通帳にはお金が沢山あるし、瑠璃も金持ちだし。
「じゃあ約束ね」
「砂風、私は」
「瑠衣にはきちんと別の場所に連れていってあげるから」
こんなふうに校門をくぐり抜け、各地の教室へとむかった。
(202.)
授業が終わり、普通になりたい同好会の門を潜ると、なぜか黒ひげ危機一髪を楽しんでいる一向がいた。
「かー、わたしの負けね。廊下走るついでにトイレ行ってくるわ」
楠瀬がトイレに向かう。
ここぞとばかりに、伊勢原に事情を訊く。
やはり歪なのだ。どうして数あるなかから伊勢原にターゲットを決めたのかいまいちわからない。
「伊勢原は本当の友達がほしくて同好会に入ったんでしょ?」
「あ、はい……」
「ならこうして遊んでいる仲間は友だちじゃないの?」
「ただ単に僕が不細工だから」
「不細工なら、言っちゃ悪いけど他にもたくさんいる!」
「おい、杉井。やめてやれ」
「でも!」
こんな金銭でやり取りする友達なんておかしい!
楠瀬が帰宅してきた。
くそ、“もしも私に過去を見るちからがあれば……”
「うっ! げぇぇ!」
「おい杉井」
急に嘔吐してしまった。
ーー慣れないちからを使おうとするからだ!ーー
苦しみ始める私に対して、皆それぞれ応急措置を始める。
みんなが心配するなか、私はたしかに伊勢原と楠瀬の過去を垣間見る。
いや、伊勢原は思い出せない。
楠瀬が伊勢原と最初に会ったのはゲームセンター。不良に絡まれているなか、伊勢原が手を引き「ごめん、遅れた」と手を引っ張って助けたうっ!
はあはあ……ダメだ。未来視ができるならと思ったけど、過去視はきつい。
ーーむちゃくちゃなちからの使い方をするからだ! 金輪際そのちからはつかうんじゃない!ーー
そして、その過去を見せられていたのは私たちだけではないらしい。
周りの空先輩に、田井中先輩、柊、伊勢原、そして楠瀬までも私の想起あるいは妄想した過去が脳裏に流れてしまったらしい。
皆唖然としている。
楠瀬がしばらく無言でいると、涙を流した。
「もういい、もういいわよ! おしまい! 友だちごっこはおしまい!」
楠瀬がもういい! と今までもらったらしきくしゃくしゃになった現金を伊勢原の机叩きつけ走り去っていった。
「屋上……きっと屋上だ!」
伊勢原はなにかをようやく思い出したようで、屋上へ繋がる廊下を走り出した。
楠瀬は屋上の塀に佇んでいる。
「危ないからやめろ!」「いったん話を聴く、降りるんだ」「弱いから降りるなら強くなれ」「楠瀬!」「これ以上学校に死体を増やすんじゃない!」
誰だいま不謹慎なことをほざいたやつ。
「私が伊勢原先輩に会ったのはゲームセンターだった」と語り始めた。
ゲームセンターでたちの悪い不良数名に絡まれていたとき、伊勢原先輩は臆せず不良に混ざり、私を待ち合わせのひとだと偽って助けてくれた。
その日は楽しかったわ、久しぶりにぼっちの私に話しかけてくれるひとがいてくれるなんて……?
高校が同じで嬉々として会いにいった貴方はどうなっていたか。あなたもぼっちだった。
そうよ。この性格が仇となっていじめられていたの。
でも、自分から友だちになってなんてクズな発言、私自身許せなかった。
「だから友だち料金なんかをせしめたんだな」空先輩は集めていた金銭を見せつけた。
「それがあれば、どんなに私に幻滅しても、友達になってくれるでしょ? でもごっこ遊びはおしまい。誰かさんのせいで、これが仮初めの友達ごっこだって自覚したの」楠瀬は息を飲む。「ごめん……お金は全部返す。友達付き合いしてくれてありがとうーーさよなら」
「これが」空先輩から伊勢原から金銭を奪い取り、宙に向かって投げ飛ばす。「なんだっていうんだよ」
「本当の友達になりたかった。お願いだよ、楠瀬ーーいや美里!」
伊勢原はたったひとりの友人に走り出す。
「きみがいなくなったらぼくは本当のぼっちだ。頼むからそんな真似しないでくれ! お金なんてどうでもいいなら、他に改善して見せるから、死ぬだなんて考えないでくれ」
楠瀬は美里と名前で呼ばれたことに動揺し動きを一瞬止めた。
その隙に伊勢原は今まで見せたことのない全身全霊の走りを見せつけた。
楠瀬の腕をガッシリ掴み取る。
「金銭のやり取りをつづけたっていい、つづけなくたっていい。僕の唯一無二の大切な友達なんだよ、美里は!」
「いいの? あんな酷いこと言いまくったりしまくったりしていたのに?」
「うん、だから、これならも友達だ」
二人がひしりと抱き締めたところで予鈴がなった。
なにはともあれ、問題のひとつは解決した。
ーーなにか、どこかで見たことのあるやり取りだったな……。ーー
そこは気にしないでおこう。
涙で顔を張らした二人にハンカチを渡し、私たちは遅れて授業に向かうのだった。
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