発情紋章を刻まれた真面目な召喚士ですが、契約精霊たちに甘やかされて困ってます。

閑話休題

シェラがひとりで頑張ろうとしたけど無理だった話（Side:アクア）②＊

　くちゅ、といういやらしい水音とともに、脚がひらかれ、蜜壷が目の前に晒される。

「……シェラ、さま」
「おねがい……あ、あ、……自分で、さわって、も……きもちよく、なれない、のっ」

　喉首がうごく。意識があるときは恥ずかしがって――以前舐めた時には太ももで挟まれてしまって大変だったのに――。

「ねえ、アクア、さんーーっ、んっ、ぁああっ、あっ、」

　今のシェラ様はあられもない恰好で、下品に股を開いて――目の前に、蕩けた秘部をさらけ出している。
　目の前にいるのがわたくしだと、うっすらわかっていながら。

「……っ、触れますよ」
「んっ、は、ぁっ」

　しゃがみ込み、そっと指先でふれる。
　薄桃色の粘膜は、うれしそうに震えた。熟した果実のような――艶やかなそこはなまめかしく涎を垂らし続けていた。

「ここが、お好きなんですね？」
「あくうっ、ふ、ふ、ふうんんっ！！　そ、そう……しゅきっ！！」

　くちゅくちゅ、とわざと大きく音が立つように膣口をいじれば、それだけでシェラ様は身体をのけぞらせた。すでに達しそうなほどに甘く、その喉奥が叫ぶ。

「ああ、ねえっ、ねえ、そこっ、そこっいいの、もっともっと……っ」
「普段は嫌々お言いなのに、今日は随分と素直なんですね？」

　意地悪な気持ちになってしまう。ちゅく、ちゅく、と引っかくようにしてわざと内部を刺激せずに縁だけを擦り上げるようにすればあぁあんっ、ともどかしげにその細い腰が揺れる。

「ほんとは、いつもも、いやじゃないのっ、ほんとは、きもちいっておもって、おもってるの、ほんと、なのっ」
「では、シェラ様は本当はとってもいやらしいんですね？」
「そうなの…でもみんなにあきれられちゃうから、ひとりでがんばるの、でもひとりだと全然…きもちよくなれなっひゃっあっあっ！！」

　じゅ、と指で触れながら唇を当てる。じゅる、と蜜を散々すいとって舐ったあと、舌を指で散々弄った場所に載せればそれだけでもどかしげに腰がガクガクと揺れ動く。

「やぁあ、舌っ、した、きもちいの、ひゃああ、あ、くあさんの、したぁ、あぁっ」

　もだえるその身体をやや強く抑え、逃げを打つ腰をぐい、と引き寄せる。

「あああ、感じ、過ぎちゃう、これ、これね、こえっ、あっ！！！」」

　ぐぐっと腰が持ち上がり、背が反らされる。

「ああああっ、いい、っ、イクイ、ク、………や、だめっ」

　華奢な身体が震える。ひぐ、と涙交じりの声が愛らしすぎて、そのまま乱暴に腰を掴んで押さえつけてしまった。

「あくっ、あ、さんっ」

　名を呼ばれると、我慢できない――柔い肉を食むように軽く歯を立てた瞬間、その全身が大きく跳ねた。

「んん、ぁあああっ――――っ！！！！」

　そのままぷしゃ、と軽く潮を吹きシェラ様は脱力した。

「……っ、ひゃあ、あ、あ…あ……っ、やぁ、あだ、みない、れ……っ」

　潮が止まらない。ぶしゅぶしゅと勢いがなくなっても周囲にいやらしくまき散らしながら、ひくひくと秘部は蠢く。
　シェラ様は肩で荒く息を吐き、ベッドの上を濡らしていった。

　元々散々、薬と汗で塗れていたそこがさらに蜜であふれ――なんとも、いやらしい光景が目の前には広がっていた。
　汗と汁、そしてこぼれた媚薬で濡れたベッドシーツ。潮をまきちらし、濡れている肌。
　熱っぽい視線とあえぐ吐息。浅く息をするたびに、胸のふくらみがかすかにゆれる。

「ん……はあ……はあ……」

　シェラ様は達して朦朧としているのか、ぼんやりと頬に手を当てている。しかしその身体にはまだうっすらと紋章が残っていた。

「アクア、さん……っ、あり、がと……」

　普段なら達した後は顔を真っ赤にしてそむけるか、そのまま気をやってしまうシェラ様。
　今日は、違った。ふにゃ、と柔らかい笑みを浮かべたままするりとこちらに手を伸ばしてくる。
　そして――

「シェラ様！？」

　不意を突かれたせいで、わたくしは床に転がってしまい――馬乗りになられてしまった。
　そして。

「キス……して……？」

　ニコニコとまだ欲の海に漂っているシェラ様からぐい、と顔を近づけられ、さすがに戸惑う。
　キスは治療、といいきるには――さすがに我欲が乗り過ぎているのではないだろうか。

「キスは、その――好きな方と、」
「アクアさんが、しゅき、だからするんだよ……っ」
「シェラ様……っ、……？　シェラ様……っ」

　馬乗りになっているからだがゆっくりと沈む。
　とんでもない発言だけを残し、腕の中ですやすやと眠るシェラ様。

　その華奢な身体を抱きしめながら、そっと——額に口づける。

「わたくしを……好いて、くださっているんですね」

　シェラ様にとっては、精霊はみな同格。わかっている、「みんな大好き」の好きなのだ、とは。
　それでも。

「嬉しいですよ、シェラ様」

　そっと胸の中のぬくもりと抱きしめて思う。
　離したくない――誰にも、わたしたくないと。