前代未聞の異能力者-自ら望んだ女体化だけど、もう無理!-

砂風

文字の大きさ
204 / 233
最終章

Episode195╱表社会への浸透

しおりを挟む
(297.)
 一仕事を終え、私たちは風月荘へと帰還を果たした。
 瑠奈は予想以上に疲弊したのか、帰宅そうそう自室に隠って寝ることにしたらしい。
 宮田は既に一発しか放てなくなった銃弾に、時間をかけて多量の神の弾丸を製造することに決めたーーと自室に入っていった。
 当の私はというと、自室で今までの戦果を整理していた。
 忘れやすい自分だと自覚して、古いノートパソコンのメモ帳に、今まで倒してきた神造人型人外兵器の番号をまとめることにした。

 神造人型人外兵器ナンバー2

 神造人型人外兵器ナンバー4

 神造人型人外兵器ナンバー5

 神造人型人外兵器ナンバー7

 神造人型人外兵器ナンバー9

 私が倒しただけでなく、刀子さん率いる宮田さんが倒した敵対者に対しても記入していく。
 これらの神造人型人外兵器の特徴を纏めると、ある類似点が嫌でも頭に入ってくる。
 まずは、神造人型人外兵器は話が通じない。私たちが人外をひとくくりにしているように、神造人型人外兵器は人間を個人ではなく集団と扱っていて、女子どもに対しても容赦ないことが挙げられる。

 また、重要なのは、神造人型人外兵器は異能力者とは異なり、大半の神造人型人外兵器はレーザーもしくはビームのような閃光をーー色彩はそれぞれだがーー主要な武器として用いていることだ。
 単純な攻撃では少し溜めるだけで済むが、無差別に攻撃する場合、不特定多数に無差別な殲滅に使用する場合、はたまた強力な閃光を放つには超時間溜めが入ることも理解できていた。

 残るメンバーであるナンバー3とナンバー6とナンバー8も、これだけ攻める戦法が同一なのだから、同様の技術だと推測できるだろう。


 問題は……ナンバー1と称される澄の存在だ。


 正直、今の段階でーーたとえ神殺しの剣を使えたとしてもーー勝てるビジョンがまるで浮かばない。
 幸い澄は神の誤算で自我を強く持たせてしまったことから、近日登場ということにはならないだろう。
 宮田さんが協力してくれるおかげで、その他のメンバーも同様な力を保持しているだろうが、今回の騒動と同様に、今まで以上に安心感が強まった。

 問題といえば、奴らは神出鬼没な点だろう。
 いくら私たちが倒していくとはいえ、現場に巻き込まれた被害者の数は相当数に上るだろう。男女成人未成年問わずに虐殺されていった被害者に対しては、顔を上げられない。

 そのとき、スマホの着信音が鳴った。
 考えごとの真っ只中だというのに……と文句を垂れるわけにはいかない。
 仕方なくスマホをスライドして通話に出た。

「はい、もしもし」
『も、ももももしもし』

 意外にも電話の主は織川香織だった。

「香織か。何か用?」
『一番人気の動画サイトで愛のある我が家とけけ検索してみてくください……』
「はあ? 動画サイトで愛のある我が家? まあ、わかったけど……」

 ダークウェブにしか広まっていなかった愛のある我が家の情報ーーまさか、誰しも視聴できる動画サイトに出てくるわけが……。
 そう思いながらも、現在日本で一番人気な動画サイトのページを開き、愛のある我が家と検索欄に入れた。

「!?」

 なんとも驚いた。
 画面の目に止まったのは、都市伝説を紹介する配信者の動画タイトルに『極悪異能力犯罪組織愛のある我が家とは?』と書かれている。
 いてもたってもいられなくなり、私は再生ボタンを押した。
 内容を端的に表すと、このような内容だった。

『愛のある我が家は警察や異能力者保護団体ともコネがある現代日本で一番有名な犯罪組織である』

『構成員の名前は、リーダーは嵐山沙鳥、メンバーは青海舞香、現世朱音、二 翠月(故人)、澄(名字不明)、霧城六花、微風瑠奈、杉井豊花、美山鏡子、雪(名字不明)』

『覚醒剤を密売したり、ミカジメ料を搾取したり、闇金で暴利な金額で金貸しをやっていたり、暴力団への献金、気にくわない人の抹消、未成年の売春斡旋など多岐にして渡る』

『警察ともズブズブな関係で、愛のある我が家の犯罪を止めようともしない。こんな悪徳組織が現実にいるだなんて信用できないかもしれませんが、現に愛のある我が家は特殊指定異能力犯罪組織として名義されているんです』

『皆さん、警察は頼りになりません。我々一般市民が平和を守るためにも、手を取り合って組織を解散させましょう!』

 という酷い部分ばかりを切り抜きした動画であった。

 たしかに間違いじゃない情報も多々見受けられたが、私たちにだって警察が手に余る犯罪者を退治したり、平等な取引をしたりといった、ポジティブな面はすべて省かれているのだ。

『ゆ、ゆゆゆ豊花さんなら大丈夫だと思いますが、バッジを着けている手前、気を気を付けろと皆さんに伝えるように、伝えるように言われ……ま、した』
「教えてくれてありがとう。これからは気を付けていくよ」
 
 そのまま通話を切った。
 今まではアンダーグラウンドにしか知らされていなかった愛のある我が家が、ついに表社会にまで進出してしまっている。

 その事に、危機を感じずにはいられなかった。
 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

WIN5で六億円馬券当てちゃった俺がいろいろ巻き込まれた結果現代社会で無双する!

TB
ファンタジー
小栗東〈おぐりあずま〉 二十九歳 趣味競馬 派遣社員。 その日、負け組な感じの人生を歩んできた俺に神が舞い降りた。 競馬のWIN5を的中させその配当は的中者一名だけの六億円だったのだ。 俺は仕事を辞め、豪華客船での世界一周旅行に旅立った。 その航海中に太平洋上で嵐に巻き込まれ豪華客船は沈没してしまう。 意識を失った俺がつぎに気付いたのは穏やかな海上。 相変わらずの豪華客船の中だった。 しかし、そこは地球では無かった。 魔法の存在する世界、そしてギャンブルが支配をする世界だった。 船の乗客二千名、クルー二百名とともにこの異世界の大陸国家カージノで様々な出来事はあったが、無事に地球に戻る事が出来た。 ただし……人口一億人を超えるカージノ大陸と地球には生存しない魔獣たちも一緒に太平洋のど真ん中へ…… 果たして、地球と東の運命はどうなるの?

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...