【後日談有り】わたしを孕ませてください! ー白の令嬢は、黒の当主の掌で愛に堕ちるー

さわらにたの

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エピローグ/後日談

23. 時を越えて(7)*

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 シアは、愛らしい外見とそれにそぐわぬ勇気と無鉄砲さ……もとい、たくましさを持っている。
 特に華奢なその身体つきに可憐な顔、可愛らしい声に品のある所作は、一目見て惹きつけられてしまうのだ。
 結婚一周年として開いた先日のパーティーで、シアに向けられる来客者の、特に男どもの眼差しは、物珍しい”白”を眺めるだけでなかった。色香の籠った視線。シア自身が気づいていなかったのが幸いだが、妻をジロジロと不躾ぶしつけに欲を乗せた目で眺められるのは、不快以外の何ものでもない。
 シアと居ると気づかされてしまう。自分がどれだけ心が狭く、どれだけ嫉妬深く、彼女をどれだけ愛しているかを。

 自分でいいのか、とは常に思っている。
 歯の浮くような褒め言葉も、相手を喜ばせるような言葉も紡げない。若くもない、地位はそれなりに高いがシアとて三大名家の息女だ、元よりそんなものはいらないだろう。
 外見も、けなされこそしないが、冷たいと言われることが多い。十歳で家督を継いだ時から「威厳を」と常にいわれたせいか、感情をだすこともろくになく、愛想がないからだろう。

 性急な手つきで愛おしい妻の寝衣を肩から落としながら、エルナドは思う。
 彼女ならば、こんな王の政略に巻き込まれなければ、本当はもっといい相手が見つかったかもしれない、と。
 だが、誰にも渡さない。シアは、私の妻だ。



 夜も更け、寝台横の魔道具のランプが柔らかく揺れている。
 エルナドの手の下、シアはそっと目を伏せていた。
 恥じらいなのか、それともこれからすることへの期待なのか。そっと首筋に吸い付くようにしてキスを落とすと、あぁ、と彼女は声を震わせた。いつもより、声が高い気がする。そのまま舌で舐めるようにすれば、あ、あ、と荒い息とともにその身体が揺れた。

「だめ、エル、だめ……っ」
「だめじゃないだろう」
「だめ、なの……っ、だって、そこ、跡が見えちゃう、ねえ、ああっあっ」

 悲鳴じみたその喘ぎ声が可愛くて、もっと聞きたくて、首筋を噛むように愛撫する。
 シアは耳の近くが弱い。それを知っているのも自分だけでいいと思うし、血管にそって舐めれば細かく身を縮ませるその姿も自分だけが見ていればいいと思う。
 私のものだ。白くその細い首筋と、この肢体、そして優しい心根は、全てまるごと私に委ねられている。

「ひ、ぃんっ、あっ、……エルっ、エルっ」
「シア……」

 合間に叫び声のように呼ばれ、名を呼び返す。感じているのか涙目になっているシアが愛おしくて、そっとその髪に指を差し入れて梳かした。
 白金の美しい髪。絹糸のような手触り。私の髪よりも細くずいぶんと柔らかいそれは一度触れるとなかなか手放せない。そして撫でる、それだけで向けられる、うっとりとした眼差し。かすかに潤んでいる紫色の瞳を伏せ、弧を描くその顔はひどく愛らしい。
 そのまま手のひらを胸の頂に滑らせて軽く揉む。すり、と擦るように愛撫しながら、唇を重ねて中に舌を差し入れた。

「んっ、んっ」

 舌を重ねて先で愛撫するだけでびくんと身体が跳ねるようにしなる。この敏感な反応だと口だけで達してしまうかもしれない。優しくしてあげたい――という気持ちと、反するように現れる、乱れさせたいという欲求。

「っは、ぁっ、はうっんっ」

 身体を軽く押さえつけ、上から体重をかけるようにして唇をむさぼる。口の合間から声を漏らしながら、シアの腰がうごめき、びく、びく、と小刻みに震えていく。

「んんっ、……っ、んーーっ!!」

 そのまま乱暴に吸い上げれば、ビクンッ、と大きく身体が痙攣して手の力が抜けた。唇を合わせたまま達したせいで、上がるはずだった嬌声は、ふたりの喉奥へと吸い込まれていく。
 そのままじゅう、と口内の唾液を吸い舐めながら唇を離す。
 シアのとろんとした顔が、真っ赤に染まっていた。


(続)
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