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サッカーボール
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歌舞伎町の路地裏から大柄の男が出て行くのを、佐竹が見送ってから三十分後のこと。
ピタリと息の合わせた忍び足で例の路地裏に近づいてくる二つの影があった。
名は五角と六角。彼らもまた、佐竹が信頼を置く部下達である。
「なぁ六角。お前は星座に例えると牡牛座だな。つれない野郎だぜ、全く」
「星座に例えるのはやめてくれ、分かりづらい」
「はぁ?そろそろ覚えてもいいんじゃねーの?"安定した感性と富"があるって褒めてやってんだぜ??」
「そういえばそうだったかもな。まあ端的に言って無駄知識だ」
「知識知識うるせえなぁ。もしかして乙女座・・・だったりぃ、、するのか??」
「お、俺は乙女座だ!!なんか悪いか!?」
「ヒャヒャヒャヒャ。顔から火が出てやがる」
「あぁもういい加減にしてくれ」
「あ~悪りぃ悪りぃ」
「いいか五角。今回はボスから直接任務を受けるんだ。心して望めよ」
耳をいじりながら間の抜けた声で五角は返事をする。
「あいぃ」
そして、ボロボロの扉をこじ開けると中には彼らのボスである佐竹という男がいた。その男はワイングラスを揺らしながら、例によってもみあげを耳にくぐらせ彼らが来るのを待っていた。
「遅いな。貴様ら」
ご機嫌をとろうとしたのか五角があざとく言う。
「ご到着遅れましたこと誠に改悛の情でいっぱいであります、ボ、ス、サ~マ」
語りかけるような舐めた口調を取っても、冷静頓着な佐竹は表情一つ変えずに応じる。
「あ~はっはっはっ。ボス様か、奇妙な響きだ。だが、悪い気はしないな。」
「す、すいません、ボス。五角めが無礼を」
「おい六角、なんも無礼なんかしちゃいねぇよ」
「話を戻そう。ここに呼んだのはお前たちの腕を見込んでのことだ。早撃ちの銃使いである五角に毒針使いの六角。君たちのコンビが失敗するとは思えないからね」
古屋の一隅に緊張の空気が走った後で、五角が口を開いた。
「そりゃどうも。で、今回の闘技は?」
この男は、任務を闘技と捉えることがしばしばあった。何故なら、彼は競争心というものが人一倍強く、しかも疑り深いのだ。それ故に同業者を徹底的に潰してきた。
「任務内容はこうだ。かの有名な紗羅科グループのトップである理沙が何者かに暗殺された。伴って彼らは娘である真央にグループの未来を託した。だが、真央は東京住みでありグループ本社の置く大阪まで連れ戻さねばならない。そこを狙うんだ。
「狙うとは、紗羅科真央の暗殺ですか?」
しばらく黙っていた六角が口を開く。
「ああ。決行は2月22日。真央が東京にいる最後の日だ。その日、水道橋にある遊園地に、彼女とその友人がいる。これだけあれば十分だろ」
「はい、承知しました」
そしてそれから1時間後。五角と六角はあることに気づく。
「おい、その真央ってやつの年齢聞いたか?
」
「・・・いや、聞いてないな」
「まずくねぇか?遊園地に友人と来くる奴が何人いると思ってんだよ。これじゃあ全く的が絞れねぇじゃねえか。また戻って聞くわけにもいかねぇしよ~」
「それを何とかするのが俺達の役目だ」
「はぁ、ナントカって六角お前は・・・」
彼らの姿もまた、闇夜に消えていった。
ピタリと息の合わせた忍び足で例の路地裏に近づいてくる二つの影があった。
名は五角と六角。彼らもまた、佐竹が信頼を置く部下達である。
「なぁ六角。お前は星座に例えると牡牛座だな。つれない野郎だぜ、全く」
「星座に例えるのはやめてくれ、分かりづらい」
「はぁ?そろそろ覚えてもいいんじゃねーの?"安定した感性と富"があるって褒めてやってんだぜ??」
「そういえばそうだったかもな。まあ端的に言って無駄知識だ」
「知識知識うるせえなぁ。もしかして乙女座・・・だったりぃ、、するのか??」
「お、俺は乙女座だ!!なんか悪いか!?」
「ヒャヒャヒャヒャ。顔から火が出てやがる」
「あぁもういい加減にしてくれ」
「あ~悪りぃ悪りぃ」
「いいか五角。今回はボスから直接任務を受けるんだ。心して望めよ」
耳をいじりながら間の抜けた声で五角は返事をする。
「あいぃ」
そして、ボロボロの扉をこじ開けると中には彼らのボスである佐竹という男がいた。その男はワイングラスを揺らしながら、例によってもみあげを耳にくぐらせ彼らが来るのを待っていた。
「遅いな。貴様ら」
ご機嫌をとろうとしたのか五角があざとく言う。
「ご到着遅れましたこと誠に改悛の情でいっぱいであります、ボ、ス、サ~マ」
語りかけるような舐めた口調を取っても、冷静頓着な佐竹は表情一つ変えずに応じる。
「あ~はっはっはっ。ボス様か、奇妙な響きだ。だが、悪い気はしないな。」
「す、すいません、ボス。五角めが無礼を」
「おい六角、なんも無礼なんかしちゃいねぇよ」
「話を戻そう。ここに呼んだのはお前たちの腕を見込んでのことだ。早撃ちの銃使いである五角に毒針使いの六角。君たちのコンビが失敗するとは思えないからね」
古屋の一隅に緊張の空気が走った後で、五角が口を開いた。
「そりゃどうも。で、今回の闘技は?」
この男は、任務を闘技と捉えることがしばしばあった。何故なら、彼は競争心というものが人一倍強く、しかも疑り深いのだ。それ故に同業者を徹底的に潰してきた。
「任務内容はこうだ。かの有名な紗羅科グループのトップである理沙が何者かに暗殺された。伴って彼らは娘である真央にグループの未来を託した。だが、真央は東京住みでありグループ本社の置く大阪まで連れ戻さねばならない。そこを狙うんだ。
「狙うとは、紗羅科真央の暗殺ですか?」
しばらく黙っていた六角が口を開く。
「ああ。決行は2月22日。真央が東京にいる最後の日だ。その日、水道橋にある遊園地に、彼女とその友人がいる。これだけあれば十分だろ」
「はい、承知しました」
そしてそれから1時間後。五角と六角はあることに気づく。
「おい、その真央ってやつの年齢聞いたか?
」
「・・・いや、聞いてないな」
「まずくねぇか?遊園地に友人と来くる奴が何人いると思ってんだよ。これじゃあ全く的が絞れねぇじゃねえか。また戻って聞くわけにもいかねぇしよ~」
「それを何とかするのが俺達の役目だ」
「はぁ、ナントカって六角お前は・・・」
彼らの姿もまた、闇夜に消えていった。
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