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しおりを挟む甘やかな手つきのニコラスによって、ヴィオレッタはその夜、優しく蕩かされ、花を散らせた。
執拗なまでの、丁寧な愛撫。指腹でまだ秘められていた花芯を初めて捏ねられ、はじめて法悦を極めた。内側をなぞりあげるようなゆっくりとした挿入に、身体の奥が燃えるように熱くなって、緊張と快楽、よくわからない感情で涙がポロポロと零れた。
そのたびに、大丈夫かい、と気遣ってくれる優しい声に深く頷く。「ニコ様になら、何されてもいいです」と答えた事ははっきりと覚えている。紛れもなく、それは本心だった。
与えられる淫らな行為と快楽にただただ溺れ――気がつけば朝だった。
カーテン越しの陽光にうっすらと目を開ければ、愛おしそうに自分の髪を撫でているニコラスと視線が合う。
『ニコ、様……?』
『ヴィオちゃん、おはよう』
『お、おはよう、ございます』
さすが、優しいニコ様はアフターケアまで完璧なのね。そう思いながら、ヴィオレッタはニコラスの腕の中からするりと抜け出して起きあがると、寝台と床に落ちていた下着と寝衣を、手早く身につけていった。
抱かれた後悔は、微塵もなかった。だからヴィオレッタはなぜかあっけにとられているニコラスに向かって微笑んで言ったのだった。
『”熱逃がし”が必要な時は、いつでも声を掛けてくださいね、ニコ様』と。
今考えても、最後に余韻なくテキパキ着替えたのは、ムードがなさすぎたのかもしれない。
ニコラスはそのあと、青ざめて絶句してしまったから。
ニコラスは、ヴィオレッタの言葉になぜかものすごく悲しそうな顔をした。そうじゃなくて、と言ったあとその口は止まってしまって――結局、何が言いたかったのかはわからないままだ。
けれどその後、『そうだね、じゃあこれからもお願いするよ』と静かな笑顔で言われ、戦後に毎回、ニコラスはヴィオレッタを抱くようになった。熱逃がしのはずなのに、恋人のように甘やかに誘い、触れ合い、毎回ひどく淫らに身体を蕩かしながら。
(熱逃がしのためならもっと好きに抱いてくれていいのに……ニコ様は、やっぱりおかしな人ね)
どこか釈然としないほんのわずかの違和感を感じながら、ヴィオレッタはこうして半年間、ニコラスに抱かれ続けている。
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