退魔の少女達

コロンド

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番外編

苦痛と快楽の拷問 3

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意識が深い深い暗闇の中へと沈んでいく中、カナは激痛で目が覚める。

「いぎ……っ!?」

目を覚ますと、目の前には鞭の淫魔バーティスと幻惑の淫魔マジェラが不敵な笑みを浮かべていた。
カナは周囲を見渡し状況を確認する。
ここはおそらくは廃ビルの一室。
両手の手首より先が鞭で雑に締め上げられ、その状態で宙吊りにされていた。
足はつま先だけがギリギリ地面につく状態。
立っているだけで、肩が脱臼してしまいそうだった。

(銃で応戦は……できなそうかな……っ、痛……ッ!)

腕が封じられては銃で攻撃することもできない。
さらに意識がはっきりとしてくると、全身から伝う痛みもはっきりとしてくる。
コートは脱がされ、制服は擦り切れ、体中に鞭で打たれた痛々しい跡があった。
意識を失っている間にも、何度も鞭での攻撃を受け続けたのだろう。
不意に横腹に残る赤く腫れた痕を、バーティスが力任せにぎゅっと掴む。

「あがぁああああッ!?」

あまりの激痛に、まだぼやけていた意識が一気に覚醒する。
傷痕をグニグニと手で揉みしだかれ、カナは目を見開き絶叫する。

「傷の回復のペースが落ちているな。精気を失った影響か」
「ぐっ……はな、せぇ……っ!」
「ふふっ、まだそんな表情ができるとはなッ!」

傷口に触れていたバーティスの爪が針のように細く長く伸び、親指から小指まで、五本の指でカナの傷口を突き刺す。

「あぐっ、うぁあああああッ!?」

あの荊の鞭と同じ、苦痛を与えることに特化した神経毒が、カナの体に注入される。
それは今まで幾千もの淫魔と戦い死線をくぐり抜けてきたカナでさえ、意思の力で抵抗できないほどの激痛。
敵を前に強がりを見せることさえも不可能。
傷口に針が刺されている間、カナはまるで赤子のように泣き叫ぶ。

「はい、そこまで」

そう言ってマジェラがバーティスの肩をポンと叩くと、バーティスは不服そうな顔で爪を引き抜いた。

「……ッ! かはっ……あっ……かひゅ……っ」

爪が引き抜かれてからもジンジンとした痛みが続く。
カナの額は一瞬で汗だくになり、乱れた呼吸を必死に戻そうとする。

「痛かったね~、大丈夫? 退魔師さん?」

バーティスと入れ替わるようにマジェラはカナに近づくと、擦り切れた制服の合間に指を差し込む。

「なっ……やめっ、んん……っ」

そしてシルクの黒いブラ越しに胸を揉まれる。

「んぁ……何の、つもり……っ!?」
「何のつもりって、いやいやこれが淫魔の性分でしょ? 私たちは快楽に溺れる女の子がだーいすき。たまーにあいつみたいな変な性癖の子もいるけどね」

マジェラはチラと視線をバーティスの方へ向ける。
バーティスは仁王立ちで二人のことを後ろから見つめていた。

「でも今は私の時間。全身の痛みのことは忘れて、今は私と一緒に気持ちよくなりましょ?」

そう言ってマジェラは指をパチンと鳴らした。

「――っ!? んぎぃううッ!?」

その瞬間、カナの体がびくんと跳ねる。
ただ指を鳴らされただけなのに、カナの体はみるみるうちに熱く火照っていく。

「な、何を……した……っ!?」
「ふふっ、私は幻惑の淫魔。人を惑わす力の持ち主。視界を惑わし幻を見せることもできれば、人の感覚を惑わすことも可能。今のあなたは痛みという感覚を完全に忘れて快楽としか感じるこのできない体になったの」
「そんな、こと……んぁあああっ!?」

マジェラは右手でカナの乳房を揉みしだきながら、先ほどバーティスが爪を突き刺した腹部を優しく撫で上げる。

「あは、エッチな声出ちゃったね! ブラ越しでも胸の先端がぷくーって大きくなってきてるのが分かるよ!」
「いやっ……あっ!? ふぁあああッ!?」

マジェラは片方の手で胸を揉みながら、もう片方の手ですりすりとカナの傷口を撫で続ける。
本来なら痛みを感じるはずなのに、カナの口からは甘い嬌声が漏れ続ける。
さらには太ももを撫でられ、スカートの中に冷たいマジェラの指先が入り込む。

「黒い下着、エッチだね~。なぁに、もう濡れてるの?」
「んああッ!? さ、触るなぁッ……いぁああっ!」

マジェラはカナの体中を舐め回すように撫で上げていく。
鞭で打たれて腫れた場所を指が通り過ぎるたびに、体がビクンビクンと不規則に震える。
つい先ほどまで苦痛に悶えていた体が、今は快楽に溺れ出す。
先ほどまで受けていた苦痛が全て快楽に変換されるという未知の体験に、カナは何もできず、ただただされるがままに体を弄ばれ続けた。

「やめ……っ、ん……うぅん……っ!」
「うわ~、うわわ~~! すっごい蕩けたいい表情! もうイキそうなのかな? もうイキたいよね? 大丈夫だよ、もう完全に出来あがっちゃってるから、すぐイけるよ? ほら、まだ触れてないここ、ここ虐めたら……きっとすぐにイけちゃうよ……」

そう言って、マジェラの指先がカナのショーツ越しに陰核に近づく。
自分の体がもう絶頂の直前まで体が昂ぶっていることなど、カナ自身も自覚していた。

「や、め……」

口から漏れる情けない声。
そんな自分の声に、嫌悪の感情すら抱いてしまう。
指先があと数センチのところまで近づいたその瞬間、カナはぎゅっと目を瞑った。

「時間だ」

突然バーティスがそう呟く。
するとマジェラの指先が、カナの体に触れる直前で止まる。

「え~もう時間?」
「ああ、きっちり三分だ」
「ちぇ~」

不服そうな顔でカナの側を離れるマジェラ。
カナは何が起きているのか理解できずにいた。

「ごめんね退魔師さん。三分毎に交代の約束なの」
「……? どう、いう……」

言っている言葉の意味を理解するより先に、マジェラがパチンと指を鳴らす。
その瞬間、カナにかかっていた魔法が解ける。

「――ンッ!? ぃうう……ッ、この、感覚は……ッ!」

体の中にジンジンと残り続けていた痛みの感覚が再びやってくる。
カナはすぐに、今まで快楽に変換されていた痛みの感覚が元に戻ったのだと理解した。

「そう、これからは痛みの時間だ!」

マジェラと入れ替わるように今度はバーティスが楽しげな笑みを浮かべながらカナに近づく。
そして間髪入れずに、拘束されて動けないカナの体にバーティスを鞭の一撃を叩き込む。

「――ッ、あぁあアアアッ!!」

バチンと痛々しい音が鳴り響き、カナは悲痛な絶叫を上げる。
腰の辺りに強い衝撃を受け、宙吊りにされたカナの体がゆらゆらと揺れる。

「さっきはイク寸前まで気持ちよくされたのに、ごめんね~。でも三分交代ルールって最初から決めてたの」
「そう、だから今から三分間はひたすらにお前の悲痛な悲鳴を聞かせてもらうぞ、退魔師!」

――バチィン!

今度は脇の下あたりに強い衝撃が走る。

「ぐぁあああッ!!」

肋骨が折れるような感覚に、カナは身悶えする。

(だめ、こんな攻撃……防御もできずに何度も浴び続けたら……っ!)

このままではいけない、なんとかしなければと思うものの、両手の自由を奪われては何もできない。
そうしてカナはバーティスにされるがままに体中に鞭を打たれていく。
腕、腹部、太もも……
バチンバチンと鞭を打つ音が響くたびに、宙吊りにされているカナの体はゆらゆらと揺れる。

「ふははッ! まるでサンドバッグだなぁ! ほら、ほらッ!」
「ぎッ……ぐぅっ……あっ、ああああああッ!?」

バーティスは体中から触手のように伸ばした鞭を不規則なタイミングでカナの体に打ち込む。
そのせいで次の攻撃はいつ、どこからくるのか全く予測できない。
意識の外側からやってくる鞭の一撃に怯えながら、カナはひたすらに激痛に耐え続ける。

「もうすぐ三分だよ~」

後ろで見ていたマジェラがバーティスに向けて声をかける。
長いようで短い三分。
そもそも激痛に耐えている間、カナに時間を数える余裕などなかった。

「ちっ、もうか……じゃあ最後に一番いいのをくれてやろう」

バーティスは二本の鞭をカナの両足に伸ばし、足首に絡み付けると、両方の鞭を引っ張り無理やり股を開かせる。

「な、何を……っ! や、やめっ――」
「激痛に昇天するがいい」

何をするのか気づいたところで、カナに抵抗する手段はない。
大きく開かれたカナの股を目がけて、太い鞭が振り下ろされる。

――バチィンッ!

「――い、ぎッ!? あがぁア”ア”ア”ア”ア”ア”ッ!!」

鞭が肌を叩く音と同時に、カナは獣のような声で絶叫する。
狭く密閉された空間の中で、彼女の悲鳴だけが反芻する。
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