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第一部
第6話:「ふわふわ」*
ふわふわとした夢ごこちから、現実に引き戻されたような気がした。
「うぅ……っうぅう……っ!」
みちみちと肉を裂く音。何かがゴリゴリと身体の奥へと入ってきて、キュウキュウと自分の胎が啼いている。
指一本、入れられているだけなのに異物感で苦しくてたまらない。
おかしい……おかしいよぉ……後学の参考のため、とばかりに読み漁ったそういう本に、こんなシーンはなかった……みんな気持ちよさそうにアンアン喘いでたのにぃ……。
そんな恨みがましい気持ちを抱えながらも、私は悲しくなってうつむいた。
大好きな、タルタロス様の指なのに。指だけじゃない、もっと、もっと……心は、タルタロス様のモノを――ナカに挿れて欲しいのに。もうめちゃくちゃに、して欲しいのに。
気持ちだけが焦って、体がついて行かない。苦しくて、悲しくて、つらい。
「うぅっ……もう、やだぁ……」
「リィン」
「……は、はい! だ、大丈夫、です……から」
「そんな顔の大丈夫があるかよ」
くしゃ、と左手で髪を撫でられて、右手の指がぷちゅ、とゆっくりと抜かれる。しょうがねぇな、の顔だ。頬を左指で掬われて自分が泣いていたことに気づく。
「顔真っ青だぞ、そんな顔すんなって」
タルタロス様に呆れられちゃう――そもそも、私を助けるための行為なのに。
「ごめん、なさい……ごめんなさい、タルタロス、様ぁ……挿れて、欲しいんです、ほしい、の、欲しい、のにぃっ、身体……キュって、痛くてぇっ」
「おうおう泣くなよ、リィン。悪いことじゃねぇって」
なだめるような優しい言葉に、また涙があふれてしまう。
こんなに挿れて欲しいのに。タルタロス様が大好きなのに、子ども扱いされてるのも悔しいし、身体の熱がぐるぐるしてるのも、苦しいし。
「うう……うっ、たるたろす、さまぁ……」
ぽんぽんと背中をなだめるように叩かれて、そして――滲む視界がくるんと回る。
私は、今度は仰向けに寝台に寝かせられていた。
シーツはいつの間にかピカピカで――またタルタロス様、こういうどうでもいいことに魔術使ってる……! とちょっとだけ冷静になる。
「……しゃあねえな、おいリィン、ちょっと股開け」
「っ!? えええ?!」
あんまりにもあんまりな直接的な言葉に目を見開くと、何言ってんだ、みたいな目で見つめられて肩をすくめられた。わ、わたしはタルタロス様大好きだから今の表情と言葉でもキュンと来ちゃうけど、さすがにこ、こんな直接的な言い方はどうかと思う……。
「ま、股開けって、タ、タルタロス様っ、もっと言い方ってありますよね!?」
「あん? 他にねぇだろ。なんだ、もっとやらしい言葉のがいいってか?」
「そ、そんなこと言ってません!!」
「まぁまぁ……で、早く開け、ほぐしてやるよ。このままだと裂けちまう」
「っ、で、でも」
ためらう私。もじ、と脚をすりあわせたところで、タルタロス様がはぁ、とため息を吐く。
「……リィン」
「はい……」
なだめるような、その呼び声。
十三年。タルタロス様にとってはたぶん一瞬だけど、私にとっては長い時間だ。
タルタロス様に名を呼ばれると、はいって返事をしちゃう。体が勝手に動く。逆らえない。
そして、それが……。
――変態、なのかな、わたし、すごく気持ちいい。
「……お、おねがい、します……」
(はずか……しい……)
さっきのふわふわした気持ちのままだったら、まだ恥ずかしくなくてよかったのに。
妙に冷静になってしまったせいで、もう恥ずかしくてたまらない。つらくて、ちょっぴりドキドキしていて、体が熱い。寝台の上で仰向けになったまま、それでもわたしは太腿から脚をしっかりと開いた。
くぱぁ、と音がしそうなほどに濡れた秘部が晒される。
なんだかすうすうする。少し体を動かすだけでぬちゃ、と水音がして、それだけでもう背中がゾクゾクしてしまった。
いやらしい。すごく、エッチなことをしてちゃってる。
――タルタロス様に、わたし、恥ずかしい場所自分で開いて見せつけてるんだ。
(ほぐすって……そんな魔術、あるのかな……)
タルタロス様にとって魔術を使うのは息を吸うのと同じくらい当たり前のこと。ほぐす、なんて言ってたからてっきりさっきのスライムみたいな何かを使うのか思っていたのに――
「ひゃ、ああっ!?」
れろり。
タルタロス様は顔を近づけると、その舌でわたしの秘部をぺろりと舐めた。
文字どおり、しっかりと舌を這わせて。
「ひゃ、ああっあ、あっ!? ちょ、ちょっと待ってくださ……ひ、ぃんっ!!」
待って、って言ってるのに待ってくれない。
タルタロス様からの舌の愛撫が止まらなかった。いや、嫌だ、やめて、恥ずかしいですからと叫んでも、脚をしっかりと掴まれてしまっているから動けないし閉じられない。
ちゅくちゅくと細い舌先で陰唇をつっついて、そのあとにちゅぷちゅぷと膣口に大胆に舌が入り込んでいく。
「ま、待って、まって、ま、まってくださ、……あ、ぁあっ……!! だめ、ダメなのっ」
腰が浮く。身体が、痙攣している。
だって――だって、さすがに、恩人に、こんなところ舐めさせるなんて――
「だ、ダメです、ダメって! いってま、やらぁっ、だめですっ、そんな、きたな」
「汚くねぇよ、うめぇぞ」
「や、め、!! そ、そんなこと、言わないでくださいっ」
「そう言われると、もっと念入りにしゃぶってやりたくなるな」
「ひ、ぃっ、ぃぃっ! はぁ、あ、いじわる、言わない、でっ」
自分の股の間でしゃべられて、吐息が当たって、熱くて、それすらも気持ちが良すぎて。息が浅くて、涙目になる。
恥ずかしくてたまらなくて、辛い。気持ちいい。申し訳ない。
でも一番は――。
「きもち……い……」
(タルタロス様…、すごく、優しく……擦って、くれてる……っ)
指と舌でほどこされる繊細な愛撫。とろりと脳内が溶けてしまいそうな熱が押し寄せて、一度私は体をブルブルブルと痙攣させた。ううん、勝手に痙攣しちゃってる……♡
「おう、気持ちいいか?」
「はぁっ、んっう、うぅうんっ!!」
くちびるがわななく。タルタロス様の大きな指と細かくて繊細な舌先で施される秘部への愛撫。指先が徐々に膣口に入り込んで、その隙間から舌が入り込んで。ちゅくちゅくと水音を立てて拡げていく。
「ああ――っ、あっ、あっ、や、やぁ……っ!」
ヒクヒクと動く自分の秘部の奥から蜜があふれ出しているのがわかる。
止まらない――止められない……。指先が秘部の上、ぷっくり主張している陰核をちょんちょん優しく突く。その瞬間溢れた蜜をじゅるるっるるるうっと下品な音を立てて吸われ、その刺激と行為に私は背をのけぞらせた。
「いやああっ、あぅあふぅ、ああっ、へ、変態ですっ、ああっ、やだ」
やめて、だめ、こんなの、こんなの――叫んでもやめてもらえない。舌と指の速度が増し、激しく擦られて――
「や、や、や、な、なんか、出ちゃうっ、やだやだやだぁああああああああっ!!!」
プシッ、と水音がして、自分の秘部から何かが飛び散る。
ビク、ビク、と腰が勝手にのたうつように動き、まるで電気を通されたかのように激しく痙攣した。
(お、おもらし……しちゃった……?)
さぁ、と青ざめる。どうしよう……ど、どうしよう……。でもタルタロス様はニヤニヤしたまま頬に幾筋か飛んだ汁を、何でもないかのように指で拭っていた。精悍な顔が汗ばんでいて、男らしくて……すごく、格好いい。
「ひゃ、あっ、ご、ごめんな、ごめんなさいいっ、わたし、わたし……」
「大丈夫、これは気持ちいい証拠だ、汚くねぇよ」
「ふぁ……??」
「でも潮吹けりゃ、大丈夫だな。――気持ちよかっただろ」
「し、お……?」
顔を青くしたり赤くしたり忙しくしている私を置いて、なぜかタルタロスさまはその指先をしれっと舐めて、にやりと笑いながら背に腕を回してくる。
「……だいぶ、ほぐれてきたんじゃねえか?」
「あ、ありがとう、ございます……?」
「痛いか?」
くち、と指先を恥ずかしい場所に入れられて軽く曲げられて、軽く出し入れを繰り返される。
ん、と漏れた自分の吐息が、甘い。
「いたくない、です」
「じゃ、……そろそろヤるか」
ひょいっと抱き上げられて、また軽く悲鳴がもれた。
さっきから完全に身体を好き勝手されているけれど、嫌じゃないし怖くないから不思議だ。
向かいあって膝の上に抱き上げられる。腰を掴まれて、すり、とお尻に押し当てられて、ゴリっとする――タルタロス様の、肉棒……
「えっ、えっ、ちょ、と、待っ……」
お、大きい。イメージしてたのと、違う、なんかこう――とにかく、違うのだ。なんか熱くて、ビクビクしてて、別の生き物がそこにいるみたい。
まだ心の準備が、そんな急に……私は慌てるけれど、膣口にはもうその熱いモノが当たっていて、キュウキュウとわたしの膣口が吸いついているのがわかってしまった。
心より先に、カラダが欲しがっている。
タルタロス様と、繋がりたいって。
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