7 / 15
第一部
第6話:「ふわふわ」*
しおりを挟むふわふわとした夢ごこちから、現実に引き戻されたような気がした。
「うぅ……っうぅう……っ!」
みちみちと肉を裂く音。何かがゴリゴリと身体の奥へと入ってきて、キュウキュウと自分の胎が啼いている。
指一本、入れられているだけなのに異物感で苦しくてたまらない。
おかしい……おかしいよぉ……後学の参考のため、とばかりに読み漁ったそういう本に、こんなシーンはなかった……みんな気持ちよさそうにアンアン喘いでたのにぃ……。
そんな恨みがましい気持ちを抱えながらも、私は悲しくなってうつむいた。
大好きな、タルタロス様の指なのに。指だけじゃない、もっと、もっと……心は、タルタロス様のモノを――ナカに挿れて欲しいのに。もうめちゃくちゃに、して欲しいのに。
気持ちだけが焦って、体がついて行かない。苦しくて、悲しくて、つらい。
「うぅっ……もう、やだぁ……」
「リィン」
「……は、はい! だ、大丈夫、です……から」
「そんな顔の大丈夫があるかよ」
くしゃ、と左手で髪を撫でられて、右手の指がぷちゅ、とゆっくりと抜かれる。しょうがねぇな、の顔だ。頬を左指で掬われて自分が泣いていたことに気づく。
「顔真っ青だぞ、そんな顔すんなって」
タルタロス様に呆れられちゃう――そもそも、私を助けるための行為なのに。
「ごめん、なさい……ごめんなさい、タルタロス、様ぁ……挿れて、欲しいんです、ほしい、の、欲しい、のにぃっ、身体……キュって、痛くてぇっ」
「おうおう泣くなよ、リィン。悪いことじゃねぇって」
なだめるような優しい言葉に、また涙があふれてしまう。
こんなに挿れて欲しいのに。タルタロス様が大好きなのに、子ども扱いされてるのも悔しいし、身体の熱がぐるぐるしてるのも、苦しいし。
「うう……うっ、たるたろす、さまぁ……」
ぽんぽんと背中をなだめるように叩かれて、そして――滲む視界がくるんと回る。
私は、今度は仰向けに寝台に寝かせられていた。
シーツはいつの間にかピカピカで――またタルタロス様、こういうどうでもいいことに魔術使ってる……! とちょっとだけ冷静になる。
「……しゃあねえな、おいリィン、ちょっと股開け」
「っ!? えええ?!」
あんまりにもあんまりな直接的な言葉に目を見開くと、何言ってんだ、みたいな目で見つめられて肩をすくめられた。わ、わたしはタルタロス様大好きだから今の表情と言葉でもキュンと来ちゃうけど、さすがにこ、こんな直接的な言い方はどうかと思う……。
「ま、股開けって、タ、タルタロス様っ、もっと言い方ってありますよね!?」
「あん? 他にねぇだろ。なんだ、もっとやらしい言葉のがいいってか?」
「そ、そんなこと言ってません!!」
「まぁまぁ……で、早く開け、ほぐしてやるよ。このままだと裂けちまう」
「っ、で、でも」
ためらう私。もじ、と脚をすりあわせたところで、タルタロス様がはぁ、とため息を吐く。
「……リィン」
「はい……」
なだめるような、その呼び声。
十三年。タルタロス様にとってはたぶん一瞬だけど、私にとっては長い時間だ。
タルタロス様に名を呼ばれると、はいって返事をしちゃう。体が勝手に動く。逆らえない。
そして、それが……。
――変態、なのかな、わたし、すごく気持ちいい。
「……お、おねがい、します……」
(はずか……しい……)
さっきのふわふわした気持ちのままだったら、まだ恥ずかしくなくてよかったのに。
妙に冷静になってしまったせいで、もう恥ずかしくてたまらない。つらくて、ちょっぴりドキドキしていて、体が熱い。寝台の上で仰向けになったまま、それでもわたしは太腿から脚をしっかりと開いた。
くぱぁ、と音がしそうなほどに濡れた秘部が晒される。
なんだかすうすうする。少し体を動かすだけでぬちゃ、と水音がして、それだけでもう背中がゾクゾクしてしまった。
いやらしい。すごく、エッチなことをしてちゃってる。
――タルタロス様に、わたし、恥ずかしい場所自分で開いて見せつけてるんだ。
(ほぐすって……そんな魔術、あるのかな……)
タルタロス様にとって魔術を使うのは息を吸うのと同じくらい当たり前のこと。ほぐす、なんて言ってたからてっきりさっきのスライムみたいな何かを使うのか思っていたのに――
「ひゃ、ああっ!?」
れろり。
タルタロス様は顔を近づけると、その舌でわたしの秘部をぺろりと舐めた。
文字どおり、しっかりと舌を這わせて。
「ひゃ、ああっあ、あっ!? ちょ、ちょっと待ってくださ……ひ、ぃんっ!!」
待って、って言ってるのに待ってくれない。
タルタロス様からの舌の愛撫が止まらなかった。いや、嫌だ、やめて、恥ずかしいですからと叫んでも、脚をしっかりと掴まれてしまっているから動けないし閉じられない。
ちゅくちゅくと細い舌先で陰唇をつっついて、そのあとにちゅぷちゅぷと膣口に大胆に舌が入り込んでいく。
「ま、待って、まって、ま、まってくださ、……あ、ぁあっ……!! だめ、ダメなのっ」
腰が浮く。身体が、痙攣している。
だって――だって、さすがに、恩人に、こんなところ舐めさせるなんて――
「だ、ダメです、ダメって! いってま、やらぁっ、だめですっ、そんな、きたな」
「汚くねぇよ、うめぇぞ」
「や、め、!! そ、そんなこと、言わないでくださいっ」
「そう言われると、もっと念入りにしゃぶってやりたくなるな」
「ひ、ぃっ、ぃぃっ! はぁ、あ、いじわる、言わない、でっ」
自分の股の間でしゃべられて、吐息が当たって、熱くて、それすらも気持ちが良すぎて。息が浅くて、涙目になる。
恥ずかしくてたまらなくて、辛い。気持ちいい。申し訳ない。
でも一番は――。
「きもち……い……」
(タルタロス様…、すごく、優しく……擦って、くれてる……っ)
指と舌でほどこされる繊細な愛撫。とろりと脳内が溶けてしまいそうな熱が押し寄せて、一度私は体をブルブルブルと痙攣させた。ううん、勝手に痙攣しちゃってる……♡
「おう、気持ちいいか?」
「はぁっ、んっう、うぅうんっ!!」
くちびるがわななく。タルタロス様の大きな指と細かくて繊細な舌先で施される秘部への愛撫。指先が徐々に膣口に入り込んで、その隙間から舌が入り込んで。ちゅくちゅくと水音を立てて拡げていく。
「ああ――っ、あっ、あっ、や、やぁ……っ!」
ヒクヒクと動く自分の秘部の奥から蜜があふれ出しているのがわかる。
止まらない――止められない……。指先が秘部の上、ぷっくり主張している陰核をちょんちょん優しく突く。その瞬間溢れた蜜をじゅるるっるるるうっと下品な音を立てて吸われ、その刺激と行為に私は背をのけぞらせた。
「いやああっ、あぅあふぅ、ああっ、へ、変態ですっ、ああっ、やだ」
やめて、だめ、こんなの、こんなの――叫んでもやめてもらえない。舌と指の速度が増し、激しく擦られて――
「や、や、や、な、なんか、出ちゃうっ、やだやだやだぁああああああああっ!!!」
プシッ、と水音がして、自分の秘部から何かが飛び散る。
ビク、ビク、と腰が勝手にのたうつように動き、まるで電気を通されたかのように激しく痙攣した。
(お、おもらし……しちゃった……?)
さぁ、と青ざめる。どうしよう……ど、どうしよう……。でもタルタロス様はニヤニヤしたまま頬に幾筋か飛んだ汁を、何でもないかのように指で拭っていた。精悍な顔が汗ばんでいて、男らしくて……すごく、格好いい。
「ひゃ、あっ、ご、ごめんな、ごめんなさいいっ、わたし、わたし……」
「大丈夫、これは気持ちいい証拠だ、汚くねぇよ」
「ふぁ……??」
「でも潮吹けりゃ、大丈夫だな。――気持ちよかっただろ」
「し、お……?」
顔を青くしたり赤くしたり忙しくしている私を置いて、なぜかタルタロスさまはその指先をしれっと舐めて、にやりと笑いながら背に腕を回してくる。
「……だいぶ、ほぐれてきたんじゃねえか?」
「あ、ありがとう、ございます……?」
「痛いか?」
くち、と指先を恥ずかしい場所に入れられて軽く曲げられて、軽く出し入れを繰り返される。
ん、と漏れた自分の吐息が、甘い。
「いたくない、です」
「じゃ、……そろそろヤるか」
ひょいっと抱き上げられて、また軽く悲鳴がもれた。
さっきから完全に身体を好き勝手されているけれど、嫌じゃないし怖くないから不思議だ。
向かいあって膝の上に抱き上げられる。腰を掴まれて、すり、とお尻に押し当てられて、ゴリっとする――タルタロス様の、肉棒……
「えっ、えっ、ちょ、と、待っ……」
お、大きい。イメージしてたのと、違う、なんかこう――とにかく、違うのだ。なんか熱くて、ビクビクしてて、別の生き物がそこにいるみたい。
まだ心の準備が、そんな急に……私は慌てるけれど、膣口にはもうその熱いモノが当たっていて、キュウキュウとわたしの膣口が吸いついているのがわかってしまった。
心より先に、カラダが欲しがっている。
タルタロス様と、繋がりたいって。
35
あなたにおすすめの小説
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
『完結・R18』公爵様は異世界転移したモブ顔の私を溺愛しているそうですが、私はそれになかなか気付きませんでした。
カヨワイさつき
恋愛
「えっ?ない?!」
なんで?!
家に帰ると出し忘れたゴミのように、ビニール袋がポツンとあるだけだった。
自分の誕生日=中学生卒業後の日、母親に捨てられた私は生活の為、年齢を偽りバイトを掛け持ちしていたが……気づいたら見知らぬ場所に。
黒は尊く神に愛された色、白は"色なし"と呼ばれ忌み嫌われる色。
しかも小柄で黒髪に黒目、さらに女性である私は、皆から狙われる存在。
10人に1人いるかないかの貴重な女性。
小柄で黒い色はこの世界では、凄くモテるそうだ。
それに対して、銀色の髪に水色の目、王子様カラーなのにこの世界では忌み嫌われる色。
独特な美醜。
やたらとモテるモブ顔の私、それに気づかない私とイケメンなのに忌み嫌われている、不器用な公爵様との恋物語。
じれったい恋物語。
登場人物、割と少なめ(作者比)
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした
鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、
幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。
アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。
すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。
☆他投稿サイトにも掲載しています。
☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
抱かれたい騎士No.1と抱かれたく無い騎士No.1に溺愛されてます。どうすればいいでしょうか!?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ヴァンクリーフ騎士団には見目麗しい抱かれたい男No.1と、絶対零度の鋭い視線を持つ抱かれたく無い男No.1いる。
そんな騎士団の寮の厨房で働くジュリアは何故かその2人のお世話係に任命されてしまう。どうして!?
貧乏男爵令嬢ですが、家の借金返済の為に、頑張って働きますっ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる